忘れられた脅威:VBScriptの脆弱性

忘れられた脅威:VBScriptの脆弱性

セキュリティを高めたい

先生、「VBScript」って最近あまり聞かない言葉だけど、情報セキュリティでなぜ重要なんですか?

情報セキュリティ専門家

良い質問だね!確かに「VBScript」は、今はあまり新しいものに使われていないプログラミング言語の一つだ。しかし、過去に作られたシステムや、インターネットを見るためのソフトの中には、まだ「VBScript」が使われているものがあるんだ。

セキュリティを高めたい

そうなんですね。でも、もう古いものなら、セキュリティの心配はいらないんじゃないですか?

情報セキュリティ専門家

そこが落とし穴なんだ。「VBScript」には、セキュリティの穴(脆弱性)が見つかっているものが多く、悪意のある人がその穴をついて、古いシステムを攻撃することがあるんだ。だから、情報セキュリティで「VBScript」は重要なんだよ。

VBScriptとは。

「情報セキュリティで出てくる『VBScript』って何かというと、マイクロソフトのVisualBasicっていうプログラミング言語をもとにした、簡単なプログラムを書くための言語のことなんだ。昔は、インターネットエクスプローラーっていうウェブブラウザで動かすために作られたんだけど、その後はJavaScriptっていう別の言語が主流になって、今はほとんど使われてないんだ。ただ、VBScriptには、セキュリティの穴がいっぱいあって、今までにも悪いプログラムやウェブサイトに悪用されたことが何度もあるんだ。例えば、2018年にDarkHotelAPTっていうハッカー集団が、この穴を使って、見つかっていない脆弱性を悪用して、人のパソコンを遠隔操作する攻撃をしたんだよ。これはCVE-2018-8373って呼ばれているよ。」

過去の遺物、VBScriptとは

過去の遺物、VBScriptとは

– 過去の遺物、VBScriptとはかつて、マイクロソフト社が開発したプログラミング言語「Visual Basic」を基盤に、動的なウェブサイトを構築するために生み出されたスクリプト言語、それがVBScriptです。主に、インターネット・エクスプローラーというウェブブラウザ上で動作し、ウェブページに動きを加える役割を担っていました。ボタンをクリックした際の動作や、入力フォームの値を確認するといった、ユーザーの操作に反応して変化するウェブサイトを実現するために用いられました。しかし、時代と共に状況は変化します。JavaScriptという、より汎用性の高いスクリプト言語が登場し、広く普及したため、VBScriptは次第に影を潜めていきました。インターネット・エクスプローラー以外のブラウザでは、そもそもVBScriptは動作しないことが多く、現在では、ほとんどのブラウザがVBScriptのサポートを終了しています。かつてはウェブサイトに彩りを与えていたVBScriptも、今では過去の遺物となりつつあります。時代の流れとともに、技術は移り変わり、新しいものが主流となっていく。これは、技術の世界ではよくあることです。VBScriptの事例は、常に最新の情報に目を向け、変化に対応していくことの重要性を示唆していると言えるでしょう。

特徴 詳細
言語 スクリプト言語
開発元 マイクロソフト
基盤 Visual Basic
主な用途 動的なウェブサイト構築、特にInternet Explorerでの動作
現状 JavaScriptの台頭により衰退、現在ほとんどのブラウザはサポート終了

潜む危険:VBScriptの脆弱性

潜む危険:VBScriptの脆弱性

– 潜む危険VBScriptの脆弱性VBScriptは、かつてWindows環境で広く利用されていたスクリプト言語です。しかし、開発当初からセキュリティ対策が十分ではありませんでした。そのため、これまでに多くの脆弱性が発見されています。攻撃者は、これらの脆弱性を悪用することで、ユーザーの許可なくコンピュータ上で悪意のあるプログラムを実行することが可能です。例えば、ユーザーが気づかないうちに、重要な情報を盗み出すプログラムをインストールしたり、コンピュータを乗っ取ったりすることができます。過去には、VBScriptの脆弱性を突いたマルウェアや悪質なウェブサイトが多数確認されています。例えば、メールに添付されたVBScriptファイルを開くことで、マルウェアに感染してしまうケースや、不正なウェブサイトにアクセスした際に、脆弱性を突かれてコンピュータを乗っ取られてしまうケースなどが報告されています。マイクロソフトは、VBScriptの脆弱性に対する修正プログラムを提供していますが、古いバージョンのWindowsを使用している場合や、修正プログラムを適用していない場合は、依然として攻撃を受ける危険性があります。VBScriptは、現在ではマイクロソフトによって非推奨とされており、より安全なPowerShellなどの代替技術が推奨されています。そのため、現在もVBScriptを使用している場合は、速やかにPowerShellなどの代替技術に移行することが重要です。

