Barracuda ESGを狙う、新たな脅威「SUBMARINE」とは

Barracuda ESGを狙う、新たな脅威「SUBMARINE」とは

セキュリティを高めたい

先生、「SUBMARINE」って何か聞いたんですけど、何のことかよく分かりません。教えてください。

情報セキュリティ専門家

「SUBMARINE」は、特定の会社のメールセキュリティ装置を狙った攻撃に使われる、新しい裏口侵入方法のことだよ。この裏口を使うと、装置を乗っ取ったり、こっそりずっと装置内に潜り込んだりすることができてしまうんだ。

セキュリティを高めたい

メールセキュリティ装置って、会社のメールを守るためのものですよね?それが乗っ取られると、どうなるんですか?

情報セキュリティ専門家

そう、会社のメールを守るための装置が乗っ取られると、会社の重要な情報が盗まれたり、外部に漏れてしまったりする危険性があるんだ。だから、「SUBMARINE」のような攻撃から装置を守ることは、とても重要なんだよ。

SUBMARINEとは。

「SUBMARINE」という言葉を聞かれたことはありますか?これは、情報セキュリティーにおいて、ある特定のメールセキュリティ機器に見つかった脆さを突いて侵入を試みる、新しいタイプの不正なプログラムです。この機器はBarracuda Networks社が製造しているESGと呼ばれるもので、特定のバージョンにこの脆さが存在します。SUBMARINEは、この脆さを利用して機器の重要な情報が保管されているデータベースに侵入し、機器を完全に制御しようとします。さらに、侵入後も発見されないように、機器の中に潜り続けるための工夫も凝らされています。この不正プログラムは複数の要素が組み合わさって動作する複雑な構造をしています。2023年には、この機器を狙った攻撃が確認され、アメリカ合衆国国土安全保障省サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)は、SUBMARINEの解析結果をまとめた報告書を公開しました。

メールセキュリティを脅かす存在

メールセキュリティを脅かす存在

今日のビジネス社会において、メールは必要不可欠なコミュニケーション手段となっています。顧客情報や社内機密など、重要な情報もメールでやり取りされることが多く、企業にとってメールセキュリティ対策は非常に重要です。

企業は、機密情報が外部に漏洩したり、悪意のある攻撃からシステムを守ったりするために、様々なセキュリティ対策を講じています。ファイアウォールやアンチウイルスソフトはその代表例であり、メールセキュリティ製品も重要な役割を担っています。

しかし、皮肉なことに、そのメールセキュリティ製品に潜む脆弱性が、企業にとって新たな脅威となっています。セキュリティ対策を強化するために導入したはずの製品が、逆に攻撃の糸口を与えてしまう可能性もあるのです。

SUBMARINEは、まさにそのようなメールセキュリティ製品の脆弱性を突いてくる、企業にとって見逃せない脅威です。SUBMARINEは、一見すると普通のメールのように見えますが、実は悪意のあるコードが仕込まれており、メールセキュリティ製品の脆弱性を突いて、企業のシステムに侵入しようとします。もし、SUBMARINEの攻撃が成功すれば、企業は機密情報の漏洩やシステムの乗っ取りといった深刻な被害を受ける可能性があります。

そのため、企業はSUBMARINEの脅威を認識し、適切な対策を講じる必要があります。既存のメールセキュリティ製品の脆弱性を把握し、最新のセキュリティパッチを適用することが重要です。また、従業員に対して、怪しいメールの見分け方や、不審なメールを受信した際の対処法など、セキュリティ意識向上のための教育を行うことも大切です。

脅威 概要 対策
メールセキュリティ製品の脆弱性 セキュリティ対策製品の脆弱性を突いた攻撃が増加 – 最新のセキュリティパッチを適用
– 脆弱性を把握
SUBMARINE メールセキュリティ製品の脆弱性を突いてくる攻撃
一見普通のメールだが、悪意のあるコードが仕込まれている
– 最新のセキュリティパッチを適用
– 従業員へのセキュリティ意識向上教育

脆弱性「CVE-2023-2868」を悪用

脆弱性「CVE-2023-2868」を悪用

バラクーダネットワークス社製のメールセキュリティゲートウェイアプライアンス「ESG」において、「CVE-2023-2868」と呼ばれる脆弱性が発見されました。この脆弱性は、本来アクセス権のない第三者による不正な遠隔操作を許してしまう危険性を孕んでいます。
攻撃者は、この脆弱性を突くための悪意のあるプログラム「SUBMARINE」を用いることで、セキュリティ対策が施されたはずの「ESG」の内部へ侵入を試みます。「SUBMARINE」は、「ESG」のシステムに存在する「CVE-2023-2868」という弱点をつくことで、本来は許可されていない操作を実行し、システムを思い通りに操作しようとします。
この脆弱性に対する修正プログラムは既に公開されています。バラクーダネットワークス社製の「ESG」をご利用の皆様におかれましては、至急、提供されている修正プログラムを適用し、システムの安全性を確保していただくよう強く推奨いたします。修正プログラムの適用によって、「CVE-2023-2868」の脆弱性を悪用した攻撃からシステムを守ることが可能となります。

