企業を守る盾!NDRでネットワーク脅威を迅速検知
セキュリティを高めたい
「NDR」って、セキュリティの用語で聞いたことがあるんですけど、何のことか教えてください。
情報セキュリティ専門家
「NDR」は「ネットワーク脅威検知・対応」の略で、ネットワーク上の怪しい動きを見つけて、対処してくれるものだよ。パソコンやスマホを守る「EDR」のネットワーク版と考えればいいよ。
セキュリティを高めたい
ネットワーク版ということは、NDRは会社全体を守るイメージですか?
情報セキュリティ専門家
その通り!会社の中を流れるデータ全体を監視して、怪しいアクセスやウィルスを見つけ出すんだ。最近は、人工知能を使って、より複雑な攻撃も見破れるようになっているんだよ。
NDRとは。
「情報セキュリティの分野で使われる『NDR』という言葉について説明します。『NDR』は『Network Detection and Response』の略で、ネットワーク上での怪しい動きを見つけて対処するための道具や製品のことを指します。似たような考え方として、パソコンやスマホなどの端末に焦点を当てた『EDR』というものもあります。『NDR』は人工知能や機械学習といった技術を使って、ネットワーク上のデータの流れの中から攻撃や危険な兆候を見つけ出します。
ネットワークの脅威とは?
– ネットワークの脅威とは?現代社会において、企業のネットワークは、まるで蜘蛛の巣にかかった獲物を狙うかのように、日々巧妙化するサイバー攻撃の脅威にさらされています。かつては愉快犯的なものが多かったサイバー攻撃ですが、今日では、企業や組織の重要な情報資産やシステムを標的にした、より悪質なものが主流となっています。特に、特定の企業を狙った「標的型攻撃」や、データを暗号化して身代金を要求する「ランサムウェア」は、その巧妙さから、多くの企業にとって大きな脅威となっています。これらの攻撃は、高度な技術と入念な計画に基づいて実行されるため、従来型のセキュリティ対策では、完全に防ぐことが難しいのが現状です。このような状況下、企業は、ネットワーク上に潜む脅威を早期に発見し、迅速に対応することで被害を最小限に抑えることが求められます。そのためには、ファイアウォールやウイルス対策ソフトなどのセキュリティ対策はもちろんのこと、従業員一人ひとりがセキュリティ意識を高め、不審なメールやウェブサイトにアクセスしないなど、日ごろからの心掛けが重要となります。ネットワークの脅威は、常に進化し続けています。企業は、最新の脅威に関する情報を常に収集し、セキュリティ対策を強化していくことが不可欠です。
脅威の種類 | 特徴 | 対策 |
---|---|---|
標的型攻撃 | 特定の企業を狙った攻撃 | ファイアウォールやウイルス対策ソフトの導入 従業員一人ひとりのセキュリティ意識向上 不審なメールやウェブサイトへのアクセスを控える 最新の脅威情報の収集とセキュリティ対策の強化 |
ランサムウェア | データを暗号化して身代金を要求する攻撃 |
NDRとは?
NDRとは?
