電子政府の鍵を握るGPKIとは？

電子政府の鍵を握るGPKIとは？

はじめに

– はじめに行うべきセキュリティ対策

昨今、行政機関の手続きをインターネット上で行えるようになったり、書類に印鑑を押印する代わりに電子的な手続きで契約を結ぶことが増えてきています。このような状況に伴い、インターネット上で安全に情報をやり取りすることの重要性がますます高まってきています。

悪意のある第三者による情報漏えいや情報の改ざんを防ぐためには、情報の送信元が間違いなく本人であること、そして、情報の内容が送信時から変更されていないことを証明する必要があります。このような問題を解決するために開発された技術の一つにGPKI（公開鍵基盤）があります。

GPKIは、インターネット上で安全に情報をやり取りするための基盤となる技術であり、電子証明書を用いることで、情報の送信元の本人確認と情報が改ざんされていないことの証明を可能にします。

この資料では、GPKIの概要、電子証明書の仕組み、利用方法、そして、GPKIが私たちの生活にどのような恩恵をもたらすのかについて詳しく解説していきます。

GPKIの概要

– 政府共通基盤（GPKI）の概要政府共通基盤（GPKI）とは、”Government Public Key Infrastructure”の略称で、日本政府が運用する公開鍵基盤システムです。このシステムは、インターネット上で安全に情報をやり取りするための基盤となる技術です。公開鍵基盤は、情報を暗号化して送受信する際に必要な「鍵」を安全に管理・運用する仕組みです。インターネット上では、情報を送信する際、その情報が第三者に盗み見られたり、改ざんされたりする危険性が常に付きまといます。GPKIは、このようなリスクから情報を守るための技術基盤として、電子政府において重要な役割を担っています。具体的には、GPKIは電子署名法に基づいて構築・運用されており、電子政府における様々な手続きにおいて、なりすましや改ざんを防止し、情報の信頼性を確保するために利用されています。例えば、オンラインで行政手続きを行う際や、政府機関と電子文書をやり取りする際に、GPKIの技術が活用されています。GPKIの導入により、政府機関と国民、企業間の安全な情報交換が実現し、電子政府の更なる発展、国民の利便性向上に貢献することが期待されています。

GPKIの仕組み

– GPKIの仕組み

GPKIは、インターネット上で安全に情報をやり取りするための仕組みです。
公開鍵暗号方式と呼ばれる技術を用いて、電子文書の送信者と受信者を特定し、情報の信頼性を確保します。

この仕組みでは、利用者一人ひとりに電子証明書が発行されます。
電子証明書は、インターネット上の身分証明書のようなものです。

例えば、あなたが電子申請を行う際、あなたの電子証明書が、あなたが確かに本人であること、そして、送信された申請データが改ざんされていないことを行政機関に証明します。

このように、GPKIは、電子政府サービスをはじめ、電子契約や電子商取引など、様々なオンラインサービスにおいて、安全な情報のやり取りを実現する基盤となっています。

GPKIの利用により、行政機関は業務の効率化やコスト削減を実現し、民間企業は取引の安全性を高めることができます。
そして、私たち個人は、安心して電子政府サービスを利用することができます。

GPKIの利用例

– GPKIの利用例

GPKIは、私たちの生活の中で、行政手続きのオンライン化や、企業間における電子取引など、幅広い場面で活用されています。

例えば、以前は役所に出向いて手続きをしていた住民票の申請や税金の申告なども、GPKIを利用することで、インターネットを通じて自宅や職場など、いつでもどこでも手続きができるようになりました。これは、時間や場所の制約から解放されるだけでなく、申請書類への記入ミスを防ぐなどのメリットもあります。

また、企業間における契約手続きにおいても、従来は紙の書類への押印や郵送が必要だったものが、GPKIを用いた電子署名によって、インターネット上で契約を締結できるようになりました。さらに、請求書の発行や受領も電子化することで、郵送費や印刷費などのコスト削減、業務時間の短縮など、多くの企業にとって大きなメリットがあります。

このようにGPKIは、私たちの生活をより便利にするだけでなく、企業の業務効率化やコスト削減にも大きく貢献しており、今後ますますその利用が拡大していくことが期待されています。

GPKIの将来展望

– GPKIの将来展望今後、我が国は「人間中心の社会」、すなわちSociety 5.0の実現に向けて、様々な取り組みを進めていくことが予想されます。特に、あらゆるモノがインターネットに接続されるIoTや、人間の知的能力を模倣するAIといった先進技術の活用は、様々な分野で加速度的に進展していくと考えられます。このような中において、GPKIは電子政府の基盤として重要な役割を担うだけでなく、社会全体の安全な情報連携を支える基盤技術として、その重要性を増していくと予想されます。例えば、医療分野においては、電子カルテの共有や遠隔医療といった新たなサービスが普及していくと考えられます。これらのサービスにおいては、患者のプライバシーや医療情報の機密性を保護するために、高度なセキュリティ対策が必要不可欠となります。GPKIは、このような場面において、改ざんやなりすましを防ぎ、安全な情報連携を実現するための技術として、重要な役割を果たすことが期待されます。また、自動運転の実現に向けて、車両間や車両とインフラとの間で、リアルタイムに情報を共有する技術の開発が進められています。このような技術においても、情報の信頼性を確保し、不正アクセスやサイバー攻撃からシステムを守るために、GPKIの高いセキュリティ技術が不可欠となるでしょう。このように、GPKIは、Society 5.0の実現に向けて、安全で信頼できる情報社会を支える基盤技術として、今後ますます重要な役割を担っていくと考えられています。