情報漏えいの危険! トラッシングとは?

情報漏えいの危険! トラッシングとは?

セキュリティを高めたい

先生、「トラッシング」って、情報セキュリティの分野でどんな意味ですか?ごみ箱と関係があるみたいなんですが…

情報セキュリティ専門家

良い質問ですね!「トラッシング」は、ハッカーが情報を盗むための準備段階で行う行為です。ごみ箱を漁るように、捨てられた書類やメモから、パスワードやネットワーク構成などの情報を探し出すことを指します

セキュリティを高めたい

へえー!捨てたものでも、そんな風に悪用される可能性があるんですね!でも、パスワードのような大事な情報は、捨てる前にシュレッダーにかけるんじゃないですか?

情報セキュリティ専門家

その通り!シュレッダーは有効な対策の一つです。しかし、うっかりメモ書きや、顧客情報が書かれたままの書類をそのまま捨ててしまう人もいるんです。一見、重要でないように見える情報でも、組み合わせることで悪用される可能性があります。だから、情報管理は本当に大切なんですよ。

トラッシングとは。

トラッシングとは

トラッシングとは

– トラッシングとはトラッシングとは、企業や個人から捨てられたゴミを漁ることで、機密情報を探し出す行為を指します。一見すると、ただの不要な紙くずや廃棄物にしか見えませんが、そこには思いもよらない情報が含まれている可能性があります。例えば、何気なく捨てられたメモ用紙に、住所や電話番号が走り書きされているかもしれません。また、シュレッダーにかけずに捨てられた書類には、氏名やクレジットカード番号の一部、取引先情報など、重要な情報が記載されている可能性があります。悪意のある人物は、このようにして入手した情報を悪用し、様々な犯罪行為を行います。例えば、入手した個人情報を使って、金融機関になりすまし、口座から預金を引き出すといった金銭的な被害を与えることがあります。また、企業から盗み出した顧客情報や機密情報を利用し、脅迫したり、競合他社に売却することで、企業活動に大きな損害を与えることもあります。トラッシングは、ソーシャルエンジニアリングという攻撃手法の一つとして知られています。ソーシャルエンジニアリングとは、人間の心理的な隙や行動の癖を利用して、情報を盗み出したり、不正な操作を行わせる攻撃手法です。トラッシングを行うことで、攻撃者は標的となる人物や組織に関する情報を効率的に収集し、より巧妙な攻撃を仕掛けることが可能となります。そのため、トラッシング対策として、個人情報や機密情報を含む書類は、シュレッダーで細かく裁断する、あるいは、燃えるゴミとして廃棄するなど、情報漏洩のリスクを最小限に抑えるように心がける必要があります。

項目 内容
定義 企業や個人から捨てられたゴミを漁り、機密情報を探し出す行為
リスク
  • 個人情報(住所、電話番号、クレジットカード番号など)の漏洩
  • 企業情報(顧客情報、取引先情報、機密情報など)の漏洩
  • 金銭的被害(預金の不正引き出しなど)
  • 企業活動への損害(脅迫、情報売却など)
分類 ソーシャルエンジニアリング攻撃の一つ
対策
  • 個人情報や機密情報を含む書類はシュレッダーで細かく裁断する
  • 燃えるゴミとして廃棄する

トラッシングの危険性

トラッシングの危険性

不用意に捨てられた書類や記録媒体から情報を盗み出す行為を「トラッシング」と言います。一見、何気ない行為に思えるかもしれませんが、トラッシングは、私たちが想像する以上に大きな危険性をはらんでいます。トラッシングの最も恐ろしい点は、その手軽さと、被害に遭っていることに気づきにくいという点です。
私たちは、日々、不要になった書類やレシートなどをゴミ箱に捨てています。しかし、もしも、それらのゴミの中に、住所や氏名、電話番号、クレジットカード番号などが記載されたものが入っていたらどうなるでしょうか。悪意のある人物は、ほんの少しの労力で、あなたの重要な個人情報を手に入れることができてしまいます。
個人情報が漏えいしてしまうと、身に覚えのない請求が届いたり、銀行口座から預金を引き出されたりするなどの金銭的な被害を受ける可能性があります。また、金銭的な被害だけでなく、精神的な苦痛や社会的な信用を失墜させられるなど、取り返しのつかない事態に発展する可能性も秘めているのです。トラッシングは、決して他人事ではありません。一人ひとりが危機意識を持ち、適切な対策を講じることが重要です。

トラッシングとは 危険性 被害の内容
不用意に捨てられた書類や記録媒体から情報を盗み出す行為
  • 手軽である
  • 被害に遭っていることに気づきにくい
  • 金銭的な被害 (不正請求、預金の引き出しなど)
  • 精神的な苦痛
  • 社会的な信用失墜

企業における対策

企業における対策

昨今、企業にとって情報資産の重要性はますます高まっており、その保護は喫緊の課題となっています。特に、廃棄された書類から情報を盗み取る「トラッシング」による情報漏えいリスクは、企業が軽視できない脅威となっています。そのため、企業はトラッシング対策として、多角的な取り組みを積極的に推進していく必要があります。

まず、従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高めることが重要です。トラッシングのリスクや、情報漏えいが企業に与える影響について、定期的な研修やeラーニングを通じて周知徹底する必要があります。また、機密情報を含む書類の取り扱いに関する明確なルールを策定し、従業員に遵守させることが重要です。例えば、書類の廃棄方法や、持ち出しに関する規定などを明確化し、違反者には厳正な処分を科すことを明記する必要があります。

