フラグル攻撃:DDoS攻撃の一種とその脅威

フラグル攻撃:DDoS攻撃の一種とその脅威

セキュリティを高めたい

先生、「フラグル攻撃」ってなんですか? DDoS攻撃の一種らしいんですけど、よく分かりません。

情報セキュリティ専門家

そうだね。「フラグル攻撃」は「smurf攻撃」と似た、DDoS攻撃の一種だよ。どちらも、大量のデータを送りつけて、攻撃対象をパンクさせる攻撃だね。

セキュリティを高めたい

「smurf攻撃」と似ているということは、違うところもあるんですか?

情報セキュリティ専門家

そうだよ。「smurf攻撃」は「ICMPエコーリクエスト」という種類のデータを使うけど、「フラグル攻撃」は「UDPパケット」という種類のデータを使うんだ。どちらも、データの種類が違うだけで、大量のデータを送りつけるという点では同じなんだよ。

フラグル攻撃とは。

「フラグル攻撃」っていう言葉は、情報セキュリティの分野で使われるんだけど、これは「スマーフ攻撃」っていうDDoS攻撃の一種なんだ。攻撃者は、誰かを装って、大量の「UDPパケット」ってやつを、広大なネットワークに向けて送りつける。このパケットを受け取ったネットワーク上のコンピューターは、一斉に大量の情報を送り返してくる。すると、狙われたコンピューターは処理しきれなくなって、動かなくなっちゃうんだ。ちなみに、スマーフ攻撃の場合は、「UDPパケット」の代わりに「ICMPエコーリクエスト」ってやつを増幅させて、DDoS攻撃を仕掛けるんだ。

フラグル攻撃とは

フラグル攻撃とは

– フラグル攻撃とはフラグル攻撃は、ネットワークに接続された機器を標的にし、その機器を正常に動作できなくすることを目的とする攻撃です。これは、大量のデータを送りつけることでネットワークをパンク状態にし、通常のサービスを妨害する、DDoS攻撃の一種に分類されます。フラグル攻撃は、インターネットの通信で使われるIP(インターネット・プロトコル)の仕組みの隙を突く攻撃です。インターネット上では、データは小さなパケットと呼ばれる単位に分割されて送受信されます。フラグル攻撃では、送信元を偽装した大量のパケットを標的機器に向けて送りつけます。標的機器は、偽装された送信元へ応答を返そうとしますが、実際には存在しない送信元へ応答を送り続けることになり、処理が追いつかなくなってしまいます。この攻撃は、同じくDDoS攻撃の一種であるSmurf攻撃と似た点があります。どちらも、大量のパケットを使って標的のネットワークを過負荷状態にするという点では共通しています。しかし、Smurf攻撃がICMPというプロトコルを利用するのに対し、フラグル攻撃はUDPというプロトコルを利用するのが大きな違いです。フラグル攻撃は、標的となった機器だけでなく、周辺のネットワーク機器にも大きな負荷をかける可能性があります。そのため、ネットワーク全体の速度低下や、サービスの一時的な停止といった影響が出る可能性があります。近年では、セキュリティ対策の進化により、フラグル攻撃は減少傾向にありますが、依然として脅威の一つであると言えるでしょう。

項目 内容
攻撃名 フラグル攻撃
攻撃の種類 DDoS攻撃
攻撃対象 ネットワークに接続された機器
攻撃目的 機器の機能停止、サービスの妨害
攻撃手法 送信元を偽装した大量のパケットを標的機器に送信し、応答処理を過負荷にする
使用プロトコル UDP
類似攻撃 Smurf攻撃(ICMPプロトコルを使用)
影響 ネットワーク全体の速度低下、サービスの一時的な停止
現状 セキュリティ対策の進化により減少傾向だが、依然として脅威

