FormBook:潜む脅威、その手口と対策

FormBook:潜む脅威、その手口と対策

セキュリティを高めたい

先生、「FormBook」って、どんなものなんですか?

情報セキュリティ専門家

「FormBook」は、人の情報を盗み出す悪いプログラムだよ。特に、コロナウイルスが流行り始めた頃に、それを利用した偽のメールにこっそり隠されて広まったんだ。

セキュリティを高めたい

悪いプログラムって、パソコンに入れるとどうなるんですか?

情報セキュリティ専門家

「FormBook」が入ったパソコンは、知らないうちに情報を盗まれちゃうんだ。例えば、インターネットで買い物をするときに使うパスワードや、大切な書類の内容とかが盗まれちゃうこともあるんだよ。

FormBookとは。

「フォームブック」という言葉を、情報を守るための世界で使われている言葉として説明します。「フォームブック」は、悪い人が作った、コンピューターにこっそり入り込むための悪いプログラムです。2016年に初めて見つかり、コロナウイルスが流行した時に、さらに広まりました。最近は、コロナウイルスに関する、だまして個人情報などを盗み取ろうとするメールにつけられて、皆さんのコンピューターに侵入しようとします。そして、侵入に成功すると、皆さんの大切な情報やパスワードを盗み見する「インフォスティーラー」という役割を果たします。「フォームブック」は、「ダークウェブ」と呼ばれる、インターネットの闇市場で、誰でも買えるように売られています。さらに、「トリックゲート」という、セキュリティソフトにバレないようにする技術を使って、世界中に広まりました。

巧妙化する脅威:FormBookとは

巧妙化する脅威:FormBookとは

– 巧妙化する脅威FormBookとはFormBookは、2016年に初めてその存在が確認されてから、サイバー犯罪の世界において、その名を轟かせるようになっている悪意のあるソフトウェアです。特に、世界中が新型コロナウイルス感染症の流行に翻弄されていた時期には、その混乱に乗じて、感染を拡大しようと活発に活動していました。
FormBookは、感染したコンピュータの中に保存されている重要な情報を盗み出すことを目的として作られており、その感染経路はますます巧妙化しています。

FormBookは、一見すると普通のメールのように見える電子メールに添付ファイルとして潜んでいることが多くあります。その添付ファイルを開いてしまうと、FormBookがコンピュータに侵入し、重要な情報を盗み出したり、コンピュータを乗っ取ったりするなどの悪事を働きます。
FormBookの恐ろしい点は、その姿を容易に変えることができるという点にあります。そのため、セキュリティ対策ソフトでも、FormBookの変化を見破ることができず、感染を防ぐことが難しい場合があります。

FormBookから身を守るためには、不審なメールに添付されているファイルは、安易に開かないことが重要です。また、セキュリティ対策ソフトを常に最新の状態に保ち、コンピュータのセキュリティ対策を万全にすることも大切です。

脅威 概要 感染経路 特徴 対策
FormBook 2016年に確認されたマルウェア。
情報窃取を目的とする。
メールの添付ファイル ・見た目を変えることでセキュリティソフトからの検知を回避
・新型コロナウイルス感染症の流行に乗じて活発化
・不審なメールの添付ファイルを開かない
・セキュリティソフトを最新の状態に保つ

主な感染経路:偽装メールにご用心

主な感染経路:偽装メールにご用心

昨今、FormBookと呼ばれるコンピュータウイルスによる被害が拡大しています。FormBookは、利用者をだまして、ウイルス感染をさせることを目的としたメールを介して、コンピュータに侵入します。

この悪質なメールは、一見すると、信頼できる組織や人物からのメールのように見えます。例えば、最近では、多くの人が関心を持つ新型コロナウイルスに関する情報だと偽って、メールを開かせようとします。

このようなメールには、FormBookが仕込まれた、不正なファイルやインターネット上の特定の場所へ誘導するリンクが含まれています。利用者がメールに記載された指示に従って、うっかりファイルを開いたり、リンクをクリックしたりすると、FormBookがこっそりとコンピュータにダウンロードされ、感染してしまいます。

FormBookは、感染したコンピュータに保存されている重要な情報や、インターネット上でやり取りされる情報を盗み出すために利用されます。そのため、不審なメールは開かずに削除する、メールに記載されたファイルやリンクは安易に開かないなど、FormBookの被害に遭わないように注意することが重要です。

脅威 感染経路 目的 対策
FormBook
(コンピュータウイルス)
  • 利用者をだますことを目的としたメール
  • メールに含まれる不正なファイルやリンク
  • 重要な情報の窃取
  • 不審なメールを開かない
  • メールに記載されたファイルやリンクを安易に開かない

情報搾取:その実態

情報搾取:その実態

– 情報搾取その実態

情報搾取は、巧妙化し続けるネット犯罪において、最も深刻な脅威の一つです。その中でも「FormBook」は、感染したコンピュータに侵入し、機密情報を盗み出す悪質なマルウェアとして知られています。

FormBookは、まるで情報を盗むために作られた道具のように、パスワード、クレジットカード情報、オンラインバンキングの認証情報など、個人にとって非常に重要な情報を次々と盗み出します。しかも、その手口は非常に巧妙です。

FormBookは、「キーロガー」と呼ばれる機能を持っています。これは、キーボードに入力された情報を全て記録する機能です。つまり、利用者が普段通りにインターネットバンキングにログインするだけで、IDやパスワードがFormBookによって記録され、犯罪者の手に渡ってしまうのです。

