オンプレミスとは?クラウドとの違いやメリット・デメリットを解説

オンプレミスとは?クラウドとの違いやメリット・デメリットを解説

セキュリティを高めたい

先生、「オンプレ」って最近よく聞くんですけど、どういう意味ですか?

情報セキュリティ専門家

「オンプレ」は「オンプレミス」の略だね。会社で使うコンピューターやシステムを、自社の建物の中に置いて管理することだよ。

セキュリティを高めたい

会社の中に置くってことですか?家にあるパソコンみたいにってことですか?

情報セキュリティ専門家

そう、イメージとしては近いかな。ただ、会社で使うシステム全体のことだから、もっとたくさんのコンピューターやサーバー、ネットワーク機器などを置くことになるね。

オンプレとは。

「情報セキュリティの分野で使われる『オンプレ』という言葉について説明します。『オンプレ』は『オンプレミス』を短くした言葉で、会社が使うコンピューターシステムに必要な機器や設備を会社の中に置いて、システムを構築し、運用することです。最近では、インターネット上のサービスを利用する『クラウド』と比べる形で使われることが多くなっています。例えば、『会社のオンプレ環境をクラウドに移行したい』のように使います。

オンプレミスとは

オンプレミスとは

– オンプレミスとはオンプレミスとは、企業が情報システムを構築し運用する上で欠かせない、サーバーやネットワーク機器といった設備一式を自社の敷地内に設置し、自社の社員が管理・運用を行う形態を指します。これは従来からあるシステム形態であり、自社だけに用意された設備と人員で運用を行うため、情報漏洩などのセキュリティリスクが低く、システムを自由に設計・変更できるというメリットがあります。例えば、企業が顧客情報や売上情報などを扱うシステムを構築する場合を考えてみましょう。オンプレミスを採用すると、これらの重要なデータを保管するサーバーや、システムへのアクセスを制御するネットワーク機器などを、自社のオフィス内に設置することになります。そして、それらの機器の管理やシステムの運用は、自社の情報システム担当者などが行います。しかし、オンプレミスにはデメリットも存在します。サーバーやネットワーク機器などの導入費用や維持費用が大きく、専門知識を持った人材の確保も容易ではありません。そのため、近年ではインターネット経由で必要な時に必要なだけ情報システムを利用できるクラウドコンピューティングの普及に伴い、オンプレミスを選択する企業は減少傾向にあります。クラウドコンピューティングの登場によって、企業は多額の初期投資や運用コストを抑えながら、柔軟性の高い情報システムを利用することが可能になったためです。

項目 内容
定義 サーバーやネットワーク機器といった情報システムに必要な設備一式を自社の敷地内に設置し、自社の社員が管理・運用を行う形態
メリット – 情報漏洩などのセキュリティリスクが低い
– システムを自由に設計・変更できる
デメリット – サーバーやネットワーク機器などの導入費用や維持費用が大きい
– 専門知識を持った人材の確保が難しい
備考 クラウドコンピューティングの普及に伴い、オンプレミスを選択する企業は減少傾向

クラウドとの違い

クラウドとの違い

近年、多くの企業で導入が進むクラウドコンピューティング。インターネットを通じて、必要な時に必要なだけ情報技術資源を利用できるサービスとして注目されています。サーバーやネットワークといった資源を自社で持つ必要がないため、初期費用を抑え、運用管理の手間も軽減できる点が大きな利点です。
一方、従来からあるオンプレミスは、自社で設備を保有し運用する形態です。クラウドとは異なり、初期費用はかかりますが、長期的な視点で見ると、利用状況によってはクラウドよりも費用を抑えられる可能性があります。また、情報管理の面で自社で責任を持って運用できるため、セキュリティレベルを高く保てる点や、システムの自由度が高い点も魅力です。
このように、クラウドとオンプレミスはそれぞれに異なる特徴を持つため、どちらが良いか一概に断言することはできません。自社の事業内容や規模、予算、求めるセキュリティレベルなどを総合的に判断し、最適な選択をすることが重要です。