Smurf攻撃との違い

Smurf攻撃との違い

– フラグル攻撃とSmurf攻撃の違いフラグル攻撃とSmurf攻撃は、どちらも攻撃対象になりすました大量のデータを送りつけることで、ネットワークを麻痺させる攻撃です。どちらも、送信元アドレスを偽装することで、攻撃の発信元を隠蔽し、追跡を困難にするという共通点があります。しかし、使用する通信プロトコルに大きな違いがあります。Smurf攻撃は、ネットワーク機器の管理などに用いられるICMPというプロトコルの中で、「ping」を実行した際に返ってくる応答を利用します。攻撃者は、送信元アドレスを攻撃対象のアドレスに偽装したICMPエコーリクエスト(ping)を、ネットワーク上に接続されている多数の機器に対して送信します。このリクエストを受け取った機器は、攻撃対象のアドレスに向けてICMPエコー応答を返送します。結果として、攻撃対象には大量の応答パケットが集中し、ネットワークが飽和状態に陥ります。一方、フラグル攻撃は、音声や動画のストリーミング配信などで広く利用されているUDPというプロトコルを使用します。Smurf攻撃と同様に、攻撃者は送信元アドレスを攻撃対象のアドレスに偽装したUDPパケットを、ネットワーク上に接続されている多数の機器に送信します。UDPは、TCPとは異なり、データの到達確認を行わないため、受信した機器は応答を返しません。しかし、フラグル攻撃では、送信するUDPパケットの宛先ポートを、DNSサーバーが使用するポート番号に設定します。これにより、受信した機器は、攻撃対象のアドレスに向けてDNSクエリを発行します。結果として、Smurf攻撃と同様に、攻撃対象には大量のDNSクエリが集中し、ネットワークが麻痺状態に陥ります。このように、フラグル攻撃とSmurf攻撃は、使用するプロトコルや攻撃方法に違いがあります。しかし、どちらもネットワークに接続されている多数の機器を悪用して、攻撃対象に大量のトラフィックを送りつけることで、サービスを妨害するという目的は共通しています。

項目 Smurf攻撃 Fraggle攻撃
プロトコル ICMP UDP
攻撃方法 偽装したICMPエコーリクエスト(ping)を多数の機器に送信し、攻撃対象にICMPエコー応答を集中させる 偽装したUDPパケットを多数の機器に送信し、攻撃対象にDNSクエリを集中させる
悪用する要素 ICMPエコー応答 DNSクエリ

攻撃の手順

攻撃の手順

フラグル攻撃は、標的とするコンピュータをネットワークから遮断する攻撃手法です。この攻撃は、複数の段階を経て実行されます。

まず、攻撃者は標的のコンピュータのIPアドレスを特定します。このIPアドレスは、インターネット上の住所のようなもので、特定のコンピュータを一意に識別します。さらに、攻撃者は攻撃に利用するネットワークのブロードキャストアドレスも特定します。これは、ネットワーク上のすべての機器に同時にデータを送信するための特別なアドレスです。

次に、攻撃者は、送信元のIPアドレスを標的のコンピュータのアドレスに偽装したUDPエコーパケットと呼ばれる小さなデータグラムを大量に作成します。UDPエコーパケットは、ネットワーク機器が正常に動作していることを確認するために使用されるもので、通常は応答を返す仕組みになっています。攻撃者はこの仕組みを悪用し、偽装したパケットをネットワークのブロードキャストアドレスに送信します

この偽装されたパケットを受信したネットワーク上のコンピュータは、送信元が標的のコンピュータであると誤認し、応答パケットを標的のコンピュータに返送します。結果として、標的のコンピュータには大量の応答パケットが集中し、ネットワークが過負荷状態となってしまいます。これが、フラグル攻撃によって引き起こされるサービス拒否状態です。

