情報システムを支えるインフラとは

情報システムを支えるインフラとは

セキュリティを高めたい

先生、『インフラ』ってよく聞くんですけど、情報セキュリティの文脈ではどんな意味ですか?水道や電気と同じ意味で捉えていいのでしょうか?

情報セキュリティ専門家

良い質問ですね!確かに『インフラ』は、元々は水道や電気、ガスなどの社会生活を支える基盤設備を指す言葉です。情報セキュリティの分野でも、考え方は同じです。

セキュリティを高めたい

じゃあ、情報セキュリティでいう『インフラ』は具体的に何になるんですか?

情報セキュリティ専門家

情報システムを動かすための、サーバーやネットワーク機器、ソフトウェア、データなどが『インフラ』に当たります。これらが安定して動くことで、私達が安全に情報システムを使えるわけです。

インフラとは。

「情報セキュリティ」の分野でよく聞く「インフラ」という言葉は、「インフラストラクチャー」を短くした言い方で、元々は水道や電気など、社会全体を支えるための設備や仕組みのことを指していました。それが、情報システムの世界では、システムを動かすための土台となるものを表すようになりました。具体的には、サーバーなどの機器や設備、それらを置く場所、機器と機器をつなぐ通信回線やネットワーク、ソフトウェア、データなどが含まれます。

インフラの定義

インフラの定義

– インフラの定義インフラとは、「インフラストラクチャー」を省略した言葉です。私たちの暮らしや経済活動を支える基盤となる施設や設備のことを指します。例えば、水や電気、ガスといったライフラインや、道路、鉄道などが挙げられます。
情報システムにおいてもインフラという言葉が使われます。社会インフラと同じように、情報システムを支える基盤となるものを指します。具体的には、システムを動かすための物理的な装置であるハードウェア、システムの動作を指示するソフトウェア、情報をやり取りするためのネットワーク、そしてシステムで扱う様々なデータなどが含まれます。これらの要素が組み合わさり、情報システムとして機能しています。
情報システムのインフラは、安定したシステム運用のために欠かせない要素です。インフラが正常に機能しなければ、システムが停止し、業務に大きな影響を及ぼす可能性もあります。そのため、情報システムの構築・運用においては、インフラの設計や管理が非常に重要となります。

種類 説明 具体例
社会インフラ 暮らしや経済活動を支える基盤となる施設や設備 水、電気、ガス、道路、鉄道
情報システムインフラ 情報システムを支える基盤となるもの ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、データ

情報システムにおけるインフラの具体例

情報システムにおけるインフラの具体例

情報システムにおいて、インフラはシステム全体を支える土台となる重要な要素です。
具体的には、以下のような要素が挙げられます。

まず、情報やデータを保管・処理する「サーバー」が欠かせません。サーバーは、情報システムの心臓部とも言える重要な役割を担っています。
次に、これらのサーバーや利用者のパソコンなどを繋ぐ「ネットワーク機器」が必要です。代表的なものとしては、データの送受信を制御する「ルーター」や、複数のネットワークを接続する「スイッチ」などが挙げられます。
さらに、情報を保管しておく「ストレージ」も欠かせません。大量のデータを保存できるハードディスクや、高速処理が可能なSSDなどが用いられます。
これらの機器は、適切な環境で運用・管理するために「データセンター」と呼ばれる施設に設置されることが一般的です。データセンターは、停電や災害時にも安定稼働できるよう、電力や空調などの設備が整っています。
そして、このデータセンターと外部を繋ぐ役割を担うのが「通信回線」です。

これらの物理的な機器に加えて、目には見えないソフトウェアもインフラを構成する重要な要素です。
例えば、ハードウェアを制御し、他のソフトウェアを動かすための基盤となる「オペレーティングシステム(OS)」や、大量のデータを効率的に管理する「データベース管理システム(DBMS)」などが挙げられます。

これらの要素が組み合わさることで、情報システムは初めて円滑に稼働することが可能となります。

分類 要素 説明
物理的な機器 サーバー 情報やデータを保管・処理する、情報システムの心臓部
ネットワーク機器
(ルーター、スイッチなど)
サーバーやパソコンなどを繋ぐための機器
ストレージ
(ハードディスク、SSDなど)
情報を保管しておくための機器
データセンター 機器を適切な環境で運用・管理するための施設
通信回線 データセンターと外部を繋ぐ役割を担う
ソフトウェア オペレーティングシステム(OS) ハードウェアを制御し、他のソフトウェアを動かす基盤
データベース管理システム(DBMS) 大量のデータを効率的に管理するためのシステム