NDR(ネットワーク検知・対応)は、組織のネットワーク内における怪しい挙動を見つけ出し、それに対処するためのセキュリティ対策です。従来型のセキュリティ対策である、侵入を防ぐための壁のようなファイアウォールや、侵入検知システム(IDS)、侵入防御システム(IPS)では、巧妙に仕組まれた攻撃や、まだ知られていない新しい攻撃方法であるゼロデイ攻撃を見つけるのが困難でした。NDRは、ネットワーク上を流れるデータであるネットワークトラフィックをくまなく調べ、怪しい行動を見つけ出すことで、これらの新たな脅威にも対応します。
NDRは、膨大な量のネットワークデータの中から、普段とは異なるパターンや、攻撃の特徴を示す兆候を人工知能(AI)や機械学習を用いて分析します。これにより、従来型のセキュリティ対策では見つけることが難しかった、ステルス性の高い攻撃や、潜伏期間の長い攻撃を早期に発見することが可能になります。また、NDRは、検知した脅威に対して、自動的に対応を行う機能も備えています。例えば、脅威となる通信を遮断したり、影響を受ける可能性のある機器を隔離したりすることで、被害の拡大を防ぎます。
近年、サイバー攻撃は増加の一途を辿っており、その手口も巧妙化しています。そのため、NDRは、企業や組織にとって不可欠なセキュリティ対策になりつつあります。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | ネットワーク内の不審な挙動を検知し対処するセキュリティ対策 |
従来型セキュリティ対策との違い | ファイアウォールやIDS/IPSとは異なり、既知・未知の攻撃を検知可能 |
仕組み | AI/機械学習を用いてネットワークトラフィックを分析し、異常パターンや攻撃の兆候を検出 |
効果 | ステルス性が高い攻撃や潜伏型の攻撃を早期発見、自動対応による被害拡大防止 |
現状 | サイバー攻撃の増加・巧妙化に伴い、企業にとって不可欠なセキュリティ対策に |
NDRの特徴
– NDRの特徴ネットワーク検知・対応(NDR)は、人工知能や機械学習といった最先端技術を駆使することで、膨大なネットワーク情報を高速かつ効果的に解析し、危険をリアルタイムで発見します。従来のセキュリティ対策では、担当者が膨大なアラートを手作業で確認する必要があり、対応が遅れるケースも少なくありませんでした。しかしNDRは、危険の重大度や影響範囲を自動で判断し、優先順位を付けることで、担当者の負担を減らし、迅速な対応を支援します。例えば、外部からの不正アクセスや内部からの情報漏洩など、組織にとって特に危険度の高いものを優先的に処理することができます。さらに、NDRは誤検知を極力抑えることで、担当者が本当に対処すべきアラートに集中することを可能にします。これにより、セキュリティ担当者はより重要な業務に専念できるようになり、組織全体のセキュリティレベル向上に繋がります。このように、NDRは従来のセキュリティ対策の課題を克服し、より高度な脅威への対応を可能にする、これからの時代に不可欠な技術と言えるでしょう。
NDRの特徴 | 従来のセキュリティ対策 |
---|---|
最先端技術(AI/機械学習)で高速・効果的に解析 | 担当者による手作業での確認 |
危険をリアルタイムに発見 | 対応が遅れるケースあり |
危険の重大度/影響範囲を自動で判断し優先順位付け | – |
誤検知を極力抑える | – |
高度な脅威への対応が可能 | – |
EDRとの違い
– EDRとの違いNDRは、EDR(エンドポイント検知および対応)と似たようなセキュリティ対策として挙げられますが、両者は監視対象が異なります。EDRは、パソコンやサーバーなどの端末上で行われる活動に焦点を当て、マルウェアへの感染や不正なプログラムの実行などを検知します。一方、NDRは、組織全体のネットワークを監視対象とし、ネットワーク上で行われる不審な通信や怪しい動きを検知します。具体的にEDRは、端末上で動作するプログラムの挙動を監視し、怪しいファイルへのアクセスや、外部との不審な通信などを検知します。これにより、端末に侵入しようとするマルウェアや、既に侵入しているマルウェアの活動を早期に発見し、被害を最小限に抑えることができます。一方NDRは、ネットワーク機器を通過するデータの流れを監視し、不正なアクセスやデータ送信、内部からの情報漏えいなどの兆候を検知します。EDRでは検知できない、ネットワークレベルの攻撃を検知できる点がNDRの特徴です。このように、EDRとNDRは監視対象と検知できる脅威が異なります。EDRは端末内部の脅威に強く、NDRはネットワーク全体の脅威に強いと言えます。そのため、両者を組み合わせることで、より強固なセキュリティ体制を構築することができます。EDRで端末レベルの脅威を、NDRでネットワークレベルの脅威をそれぞれ監視することで、多層的な防御が可能となり、組織全体のセキュリティレベル向上に繋がります。