このように、フラグル攻撃は、ネットワークの仕組みを悪用し、標的のコンピュータに大量のトラフィックを送りつけることで、サービスを妨害する攻撃です。

段階 内容 目的
1. 標的とネットワーク特定 標的コンピュータのIPアドレスと、攻撃に利用するネットワークのブロードキャストアドレスを特定する。 攻撃対象を明確にする。
2. 偽装パケット作成 送信元のIPアドレスを標的のコンピュータのアドレスに偽装したUDPエコーパケットを大量に作成する。 ネットワーク上の機器を騙すための偽のデータを作成する。
3. ブロードキャスト送信 偽装したパケットをネットワークのブロードキャストアドレスに送信する。 ネットワーク上のすべての機器に偽の情報を拡散する。
4. サービス拒否状態発生 ネットワーク上のコンピュータは、偽のパケットの送信元を標的のコンピュータだと誤認し、標的に大量の応答パケットを返送する。その結果、標的のコンピュータは大量のトラフィックを受け、サービス拒否状態に陥る。 標的のコンピュータをネットワークから遮断する。

フラグル攻撃の脅威

フラグル攻撃の脅威

近年、インターネット上の脅威はますます巧妙化しており、企業にとって無視できない問題となっています。中でも「フラグル攻撃」と呼ばれるものは、ウェブサイトやネットワークサービスを停止させるなど、標的となった組織に甚大な被害をもたらす可能性があります。

フラグル攻撃は、大量のデータを標的サーバーに送りつけることで、処理能力の限界を超えさせて機能を麻痺させる攻撃です。これは、まるで大量の荷物で店を埋め尽くし、本来の営業を妨害するようなものです。このような攻撃を受けると、ウェブサイトの閲覧やサービスの利用ができなくなり、顧客に不便を強いることになります。

その結果、企業は売上減少や顧客離れといった深刻な影響を受ける可能性があります。加えて、攻撃からの復旧作業にも多大な時間と費用がかかり、企業の負担はさらに増大します。

また、フラグル攻撃は単独で終わらず、他のより深刻な攻撃の足掛かりとして利用されることもあります。例えば、セキュリティ対策が手薄になっている間に、機密情報が盗み出される可能性も考えられます。このように、フラグル攻撃は企業にとって看過できない脅威と言えるでしょう。

脅威 概要 影響
フラグル攻撃 大量のデータを標的サーバーに送りつけ、処理能力の限界を超えさせて機能を麻痺させる攻撃 – ウェブサイトやネットワークサービスの停止
– 売上減少
– 顧客離れ
– 復旧作業の時間と費用の発生
– 機密情報漏洩のリスク増加

対策

対策

– 対策
悪意のあるデータを送信してシステムを混乱させる攻撃からシステムを守るためには、多層的な対策を講じることが重要になります。

まず、組織のネットワークと外部の境界を守るために、ファイアウォールを適切に設定する必要があります。ファイアウォールは、インターネットと組織内のネットワーク間のトラフィックを監視し、設定したルールに合致しない通信を遮断する機能を持ちます。この設定においては、送信元が偽装された不正なパケットを遮断するように設定することが有効です。

さらに、ネットワークの内部では、ルーターの設定を見直し、外部からの不正なリクエストを遮断する必要があります。具体的には、ルーターが、ネットワーク全体に一斉に送信されるブロードキャストアドレスへの応答を、外部に転送しないように設定することが重要です。

加えて、侵入検知システム(IDS)を導入することで、ネットワーク上の不審な活動を検知し、迅速に対応できる体制を構築することが重要になります。侵入検知システムは、ネットワークを通過するデータのパターンを分析し、攻撃の兆候を検知します。検知した場合は、管理者に警告を発するとともに、自動的に攻撃を遮断する機能も備えています。

対策 説明
ファイアウォールの設定 インターネットと組織内のネットワーク間のトラフィックを監視し、設定したルールに合致しない通信を遮断する。送信元が偽装された不正なパケットを遮断するように設定する。
ルーターの設定の見直し 外部からの不正なリクエストを遮断する。ネットワーク全体に一斉に送信されるブロードキャストアドレスへの応答を、外部に転送しないように設定する。
侵入検知システム(IDS)の導入 ネットワーク上の不審な活動を検知し、迅速に対応する。ネットワークを通過するデータのパターンを分析し、攻撃の兆候を検知する。検知した場合は、管理者に警告を発するとともに、自動的に攻撃を遮断する。