ゼロトラスト時代の必須要素:ZTNAとは

ゼロトラスト時代の必須要素:ZTNAとは

セキュリティを高めたい

先生、「ZTNA」って最近よく聞くんですけど、具体的にどんなものなんですか?

情報セキュリティ専門家

「ZTNA」は、簡単に言うと「ゼロトラスト」って考え方に基づいた、新しいセキュリティ対策なんだ。従来のセキュリティ対策だと、社内ネットワークに接続できれば、後は自由にアクセスできてしまっていたんだけど、「ZTNA」は、常に利用者とアクセス先を検証することで、より安全性を高めているんだ。

セキュリティを高めたい

なるほど。常にチェックするんですね!でも、それって従来の方法と比べて、どこがそんなに良いんですか?

情報セキュリティ専門家

良い質問だね!例えば、最近はテレワークが増えて、会社の外から会社のデータにアクセスする機会が増えているよね?「ZTNA」は、場所にとらわれず、常に安全にアクセスできる仕組みを提供してくれるんだ。だから、最近の働き方に合っていると言えるね。

ZTNAとは。

「情報セキュリティの分野で『ZTNA』という言葉を見かけることが増えてきました。ZTNAとは、ゼロトラストネットワークアクセスを略したものです。アメリカの調査会社であるガートナー社は、ZTNAを『アプリやアプリ群へのアクセスを、利用者や状況に応じて個別に制御する仕組みを持つ製品やサービス』と定義しています。ZTNAを使うことで、アプリは外から見えなくなり、アプリやデータへのアクセスは、ゼロトラストモデルに基づいた厳格なチェックを経た後でのみ許可されるようになります。この仕組みにより、従来のネットワークやアプリへのアクセスで問題となっていた、必要以上の信頼や複雑なアクセス許可設定といった課題の解決が期待されています。ZTNAは、利用者の場所や端末の種類、アプリの場所などに関係なくアクセスを制御できるため、近年のテレワークの増加やクラウドサービスの利用拡大に伴い、社内のデータセンター、個別のクラウド環境、みんなが使えるクラウド環境など、様々な利用環境が混在する状況において、特に注目されています。従来、社内システムへのアクセス制御で主に使われてきたVPN環境では、いくつかの課題が顕在化していました。ZTNAは、主にクラウドサービス型の製品やサービスとして導入が進んでおり、これらの課題を解決するものとして期待されています。近年、多くの企業では、ゼロトラストモデルに基づいたセキュリティ対策の見直しや強化が進められていますが、ZTNAもその対策の一つとして、今後も導入が進むと予想されています。」

ゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)の概要

ゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)の概要

– ゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)の概要近年、企業や組織が扱う情報はますます重要性を増しており、それに伴い情報セキュリティ対策の重要性も増しています。従来のセキュリティ対策は、社内ネットワークと社外ネットワークの境界に重点を置き、ファイアウォールなどで外部からの不正アクセスを遮断することに主眼が置かれていました。しかし、テレワークの普及やクラウドサービスの利用拡大など、ネットワークの境界線が曖昧化する中で、従来型の境界防御では十分なセキュリティレベルを維持することが難しくなってきています。このような状況下で注目されているのが、ゼロトラストという考え方です。ゼロトラストとは、あらゆるアクセスを信頼せず、常に検証を行うというセキュリティの概念です。従来のように、社内ネットワークに接続しているから安全と判断するのではなく、ユーザー、デバイス、アプリケーション、アクセスする情報など、あらゆる要素に対して認証と認可を厳密に行うことで、セキュリティレベルを向上させます。ゼロトラストを実現する具体的な手段の一つとして、ゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)があります。ZTNAは、ユーザーがどこからアクセスする場合でも、アプリケーションやデータへのアクセスを都度検証し、許可されたアクセスのみを 허용します。ZTNAを導入することで、不正アクセスや情報漏洩のリスクを大幅に削減し、より安全なIT環境を実現することができます。

項目 内容
従来のセキュリティ対策の問題点 – 社内ネットワークと社外ネットワークの境界に重点を置いていたため、テレワークの普及やクラウドサービスの利用拡大など、ネットワークの境界線が曖昧化する中で、十分なセキュリティレベルを維持することが難しくなってきた。
ゼロトラストとは – あらゆるアクセスを信頼せず、常に検証を行うというセキュリティの概念。
– ユーザー、デバイス、アプリケーション、アクセスする情報など、あらゆる要素に対して認証と認可を厳密に行うことで、セキュリティレベルを向上させる。
ゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)とは – ユーザーがどこからアクセスする場合でも、アプリケーションやデータへのアクセスを都度検証し、許可されたアクセスのみを 허용する。
ZTNAのメリット – 不正アクセスや情報漏洩のリスクを大幅に削減
– より安全なIT環境を実現

