Authenticodeとソフトウェアの安全性
セキュリティを高めたい
「情報セキュリティ」で出てくる『Authenticode』って、何ですか?
情報セキュリティ専門家
簡単に言うと、ソフトウェアが本物かどうか、改ざんされていないかを保証する仕組みだよ。デジタル署名を使って、ソフトウェアの開発元を確認できるようにしているんだ。
セキュリティを高めたい
デジタル署名があると、どうして本物ってわかるんですか?
情報セキュリティ専門家
例えば、みんなが持っている印鑑と同じように、デジタル署名は、ソフトウェア開発者だけが持っている特別な電子的な印鑑のようなものなんだ。もし、誰かがソフトウェアを勝手に書き換えたら、この電子印鑑の跡が変わってしまうので、偽物だと見破ることができるんだよ。
Authenticodeとは。
「情報セキュリティでよく聞く『Authenticode(オーセンティコード)』って何かというと、マイクロソフトが作った、プログラムに印鑑を押す技術のことなんだ。この技術は、公開鍵暗号っていう難しい技術を使ってデジタルで印鑑を押すことで、プログラムが改ざんされていないかを確認して、安全性を保証するものなんだ。プログラムやデバイスドライバーにこのデジタル印鑑を押すことで、それが本物かどうかを保証できるんだ。2022年に増えた『BYOVD攻撃』っていうのは、このAuthenticodeのデジタル印鑑が悪用された例なんだ。この攻撃では、問題を抱えているプログラムや悪意のあるプログラムに対して、本来はマイクロソフトが提供する開発者プログラムが発行するはずのAuthenticodeのデジタル印鑑が付けられていたんだ。もし、攻撃者が不正な方法で悪意のあるプログラムにデジタル印鑑を付けることができてしまうと、パソコンはそのプログラムを安全なものだと判断して実行してしまう。その結果、パソコンがウイルスに感染したり、情報が盗まれたりする危険性があるんだ。」
Authenticodeとは
– Authenticodeとは
Authenticodeとは、マイクロソフト社が開発した技術で、私たちがパソコンにインストールするソフトウェアが、信頼できる発行元によって作成され、改ざんされていないことを保証するためのものです。インターネットからソフトウェアをダウンロードする場合、それが本当に開発元が作成したものなのか、あるいはダウンロード中に悪意のある第三者によって改変されていないか、不安を感じることもあるでしょう。Authenticodeは、このような問題を解決するために開発されました。
Authenticodeの中核となる技術は「デジタル署名」です。デジタル署名は、実社会における印鑑やサインのような役割を果たします。ソフトウェア開発者は、作成したソフトウェアにデジタル署名を付与することで、自分が開発元であることを証明します。また、デジタル署名は、ソフトウェアの内容が後から改ざんされていないことを保証する役割も担います。もし、悪意のある第三者によってソフトウェアが改変されると、デジタル署名が破損し、改ざんされたことがすぐに分かります。
私たちが普段利用しているソフトウェアの多くは、このAuthenticodeによって安全性が守られています。インターネットからソフトウェアをダウンロードする際には、Authenticodeのデジタル署名を確認することで、安心してソフトウェアを利用することができます。
項目 | 説明 |
---|---|
Authenticodeとは | マイクロソフト社が開発した、ソフトウェアの開発元と改ざんの有無を保証する技術 |
仕組み | 開発者がソフトウェアにデジタル署名を付与することで、開発元の証明と改ざんの有無を保証 |
効果 | インターネットからのソフトウェアダウンロード時に、安心してソフトウェアを利用できる |
デジタル署名による信頼性の確保
– デジタル署名による信頼性の確保現代社会において、ソフトウェアは私たちの生活に欠かせないものとなっています。しかし、その一方で、悪意のある者がソフトウェアを改ざんしたり、なりすまして配布したりする危険性も増加しています。このような脅威から私たちを守り、ソフトウェアの信頼性を確保するために重要な役割を果たすのが「デジタル署名」です。デジタル署名は、電子的な印鑑のようなものです。ソフトウェア開発者は、自分自身だけが持つ秘密鍵を使ってソフトウェアに署名します。この署名は、そのソフトウェアが確かにその開発者によって作成されたものであり、配布後に改ざんされていないことを証明するものです。私たちユーザーは、開発者が公開している公開鍵を使って、デジタル署名を検証することができます。この検証作業は、私たちが受け取ったソフトウェアが信頼できるものであるかを確認するための重要な手段となります。もし、ソフトウェアが改ざんされていた場合、検証は失敗し、私たちは危険に気づくことができます。デジタル署名は、Authenticodeと呼ばれる技術の中核をなすものであり、Windowsをはじめとする多くのオペレーティングシステムで採用されています。デジタル署名によって、私たちは安心してソフトウェアを利用することができます。
機能 | 説明 | 実行者 |
---|---|---|
デジタル署名 | ソフトウェア開発者が、秘密鍵を用いてソフトウェアに電子的な印鑑を押すこと。ソフトウェアの開発元と改ざんの有無を証明する。 | ソフトウェア開発者 |
署名の検証 | 開発者が公開している公開鍵を用いて、デジタル署名を検証すること。ソフトウェアが信頼できるかを確認する。 | ユーザー |
