組織の外部リスクを洗い出すEASMとは?

組織の外部リスクを洗い出すEASMとは?

セキュリティを高めたい

先生、「EASM」っていう情報セキュリティの用語があるんですけど、どんなものか教えて下さい。

情報セキュリティ専門家

「EASM」は、組織の外から見て攻撃されやすいところを分析して、危険なところを見つけるためのサービスだよ。 具体的にはどんなところを調べるのか、わかる?

セキュリティを高めたい

うーん、例えば、クラウドサービスの設定ミスとかでしょうか?

情報セキュリティ専門家

その通り! 他にも、外部の会社が管理しているサーバーや、使っているソフトウェアの弱点なども調べる対象になるんだ。 「EASM」は、インターネットに接続されたあらゆるものを対象とするから、幅広い範囲をカバーしないといけないんだよ。

EASMとは。

「情報セキュリティの分野で使われる『EASM』という言葉について説明します。『EASM』は、『External Attack Surface Management』の頭文字をとったものです。これは、組織の外から見える攻撃を受ける可能性のある部分を分析し、危険な箇所を見つけ出すことを専門とするサービスです。分析の対象となるのは、例えば、クラウドサービスの設定の誤りや、外部の会社が管理しているサーバー、アクセスに必要な情報、使っているソフトウェアに潜む弱点などです。

はじめに

はじめに

現代の企業にとって、インターネット上の脅威から自社を守ることは、事業の成功に欠かせない要素となっています。日々巧妙化するサイバー攻撃は、企業活動に深刻な損害をもたらす可能性があり、その対策は待ったなしと言えるでしょう。特に近年、組織の守りが手薄になりがちな外部からの攻撃が増加しており、企業は従来の情報セキュリティ対策を見直す必要性に迫られています。外部からの攻撃を効果的に防ぐために注目されているのがEASM(外部攻撃面管理)です。
EASMとは、企業がインターネット上に公開しているシステムやアプリケーションなど、外部からアクセス可能なあらゆる資産を継続的に監視し、脆弱性を発見・評価・管理する一連のプロセスを指します。従来の情報セキュリティ対策は、ファイアウォールやウイルス対策ソフトなど、内部からの脅威を想定したものが主流でした。しかし、クラウドサービスの利用拡大やテレワークの普及により、企業のシステム環境は複雑化しており、外部からの攻撃に対する脆弱性は増大しています。EASMは、このような変化に対応した、より包括的な情報セキュリティ対策として期待されています。

項目 内容
背景 – インターネット上の脅威から企業を守ることは重要
– サイバー攻撃の巧妙化
– 外部からの攻撃の増加
– クラウドサービスの利用拡大やテレワークの普及によるシステム環境の複雑化
EASMとは – 外部攻撃面管理
– インターネット上に公開しているシステムやアプリケーションなど、外部からアクセス可能なあらゆる資産を継続的に監視し、脆弱性を発見・評価・管理するプロセス
従来の情報セキュリティ対策との違い – ファイアウォールやウイルス対策ソフトなど、内部からの脅威を想定
– EASMは外部からの攻撃に対する、より包括的な情報セキュリティ対策

EASMとは何か

EASMとは何か

– EASMとは何か組織の重要な情報やシステムを、悪意のある攻撃から守ることは、企業にとって喫緊の課題となっています。従来は、ファイアウォールや侵入検知システムなど社内ネットワークを守る仕組みが中心でした。しかし、近年ではクラウドサービスの利用やリモートワークの普及により、組織の守るべき範囲は社内にとどまらず、外部にまで広がっています。このような状況の変化に対応するために生まれた新しいセキュリティ対策が、EASMです。EASMは「External Attack Surface Management」の略で、日本語では「外部攻撃表面管理」と表されます。 これは、組織外部から見て攻撃対象となりうる範囲を洗い出し、分析、管理する一連のプロセスを指します。 従来のセキュリティ対策では、社内ネットワークへの侵入を防ぐことに重点が置かれていましたが、EASMは、攻撃者が組織に侵入する前に、インターネット上に公開されているサーバーやアプリケーション、従業員が利用するクラウドサービスなど、組織外部からアクセス可能なあらゆる資産を把握し、脆弱性がないかを継続的に監視します。EASMによって、組織はこれまで把握しきれていなかった、外部に露出したシステムやサービス、潜在的なセキュリティリスクを可視化することができます。そして、発見された脆弱性を迅速に修正することで、攻撃による被害を未然に防ぐことができるようになります。

項目 内容
EASMとは External Attack Surface Managementの略。組織外部から見て攻撃対象となりうる範囲を洗い出し、分析、管理するプロセス。
従来のセキュリティ対策との違い 社内ネットワークへの侵入を防ぐことに重点を置いていた従来の対策に対し、EASMは組織外部からアクセス可能なあらゆる資産を把握し、脆弱性がないかを継続的に監視する。
EASMのメリット 組織外部に露出したシステムやサービス、潜在的なセキュリティリスクを可視化し、脆弱性を迅速に修正することで、攻撃による被害を未然に防ぐことができる。

