システムの生命線!可用性の重要性とは?

システムの生命線!可用性の重要性とは?

セキュリティを高めたい

「情報セキュリティの3大要素で『可用性』というのがありますが、どんなことか教えてください。」

情報セキュリティ専門家

「可用性」は、簡単に言うとシステムが必要な時にきちんと使える状態であることを指します。例えば、インターネットバンキングにログインしようとしたら、システムが混雑していてログインできない、という状況は、可用性が低い状態と言えますね。

セキュリティを高めたい

なるほど。でも、システムが混雑している時もあるのは仕方ないですよね?

情報セキュリティ専門家

その通りです。ただ、可用性を高めるためには、システムを強化したり、常に状況を監視して問題が起きそうな時にすぐに対応できる体制を整えるなど、様々な工夫が必要になってくるんですよ。

可用性とは。

「情報セキュリティの大切な言葉の一つに、『使い続けられるか』というものがあります。これは、システムが故障などで止まらずに、ずっと動き続けられる力のことを指します。普段は、システムが決められた時間の中でどれくらいきちんと動いているかという割合(稼働率)で表されます。利用者にとっては、この稼働率が高いほど、安心して使えるシステムと言えます。この『使い続けられるか』を高めたシステムの状態を『高可用性』と呼びます。さらに、故障が起きても止まらないレベルのシステムの状態を『耐障害性』と呼びます。『高可用性』のシステムは、サービスが一時的に中断することはあっても、その時間を極力短くするように工夫された仕組みです。一方、『耐障害性』の高いシステムは、システムのトラブルでサービスが止まることはありませんが、システムを動かすための設備にお金がかかり、利用者がシステムを使うための費用も高くなってしまいます。『使い続けられるか』は、『誰にも見られないようにする』『内容が正しいことを保つ』とともに、情報セキュリティの最も重要な3つの要素(CIA)の一つとされています。『使い続けられるか』を狙うサイバー攻撃としては、ネットワークやウェブサイト、コンピュータを止めてしまうDDoS攻撃や、コンピュータのファイルを勝手に暗号化するランサムウェアなどが挙げられます。」

止まらないシステムの重要性

止まらないシステムの重要性

現代社会において、情報システムは社会基盤や企業活動、私たちの日常生活にとって、もはや欠くことのできないものとなっています。電力やガス、水道のように、情報システムも私たちが普段の生活を送る上で無くてはならない存在となっています。
もしも、これらのシステムが停止してしまうと、どのような影響が出るでしょうか。
企業であれば、業務が滞り、顧客との約束が守れなくなるかもしれません。工場の操業が停止し、製品が作れなくなるかもしれません。
私たち個人にとっても、インターネットが使えなくなったり、銀行のATMが使えなくなったりと、日常生活に大きな支障が出てしまうでしょう。
このように、システムの停止は、業務の遅延や機会損失、顧客満足度の低下など、様々な悪影響をもたらします。
システムが停止してしまうと、時間とお金の大きな損失に繋がってしまうのです。
そのため、システムを安定的に稼働させる「可用性」は、情報システムを設計、運用する上で非常に重要な要素となっています。
システムの可用性を高めるためには、様々な対策が必要です。
例えば、停電に備えて無停電電源装置を導入したり、システムの負荷を分散させるために複数のサーバーで運用したり、といった対策があります。
情報システムは、私たちの社会にとって必要不可欠なものとなっています。
システムの安定稼働を維持するために、可用性という視点を常に意識することが重要です。

可用性とは何か?

可用性とは何か?

