踏み台攻撃:侵入経路を広げるハッカーの手口
セキュリティを高めたい
「ピボッティング」って、情報セキュリティでよく聞く言葉だけど、どんな意味ですか?
情報セキュリティ専門家
「ピボッティング」は、例えるなら「渡り廊下」のようなものかな。攻撃者は、まず簡単に侵入できる部屋(コンピュータ)を乗っ取ります。そして、その部屋から別の棟(ネットワーク)へ繋がる渡り廊下(侵害したコンピュータ)を使って、本来は入れないはずの場所に侵入していくんだ。
セキュリティを高めたい
なるほど!つまり、最初の侵入地点を足がかりにして、目的の場所に辿り着くってことですね?
情報セキュリティ専門家
その通り!ピボッティングは、攻撃者がより深くネットワークに侵入するために使う、重要なテクニックなんだよ。
ピボッティングとは。
「ピボッティング」という情報セキュリティの用語について説明します。「ピボッティング」とは、ハッキングの技の一つで、攻撃者が、すでに不正に侵入したコンピューターを中継地点のように使い、別のネットワークに侵入することです。攻撃者のコンピューターから直接アクセスできないネットワークにも、不正侵入したコンピューターを踏み台にすることで、アクセスが可能になります。「ピボッティング」は、「Metasploitフレームワーク」の「Meterpreterペイロード」などを使って実行することができます。
踏み台攻撃とは
– 踏み台攻撃とは踏み台攻撃とは、サイバー攻撃者が最終的な標的のネットワークに侵入する際に、既に不正にアクセスしたコンピュータを足場のように利用する攻撃手法です。まるで泥棒が建物に侵入するために、まず周囲の低い塀を乗り越えるかのように、攻撃者は最初にセキュリティの弱いコンピュータを侵害します。この最初に侵害されたコンピュータが「踏み台」となり、攻撃者はこれを拠点として、より強固なセキュリティで守られた標的のネットワークへの侵入を試みます。踏み台攻撃は、攻撃者自身のコンピュータから直接アクセスできないネットワークに対して、侵害したコンピュータを経由することでアクセスを可能にするため、攻撃者の本当の所在地を隠す効果もあります。セキュリティ対策ソフトや侵入検知システムは、攻撃者が踏み台を経由してアクセスしてくる場合、攻撃元を踏み台として認識するため、真の攻撃者を特定するのが困難になります。攻撃者は、踏み台を確保した後、そのコンピュータを遠隔操作して、機密情報の窃取、システムの破壊、さらには他のコンピュータへの攻撃など、様々な不正行為を行います。踏み台攻撃は、企業や組織にとって大きな脅威となり得るため、適切なセキュリティ対策を講じることが重要です。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | サイバー攻撃者が最終的な標的のネットワークに侵入する際に、既に不正にアクセスしたコンピュータを足場のように利用する攻撃手法 |
目的 |
|
攻撃者の行動 |
|
対策 | 企業や組織にとって大きな脅威となり得るため、適切なセキュリティ対策を講じることが重要 |
攻撃の手順
攻撃者が最終的に機密情報を入手したりシステムを破壊したりするために行う「踏み台攻撃」。この攻撃は、まず攻撃者が標的となる組織のネットワークに接続されている機器の中から、セキュリティ対策の甘い機器を探し出すことから始まります。
攻撃者は、脆弱性を持つ機器を見つけると、その機器に対してマルウェアを仕込んだメールを送信したり、不正なウェブサイトに誘導したりするなどの方法で、機器をマルウェアに感染させます。このマルウェア感染により、攻撃者は標的の機器を自由に操作できるようになります。
次に攻撃者は、マルウェアに感染した機器を「踏み台」として利用し、組織内のネットワークを調査します。この調査により、攻撃者は他の機器の情報やネットワークの構成を把握し、更なる攻撃対象を見つけ出します。そして、踏み台とした機器の権限を利用して、新たに見つけた標的に対して攻撃を仕掛けます。このように、攻撃者は段階的に攻撃を進めることで、最終的に組織の重要な情報を入手したり、システム全体を破壊したりするなどの目的を達成するのです。
段階 | 攻撃の手順 | 目的 |
---|---|---|
1. 標的の選定 | 攻撃者は、標的となる組織のネットワークに接続されている機器の中から、セキュリティ対策の甘い機器を探し出す。 | セキュリティが脆弱な機器を特定する。 |
2. マルウェア感染 | 攻撃者は、脆弱性を持つ機器に対し、マルウェアを仕込んだメールを送信したり、不正なウェブサイトに誘導したりするなどの方法で、機器をマルウェアに感染させる。 | 標的の機器を自由に操作できるようにする。 |
3. 偵察活動 | 攻撃者は、マルウェアに感染した機器を「踏み台」として利用し、組織内のネットワークを調査する。 | 他の機器の情報やネットワークの構成を把握し、更なる攻撃対象を見つけ出す。 |
4. 更なる攻撃 | 攻撃者は、踏み台とした機器の権限を利用して、新たに見つけた標的に対して攻撃を仕掛ける。 | 組織の重要な情報を入手したり、システム全体を破壊する。 |
踏み台攻撃の危険性