分析対象となるもの

分析対象となるもの

– 分析対象となるもの

企業が扱う情報資産を脅威から守るためには、社内ネットワークの境界に防御線を張るだけでは不十分です。情報漏えいのリスクは、社外に公開されたシステムや従業員が利用するあらゆる機器に潜んでいます。外部攻撃対策製品(EASM)は、従来型のセキュリティ対策ではカバーしきれない、企業の外側に潜むリスクを分析し、可視化します。

具体的には、クラウドサービスの設定ミスが挙げられます。クラウドサービスの普及に伴い、その利用は企業システムにとって不可欠なものとなりました。しかし、設定の誤りによって、機密情報が誰でも閲覧できる状態になっているケースも少なくありません。EASMは、このようなクラウドサービスの設定ミスを検知し、迅速な修正を促します。

また、外部に公開されたサーバーや、脆弱性のあるアプリケーションも分析対象となります。インターネットに接続されたサーバーやアプリケーションは、常にサイバー攻撃の脅威にさらされています。EASMは、これらのシステムの脆弱性を自動的に検知し、リスクを評価します。

さらに、従業員が業務で利用するデバイスやネットワークも分析対象に含まれます。テレワークの普及により、企業のセキュリティ対策は社内ネットワークだけでなく、従業員が使用するあらゆるデバイスやネットワークにまで及ぶ必要が出てきました。EASMは、これらのデバイスやネットワークのセキュリティ状態を監視し、不正アクセスや情報漏えいのリスクを軽減します。

EASMは、このように多岐にわたる分析対象を網羅的に評価することで、組織全体のリスクを可視化し、適切な対策を講じることを可能にします。

分析対象 リスク EASMの役割
クラウドサービスの設定ミス 機密情報が誰でも閲覧できる状態になる 設定ミスを検知し、迅速な修正を促す
外部に公開されたサーバーや、脆弱性のあるアプリケーション サイバー攻撃の脅威にさらされている 脆弱性を自動的に検知し、リスクを評価する
従業員が業務で利用するデバイスやネットワーク 不正アクセスや情報漏えいのリスク セキュリティ状態を監視し、リスクを軽減する

EASMのメリット

EASMのメリット

– EASMのメリット近年、企業を狙ったサイバー攻撃は増加の一途をたどり、その巧妙化も進んでいます。このような状況下において、自社のセキュリティ対策が万全であると断言できる企業は少ないのではないでしょうか。外部攻撃面管理(EASM)は、企業の外側から見た攻撃対象領域を洗い出し、潜在的なリスクを可視化することで、より強固なセキュリティ体制の構築を支援します。EASMを導入することで、これまで把握しきれなかった外部からの攻撃経路や脆弱性を特定することができます。例えば、従業員が知らずに利用している危険なフリーソフトウェアや、設定ミスによって外部に露出してしまっているサーバなどが挙げられます。これらのリスクを可視化し、適切な対策を講じることで、サイバー攻撃による被害を未然に防ぐことが可能となります。さらに、EASMはセキュリティ対策の効率化にも大きく貢献します。従来のセキュリティ対策では、担当者が様々なツールやシステムを個別に利用して分析を行う必要があり、多大な時間と労力を要していました。しかし、EASMでは複数のセキュリティ情報を一元的に管理し、自動分析を行うことが可能です。そのため、セキュリティ担当者の負担を軽減し、他の業務に集中できる環境を整備することができます。このように、EASMは企業にとって多くのメリットをもたらす強力なセキュリティ対策ツールと言えるでしょう。

EASMのメリット 内容 具体例
強固なセキュリティ体制の構築 外部からの攻撃対象領域の洗い出しと潜在的なリスクの可視化 – 従業員が知らずに利用している危険なフリーソフトウェア
– 設定ミスによって外部に露出してしまっているサーバ
セキュリティ対策の効率化 複数のセキュリティ情報の一元管理と自動分析 – セキュリティ担当者の負担軽減
– 他の業務への集中を促進

EASMの将来

EASMの将来

近年、多くの企業が事業活動のデジタル化を進めており、その流れは今後も加速していくと考えられています。それに伴い、重要なデータやシステムを安全に保管・運用するために、クラウドサービスの利用も広がっています。しかし、このような変化は同時に、企業が直面するサイバー攻撃のリスクを高めることにもつながります。インターネットを通じてアクセス可能な情報やシステムが増えるほど、悪意のある第三者による攻撃の機会も増加するためです。

このような状況において、企業が安全を確保し、安心して事業を継続していくためには、外部からの攻撃を防御するための強固なセキュリティ対策が不可欠です。その有効な手段の一つとして注目されているのが、EASM(External Attack Surface Management)です。EASMは、企業がインターネット上に公開しているあらゆる情報やシステムを網羅的に把握し、脆弱性やセキュリティ上の問題点を洗い出すことで、外部からの攻撃リスクを低減することを目的としています。

EASMは、変化の激しいデジタル社会において、企業が安全な事業運営を実現するために欠かせない要素となりつつあります。今後、ますます多くの企業がEASMの導入を進め、その重要性はさらに高まっていくと考えられます。

背景 課題 対策
– 企業の事業活動のデジタル化
– クラウドサービス利用の拡大
– インターネット上の情報やシステムが増加 -> サイバー攻撃リスクの増大 – 強固なセキュリティ対策
– EASMの導入