– 利用できる状態を保つこと可用性の概念

情報システムやサービスにおいて、「必要な時に滞りなく使える」ということは非常に重要です。この「使える状態を保つ力」のことを、情報セキュリティの分野では「可用性」と呼びます。

では、具体的にどのようにこの「可用性」を測るのでしょうか? 一般的には、システムが問題なく動き続けている時間の割合を指標として用います。これは「稼働率」とも呼ばれ、例えば「99.99%」のようにパーセンテージで表されます。

稼働率が高いほど、システムは安定して稼働していると判断できます。逆に、システムが頻繁に停止してしまう場合は、稼働率は低くなり、可用性が低いということになります。

高い可用性を持つシステムは、利用者にとって大きな安心感を与えます。必要な時にいつでも利用できるという信頼感は、そのままシステムへの信頼、ひいてはサービスを提供する組織への信頼へと繋がっていくでしょう。

用語 説明
可用性 情報システムやサービスにおいて、必要な時に滞りなく使える状態を保つ力
稼働率 システムが問題なく動き続けている時間の割合。可用性を測る指標として用いられる。

高可用性と耐障害性の違い

高可用性と耐障害性の違い

– 高可用性と耐障害性の違いシステムを設計する上で、「止まらないシステム」を目指すことは非常に重要です。このようなシステムを実現するためのアプローチとして、「高可用性」と「耐障害性」という考え方があります。どちらもシステムの停止時間を減らし、継続的なサービス提供を目指すという点では共通していますが、その実現方法や費用対効果は異なります。高可用性は、システムの一部に障害が発生した場合でも、別の正常なシステムに切り替えることでサービス全体としては停止時間を最小限に抑えることを目指します。例えば、複数のサーバーを並列に稼働させ、1台のサーバーに障害が発生した場合でも、他のサーバーが処理を引き継ぐことでサービスを継続できます。高可用性は比較的低コストで実現しやすいというメリットがありますが、障害発生時に切り替え処理が発生するため、完全に停止時間をゼロにすることはできません。一方、耐障害性は、システムの一部に障害が発生しても、システム全体としては停止することなく、処理を継続できるように設計することです。例えば、重要なデータを複数の場所に複製しておいたり、システムの構成要素を冗長化しておくことで、一部の障害が全体に波及することを防ぎます。耐障害性は高可用性よりも高いレベルの可用性を確保できますが、システム設計や運用が複雑になり、コストも高くなる傾向があります。どちらのアプローチを採用するかは、システムの重要度や許容される停止時間、予算などを考慮して決定する必要があります。重要なシステムや、停止時間が大きな損失に繋がるシステムでは、費用をかけてでも耐障害性を高めることが求められます。一方、重要度が低く、多少の停止時間が許容されるシステムであれば、高可用性で十分な場合もあります。

項目 高可用性 耐障害性
定義 システムの一部に障害が発生しても、別の正常なシステムに切り替えることでサービス全体としては停止時間を最小限に抑える システムの一部に障害が発生しても、システム全体としては停止することなく、処理を継続できる
実現方法 – 複数のサーバーを並列に稼働
– 障害発生時に他のサーバーに処理を引き継ぐ
– 重要なデータを複数の場所に複製
– システムの構成要素を冗長化
メリット – 比較的低コストで実現しやすい – 高可用性よりも高いレベルの可用性を確保
デメリット – 障害発生時に切り替え処理が発生するため、完全に停止時間をゼロにすることはできない – システム設計や運用が複雑
– コスト高
適用例 – 重要度が低く、多少の停止時間が許容されるシステム – 重要なシステム
– 停止時間が大きな損失に繋がるシステム

情報セキュリティにおける可用性の重要性

情報セキュリティにおける可用性の重要性

情報セキュリティの世界では、「機密性」「完全性」と並んで「可用性」が重要な要素として挙げられます。機密性とは、許可された人だけが情報にアクセスできるようにすることであり、完全性とは、情報の内容が正確で改ざんされていないことを保証することです。そして可用性とは、許可された人が必要なときに情報にアクセスできる状態を指します。

昨今、企業活動はインターネットに大きく依存しており、もしもサイバー攻撃などによってシステムが停止してしまうと、本来アクセスできるはずの情報にアクセスできなくなり、業務に大きな支障をきたす可能性があります。

例えば、企業のホームページがDDoS攻撃(大量のデータを送りつけることでサーバーをダウンさせる攻撃)によって閲覧できなくなった場合を考えてみましょう。顧客はサービスを利用できなくなり、企業は販売機会を失ったり、企業イメージが悪化するといった影響を受ける可能性があります。