項目 | EDR | NDR |
---|---|---|
監視対象 | 端末上で行われる活動 | 組織全体のネットワーク |
検知対象 | マルウェア感染、不正プログラムの実行など | 不審な通信、怪しい動き |
具体例 | 怪しいファイルへのアクセス、外部との不審な通信 | 不正アクセス、データ送信、内部からの情報漏えい |
強み | 端末内部の脅威に強い | ネットワーク全体の脅威に強い |
NDRの導入メリット
– NDR導入によるメリットネットワーク上の脅威は日々巧妙化しており、企業はセキュリティ対策の強化が急務となっています。その有効な対策の一つとして、NDR(ネットワーク脅威検知・対応)の導入が注目されています。NDRとは、ネットワーク全体を監視し、怪しい動きを検知・分析することで、サイバー攻撃から企業を守るためのシステムです。NDRを導入することで、企業は具体的に以下のようなメリットを得られます。まず、NDRはネットワーク内の通信をリアルタイムで監視し、怪しい通信パターンや不正なアクセスを検知することで、脅威を迅速に発見できます。従来型のセキュリティ対策では、攻撃を受けてから対応することが多かったため、被害が拡大してしまうケースも少なくありませんでした。しかし、NDRを活用することで、攻撃の兆候をいち早く捉え、被害を最小限に食い止めることが可能となります。次に、NDRはネットワーク全体の活動を可視化し、分かりやすく表示する機能を備えています。これにより、セキュリティ担当者は、ネットワーク上で何が起こっているのかを容易に把握できます。具体的には、どの端末がどのくらい通信しているのか、どのアプリケーションが利用されているのか、といった情報をグラフや図表で確認できます。この可視性の向上は、セキュリティ担当者が潜在的な脅威を特定し、適切な対策を講じる上で大きく貢献します。さらに、NDRは検知した脅威の深刻度や影響範囲を自動的に分析し、優先順位をつけて対応すべき順番を示してくれるため、セキュリティ担当者は、膨大なアラートに埋もれることなく、重要な脅威に集中して対応できます。また、NDRは、脅威への対応策を自動的に実行する機能も備えているため、セキュリティ担当者の負担を軽減し、人的ミスによる対応漏れを防ぐことも可能です。このように、NDRは企業のセキュリティ対策を大幅に強化する上で、非常に有効な手段と言えるでしょう。
メリット | 説明 |
---|---|
脅威の早期発見と被害の最小化 | リアルタイム監視で怪しい通信パターンや不正アクセスを検知し、迅速に対応することで被害拡大を防止 |
ネットワーク全体の可視化 | ネットワーク活動を可視化し、セキュリティ担当者が状況を容易に把握できるようにすることで潜在的な脅威の特定を支援 |
脅威の優先順位付け | 検知した脅威の深刻度や影響範囲を分析し、優先順位を付けて表示することで、重要な脅威への対応を優先 |
対応の自動化と効率化 | 脅威への対応策を自動実行することで、セキュリティ担当者の負担軽減と対応漏れを防ぐ |
まとめ
近年のサイバー攻撃は、手口が巧妙化し、日々進化を遂げています。企業は、従来型のセキュリティ対策だけでは、これらの高度な攻撃から重要な情報資産を守ることが難しくなってきています。
このような状況下で、企業のネットワークを守るためにNDR(ネットワーク型脅威検知・対応)の重要性が高まっています。NDRとは、ネットワークを流れる通信をリアルタイムで監視し、怪しい動きを検知することで、サイバー攻撃の兆候をいち早く捉える技術です。
NDRを導入することで、企業は従来のセキュリティ対策では見つけるのが難しかった潜伏型の脅威も発見できるようになり、被害が発生する前に迅速に対応できるようになります。具体的には、NDRは不正な通信を遮断したり、攻撃を受けた端末をネットワークから隔離したりすることで、被害の拡大を最小限に抑えます。
このように、NDRは企業のセキュリティ対策を強化し、顧客からの信頼を守り、安全な事業継続を実現するために不可欠な要素と言えるでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
サイバー攻撃の現状 | 手口が巧妙化し、日々進化している。従来型のセキュリティ対策だけでは、高度な攻撃から情報資産を守ることが難しい。 |
NDRの重要性 | ネットワークを流れる通信をリアルタイムで監視し、怪しい動きを検知することで、サイバー攻撃の兆候をいち早く捉える技術。 |
NDRの効果 | – 従来のセキュリティ対策では見つけるのが難しかった潜伏型の脅威も発見できる。 – 被害が発生する前に迅速に対応できる。(不正な通信の遮断、攻撃を受けた端末のネットワークからの隔離など) – 被害の拡大を最小限に抑える。 |
NDR導入のメリット | – セキュリティ対策の強化 – 顧客からの信頼を守る – 安全な事業継続の実現 |