サイバー攻撃に負けない!レジリエンスのススメ

サイバー攻撃に負けない!レジリエンスのススメ

セキュリティを高めたい

「レジリエンス」って、情報セキュリティの分野でよく聞くけど、具体的にどういう意味ですか?

情報セキュリティ専門家

いい質問ですね。「レジリエンス」は、攻撃や災害などが起きても、その影響を抑えつつ、重要な機能を維持し、できるだけ早く回復する力のことです。 情報システムで言えば、例えば、サイバー攻撃を受けても、システム全体が止まらないように、影響範囲を最小限に抑え、元の状態に早く戻す力のことですね。

セキュリティを高めたい

なるほど。つまり、何かあっても、壊れないようにするだけじゃなくて、壊れても早く直せるようにしておくことが重要ってことですか?

情報セキュリティ専門家

その通りです。 例えば、システムの重要な部分を多重化しておいたり、バックアップをこまめに取っておいたりすることで、レジリエンスを高めることができます。最近では、企業だけでなく、国レベルでもレジリエンスを高める取り組みが重要視されています。

レジリエンスとは。

「レジリエンス」という言葉は、情報セキュリティの分野でよく使われます。これは、簡単に言うと「回復力」や「復元力」のことです。特に、コンピューターやインターネットの世界で、攻撃やトラブルに遭っても、重要な機能を守り続け、素早く回復できる力を「サイバーレジリエンス」と呼びます。このサイバーレジリエンスを高めるためには、システムを作る段階から、実際に使う時、組織作り、業界全体や国としての取り組みまで、様々な方法があります。例えば、アメリカの国立標準技術研究所は、「SP800-160Vol2」というガイドラインで、システムを作る上でのサイバーレジリエンスを高める方法を示しています。また、ヨーロッパ議会では2022年現在、「サイバーレジリエンス法」を作ることで、ソフトウェアやIoT機器の開発者に、より強力なセキュリティ対策を義務付けようとしています。

サイバー攻撃の脅威の高まり

サイバー攻撃の脅威の高まり

近年、インターネットやコンピュータシステムは私たちの生活に欠かせないものとなり、企業活動や日常生活のあらゆる場面で活用されています。 しかし、それと同時に、インターネットを介した悪意のある攻撃、いわゆるサイバー攻撃の脅威も深刻化しています。 企業や組織が標的となるだけでなく、近年では個人や特定のインフラストラクチャを狙った攻撃も増加しており、誰もがその危険にさらされていると言えるでしょう。

サイバー攻撃の手口は巧妙化しており、従来のウイルス感染や不正アクセスだけでなく、標的となる組織や個人の心理的な隙を突く巧妙なフィッシング詐欺や、脆弱性を突いたランサムウェアによる攻撃など、その種類は多岐に渡ります。 このような攻撃によって、企業は重要な情報やシステムを奪われ、金銭的な損失を被るだけでなく、社会的信用を失墜させる可能性も孕んでいます。 また、攻撃を受けたことによる業務停止は、顧客や取引先に多大な迷惑をかけることになり、その影響は計り知れません。

もはやサイバー攻撃は、他人事ではありません。 あらゆる組織、そして個人が、セキュリティ対策の重要性を認識し、適切な対策を講じることが急務となっています。

サイバー攻撃の現状 影響とリスク 対策
インターネットの普及に伴い、企業・組織だけでなく、個人も標的となる – 企業:情報漏洩、金銭的損失、社会的信用の失墜
– 個人:情報漏洩、金銭的損失
– 共通:業務停止、顧客や取引先への迷惑
セキュリティ対策の重要性の認識、適切な対策の実施
手口の巧妙化(ウイルス感染、不正アクセス、フィッシング詐欺、ランサムウェアなど)

レジリエンスという考え方

レジリエンスという考え方

昨今、企業を取り巻く環境は複雑化しており、自然災害や新たな脅威の発生など、予測不可能な事態が次々と起こっています。このような状況下で、企業は事業継続のために、いかにして重要な機能を維持・回復するかが問われています。
こうした中で注目されている考え方が「レジリエンス」です。レジリエンスとは、困難な状況や予期せぬ事態に直面しても、柔軟に対応し、重要な機能を維持・回復する能力を指します。例えば、地震などの自然災害によって一部のシステムが停止した場合でも、別のシステムに切り替えることで、業務を継続できるようにしておくことが挙げられます。
情報技術の分野では、「サイバーレジリエンス」という言葉が使われています。これは、サイバー攻撃を受けてもシステム全体が停止することを防ぎ、速やかに復旧するための備えと対応力を意味します。具体的には、攻撃を検知して被害を最小限に抑えるだけでなく、攻撃を受けたシステムを早期に復旧するための体制を構築することが重要です。
レジリエンスを高めるためには、事前に想定されるリスクを洗い出し、対応策を検討しておくことが重要です。また、実際に起きた事態に対して、状況を迅速に把握し、適切な対応をとるための訓練などを行うことも有効です。

概念 説明
レジリエンス 困難な状況や予期せぬ事態に直面しても、柔軟に対応し、重要な機能を維持・回復する能力 地震などの自然災害によって一部のシステムが停止した場合でも、別のシステムに切り替えることで、業務を継続できるようにしておく。
サイバーレジリエンス サイバー攻撃を受けてもシステム全体が停止することを防ぎ、速やかに復旧するための備えと対応力 攻撃を検知して被害を最小限に抑えるだけでなく、攻撃を受けたシステムを早期に復旧するための体制を構築する。

