長期にわたり脅威であり続けるワーム「Esfury」
セキュリティを高めたい
「Esfury」って、初めて聞きました。一体どんなものなのでしょうか?
情報セキュリティ専門家
良い質問ですね。「Esfury」は、コンピューターウイルスの一種で、特に「ワーム」と呼ばれる種類に分類されます。人に例えると、こっそりと体の中に侵入して、気づかれないように悪さをする、といったイメージでしょうか。
セキュリティを高めたい
悪さ、というと、具体的にどんなことをするんですか?
情報セキュリティ専門家
「Esfury」は、感染したコンピューターの設定を勝手に変えたり、他のコンピューターにも感染を広げたりします。さらに、外部から命令を受けて、情報を盗み出したり、コンピューターを操作したりすることもあります。まさに、コンピューターの世界の悪者ですね。
Esfuryとは。
「エスフューリー」という言葉を、情報の安全を守る分野で使います。エスフューリーは、コンピューターのプログラムで、まるで虫のように他のコンピューターへ次々と移って悪いことをします。2010年には、このプログラムの存在が確認され、2022年の今も活動しているという報告があります。エスフューリーは、以前は「ウィンドウズライブメッセンジャー」という連絡ツールや、USBメモリなどの記録媒体を介して広がっていました。今は、メールやインターネット上のやり取り、ウェブサイトなどを利用して広がっています。エスフューリーに感染すると、コンピューターの安全を守るための設定や重要な情報が書き換えられ、いつまでもコンピューター内に居座り続けます。そして、指令を出すコンピューターと接続し、さらに多くの悪意のあるプログラムを送り込んできます。感染すると、安全を守るためのソフトウェアや機能を強制的に停止させ、安全対策を行う会社のウェブサイトを見られないようにします。
概要
– 概要
「エサフリ」は、2010年に初めてその存在が確認されて以来、現在に至るまで長い間活動を続けているコンピュータワームです。コンピュータワームとは、自己増殖能力を持った悪意のあるプログラムのことで、ネットワークやUSBメモリなどの記録媒体を介して、次々と他のコンピュータへ感染を広げていきます。「エサフリ」もまさにその名の通り、感染拡大を続けながら、コンピュータに様々な悪影響を与えます。
「エサフリ」は、感染したコンピュータの中に保存されている重要な情報を探し出し、外部へ送信する機能を持っています。また、感染したコンピュータを、攻撃者が遠隔から操作するための踏み台として悪用することもあります。さらに、「エサフリ」は、他の悪意のあるプログラムをダウンロードして実行する機能も備えており、感染したコンピュータはより深刻な被害を受ける可能性があります。
「エサフリ」は、長い間活動を続けていることから、その脅威は軽視できません。セキュリティ対策ソフトを最新の状態に保つとともに、不審なメールを開封しない、信頼できないウェブサイトを閲覧しないなど、日頃から感染予防を心がけることが重要です。
脅威 | 概要 |
---|---|
エサフリ | 2010年に初めて確認された、長期にわたり活動を続けるコンピュータワーム。ネットワークやUSBメモリを介して感染拡大し、コンピュータに様々な悪影響を与える。 |
主な機能と被害 | – 感染したコンピュータから重要情報を探索し外部へ送信 – 感染したコンピュータを攻撃者の遠隔操作の踏み台として悪用 – 他の悪意のあるプログラムをダウンロードし実行、さらなる被害をもたらす可能性 |
対策 | – セキュリティ対策ソフトの最新化 – 不審なメールの開封防止 – 信頼できないウェブサイトの閲覧回避 – 日頃からの感染予防の意識付け |
感染経路
エフスフィーの侵入経路は、時間の経過と共に巧妙化しています。初期は、ウィンドウズライブメッセンジャー(2014年にサービス終了)や、USBメモリ等の外部接続記憶装置を介して拡散していました。
しかし、現在では、電子メールやインスタントメッセージ、不正なウェブサイトへのアクセスなど、より巧妙な方法で感染を広げています。
特に、巧妙に偽装されたメールの添付ファイルを開かせる「フィッシング詐欺」の手法は、エフスフィーに限らず、多くの不正プログラムで使用されているため注意が必要です。
例えば、メールの送信者を偽装したり、実在する企業や組織を装って受信者を騙し、添付ファイルを開かせようとします。
このような手口は日々巧妙化しており、受信者は常に警戒を怠らないようにすることが重要です。
時期 | エフスフィーの侵入経路 |
---|---|
初期 | ・ウィンドウズライブメッセンジャー ・USBメモリ等の外部接続記憶装置 |
現在 | ・電子メール ・インスタントメッセージ ・不正なウェブサイトへのアクセス ・フィッシング詐欺 |
Esfuryの脅威
– Esfuryの脅威Esfuryは、感染したコンピュータに深刻な被害をもたらす危険なウイルスです。このウイルスは、コンピュータのセキュリティ設定や、様々な設定情報を記録したレジストリキーを書き換えることで、システムの深い部分に侵入します。まるで根を深く張るように、システムに居座ってしまうのです。このように、Esfuryはシステムに深く入り込むため、一度感染してしまうと、システムを再起動しても活動を再開してしまいます。通常のウイルス対策ソフトでは、再起動時にウイルスを検知して削除できますが、Esfuryはそれだけでは排除できません。さらに、Esfuryは感染したコンピュータから、外部の攻撃者が操るサーバー(C&Cサーバー)との通信を確立します。そして、攻撃者からの指示を受け取ったり、新たな悪意のあるプログラムをダウンロードしたりします。これは、攻撃者が感染したコンピュータを自由に操ることができることを意味します。攻撃者は、Esfuryを通じて、感染したコンピュータに保存された個人情報や機密情報などを盗み出す可能性があります。また、感染したコンピュータを、他のコンピュータへの攻撃の踏み台として悪用する可能性もあります。Esfuryは、個人と組織の両方に深刻な脅威をもたらす危険なウイルスなのです。