脆弱性名 内容 対策
CVE-2023-2868 バラクーダネットワークス社のメールセキュリティゲートウェイアプライアンス「ESG」における脆弱性。遠隔からの不正操作を許す可能性あり。 提供されている修正プログラムの適用

システムの深部に潜行するバックドア

システムの深部に潜行するバックドア

– システムの深部に潜行するバックドア

「SUBMARINE」と名付けられた悪意のあるプログラムは、標的となる企業のシステムに侵入し、重要な情報を盗み出すだけでなく、システムそのものを支配下に置くことを目的としています。その巧妙な手口は、まずシステムの心臓部とも言える「SQLデータベース」へのアクセスを図ることから始まります。

SQLデータベースは、顧客情報や企業の機密情報など、システムにとって非常に重要なデータを保管している場所です。SUBMARINEはこのデータベースを不正に操作することで、システム全体の制御を可能にする「ルート権限」を奪取します。ルート権限は、システムに対するあらゆる操作を許可する、いわばシステム管理者だけが持つべき強力な権限です。

SUBMARINEは、ルート権限を手に入れることで、システムに本来備わっているセキュリティ対策を無効化し、情報を盗み見たり、システムを改ざんしたりすることが可能になります。さらに恐ろしいことに、SUBMARINEは一度侵入に成功すると、システムの奥深くに自らを複製し、発見されることを防ぎながら、長期にわたって潜伏し続ける機能も持ち合わせています。

つまり、企業はSUBMARINEによる一度の侵入を許してしまうだけで、重要な情報資産を継続的に危険に晒し続けることになるのです。

悪意のあるプログラム 標的 目的 潜伏期間
SUBMARINE SQLデータベース
  • システム全体の制御
  • 情報窃取
  • システム改ざん
長期

複数の痕跡を残す巧妙な構造

複数の痕跡を残す巧妙な構造

標題にある通り、SUBMARINEは単一のプログラムではなく、複数の要素が組み合わさって構成されています。それぞれの要素は、まるで歯車のように独立した役割を担いながらも互いに連携し、ESGへの侵入から始まり、システムの完全な制御を奪うルート権限の取得、そして長期に渡ってその状態を維持する活動といった、悪意のある行動を効率的に実行します。

このような複雑な構造を持つことで、SUBMARINEは従来のセキュリティ対策を容易に潜り抜けます。単一の行動だけを見ても悪意のあるものとは判断されにくいため、セキュリティ対策製品の監視をかいくぐり、侵入を許してしまう可能性が高まります。さらに、たとえ一部の要素が検知されたとしても、他の要素は独立して活動を継続するため、システム全体への影響を最小限に抑えながら、攻撃を継続することが可能です。SUBMARINEのこの特徴は、従来型のセキュリティ対策では対処が難しく、より高度化かつ巧妙化した新しい攻撃手法として、大きな脅威となっています。

SUBMARINEの特徴 詳細
モジュール構造 複数の独立した要素で構成され、それぞれが連携して動作する。
ステルス性 単一の行動では悪意があると判断されにくく、セキュリティ対策を潜り抜けやすい。
耐障害性 一部の要素が検知されても、他の要素が独立して活動を継続できる。
持続性 システムへの影響を最小限に抑えながら、長期にわたって攻撃を継続可能。

アメリカ政府機関も警鐘

アメリカ政府機関も警鐘

昨今、サイバー攻撃の手法は巧妙化の一途を辿っており、企業や組織にとって無視できない脅威となっています。中でも「SUBMARINE」と呼ばれる攻撃手法は、その隠蔽性の高さから、特に警戒が必要とされています。アメリカ合衆国サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)も、SUBMARINEの危険性を深刻に捉えており、2023年には、その詳細を分析した報告書を公表しました。この報告書は、SUBMARINEがどのような仕組みで攻撃を行うのか、その特徴や具体的な手順を詳細に解説しています。さらに、企業がSUBMARINEの被害から身を守るための対策についても、具体的に提示しています。CISAのような公的機関が、特定のサイバー攻撃手法に特化した報告書を公表することは異例であり、SUBMARINEの脅威が国際的に認識されていることを示しています。企業は、CISAの報告書の内容を理解し、自社のセキュリティ対策に役立てることが重要です。

項目 内容
脅威 SUBMARINE攻撃
特徴 隠蔽性が高い
解説 アメリカ合衆国サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)がSUBMARINEの仕組み、特徴、具体的な手順、対策などを解説した報告書を公表
対策 CISAの報告書の内容を理解し、自社のセキュリティ対策に役立てる