進化するセキュリティ対策:NGAV/NGEPPとは?
セキュリティを高めたい
「情報セキュリティでよく聞く『次世代アンチウイルス』って、普通のアンチウイルスと何が違うんですか?」
情報セキュリティ専門家
良い質問だね!従来のアンチウイルスは、犯罪者の指紋みたいな『シグネチャ』を基に、既知のウイルスだけを見つけ出すものだったんだ。でも、次世代アンチウイルスはもっと賢くて、怪しい動きをAIなどで見つけて、未知のウイルスでもブロックできるんだよ。
セキュリティを高めたい
へえー!つまり、今まで見つかっていなかったウイルスにも対応できるってことですか?
情報セキュリティ専門家
その通り!だから、より安全性を高めることができるんだ。もちろん、完璧ではないので、他の対策と組み合わせることが重要だよ。
NGAVとは。
「情報セキュリティの分野で使われる『NGAV』という言葉について説明します。『NGAV』は、『NextGenerationAntivirus(次世代アンチウイルス)』や『NGEPP(NextGenerationEndpointProtectionPlatform:次世代端末保護プラットフォーム)』の略称で、『次世代アンチウイルス』や『次世代EPP』などとも呼ばれています。これは、従来のアンチウイルス技術を進化させた解決策です。従来のアンチウイルス製品は、攻撃者が残した痕跡である『シグネチャ』を元に、既に知られているマルウェア(悪意のあるソフトウェア)を検出していました。一方、『NGAV/NGEPP』は、人工知能や機械学習といった技術を活用することで、未知のマルウェアや悪意のある行動を検知することができます。より詳しい説明は、次のとおりです。」
従来のアンチウイルス対策の限界
近年、コンピューターウイルスや不正アクセスといった脅威が巧妙化・複雑化する中で、従来型のアンチウイルスソフトでは、万全な対策を取ることが難しくなってきています。
従来のアンチウイルスソフトは、既知のウイルスの特徴を記録したデータベースと照らし合わせて、脅威を検知する仕組みでした。しかし、日々新たなウイルスが次々と出現する状況下では、このデータベースに登録されていない未知のウイルスへの対策が課題となっていました。
また、高度な技術を持つ攻撃者は、ウイルスの特徴を巧妙に隠蔽し、既存のアンチウイルスソフトによる検知を回避するケースも増えています。これは、従来のアンチウイルスソフトが、データベースに登録されている特徴と完全に一致しないウイルスを検知することが難しいという特性に起因しています。
このように、従来型のアンチウイルスソフトは、日々進化するサイバー攻撃の脅威からシステムを完全に保護するには、限界を迎えていると言えます。
項目 | 内容 |
---|---|
従来型アンチウイルスソフトの仕組み | 既知のウイルスの特徴を記録したデータベースと照らし合わせて脅威を検知 |
従来型アンチウイルスソフトの課題 | – データベースに登録されていない未知のウイルスへの対策が困難 – ウイルスの特徴を隠蔽し、検知回避する攻撃への対策が困難 |
従来型アンチウイルスソフトの限界 | 日々進化するサイバー攻撃の脅威からシステムを完全に保護することが困難 |
次世代セキュリティ対策:NGAV/NGEPPの登場
近年、コンピュータウイルスやマルウェアといった脅威は、日々進化を遂げています。従来型のアンチウイルスソフトは、既知の脅威のデータベースに基づいて、パターンマッチングによって脅威を検知・遮断してきました。しかし、この手法には限界があり、次々と登場する新たな脅威、いわゆる「ゼロデイ攻撃」には対応できず、企業の重要な情報資産を守るには十分ではありませんでした。
こうした従来型アンチウイルスソフトの課題を解決するのが、次世代セキュリティ対策と呼ばれる「NGAV/NGEPP」です。「NGAV/NGEPP」は、従来型のパターンマッチングに加えて、人工知能や機械学習といった最新の技術を活用します。これにより、膨大なデータの中から未知のマルウェアや、悪意のある行動パターンを検知することが可能になりました。例えば、これまで安全だと思われていたファイルが、特定の条件下で悪意のある動作をする場合でも、「NGAV/NGEPP」はそれを検知し、未然に被害を防ぐことができます。
このように、「NGAV/NGEPP」は、従来型のアンチウイルスソフトでは防ぎきれなかったゼロデイ攻撃など、より高度化・巧妙化するサイバー攻撃からシステムを守ることができる、まさに次世代のセキュリティ対策と言えるでしょう。
項目 | 従来型アンチウイルスソフト | 次世代セキュリティ対策(NGAV/NGEPP) |
---|---|---|
特徴 | 既知の脅威のデータベースに基づき、パターンマッチングで検知・遮断 | パターンマッチングに加え、AIや機械学習を活用し、未知の脅威も検知 |
効果 | 既知の脅威には有効だが、ゼロデイ攻撃には対応できない | ゼロデイ攻撃にも対応可能 |
課題 | 新たな脅威に対応できない | – |
NGAV/NGEPPの仕組み:多層的な防御体制
