見えない脅威:セッションハイジャックとは?
セキュリティを高めたい
「セッションハイジャック」って何か教えてください。
情報セキュリティ専門家
「セッションハイジャック」は、例えば、インターネットバンキングで、あなたが銀行と安全につながっている状態に、悪い人がこっそり割り込んでくるようなイメージだよ。
セキュリティを高めたい
えー!こっそり割り込んでくるって、どういうことですか?
情報セキュリティ専門家
例えば、あなたがインターネットで使っている情報を盗み見たり、あなたのふりをして情報を書き換えたりするんだ。だから、セキュリティ対策がとても大切になるんだよ。
セッションハイジャックとは。
インターネット上の会話
私たちが日々利用するインターネット。画面の向こうでは、ウェブサイトやサービスと私たちの端末との間で、実は活発な「会話」が行われています。この目に見えないやり取りは「セッション」と呼ばれ、インターネット上での安全なコミュニケーションを支える重要な役割を担っています。
セッションは、私たちがウェブサイトにアクセスしたタイミングで開始され、一連の行動を終えて接続を切るまで続きます。例えば、インターネットショッピングを楽しむ際、商品を選び、カートに入れた後、支払い手続きに進みます。この間、セッションは私たちが選んだ商品を記憶し、カートの中身を保持してくれるため、スムーズに買い物を楽しむことができます。
また、セッションはウェブサイトへのログイン状態を維持するためにも使われています。一度ログインすれば、その後も各ページを移動する際に、パスワードを入力し直すことなく、会員限定のサービスなどを利用できるのは、セッションが私たちのログイン情報を安全に管理しているおかげです。
このように、セッションは私たちが意識することなく、インターネット上での快適で安全な体験を支える、いわば「縁の下の力持ち」といえるでしょう。
機能 | 説明 |
---|---|
セッション管理 | – ウェブサイトにアクセスしたタイミングで開始され、接続を切るまで継続 – 一連の行動を記憶し、スムーズな操作を支援 |
ショッピングカートの保持 | – 購入する商品を記憶し、カートの中身を保持 |
ログイン状態の維持 | – 一度ログインすれば、セッションが情報を保持 – パスワード再入力の手間を省き、会員限定サービスなどを利用可能に |
会話の乗っ取り
インターネット上で何らかのサービスを利用する際、そのサービスとの間でデータのやり取りが発生します。このやり取りは、あたかも人と人が会話をするように、一連の流れとして行われます。例えば、オンラインショッピングで商品を購入する場合、ウェブサイトにアクセスした時から購入を確定するまで、一連のデータの送受信が発生します。
「会話の乗っ取り」は、まさにこのデータのやり取りの流れ、つまり「会話」を乗っ取る攻撃です。あなたの知らない間に、攻撃者がこっそりと会話に割り込み、あたかも正規の利用者になりすましてしまいます。
例として、あなたがオンラインバンキングを利用して、自分の口座にアクセスしたとしましょう。この時、攻撃者があなたの「会話」を乗っ取るとどうなるでしょうか。攻撃者は、あたかもあなたが操作しているかのように、あなたの口座からお金を引き出す操作を行うかもしれません。あなたになりすまして、不正にお金を盗み取ることができてしまうのです。
「会話の乗っ取り」は、オンラインバンキングだけでなく、インターネット上で様々なサービスを利用する際に発生する可能性があります。あなたの大切な情報や資産を守るためには、このような攻撃の存在を認識し、適切な対策を講じることが重要です。
攻撃 | 概要 | 例 |
---|---|---|
会話の乗っ取り | サービス利用時のデータのやり取りに攻撃者が割り込み、正規の利用者になりすます攻撃 | オンラインバンキングで、攻撃者が利用者になりすまして口座からお金を引き出す |
二つの主な方法
インターネット上で、私たちが安全にウェブサイトやアプリを利用する上で、「セッションハイジャック」と呼ばれる脅威への対策が欠かせません。セッションハイジャックとは、第三者が他人のセッション情報を不正に入手し、成りすまして悪用する行為を指します。まるで、他人の家の鍵を盗んで侵入するようなもので、私たちの大切な個人情報や金銭が危険にさらされる可能性があります。
セッションハイジャックには、大きく分けて二つの方法が存在します。一つは、「アプリケーションレベル」と呼ばれる攻撃です。これは、ウェブサイトやアプリ自身に潜む脆弱性、つまり、システムの欠陥や設計上のミスを突いて、攻撃者がセッション情報を盗み出すというものです。もう一つは、「ネットワークレベル」と呼ばれる攻撃です。こちらは、ネットワーク上を流れるデータに目をつけ、情報を盗聴する手段を用います。私たちの利用する通信経路に侵入し、やり取りされるデータの中からセッション情報を盗み取ろうとするのです。