さらに恐ろしいことに、FormBookはその活動自体を隠蔽する機能も持ち合わせています。そのため、利用者は自分のコンピュータがFormBookに感染していることに気づかないまま、重要な情報を盗まれ続ける可能性もあるのです。

このように、FormBookによる情報搾取は、私たちにとって非常に大きな脅威となっています。この脅威から身を守るためには、セキュリティソフトの導入やOS・ソフトウェアの最新状態の維持など、基本的なセキュリティ対策を徹底することが何よりも重要です。

脅威 概要 手口 対策
情報搾取マルウェア FormBook 感染したコンピュータから機密情報を盗み出す。 – キーロガー機能により、キーボード入力を記録
– 活動を隠蔽し、発覚を遅らせる
– セキュリティソフトの導入
– OS・ソフトウェアの最新状態維持
– 基本的なセキュリティ対策の徹底

闇市場での拡散:MaaSとしてのFormBook

闇市場での拡散:MaaSとしてのFormBook

FormBookは、インターネットの闇市場で「サービスとしての不正プログラム」(MaaS)として売りに出されているため、その危険性はさらに深刻化しています。MaaSとは、本来であれば高度な技術や知識が必要となる不正プログラムの開発や運用を、誰でも手軽に利用できるようにしたサービスです。まるでお店で商品を購入するように、犯罪者はFormBookをレンタルして攻撃活動を行うことができます。
FormBookをMaaSとして提供する闇サイトでは、利用料金の支払い方法や攻撃のサポート体制も整っており、技術的なハードルを極限まで下げています。このため、これまでサイバー攻撃とは無縁だったような、高度な知識や技術を持たない犯罪者でも容易にFormBookを入手し、悪用することが可能になっています。
その結果、世界中でFormBookによる被害が拡大しており、企業や組織、そして個人がその脅威にさらされています。セキュリティ対策ソフトの導入や、怪しいメールやウェブサイトを開かないなど、基本的な対策を徹底することが重要です。

項目 内容
FormBookの脅威 – インターネットの闇市場で「サービスとしての不正プログラム」(MaaS)として販売されている
– 高度な技術や知識がなくても、誰でも手軽に不正プログラムを利用できる
– 利用料金の支払い方法や攻撃のサポート体制も整っているため、技術的なハードルが低い
– 高度な知識や技術を持たない犯罪者でも容易に入手・悪用が可能
– 世界中で被害が拡大しており、企業、組織、個人が脅威にさらされている
対策 – セキュリティ対策ソフトの導入
– 怪しいメールやウェブサイトを開かないなど、基本的な対策の徹底

検知回避:TrickGateの利用

検知回避:TrickGateの利用

情報窃取を狙う悪意のあるプログラムであるFormBookは、その危険性を増すために、巧妙な技術を使って検知を免れようとしています。その技術の中心にあるのが、「TrickGate」と呼ばれる隠蔽工作の道具です。

TrickGateは、FormBookの姿をセキュリティ対策ソフトに見えにくくする覆いの役割を果たします。これは、泥棒が服装を変えたり、顔を隠したりして、周りの人に気づかれないようにするのと似ています。

TrickGateは、FormBookを圧縮したり、コードを複雑に書き換えたりすることで、セキュリティ対策ソフトがFormBook本来の姿を認識することを困難にします。まるで、熟練の職人が、貴重な宝石を複雑な彫刻で覆い隠すように、TrickGateはFormBookをセキュリティ対策ソフトの目から守ります。

このTrickGateの使用により、FormBookはセキュリティ対策の網の目をくぐり抜け、より多くのコンピュータに侵入し、機密情報にアクセスする可能性を高めています。これは、防御をすり抜けるための新しい方法を常に模索しているサイバー犯罪者の巧妙さを示す一例です。

項目 内容
悪意のあるプログラム FormBook
FormBookの特徴 情報窃取

検知回避技術「TrickGate」を使用
TrickGateの役割 FormBookをセキュリティ対策ソフトに見えにくくする
TrickGateの機能 FormBookの圧縮

FormBookのコードの難読化
TrickGateによる影響 FormBookの検知回避率向上

FormBookによる被害拡大の可能性

効果的な対策:多層防御の重要性

効果的な対策:多層防御の重要性

巧妙化する脅威から大切な情報を守るには、多層防御という考え方が重要です。これは、まるで城を守るように、幾重にも防御策を講じることで、万が一、一層目が突破されても、二層目、三層目で食い止める、という考え方です。

まず、基本となるのは、常に最新のセキュリティソフトを導入し、怪しいメールの添付ファイルを開いたり、心当たりのないリンクをクリックしたりしないことです。セキュリティソフトは、常に最新の脅威情報に基づいて更新されているため、古いままでは効果が半減してしまいます。

さらに、ファイアウォール侵入検知システムを導入すれば、より強固な防御体制を築くことができます。ファイアウォールは、外部からの不正アクセスを遮断する役割を担い、侵入検知システムは、ネットワーク上の怪しい動きを検知し、管理者に知らせます。

そして、ソフトウェアのアップデートも欠かせません。ソフトウェアには、常に新たな弱点が見つかる可能性があり、開発元が修正プログラムを提供しています。こまめにアップデートすることで、弱点を突かれてしまうリスクを減らすことができます。

セキュリティ対策 説明
セキュリティソフト 最新の脅威情報に基づいて更新されるため、常に最新の状態を保つことが重要です。
ファイアウォール 外部からの不正アクセスを遮断します。
侵入検知システム ネットワーク上の怪しい動きを検知し、管理者に知らせます。
ソフトウェアのアップデート ソフトウェアの脆弱性を修正するためのプログラムを適用します。