ZTNA導入の背景

ZTNA導入の背景

近年、場所にとらわれずに働くことができるテレワークが普及し、企業の情報システムも社内ネットワークだけでなく、クラウドサービスを利用することが多くなりました。それに伴い、企業のネットワーク環境は複雑化し、従来型のセキュリティ対策では対応が難しくなってきています。
従来の社内ネットワークに接続する仕組みであるVPN接続では、一度接続が許可されると、社内ネットワーク全体へのアクセスが許可されてしまいます。そのため、もしも悪意のある第三者に不正アクセスされた場合、企業内の機密情報が盗まれたり、システム全体が麻痺してしまうなどの大きな被害に繋がる可能性がありました。
このような背景から、近年注目されているセキュリティ対策がZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)です。ZTNAは、接続するユーザやデバイス、アクセスするアプリケーションなどを個別に検証し、本当に必要なアクセスのみを許可する仕組みです。たとえ、不正アクセスが発生した場合でも、被害を最小限に抑えることができます。

項目 従来型セキュリティ対策 ZTNA
接続方法 VPN接続 個別に検証
アクセス範囲 社内ネットワーク全体 必要なアクセスのみ
セキュリティリスク 機密情報漏洩、システム麻痺など、被害が甚大になる可能性 被害を最小限に抑えることが可能

ZTNAの特徴と利点

ZTNAの特徴と利点

近年、テレワークの普及やクラウドサービスの利用拡大に伴い、社内ネットワークに接続する端末の増加や、アクセス経路の多様化が進んでいます。このような状況下では、従来型の境界防御では十分なセキュリティを確保することが難しくなってきています。そこで注目されているのが、ゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)です。

ZTNAの大きな特徴は、アプリケーション単位でアクセス制御を行う点にあります。従来のVPNのように、認証さえ通れば社内ネットワークに自由にアクセスできるような仕組みではなく、利用者が必要とするアプリケーションへのアクセスのみを許可します。たとえ悪意のある第三者が認証を突破したとしても、許可されたアプリケーション以外にはアクセスできないため、被害を最小限に抑えることができます。

さらに、ZTNAでは、アクセス制御にIDや端末の状態だけでなく、アクセスする時間や場所といったコンテキスト情報も利用します。例えば、通常業務外の時間帯や、普段とは異なる場所からのアクセスを検知した場合、アクセスを制限するといったことが可能になります。このように、ZTNAは従来型のセキュリティ対策と比較して、より厳密で柔軟なアクセス制御を実現することで、高いセキュリティレベルを確保できる点が大きな利点と言えるでしょう。

従来型境界防御の課題 ZTNAの特徴 メリット
– テレワーク普及による端末増加
– クラウドサービス利用拡大によるアクセス経路の多様化
– 境界防御だけではセキュリティ確保が困難
– アプリケーション単位でアクセス制御
– アクセス制御にID、端末状態、コンテキスト情報を利用
– 認証突破されても被害を最小限に抑える
– より厳密で柔軟なアクセス制御
– 高いセキュリティレベルを確保

VPNとの違い

VPNとの違い

– VPNとの違い従来のVPNは、離れた場所にいる利用者や拠点全体を、あたかも一つのネットワークに接続しているかのように扱います。これは、あたかも社内ネットワークに直接接続されているような利便性を提供する一方で、ネットワーク全体へのアクセスを許してしまうというセキュリティ上のリスクも孕んでいます。もし、悪意のある第三者がVPN接続を突破した場合、ネットワーク上のあらゆる情報にアクセスできてしまう可能性があるためです。一方、ZTNAはアプリケーションレベルでアクセスを制御します。これは、利用者がアクセスできるのは許可された特定のアプリケーションやサービスのみであり、ネットワーク全体にはアクセスできないことを意味します。このため、仮にZTNA接続が突破された場合でも、被害を最小限に抑えることが期待できます。さらに、従来のVPNは設定や運用が複雑になりがちで、専門的な知識が必要となる場合も少なくありません。しかし、ZTNAはクラウドサービスとして提供されるケースも多く、導入や運用が比較的容易である点も大きなメリットです。専門知識がなくても、直感的な操作で利用できるサービスも増えています。

項目 従来のVPN ZTNA
接続範囲 ネットワーク全体 許可されたアプリケーション・サービスのみ
セキュリティリスク ネットワーク全体へのアクセスを許すため、リスク大 アプリケーションレベルでのアクセス制御のため、リスク小
導入・運用 複雑で専門知識が必要な場合が多い クラウドサービスとして提供されるなど、比較的容易