具体的な対策

具体的な対策

– 具体的な対策サイバー攻撃から組織を守る強靭さを表す「サイバーレジリエンス」を高めるためには、多層的な防衛策を講じることが不可欠です。まず、基本となるのはセキュリティ対策の強化です。これは、外部からの侵入を防ぐための壁となる、ファイアウォールやセキュリティソフトを導入することに相当します。しかし、どんなに強固な壁を築いても、それを完全に突破されないとは限りません。そこで重要となるのが、攻撃を受けたことを前提とした備えです。万が一、攻撃が成功した場合でも、被害を最小限に食い止め、かつ迅速に復旧するための体制を整えておく必要があります。具体的には、重要なデータを守るために、定期的にバックアップを取得し、安全な場所に保管しておくことが挙げられます。また、システムの一部が機能しなくなった場合でも、他の部分がカバーし、業務を継続できるよう、システムの冗長化を進めることも重要です。これらの対策を事前に講じておくことで、 cyber攻撃による被害を最小限に抑え、事業継続性を確保できる可能性が高まります。

対策 内容
セキュリティ対策の強化 ファイアウォールやセキュリティソフトを導入し、外部からの侵入を防ぐ
被害の最小化と迅速な復旧体制の整備 攻撃を受けた場合でも、被害を最小限に食い止め、かつ迅速に復旧するための体制を整える
定期的なバックアップと安全な保管 重要なデータを守るために、定期的にバックアップを取得し、安全な場所に保管する
システムの冗長化 システムの一部が機能しなくなった場合でも、他の部分がカバーし、業務を継続できるよう、システムの冗長化を進める

組織全体の意識改革

組織全体の意識改革

企業が力強く立ち直る力をつけるためには、最新の機器を導入したり、強固な防御システムを構築するといった技術的な対策だけでは不十分です。組織で働く人一人ひとりが、セキュリティの重要性を深く理解し、日々の業務の中で適切な行動をとることが何よりも重要です。

そのためには、セキュリティに関する知識や最新の情報共有を継続的に行い、組織全体の意識を高める必要があります。例えば、定期的にセキュリティ研修を実施し、標的型攻撃メールや不正アクセスなどの具体的な事例や、パスワードの管理方法、怪しいウェブサイトの見分け方などをわかりやすく解説することで、従業員の危機意識を高めることができます。また、社内 intranet やメールマガジンなどを活用して、最新の脅威情報やセキュリティに関するニュースを共有することも有効です。

さらに、万が一、サイバー攻撃や情報漏えいなどのセキュリティ事故が発生した場合に備え、迅速かつ適切に対応できる体制を築いておくことが重要です。具体的には、発生時の対応手順をまとめたマニュアルを作成し、関係者間で共有しておくこと、そして、定期的にシミュレーション訓練を実施することで、実際におきた場合でも落ち着いて対応できるよう、実践的なスキルを身につけることが重要です。

対策 内容 効果
セキュリティ意識向上 – 定期的なセキュリティ研修の実施
– 標的型攻撃メールや不正アクセスなどの事例紹介
– パスワード管理方法、不審なウェブサイトの見分け方などの解説
– 社内 intranet やメールマガジンによる最新情報共有
従業員の危機意識向上
緊急対応体制の構築 – 対応手順マニュアルの作成と共有
– 定期的なシミュレーション訓練の実施
迅速かつ適切な対応による被害最小化

国際的な取り組み

国際的な取り組み

– 国際的な取り組み

サイバー攻撃は国境を越えて実行されるため、サイバー空間の安全を確保するには、世界各国が協力し、共に取り組むことが不可欠です。一国だけの努力では限界があり、国際的な枠組みの中で対策を講じる必要性が高まっています。

アメリカ合衆国では、国立標準技術研究所(NIST)が中心となり、システムエンジニアリングの観点からサイバーレジリエンスを向上させるためのガイドラインを策定・公開しています。このガイドラインは、様々な組織がサイバー攻撃からシステムを守り、攻撃を受けた場合でも速やかに復旧できるようにするための具体的な方法を提示しており、国際的な基準として広く活用されています。

また、ヨーロッパ連合(EU)では、欧州議会が中心となり、ソフトウェアやインターネットに接続する機器の開発・製造業者に対して、より強力なセキュリティ対策を義務付ける法律の制定が議論されています。これは、製品の開発段階からセキュリティを考慮することで、サイバー攻撃の被害を未然に防ぐとともに、万が一被害が発生した場合でも、その影響を最小限に抑えることを目的としています。

このように、世界各国は政府機関や国際機関を通じて協力し、サイバーレジリエンスを高めるための様々な取り組みを進めています。世界規模で脅威情報や対策技術を共有し、国際的な法整備や標準化を進めることで、より安全なサイバー空間の実現を目指しています。

地域/国 取り組み主体 取り組み内容 目的
アメリカ合衆国 国立標準技術研究所(NIST) システムエンジニアリングの観点からサイバーレジリエンスを向上させるガイドラインの策定・公開 組織がサイバー攻撃からシステムを守り、攻撃を受けた場合でも速やかに復旧できるようにする
ヨーロッパ連合(EU) 欧州議会 ソフトウェアやインターネットに接続する機器の開発・製造業者に対して、より強力なセキュリティ対策を義務付ける法律の制定 製品の開発段階からセキュリティを考慮することで、サイバー攻撃の被害を未然に防ぐとともに、万が一被害が発生した場合でも、その影響を最小限に抑える