巧妙化する不正アクセス:パスワードスプレー攻撃とは
セキュリティを高めたい
先生、「パスワードスプレー攻撃」って、どんな攻撃ですか?
情報セキュリティ専門家
良い質問だね。「パスワードスプレー攻撃」は、たくさんの人に使い回しが多い、よくあるパスワードを、次々と試していく攻撃だよ。例えば、「password」や「1234」のような、誰でも思いつきやすいパスワードを、複数のアカウントに順番に試していくんだ。
セキュリティを高めたい
なるほど。でも、それだと、たくさんの人に試すから、怪しいってバレませんか?
情報セキュリティ専門家
鋭いね! 実は、「パスワードスプレー攻撃」は、たくさんの人に少しずつ試していくことで、一つのアカウントに何度もパスワードを入力するのと比べて、見つかりにくくするんだ。だから、攻撃だと気づかれにくい点が問題なんだよ。
パスワードスプレー攻撃とは。
「パスワードスプレー攻撃」っていうのは、よく使われているパスワードを次々と試して、システムに不正に入ろうとする攻撃のことだよ。たくさんの人を狙って、同じパスワードを順番に試していくんだ。もし、ある人のところでそのパスワードが使えなくても、すぐに違う人に試すから、怪しい動きだと気づかれにくいんだ。だから、一人を狙って何度もパスワードを間違えて、アカウントがロックされちゃうっていうことも避けられるんだ。
パスワードスプレー攻撃の仕組み
皆さんがインターネット上で安全に過ごせるよう、今回は「パスワードスプレー攻撃」という巧妙な攻撃の仕組みについて詳しく説明します。
パスワードスプレー攻撃は、従来の攻撃のように、ひとつのアカウントに対して何度もパスワードを試し続けるのではなく、多数のアカウントをターゲットにする点が特徴です。
攻撃の手口としては、まず、攻撃者は標的となる組織の従業員などのアカウント情報を複数入手しようとします。そして、「123456」や「password」といった、多くの人が使いそうな、推測しやすい簡単なパスワードをリストアップしておき、入手したアカウント情報に、次々とこれらのパスワードを試していきます。
もし、ひとつのアカウントに何度もパスワードを入力しようとすると、セキュリティ対策としてアカウントが一時的にロックされてしまうことがあります。しかし、パスワードスプレー攻撃の場合、ひとつのアカウントに試みる回数は少なく、さらに複数のアカウントに分散して攻撃を行うため、アカウントロックといった防御策をすり抜けてしまう可能性が高くなるのです。
この攻撃から身を守るためには、推測されやすい単純なパスワードの使用を避け、複雑なパスワードを設定することが重要です。また、パスワードを使い回さず、異なるサービスやサイトごとに異なるパスワードを設定することも効果的です。
攻撃手法 | 特徴 | 対策 |
---|---|---|
パスワードスプレー攻撃 | – 多数のアカウントをターゲットにする – 推測しやすい簡単なパスワードを、複数のアカウントに試していく |
– 推測されやすい単純なパスワードの使用を避ける – 複雑なパスワードを設定する – パスワードを使い回さない – 異なるサービスやサイトごとに異なるパスワードを設定する |
標的とされる組織
近年、不正アクセスを試みるサイバー攻撃が増加しており、その手口も巧妙化しています。中でもパスワードスプレー攻撃は、多くの組織にとって脅威となっています。
パスワードスプレー攻撃は、特定の業界や組織規模に関係なく、あらゆる組織を標的にする可能性があります。従業員数が多い大企業は、攻撃者が侵入を試みるためのアカウントを多く抱えているため、格好の標的になりえます。また、政府機関や金融機関のように機密性の高い情報を扱う組織も、攻撃者にとって魅力的な標的です。
しかし、中小企業だからといって安全というわけではありません。セキュリティ対策が脆弱な中小企業は、攻撃者にとって侵入しやすいと見なされ、標的となるケースが増えています。
近年では、攻撃者は組織の規模に関わらず、セキュリティの弱い部分を狙って攻撃を仕掛けてきます。そのため、あらゆる組織は、自組織が標的となりうることを認識し、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。
攻撃対象 | 特徴 |
---|---|
大企業 | – 従業員数が多く、攻撃者が侵入を試みるためのアカウントが多い – 標的となる可能性が高い |
政府機関・金融機関 | – 機密性の高い情報を扱うため、攻撃者にとって魅力的な標的 |
中小企業 | – セキュリティ対策が脆弱な場合、攻撃者にとって侵入しやすい – 標的となるケースが増加 |
パスワードスプレー攻撃から身を守るには
近年、巧妙化するサイバー攻撃の中でも、「パスワードスプレー攻撃」と呼ばれる手法が増加しています。これは、攻撃者がよく使われるパスワードを多数のアカウントに試すことで、セキュリティの弱いアカウントを突破しようとする攻撃です。この攻撃から組織を守るためには、多層的なセキュリティ対策を講じることが重要となります。
まず、パスワード設定のルールを強化しましょう。従業員には、推測されにくい、最低でも8文字以上の複雑なパスワードを設定するように指導する必要があります。同じパスワードを複数のシステムで使い回すことは大変危険なので、厳禁であることを周知徹底しましょう。パスワードを管理するための専用のソフトの導入も有効な手段です。
さらに、「多要素認証」の導入を強く推奨します。多要素認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに送信される認証コードや指紋認証など、異なる方法による認証を組み合わせることで、セキュリティを強化する仕組みです。仮にパスワードが漏洩したとしても、追加の認証が突破されなければ、アカウントへのアクセスを阻止できます。
これらの対策に加えて、従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高めるための教育も欠かせません。パスワードスプレー攻撃のような、巧妙化するサイバー攻撃の手口を具体的に説明し、日頃からセキュリティ対策を意識することの重要性を理解してもらいましょう。組織全体でセキュリティレベルを高めることで、安全なシステムを構築していくことができます。
対策 | 詳細 |
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パスワード設定のルール強化 |
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多要素認証の導入 |
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セキュリティ意識向上のための教育 |
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