ZTNAの導入効果

ZTNAの導入効果

– ZTNAの導入効果従来の境界型セキュリティ対策では、社内ネットワークに接続することを前提としていたため、テレワークの普及やクラウドサービスの利用拡大に伴い、セキュリティ上の課題が生じていました。そこで注目されているのがZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)です。ZTNAは、ユーザーやデバイスを常に信頼しないことを前提に、アクセス毎に認証・認可を行うことで、より強固なセキュリティを実現します。ZTNAを導入することで、企業は以下のような効果を期待できます。* -セキュリティ体制の強化- ZTNAは、従来型の境界防御とは異なり、ユーザーやデバイスの場所を問わず、常に検証を行うため、セキュリティリスクを大幅に低減できます。* -サイバー攻撃や情報漏洩リスクの低減- アクセス制御を厳格化することで、不正アクセスやマルウェア感染による被害を最小限に抑えられます。たとえ、万が一、端末がマルウェアに感染したとしても、ネットワークへのアクセスが制限されているため、被害の拡大を防ぐことができます。* -テレワーク環境におけるセキュリティ対策- テレワーク環境下では、従業員が様々な場所から社内システムにアクセスするため、セキュリティリスクが高まります。ZTNAは、場所を問わずセキュアなアクセスを提供することで、この課題を解決します。* -クラウドサービス利用時のセキュリティ強化- 多くの企業が様々なクラウドサービスを利用していますが、ZTNAは、クラウドサービスへのアクセスに対しても、同様のセキュリティレベルを適用できます。* -アクセス制御の柔軟性向上- ZTNAは、従来型のVPNのように、ユーザーを特定のネットワークに接続するのではなく、必要なアプリケーションやリソースへのアクセスのみを許可します。そのため、従業員の利便性を損なうことなく、きめ細やかなアクセス制御が可能となります。これらの導入効果により、ZTNAは、企業のセキュリティ対策の重要な要素として、今後ますます普及していくと考えられます。

導入効果 説明
セキュリティ体制の強化 ユーザーやデバイスの場所を問わず、常に検証を行うため、セキュリティリスクを大幅に低減できます。
サイバー攻撃や情報漏洩リスクの低減 アクセス制御を厳格化することで、不正アクセスやマルウェア感染による被害を最小限に抑えられます。たとえ、万が一、端末がマルウェアに感染したとしても、ネットワークへのアクセスが制限されているため、被害の拡大を防ぐことができます。
テレワーク環境におけるセキュリティ対策 場所を問わずセキュアなアクセスを提供することで、テレワーク環境下におけるセキュリティリスクの高まりを解決します。
クラウドサービス利用時のセキュリティ強化 クラウドサービスへのアクセスに対しても、同様のセキュリティレベルを適用できます。
アクセス制御の柔軟性向上 ユーザーを特定のネットワークに接続するのではなく、必要なアプリケーションやリソースへのアクセスのみを許可するため、従業員の利便性を損なうことなく、きめ細やかなアクセス制御が可能となります。

ZTNAの今後の展望

ZTNAの今後の展望

ゼロトラストセキュリティという考え方が広まるにつれて、ZTNAの導入はさらに進むと考えられています。従来の境界型セキュリティ対策では、社内ネットワークに接続さえできれば、その内部では自由にアクセスできてしまうため、もしも攻撃者が侵入してしまった場合、被害が拡大してしまうリスクがありました。
しかし、ZTNAはユーザーやデバイスを常に信頼しないという考え方に基づき、アクセスするたびに認証と認可を都度行うことで、より強固なセキュリティを実現します。
このような特徴から、企業はZTNAを導入することで、変化の激しいビジネス環境やセキュリティの脅威にも柔軟に対応できるセキュリティ体制を構築することが期待できます。特に、テレワークの普及やクラウドサービスの利用拡大が進む中で、従来の境界線が曖昧になっている現代のビジネス環境において、ZTNAは重要な役割を果たすと考えられています。
将来的には、ZTNAは単なるセキュリティ対策ツールとしての枠を超え、企業の重要な情報資産を安全に保護するための基盤となることが期待されています。

従来の境界型セキュリティ対策の問題点 ZTNAの特徴 ZTNA導入の効果
社内ネットワーク接続後は、内部でのアクセスが自由
攻撃者侵入時の被害拡大リスク
ユーザー・デバイスを常に信頼しない
アクセス毎に認証・認可を都度実施
変化への柔軟な対応
セキュリティ脅威への柔軟な対応
情報資産保護の基盤