項目 内容
概要 VBScriptはセキュリティ対策が不十分で、多くの脆弱性が存在する。攻撃者はこれを悪用して、悪意のあるプログラムを実行する可能性がある。
危険性 – 情報盗難
– コンピュータの乗っ取り
– マルウェア感染
過去の事例 – メール添付のVBScriptファイルによるマルウェア感染
– 不正なウェブサイトへのアクセスによるコンピュータ乗っ取り
対策 – マイクロソフトの修正プログラムを適用する
– 古いバージョンのWindowsの使用を避ける
– VBScriptをPowerShellなどの代替技術に移行する

悪用事例:DarkHotel APTによる攻撃

悪用事例:DarkHotel APTによる攻撃

– 悪用事例DarkHotel APTによる攻撃2018年、高度な技術を持つサイバースパイ集団「DarkHotel APT」による攻撃が確認されました。この攻撃では、当時まだ修正プログラムが存在しないVBScriptの脆弱性(CVE-2018-8373)が悪用されました。攻撃対象は具体的に公表されていませんが、特定の組織や個人を狙った標的型攻撃であったと考えられています。DarkHotel APTは、この脆弱性を利用して、標的のコンピュータに悪意のあるプログラムを送り込みました。このプログラムは、感染したコンピュータを乗っ取り、機密情報を探し出して外部のサーバーへ送信する機能を持っていました。この攻撃で実際に情報が盗まれたかどうかは明らかになっていませんが、高度な技術を持つ攻撃者が、最新の脆弱性を利用して、現実世界に影響を与える可能性を示す事例となりました。この事例は、私たちが日頃から脆弱性対策の重要性を認識し、最新の情報を入手して適切な対策を講じる必要性を強く示唆しています。

攻撃者 脆弱性 攻撃対象 攻撃手法 影響
DarkHotel APT VBScriptの脆弱性(CVE-2018-8373) 特定の組織や個人 ゼロデイ攻撃
標的型攻撃
悪意のあるプログラムの送り込み
情報窃取の可能性
(実際に情報が盗まれたかは不明)

対策の必要性:VBScriptの無効化

対策の必要性:VBScriptの無効化

– 対策の必要性VBScriptの無効化

VBScriptは、かつてはWindows環境で広く使われていたスクリプト言語ですが、現在ではより現代的な技術に取って代わられています。

VBScriptは、現在ではほとんど使用されておらず、セキュリティリスクの方が高くなっています。これは、VBScriptが最新のセキュリティ基準に適合するように更新されていないためです。
攻撃者は、VBScriptの脆弱性を突くことで、コンピュータにマルウェアを感染させたり、重要な情報を盗み出したりする可能性があります。

そのため、Internet ExplorerなどのウェブブラウザでVBScriptを無効にすることを強く推奨します。VBScriptを無効にしても、ウェブサイトの大部分にアクセスできるため、実用上の問題はほとんどありません。

無効化の手順は、各ブラウザのヘルプページなどを参照してください。設定画面で、VBScriptの実行を許可する項目を無効にすることで、セキュリティリスクを大幅に減らすことができます。

VBScriptの無効化に加えて、セキュリティ対策ソフトを最新の状態に保ち、不審なウェブサイトへのアクセスを避けることも重要です。これらの対策を組み合わせることで、コンピュータを安全に保ちましょう。

項目 内容 詳細
VBScriptの現状 時代遅れ
セキュリティリスクが高い
最新のセキュリティ基準に未対応のため、脆弱性を突かれる可能性あり
推奨される対策 Internet ExplorerなどのWebブラウザでVBScriptを無効化 手順は各ブラウザのヘルプページを参照
設定画面でVBScriptの実行を許可する項目を無効化
追加のセキュリティ対策 セキュリティソフトを最新の状態に保つ
不審なウェブサイトへのアクセスを避ける

教訓:過去の技術の危険性

教訓:過去の技術の危険性

– 教訓過去の技術の危険性

かつては最先端技術として広く利用されていたものが、時を経て、セキュリティ上の大きなリスクへと変貌を遂げてしまうことがあります。これは、技術の進歩の速度が速く、古い技術に対するサポートが打ち切られ、脆弱性が放置されてしまう可能性があるためです。

例えば、かつて広く使われていたスクリプト言語であるVBScriptは、現在ではサポートが終了し、新たな脆弱性が発見されても修正プログラムが提供されません。もし、現在も古いシステムでVBScriptを使い続けている場合、攻撃者にとって格好の標的となってしまう可能性があります。

このような事態を避けるためには、常に最新の情報に注意を払い、不要になった技術は速やかに廃止することが重要です。最新の技術やセキュリティ対策を取り入れることで、システムを常に安全な状態に保つことができます。また、古い技術を使い続けなければならない場合は、そのリスクを十分に認識し、可能な限りのセキュリティ対策を講じる必要があります。

過去の技術のリスク 対策
かつて安全とされていた技術が、時間の経過とともに脆弱になる可能性がある。

  • サポートの終了
  • 脆弱性の放置
  • 最新の情報に注意する
  • 不要な技術は廃止する
  • 最新技術・セキュリティ対策の導入
  • 古い技術を使う場合はリスクを認識し、対策を講じる
例:VBScript

  • サポート終了
  • 新規脆弱性への対応なし