ソフトウェアの改ざん検知
– ソフトウェアの改ざん検知
昨今、インターネット上には便利なソフトウェアが数多く存在し、私達はそれらを日々利用しています。しかし、その裏では悪意を持った第三者によって、ソフトウェアが悪用される危険性も潜んでいます。例えば、正規のソフトウェアにウイルスを埋め込んだり、ソフトウェアの動作を改変したりといったことが考えられます。このような改ざんが行われたソフトウェアを何も知らずに利用してしまうと、個人情報が盗まれたり、コンピュータが正常に動作しなくなったりと、大きな被害に繋がる可能性があります。
このような脅威から私達を守る技術の一つに、「デジタル署名」があります。デジタル署名は、ソフトウェアの開発者が、ソフトウェアの正当性を証明するために付与する電子的な印鑑のようなものです。もしも悪意のある第三者がソフトウェアを改ざんしようとすると、このデジタル署名は破綻します。私達が改ざんされたソフトウェアを入手した場合、署名の検証に失敗し、ソフトウェアが改ざんされている可能性があることを警告してくれます。
このように、デジタル署名は、ウイルスやマルウェアなどの脅威から私達を守るための重要な防御線となります。ソフトウェアをダウンロードする際には、デジタル署名が正しく表示されていることを確認するなど、自己防衛の意識を持つことが重要です。
脅威 | 対策 | 詳細 |
---|---|---|
ソフトウェアの改ざん | デジタル署名 | ソフトウェア開発者が正当性を証明する電子的な印鑑 改ざんされると署名が破綻し、警告が表示される |
Authenticodeの課題とBYOVD攻撃
ソフトウェアの安全性は、現代社会において極めて重要な要素となっています。その安全性を保証する仕組みの一つに、開発元を証明するデジタル署名「Authenticode」があります。しかし、近年、このAuthenticodeを悪用した攻撃も確認されており、注意が必要です。
その一例が、「BYOVD攻撃」と呼ばれるものです。これは、攻撃者が正規のソフトウェア開発者になりすまし、悪意のあるプログラムにデジタル署名を付与する攻撃です。もし、悪意のあるプログラムに正規の署名がされていれば、私たちのコンピュータはそれを安全なプログラムだと勘違いし、実行してしまう可能性があります。
BYOVD攻撃の巧妙な点は、正規の開発者と見分けがつかないように偽装することにあります。そのため、私たち利用者は、デジタル署名があれば安全だと安易に信用するのではなく、プログラムの提供元や評判などを注意深く確認することが重要です。
セキュリティ対策ソフトを最新の状態に保つことも有効な手段となります。怪しいプログラムを実行しない、信頼できる提供元からプログラムを入手するなど、基本的なセキュリティ対策を徹底することで、BYOVD攻撃のような巧妙な攻撃から身を守ることができます。
攻撃手法 | 概要 | 対策 |
---|---|---|
BYOVD攻撃 | 攻撃者が正規のソフトウェア開発者を装い、悪意のあるプログラムにデジタル署名を付与する攻撃 |
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安全性向上の取り組み
昨今、巧妙化するコンピューターウイルスや不正プログラムによる被害が後を絶ちません。これらの悪意あるプログラムは、気付かぬうちにコンピューターに侵入し、個人情報や機密情報の盗み見、あるいはコンピューターを不正に操作するなど、私たちの生活や企業活動に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
このような脅威からコンピューターを守るための技術の一つに、「Authenticode」と呼ばれるデジタル署名技術があります。これは、ソフトウェアの開発元を証明し、プログラムが改ざんされていないことを保証する仕組みです。しかし、残念ながら、この技術を悪用し、不正なプログラムに偽のデジタル署名を付けることで、あたかも安全なプログラムのように見せかける攻撃も確認されています。
このような攻撃を防ぐため、マイクロソフトをはじめとする関係機関は、Authenticodeの安全性をさらに高めるための取り組みを続けています。例えば、デジタル署名に用いる秘密鍵の厳格な管理や、不正なデジタル署名をいち早く検知するための監視体制の強化などが挙げられます。
私たちユーザーも、このような脅威から身を守るために、日頃から情報収集を行い、最新のセキュリティ対策を講じることが重要です。具体的には、OSやソフトウェアを常に最新の状態に保つことや、信頼できる提供元以外からのソフトウェアのインストールを避けるなど、基本的なセキュリティ対策を徹底しましょう。また、セキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に更新することも有効な対策です。
脅威 | 対策 |
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コンピューターウイルスや不正プログラムによる被害 | – OSやソフトウェアを常に最新の状態に保つ – 信頼できる提供元以外からのソフトウェアのインストールを避ける – セキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に更新する |
Authenticodeを悪用した偽のデジタル署名 | – デジタル署名に用いる秘密鍵の厳格な管理 – 不正なデジタル署名をいち早く検知するための監視体制の強化 |