脅威 | 概要 | 影響 |
---|---|---|
Esfuryによるシステムへの侵入 | Esfuryはコンピュータのセキュリティ設定やレジストリキーを書き換えることで、システムの深い部分に侵入します。さらに、システムを再起動しても活動を再開するため、通常のウイルス対策ソフトでは完全に排除できません。 | システムの深い部分に侵入されることで、他のウイルス対策ソフトでは検知・削除が困難になります。 |
C&Cサーバーとの通信 | Esfuryは感染したコンピュータから、外部の攻撃者が操るC&Cサーバーとの通信を確立します。これにより、攻撃者は感染したコンピュータに指示を送ったり、新たな悪意のあるプログラムをダウンロードさせたりすることができます。 | 攻撃者が感染したコンピュータを自由に操ることができるようになり、情報窃取や他のコンピュータへの攻撃の踏み台として悪用される可能性があります。 |
個人情報や機密情報の窃取 | 攻撃者は、Esfuryを通じて、感染したコンピュータに保存された個人情報や機密情報などを盗み出す可能性があります。 | 個人情報や機密情報の漏洩は、金銭的な損害やプライバシーの侵害などの深刻な被害につながる可能性があります。 |
他のコンピュータへの攻撃の踏み台 | 攻撃者は、感染したコンピュータを、他のコンピュータへの攻撃の踏み台として悪用する可能性があります。 | 他のコンピュータへの攻撃に悪用されることで、さらに被害が拡大する可能性があります。 |
Esfuryの特徴的な振る舞い
– Esfuryの特徴的な振る舞いEsfuryは、発見されると厄介なセキュリティ対策ソフトを無効化するために、あの手この手を使い巧妙に活動します。具体的には、まず利用者を騙すために、セキュリティ対策ソフトを装った偽物のプログラムをこっそり起動します。そして、本物のセキュリティ対策ソフトを停止させてしまうのです。さらに悪質なことに、Esfuryはセキュリティ対策ソフトの動きを常に監視し、セキュリティ対策ソフトが起動しようとすると、強制的に終了させてしまいます。それだけではありません。Esfuryは、利用者がセキュリティ対策ソフト開発元のホームページにアクセスすることを妨害します。これは、利用者が最新のセキュリティ情報や対策方法を得ることを防ぎ、感染状態を長引かせるためです。このように、Esfuryはあの手この手でセキュリティ対策をくぐり抜けようとする、非常に悪質なプログラムと言えるでしょう。
Esfuryの振る舞い | 目的 |
---|---|
セキュリティ対策ソフトを装った偽物のプログラムを起動 | 利用者を騙して、本物のセキュリティ対策ソフトを停止させる |
セキュリティ対策ソフトの監視、起動の度に強制終了 | セキュリティ対策ソフトを無効化し、機能させない |
セキュリティ対策ソフト開発元のホームページへのアクセス妨害 | 利用者が最新のセキュリティ情報や対策方法を得ることを防ぎ、感染状態を長引かせる |
対策
– 対策コンピュータウイルス「Esfury」から大切なデータを守るには、多層的な対策を講じることが重要です。 まず、パソコンの基礎となるOSや、日々利用するソフトウェアは、常に最新の状態に保つように心がけましょう。開発元が公開している更新プログラムを適用することで、発見された脆弱性を解消し、Esfuryの侵入経路を塞ぐことができます。合わせて、信頼できるセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に更新することも必要不可欠です。 セキュリティソフトは、Esfuryのような悪意のあるプログラムを検知し、隔離・削除する機能を持っています。そのため、セキュリティソフトを導入することで、万が一Esfuryが侵入を試みた場合でも、被害を最小限に抑えることができます。しかし、セキュリティ対策はソフトウェアの導入だけで終わりではありません。利用者一人ひとりのセキュリティ意識を高めることも非常に大切です。 具体的には、発信元が不明なメールに添付されたファイルや、本文中に記載されたURLは、安易に開かないようにしましょう。また、見たことのないウェブサイトや、怪しいと感じるウェブサイトにも、アクセスしないように注意が必要です。Esfuryは、長期間にわたり活動を続けている、悪質なコンピュータウイルスです。セキュリティ対策を怠ると、知らず間に感染し、大切なデータを盗まれたり、パソコンを乗っ取られたりする可能性もあります。 「自分は大丈夫」という油断は禁物です。常に最新の情報に注意し、適切なセキュリティ対策を講じるように心がけましょう。
対策 | 詳細 |
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OSやソフトウェアのアップデート | 常に最新の状態に保ち、開発元が公開している更新プログラムを適用することで、脆弱性を解消し、Esfuryの侵入経路を塞ぐ。 |
セキュリティソフトの導入 | 信頼できるセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に更新することで、Esfuryのような悪意のあるプログラムを検知し、隔離・削除する。 |
セキュリティ意識の向上 | 発信元不明のメールの添付ファイルやURLの開封、不審なウェブサイトへのアクセスを控える。 |