項目 クラウドコンピューティング オンプレミス
概要 インターネット経由でIT資源を利用するサービス 自社で設備を保有・運用する形態
初期費用 低い 高い
運用管理 容易 専門知識が必要
費用 利用量に依存 長期的に見れば低くなる可能性あり
セキュリティ 提供事業者に依存 自社で管理可能
システムの自由度 低い 高い

オンプレミスのメリット

オンプレミスのメリット

– オンプレミスのメリットオンプレミスとは、自社の事務所やデータセンターなどに、情報システム関連の機器を設置して運用する形態を指します。近年、その対比としてクラウドコンピューティングが注目されていますが、オンプレミスにも独自のメリットが存在します。まず、セキュリティ面では、自社で管理する環境のため、情報漏洩や不正アクセスといったリスクを低く抑えられます。特に金融機関や医療機関など、取り扱う情報によっては法令で設置場所が制限される場合もあり、オンプレミスが有効な選択肢となります。次に、システムの柔軟性という点では、自社のニーズに合わせて自由に設計・構築できることが挙げられます。パッケージソフトウェアでは対応できない特殊な業務プロセスにも、カスタマイズによって柔軟に対応できます。また、既存システムとの連携もしやすく、段階的な導入を進めやすい点も魅力です。さらに、運用コストにおいては、初期費用はかかりますが、長期的な運用を考慮するとクラウドよりも安価になる場合があります。特に、アクセスが集中するシステムや、長期間利用するシステムでは、クラウドの従量課金制よりも費用を抑えられる可能性があります。加えて、自社でシステム全体を管理できるため、障害発生時の原因究明や復旧対応を迅速に行えます。外部のサービスに依存しないため、障害発生時の対応に時間がかかってしまうというリスクを回避できます。このように、オンプレミスはセキュリティ、柔軟性、コスト、障害対応などの面で独自のメリットがあり、状況によってはクラウドよりも適した選択肢となります。

項目 メリット
セキュリティ – 情報漏洩や不正アクセスのリスクが低い
– 法令で設置場所が制限される場合にも対応可能
柔軟性 – 自社ニーズに合わせた設計・構築が可能
– 特殊な業務プロセスにもカスタマイズで対応可能
– 既存システムとの連携が容易
– 段階的な導入が可能
運用コスト – 長期運用ではクラウドより安価になる場合がある
– アクセス集中型や長期利用システムで費用を抑えられる可能性
障害対応 – 自社管理のため原因究明と復旧対応が迅速
– 外部サービス依存による遅延リスク回避

オンプレミスのデメリット

オンプレミスのデメリット

– オンプレミスのデメリットオンプレミスとは、自社のオフィスなどに必要なサーバーやネットワーク機器などの情報システムを構築し、運用することです。一見すると、自社で全てを管理できるため、セキュリティや自由度の面で優れているように思えます。しかし、実際には多くのデメリットが存在します。オンプレミスを導入する上で、最も大きな障壁となるのが初期費用の高さです。情報システムを稼働させるためには、高性能なサーバーやネットワーク機器などを購入しなければなりません。さらに、これらの機器を設置するためのスペースの確保も必要となります。加えて、システムの構築や運用、保守などを担当する人材がいなければ、円滑な運用はできません。専門知識を持った人材を雇用するためには、多額の人件費が発生します。初期費用に加えて、運用開始後も継続的な投資が必要となります。情報システムは、時間の経過とともに老朽化していくため、定期的なメンテナンスや更新が欠かせません。また、技術の進歩は目覚ましく、常に最新の技術に対応していくためには、システムの改修なども必要となります。さらに、地震や停電などの災害や、機器の故障、サイバー攻撃などのリスク対策も自社で行わなければなりません。セキュリティ対策ソフトの導入や、専門の担当者を配置するなど、多大なコストと労力がかかります。このように、オンプレミスには、費用面や運用管理の負担など、多くのデメリットが存在します。そのため、近年では、これらのデメリットを解消できるクラウドサービスの利用が急速に拡大しています。

項目 内容
初期費用 高性能なサーバーやネットワーク機器などの購入費用、設置スペースの確保、人材の確保など、多額の費用がかかる。
運用コスト システムの老朽化に伴うメンテナンスや更新、技術の進歩への対応、セキュリティ対策ソフトの導入、専門担当者の配置など、継続的な投資が必要。
リスク対策 地震や停電などの災害、機器の故障、サイバー攻撃など、あらゆるリスクに対して自社で対策する必要がある。