これらの攻撃は、高度な技術を持つ攻撃者によって巧妙に仕組まれているため、私たちユーザー自身が気づくことは非常に困難です。そのため、ウェブサイトやアプリの運営側によるセキュリティ対策が重要となります。しかし、私たちユーザー自身も、パスワードの使い回しを避けたり、セキュリティソフトを導入するなど、日頃からセキュリティ意識を高めておくことが大切です。
脅威 | 概要 | 攻撃方法 |
---|---|---|
セッションハイジャック | 第三者が他人のセッション情報を不正に入手し、成りすまして悪用する行為 |
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身を守るための対策
インターネット上でやり取りを行う際、私たち自身の情報を守ることは非常に重要です。そのための対策として、利用者一人ひとりがセキュリティ意識を高め、具体的な対策を講じる必要があります。
まず、パスワードの管理は基本中の基本です。パスワードは定期的に変更し、推測されにくい複雑なものに設定しましょう。誕生日や電話番号など、個人情報に関連するものは避け、大文字、小文字、数字、記号を組み合わせた複雑なパスワードを使用することが効果的です。
次に、利用するウェブサイトやアプリのセキュリティ対策も重要です。提供元が信頼できるか、セキュリティ更新は最新の状態かを確認しましょう。最新の状態に保つことで、悪意のある攻撃者からシステムの脆弱性を突かれるリスクを減らすことができます。
さらに、インターネットを利用する場所にも注意が必要です。無料の無線LANなど、誰でもアクセスできるネットワークはセキュリティが脆弱な場合があります。このような場所では、金融機関の口座情報や個人情報など、重要な情報のやり取りは避け、信頼できるネットワーク環境を利用するようにしましょう。
これらの対策を心掛けることで、セッションハイジャックなどの被害から身を守り、安全にインターネットを利用することができます。
対策項目 | 具体的な対策 |
---|---|
パスワード管理 | – 定期的なパスワード変更 – 推測されにくい複雑なパスワード設定(大文字、小文字、数字、記号の組み合わせ) – 個人情報に関連するパスワードの使用禁止 |
ウェブサイト・アプリの安全性 | – 提供元の信頼性確認 – セキュリティ更新の最新状態確認 |
インターネット利用環境の安全性 | – 無料無線LANなど、誰でもアクセスできるネットワークでの重要な情報のやり取りは避ける – 信頼できるネットワーク環境の利用 |
更なる対策
昨今では、インターネット利用者だけでなく、ウェブサイトやサービスを提供する側も、セッションハイジャック対策を強化していく必要性が高まっています。
その対策の一つとして、セッションタイムアウトの設定が挙げられます。これは、利用者が一定時間操作を行わなかった場合に、自動的にウェブサイトやサービスからログアウトさせる仕組みです。この機能を導入することで、万が一利用者のセッション情報が盗み取られたとしても、有効期限が切れているため、不正なアクセスを防ぐ効果が期待できます。
また、二段階認証の導入も有効な対策として挙げられます。従来のパスワードによる認証に加えて、利用者のスマートフォンなどへ送信される認証コードの入力も求めることで、セキュリティレベルを大幅に向上させることができます。仮にパスワードが盗み取られた場合でも、この認証コードがない限りは不正アクセスを防ぐことができるため、より強固なセキュリティ対策と言えるでしょう。
セッションハイジャックは、利用者が気づかないうちに進行する、大変危険な攻撃です。しかし、上述のようなセキュリティ対策を強化することで、被害を未然に防ぐことが可能です。日頃からセキュリティに関する意識を高め、安全なインターネット利用環境を構築していくことが重要です。
対策 | 内容 | 効果 |
---|---|---|
セッションタイムアウト | 一定時間操作を行わなかった場合に、自動的にウェブサイトやサービスからログアウトさせる。 | セッション情報が盗み取られても、有効期限切れによって不正アクセスを防ぐ。 |
二段階認証 | 従来のパスワード認証に加えて、スマートフォンなどに送信される認証コードの入力も求める。 | パスワードが盗み取られても、認証コードがない限り不正アクセスを防ぐ。 |