このように、可用性は企業の安定的な事業継続にとって非常に重要です。システムの障害やサイバー攻撃からシステムを守り、情報へのアクセスを維持するためには、適切なセキュリティ対策を講じることが不可欠です。

情報セキュリティ要素 説明
機密性 許可された人だけが情報にアクセスできること
完全性 情報の内容が正確で改ざんされていないこと
可用性 許可された人が必要なときに情報にアクセスできる状態であること

可用性を脅かすサイバー攻撃

可用性を脅かすサイバー攻撃

– 可用性を脅かすサイバー攻撃

インターネット社会において、システムやサービスが安定して利用できる状態である「可用性」は、企業活動のみならず、私たちの日常生活にとっても非常に重要です。しかし近年、この可用性を標的としたサイバー攻撃が増加しており、大きな脅威となっています。

可用性を脅かすサイバー攻撃として、代表的なものにはDDoS攻撃ランサムウェアなどがあります。DDoS攻撃は、攻撃対象のサーバーに対して、大量のデータを送りつけることで、サーバーに過剰な負荷をかけ、システムをダウンさせます。標的となった企業は、サービスの提供ができなくなり、経済的な損失を被るだけでなく、顧客からの信頼を失墜させる可能性もあります。

一方、ランサムウェアは、コンピュータに侵入して重要なファイルなどを暗号化し、その復号と引き換えに金銭を要求する攻撃です。身代金目的の攻撃であるため、近年では特に増加傾向にあります。ランサムウェアに感染すると、業務に必要なデータが利用できなくなり、業務が停止に追い込まれるなど、企業活動に深刻な影響を及ぼします。

これらの攻撃は、企業のシステムだけでなく、近年では電力やガス、水道などの社会インフラを標的とするケースも確認されており、その影響は計り知れません。社会全体に影響が及ぶ前に、セキュリティ対策を強化していくことが重要です。

攻撃手法 概要 影響
DDoS攻撃 標的のサーバーに大量のデータを送りつけ、過剰な負荷をかけることでシステムをダウンさせる。 サービスの提供が不可能になり、経済的損失や顧客からの信頼失墜に繋がる。
ランサムウェア コンピュータに侵入し重要なファイルを暗号化、復号と引き換えに金銭を要求する。 業務に必要なデータが利用不可能となり、業務停止など深刻な影響を及ぼす。

可用性を高めるための対策

可用性を高めるための対策

システムが安定して利用できる状態を保つことは、企業活動において非常に重要です。システムの可用性を高めるためには、様々な対策を講じることが必要となります。

まず、システムの冗長化は重要な対策の一つです。これは、重要な機器やシステムを二重化、三重化することで、一部に障害が発生した場合でも、他の部分が機能を代替し、システム全体としては停止しないようにする仕組みです。

次に、データのバックアップも欠かせません。定期的にデータを複製し、別の場所に保管しておくことで、災害や機器の故障等でデータが消失した場合でも、速やかに復旧することができます。

また、セキュリティ対策の強化も重要です。外部からの攻撃やコンピュータウィルスの感染によってシステムがダウンすることを防ぐためには、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。

さらに、システムの運用状況を常に監視し、問題が発生した場合には、すぐに対応できる体制を構築しておくことも重要です。システムの状態を監視するツールを導入したり、専門の担当者を置くことで、迅速な対応が可能となります。

システムの可用性を高めるためには、設計段階から考慮する必要があります。専門家の意見を取り入れながら、適切な対策を講じることで、システムの安定稼働を実現できます。

対策 説明
冗長化 重要な機器やシステムを二重化、三重化することで、一部に障害が発生した場合でも、他の部分が機能を代替し、システム全体としては停止しないようにする。
データのバックアップ 定期的にデータを複製し、別の場所に保管しておくことで、災害や機器の故障等でデータが消失した場合でも、速やかに復旧する。
セキュリティ対策の強化 外部からの攻撃やコンピュータウィルスの感染によってシステムがダウンすることを防ぐ。
運用状況の監視 システムの状態を監視するツールを導入したり、専門の担当者を置くことで、問題発生時の迅速な対応を可能にする。