オンプレミスが向いているケース

オンプレミスが向いているケース

企業が情報システムを構築する際、従来からある自社でサーバーやネットワーク機器などの情報システム資源を持つ方法と、クラウドサービスのようにインターネット経由でサービスを利用する方法の二つがあります。
自社で情報システム資源を持つ方法をオンプレミスと呼びます。オンプレミスは特に、高いレベルの機密性が求められる情報やシステムを、自社の責任と管理の下で運用したいと考える企業に適しています。
例えば、銀行や証券会社などの金融機関や、病院などの医療機関では、顧客の個人情報や診療情報など、非常に重要な情報を扱います。そのため、これらの業界では、セキュリティを自社で完全に掌握できるオンプレミスが依然として多く採用されています。
また、企業によっては、特定の業務内容に特化したシステムを独自に開発している場合があります。このような場合、クラウドサービスでは対応できないような、細かな設定やカスタマイズが必要となるため、オンプレミスが選択されることがあります。
さらに、現在すでにオンプレミスでシステムを運用している企業が、段階的にクラウドへの移行を進める場合にも、オンプレミスは有効な選択肢となります。既存のシステムを一部残しつつ、新たなシステムをクラウド上に構築することで、移行に伴うリスクやコストを抑制することができます。

情報システム構築方法 特徴 メリット 具体例
オンプレミス 自社でサーバーやネットワーク機器などの情報システム資源を持つ方法 – 高いレベルの機密性を保持できる
– 自社の責任と管理下で運用できる
– 特定の業務内容に特化したシステムを独自に開発できる
– 段階的なクラウド移行が可能
– 金融機関(銀行、証券会社など)
– 医療機関(病院など)
– 独自システムを開発・運用している企業
クラウドサービス インターネット経由で情報システムサービスを利用する方法 – サービス内容や利用料金が明確
– システムの導入・運用・保守にかかるコストを削減できる
– 最新の技術やサービスを容易に利用できる
– システムの拡張や縮小が容易
– インターネットサービス企業
– スタートアップ企業
– システム規模が変動する企業

まとめ

まとめ

これまで多くの企業で採用されてきたのがオンプレミス型のシステムです。自社でサーバーなどの機器やソフトウェアを用意し、自社の施設内に設置して運用します。この方法の最大の利点は、セキュリティやシステムの自由度が高いことです。機密情報を含むデータを社内で厳重に管理できるため、情報漏えいのリスクを低減できます。また、自社のニーズに合わせてシステムを自由にカスタマイズできるため、独自の業務プロセスにも柔軟に対応できます。
しかし、オンプレミスには、導入前に十分検討すべき課題も存在します。まず、初期費用が高額になる傾向があります。サーバーなどの機器購入費に加えて、ソフトウェアのライセンス費用や設置費用も必要となります。さらに、システムの運用や保守にも費用がかかり、専門知識を持った担当者を配置しなければならないケースもあります。近年は、このようなオンプレミスのメリットとデメリットを踏まえ、クラウドコンピューティングの活用も進んでいます。クラウドは、初期費用を抑え、運用負荷を軽減できる一方、セキュリティやカスタマイズの自由度が低いといった側面もあります。そのため、最近ではオンプレミスとクラウドのそれぞれの利点を組み合わせたハイブリッドクラウドも注目されています。
重要なのは、自社のビジネス戦略やニーズ、状況に合わせて、最適なシステム形態を選択することです。

システム形態 メリット デメリット
オンプレミス セキュリティやシステムの自由度が高い
機密情報を含むデータを社内で厳重に管理できる
自社のニーズに合わせてシステムを自由にカスタマイズできる
初期費用が高額になる傾向がある
システムの運用や保守に費用がかかる
専門知識を持った担当者を配置する必要がある場合もある
クラウド 初期費用を抑えられる
運用負荷を軽減できる
セキュリティやカスタマイズの自由度が低い場合がある
ハイブリッドクラウド オンプレミスとクラウドの利点を組み合わせることができる