インフラの重要性

インフラの重要性

今日の企業活動において、情報システムはもはや欠かせない存在となっています。受注管理や顧客情報管理、社内コミュニケーションなど、多岐にわたる業務が情報システムに依存しており、その安定稼働は事業の継続に直結すると言っても過言ではありません。
このような重要な情報システムを陰ながら支えているのが「インフラ」です。例えるならば、建物にとっての基礎や柱のように、インフラは情報システムという建物をしっかりと支える土台の役割を担っています。もしも、インフラが正常に機能しなくなれば、情報システムは動作しなくなり、業務が停止してしまうなど、企業活動に大きな影響を及ぼす可能性があります。
そのため、情報システムを安定稼働させるためには、インフラの構築、運用、保守といった一連のプロセスが非常に重要になります。堅牢なインフラを構築することで、システムの安定性や信頼性を高めることができます。また、適切な運用や定期的な保守を行うことで、障害発生のリスクを抑制し、長期にわたって安定したシステム運用を実現することができます。

インフラの進化

インフラの進化

– インフラの進化

従来の企業システムの基盤といえば、オンプレミスと呼ばれる形態が一般的でした。これは、企業が自社の施設内にサーバーやネットワーク機器などの設備を物理的に設置して管理・運用する方法です。
しかし、近年は情報技術の進化とともに、クラウドコンピューティングが急速に普及しています。クラウドコンピューティングとは、インターネットを通じてサーバーやネットワーク、ソフトウェアなどのIT資源を必要な時に必要なだけ利用できるサービスです。

クラウドサービスの登場により、企業は自社でインフラを保有する必要がなくなり、初期費用や運用管理の手間を大幅に削減できるようになりました。また、必要なときに必要なだけリソースを増減できるため、ビジネスの変化にも柔軟に対応可能です。さらに、クラウド事業者が提供する高度なセキュリティ対策を活用することで、自社で構築するよりも強固なセキュリティを実現できるケースもあります。
このように、クラウドコンピューティングは従来のインフラの概念を大きく変え、企業のシステム構築や運用に革新をもたらしています。

項目 オンプレミス クラウドコンピューティング
設置場所 自社施設内 インターネット上
費用 初期費用・運用管理費が高い 初期費用・運用管理費が低い
柔軟性 低い 高い
セキュリティ 自社で構築・運用 クラウド事業者が提供

インフラとセキュリティ

インフラとセキュリティ

現代社会において、情報システムは企業活動や人々の生活に欠かせないものとなっています。その重要性が高まるにつれて、情報システムを狙ったサイバー攻撃など、様々な脅威も増大しています。情報システムを安全に稼働させるためには、システムの基盤となるインフラのセキュリティ対策が非常に重要です。

インフラとは、情報システムを支える土台となる設備やネットワークのことです。具体的には、サーバーやネットワーク機器、データベースなどが挙げられます。もしも、これらのインフラがサイバー攻撃などによって被害を受けてしまうと、情報漏えいやシステム障害といった重大な問題を引き起こす可能性があります。

例えば、サーバーが不正アクセスによって乗っ取られてしまうと、そこに保存されている顧客情報や企業秘密などの重要な情報が盗み出されてしまうかもしれません。また、ネットワーク機器に障害が発生すると、システム全体が利用できなくなり、業務が停止してしまう可能性もあります。

このような事態を防ぐためには、インフラに対するセキュリティ対策を適切に実施することが不可欠です。具体的には、ファイアウォールや侵入検知システムなどのセキュリティ対策ソフトの導入、アクセス制御や暗号化による情報の保護、定期的な脆弱性診断の実施など、多岐にわたる対策が必要です。

インフラのセキュリティ対策は、情報システム全体のセキュリティ対策の基盤となるものです。しっかりと対策を講じることで、情報資産を守り、安心してシステムを利用できる環境を構築することができます。

情報システムのインフラセキュリティ
重要性 情報システムを安全に稼働させるためには、システムの基盤となるインフラのセキュリティ対策が重要
インフラの定義 情報システムを支える土台となる設備やネットワーク(サーバー、ネットワーク機器、データベースなど)
脅威の影響 インフラがサイバー攻撃などで被害を受けると、情報漏えいやシステム障害などの重大な問題を引き起こす可能性
具体的な脅威の例 サーバー乗っ取りによる情報漏えい、ネットワーク機器障害によるシステム停止
対策の必要性 インフラに対するセキュリティ対策を適切に実施することが不可欠
具体的な対策例 セキュリティ対策ソフト導入、アクセス制御、暗号化、脆弱性診断など
まとめ インフラのセキュリティ対策は、情報システム全体のセキュリティ対策の基盤となり、適切な対策で情報資産を守り、安心してシステムを利用できる環境を構築可能