– 踏み台攻撃の危険性踏み台攻撃とは、攻撃者が最終的な標的のネットワークに直接侵入するのではなく、まずセキュリティの弱い機器やシステムを乗っ取り、それを足がかりにして最終的な標的に侵入する攻撃手法です。この攻撃の恐ろしい点は、一見安全に見えるネットワーク内部からの攻撃となるため、通常のセキュリティ対策では検知が難しい場合があることです。多くの企業は、ファイアウォールや侵入検知システムなど、外部からの不正アクセスを遮断することに重点を置いたセキュリティ対策を講じています。しかし、踏み台攻撃では、攻撃者は既にセキュリティの甘い機器を経由して内部ネットワークに侵入しているため、これらの対策は効果を発揮しません。例えば、パスワード管理がずさんで外部から不正アクセス可能な機器がネットワーク内に存在していたとします。攻撃者はその機器を乗っ取り、内部ネットワークに侵入後、機密情報が保管されているサーバーや重要なシステムにアクセスを試みます。この時、外部からのアクセスではないため、ファイアウォールや侵入検知システムは攻撃を検知することができません。このように、踏み台攻撃は通常のセキュリティ対策では防ぐことが難しく、企業にとって大きな脅威となります。そのため、外部からの侵入を防ぐだけでなく、内部ネットワークのセキュリティ対策も強化することが重要です。具体的には、ネットワーク上の機器のセキュリティ設定を厳重にする、多要素認証を導入する、セキュリティソフトを最新の状態に保つなどの対策が有効です。
踏み台攻撃の脅威 | 対策 |
---|---|
セキュリティの弱い機器を乗っ取り、最終的な標的に侵入するため、通常のセキュリティ対策では検知が難しい。 | ネットワーク上の機器のセキュリティ設定を厳重にする、多要素認証を導入する、セキュリティソフトを最新の状態に保つ。 |
具体的な攻撃ツール
踏み台攻撃とは、最終的な標的に到達するまで、複数のコンピュータを不正に利用して、追跡を困難にするサイバー攻撃です。この攻撃には、高度な技術とツールが使われることが多く、その一例として、MetasploitフレームワークのMeterpreterペイロードが挙げられます。
Metasploitは、攻撃者がシステムの弱点を見つけ出し、それを悪用して標的となるコンピュータを遠隔操作するための、いわば道具箱のようなものです。世界中のセキュリティ専門家もこのMetasploitを使って、システムの脆弱性を発見し、修正することでセキュリティ強化に役立てています。
一方、悪意のある攻撃者は、Metasploitを使って標的のコンピュータに侵入し、そのコンピュータを支配下に置くためのプログラムを埋め込みます。この埋め込まれたプログラムがMeterpreterペイロードです。Meterpreterペイロードは、攻撃者に持続的なアクセスを提供し、感染したコンピュータを隠れ蓑にして、次の標的に攻撃を仕掛けることを可能にします。
このように、踏み台攻撃は、高度なツールを用いることで、追跡を困難にしつつ、最終的な標的に大きな被害をもたらす危険性を秘めています。
項目 | 内容 |
---|---|
踏み台攻撃とは | 最終的な標的に到達するまで、複数のコンピュータを不正に利用して、追跡を困難にするサイバー攻撃 |
攻撃の特徴 | 高度な技術とツールが使われることが多い 例:MetasploitフレームワークのMeterpreterペイロード |
Metasploitとは | システムの弱点を見つけ出し、悪用して標的となるコンピュータを遠隔操作するためのツール セキュリティ強化にも活用されている |
Meterpreterペイロードとは | 攻撃者が標的のコンピュータに埋め込むプログラム 攻撃者に持続的なアクセスを提供し、感染したコンピュータを隠れ蓑にして次の攻撃を可能にする |
踏み台攻撃の危険性 | 高度なツールを用いることで、追跡を困難にしつつ、最終的な標的に大きな被害をもたらす可能性がある |
対策
– 対策
踏み台攻撃から大切な情報や機器を守るためには、幾重にも張り巡らせた防御策を講じることが重要です。これは、まるで城を守るために、外堀や城壁、見張台などを strategicに配置するのと似ています。
まず、外部からの侵入者を防ぐために、インターネットと内部ネットワークの間に、ファイアウォールのような強固な壁を設置する必要があります。ファイアウォールは、怪しいアクセスを遮断する役割を担います。
しかし、外部からの侵入を防ぐだけでは十分ではありません。城壁の内側にも、敵が侵入する可能性はあります。そこで、内部ネットワークを複数の区画に分割し、それぞれの区画へのアクセスを制限することが重要になります。仮に1つの区画が侵入されても、他の区画への侵入を防ぐことができます。これは、城内を区画で区切り、敵の侵入経路を制限することに似ています。
さらに、侵入検知システムやセキュリティ情報イベント管理システムを導入することで、ネットワーク上の怪しい動きを監視することも重要です。これらのシステムは、まるで城の見張りのように、常にネットワークを監視し、不審な動きをいち早く察知して管理者に知らせます。
このように、多層防御の考え方に基づいた対策を講じることで、踏み台攻撃のリスクを大幅に減らすことができます。
対策 | 説明 | 例え |
---|---|---|
外部からの侵入防止 | インターネットと内部ネットワークの間にファイアウォールを設置し、不正アクセスを遮断する。 | 城の外堀 |
内部ネットワークのセグメント化 | 内部ネットワークを複数の区画に分割し、区画間のアクセスを制限することで、仮に1つの区画が侵入されても被害を最小限に抑える。 | 城壁で区切られた城内 |
侵入検知・監視 | 侵入検知システムやセキュリティ情報イベント管理システムを導入し、ネットワーク上の不審な動きを監視する。 | 城の見張り |