加えて、企業は物理的な対策も講じる必要があります。機密書類を廃棄する際には、シュレッダーの使用を義務付け、単にゴミ箱に捨てる行為を禁止する必要があります。さらに、シュレッダーの種類も重要です。裁断された紙片が復元困難な、よりセキュリティレベルの高いシュレッダーを導入することが望ましいです。また、機密書類専用のゴミ箱を設置し、施錠管理を行うなど、廃棄から収集までのプロセスにおけるセキュリティレベルを高める必要があります。

さらに、外部の専門業者との連携も有効な手段となります。セキュリティ会社と契約し、オフィス周辺のゴミを定期的に回収してもらうことで、トラッシングのリスクを大幅に低減できます。また、セキュリティ会社による従業員向けの研修なども実施することで、より効果的にセキュリティ意識を高めることが可能となります。

情報漏えい対策は、企業の存続を左右する重要な経営課題です。トラッシング対策を含め、多層的なセキュリティ対策を実施することで、情報資産を安全に守り、企業の信頼とブランドイメージを守ることが重要です。

対策 具体的な内容
セキュリティ意識の向上 – トラッシングのリスクや情報漏えいの影響に関する定期的な研修やeラーニングの実施
– 機密情報を含む書類の取り扱いに関する明確なルール策定(廃棄方法、持ち出し規定など)と違反者への厳正な処分
物理的な対策 – 機密書類廃棄時のシュレッダー使用の義務付けとゴミ箱への廃棄禁止
– セキュリティレベルの高いシュレッダーの導入
– 機密書類専用ゴミ箱の設置と施錠管理
外部の専門業者との連携 – セキュリティ会社との契約によるオフィス周辺ゴミの定期回収
– セキュリティ会社による従業員向け研修の実施

個人における対策

個人における対策

私たちは、普段の生活の中で、様々な書類を受け取ります。郵便物や公共料金の明細書、オンラインショッピングの領収書など、枚挙にいとまがありません。これらの書類には、私たちの住所や氏名、場合によってはクレジットカード情報など、重要な個人情報が記載されていることが少なくありません。不用意に捨ててしまうと、悪意のある人物に拾われてしまい、思わぬ犯罪に巻き込まれてしまうかもしれません。このような犯罪を防ぐために、私たち一人ひとりができる対策があります。

まず、書類を捨てる際には、シュレッダーを使うことが有効です。シュレッダーは、書類を細かく裁断してくれる機械です。裁断された書類は、元に戻すことが非常に難しくなるため、個人情報が悪用されるリスクを大幅に減らすことができます。もしシュレッダーがない場合は、黒色のペンなどで、住所や氏名などの重要部分を塗りつぶしてから捨てましょう。特に、クレジットカード番号や銀行口座番号などは、完全に読み取れなくなるまで、丁寧に塗りつぶすことが大切です。

また、最近は、インターネット上で明細書を確認できるサービスも普及しています。公共料金やクレジットカードの利用明細書などは、紙媒体で受け取らずに、オンラインで確認するようにすれば、紙媒体を破棄する手間も省け、個人情報漏洩のリスクを減らすことにもつながります。

このように、個人レベルでも、少しの工夫と心がけで、トラッシングによる被害を防ぐことができます。自分自身の身を守るため、そして、安全な社会を実現するためにも、今日からできる対策を始めてみましょう。

対策 説明
シュレッダーの使用 書類を細かく裁断し、個人情報が悪用されるリスクを減らす。
黒色のペンで塗りつぶし シュレッダーがない場合、住所や氏名などの重要部分を塗りつぶしてから捨てる。
インターネット上で明細書を確認 紙媒体を破棄する手間を省き、個人情報漏洩のリスクを減らす。

まとめ

まとめ

近年、技術の進歩に伴い、私達の生活は便利になった一方で、情報漏えいなどの事件・事故も増加しています。情報漏えいは、企業の信頼を失墜させたり、個人の生活を脅かしたりするなど、深刻な被害をもたらす可能性があります。
情報漏えいの手口の一つに「トラッシング」があります。これは、ゴミ箱などに捨てられた書類や記録媒体から、個人情報や機密情報を探し出す行為を指します。一見、ただのゴミだと思って捨ててしまったものであっても、悪意のある第三者の手に渡れば、重要な情報が漏えいしてしまう可能性があります。
企業は、書類を破棄する際には、シュレッダーをかけたり、情報を復元できないように専用の溶解処理を施すなど、適切な対策を講じる必要があります。個人においても、住所や氏名、金融機関の情報などが記載された書類をそのままゴミ箱に捨てることは大変危険です。個人情報を含む書類は、シュレッダーをかけるか、水で濡らして読めないようにするなど、情報漏えい対策を徹底することが重要です。
情報漏えいは、一度発生してしまうと、その被害を完全に回復することは困難です。企業も個人も、その危険性を認識し、日頃からセキュリティ対策を意識して、トラッシングの被害から身を守ることが大切です。

情報漏えいのリスク 対策
企業の信頼を失墜 書類のシュレッダー処理、情報復元不可能な溶解処理
個人の生活を脅かす 個人情報を含む書類のシュレッダー処理、水で濡らすなどして読めないようにする