– NGAV/NGEPPの仕組み多層的な防御体制従来のウイルス対策ソフトは、既知のウイルスのパターンと照合する手法が主流でしたが、日々巧妙化する新たな脅威への対応が課題となっていました。これを解決するのが、次世代型ウイルス対策ソフト(NGAV)や次世代型エンドポイント保護(NGEPP)です。
NGAV/NGEPPは、複数の検知エンジンを組み合わせた多層的な防御体制を特徴としています。まず、ファイルが実行される前に、その構造や特徴を分析します。これは、過去に発見されたウイルスの特徴と比較するだけでなく、怪しい動きをするプログラムのコードを解析することで、未知の脅威を予測することも可能です。
さらに、サンドボックスと呼ばれる隔離された安全な環境を用意し、そこで疑わしいファイルを実際に実行してみます。この仮想環境内でのファイルの挙動を監視することで、悪意のある活動が行われていないかをより確実に判断できます。このように、NGAV/NGEPPは、複数の検知エンジンを連携させることで、従来の手法では見逃されてしまう可能性のある巧妙な脅威も高い精度で検知できるようになりました。
従来のウイルス対策ソフト | NGAV/NGEPP |
---|---|
既知のウイルスパターンとの照合 | 複数の検知エンジンを組み合わせた多層的な防御体制 – ファイルの実行前の構造や特徴の分析 – 怪しい動きのプログラムコード解析による未知の脅威の予測 – サンドボックスでのファイルの実行と挙動監視 |
新たな脅威への対応が課題 | 巧妙な脅威も高い精度で検知可能 |
NGAV/NGEPP導入のメリット:包括的な保護
– 包括的な保護NGAV/NGEPP導入の利点従来型のアンチウイルスソフトは、既知のウイルスのパターンを元に脅威を検知・防御していました。しかし、近年ではパターンファイルに登録されていない未知のウイルスや、日々巧妙化する攻撃手法により、従来型の対策では防御が困難になりつつあります。NGAV/NGEPPは、ファイルの振る舞いや特徴を分析することで、未知の脅威やゼロデイ攻撃を検知します。これは、たとえ未知のウイルスであっても、不正なプログラムが実行されようとする行動を検知することで、システムへの侵入を防ぐことができるためです。また、近年増加傾向にあるランサムウェアやフィッシング詐欺といった、従来型のアンチウイルスソフトでは対処が難しい攻撃にも有効です。標的型攻撃メールに潜む不正なプログラムの実行を未然に防いだり、暗号化通信を悪用した攻撃を検知したりすることで、企業の重要な情報を守ります。さらに、NGAV/NGEPPは従来型のアンチウイルスソフトと比較して、誤検知が少なく、システムへの負荷も低いという利点もあります。これにより、システム管理者の負担を軽減し、業務効率の向上も期待できます。このようにNGAV/NGEPPは、進化するサイバー攻撃から企業を守るための包括的なセキュリティ対策として、大きな効果を発揮します。
従来型アンチウイルスソフトの課題 | NGAV/NGEPPの利点 | 具体的な効果 |
---|---|---|
パターンファイルに登録されていない未知のウイルスへの対応 | ファイルの振る舞いや特徴を分析して脅威を検知 | 未知のウイルスやゼロデイ攻撃を検知・防御 |
日々巧妙化する攻撃手法への対応 | 不正なプログラムが実行されようとする行動を検知 | ランサムウェアやフィッシング詐欺等の攻撃を防御 |
誤検知の多さ | 誤検知が少ない | システム管理者の負担軽減、業務効率向上 |
システムへの負荷 | システムへの負荷が低い | システムパフォーマンスへの影響軽減 |
これからのセキュリティ対策
昨今、悪意のある第三者によるネットワークを介した攻撃は、日々巧妙化しており、企業や組織は、保有する重要な情報資産を守るために、絶えず最新の脅威情報を入手し、セキュリティ対策を講じる必要があります。
従来型のウイルス対策ソフトは、既知のウイルスのパターンを基に検知を行うため、日々新たに作り出される未知のウイルスや、その亜種には対応することができませんでした。
しかし、次世代型のウイルス対策ソフトは、従来型のウイルス対策ソフトの限界を超え、未知の脅威に対しても有効な対策を提供します。例えば、怪しいプログラムを実行前に隔離された環境で動作させ、その振る舞いを分析することで、悪意のあるプログラムかどうかを判定するなどの対策があります。
さらに、次世代型のウイルス対策ソフトは、従来型のウイルス対策ソフトが苦手としていた、標的型攻撃メール対策や脆弱性対策など、多層的な防御機能を備えていることも大きな特徴です。
今後、人工知能や機械学習などの技術革新により、次世代型のウイルス対策ソフトは、さらに進化していくことが予想されます。セキュリティ対策の担当者は、常に最新の技術動向を注視し、自社のシステムに最適な対策を検討していく必要があります。
項目 | 内容 |
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従来型ウイルス対策ソフト | 既知ウイルスパターンに基づく検知 未知のウイルスや亜種への対応は困難 |
次世代型ウイルス対策ソフト | 未知の脅威にも有効 例:怪しいプログラムを隔離環境で実行し、振る舞いを分析 多層防御機能(標的型攻撃メール対策、脆弱性対策など) 人工知能や機械学習によるさらなる進化 |