バナー情報から読み解くネットワークの足跡
セキュリティを高めたい
先生、「バナー・グラビング」ってなんですか?セキュリティの本で見たんですけど、よく分からなくて。
情報セキュリティ専門家
「バナー・グラビング」は、インターネット上の機器とやりとりして、その機器が使っているサービスやソフトの情報をこっそり集めることだよ。 例えば、家の郵便受けを覗いて、中に誰が住んでいるか、どんなサービスを使っているかを知るようなものだね。
セキュリティを高めたい
へえ、郵便受けを覗くように情報が集められるんですか!怖いですね。でも、なんでそんなことをするんですか?
情報セキュリティ専門家
悪い人は集めた情報を使って、その機器の弱いところを突いて攻撃しようとするんだ。だから、自分の機器は情報を盗まれないように、しっかり守ることが大切なんだよ。
バナー・グラビングとは。
「バナー・グラビング」という言葉は、情報セキュリティーの分野で使われる用語です。これは、相手のコンピューターに繋がるための入口である「ポート」に接続した際に送られてくる情報、「バナー情報」を手に入れることです。この情報は、相手のコンピューターで使われているサービスやソフトの種類やバージョン、OSの種類やバージョンなどを教えてくれます。まるで、相手のコンピューターの「名刺」のようなものです。
バナー・グラビングは、攻撃者が攻撃対象の情報を探るための手段として使われます。
バナー情報を手に入れる方法は、大きく分けて二つあります。一つは、自分から相手に情報を求める「能動的な方法」です。もう一つは、相手がやり取りしている情報を盗み見る「受動的な方法」です。
バナー・グラビング対策としては、バナー情報を書き換えたり、設定を変更してバナー情報を表示しないようにしたりする方法があります。
バナー情報とは
– バナー情報とはインターネットの世界では、様々な機器がネットワークを通じて情報をやり取りしています。この時、やり取りをスムーズに行うために、それぞれの機器は自分自身の情報を相手に伝えます。この自己紹介のような情報が「バナー情報」です。バナー情報は、例えるならばお店の看板のようなものです。看板には、店名や営業時間、取り扱い商品などの基本情報が書かれていますよね。同じように、ネットワーク上のサービスやアプリケーションも、自分が何者であるかを相手に伝えるためにバナー情報を利用します。例えば、私たちが普段利用しているウェブサイト。ウェブサイトにアクセスする際には、実は裏側でコンピュータ同士が様々な情報をやり取りしています。この時、ウェブサイトを運営するサーバーは、アクセスしてきたコンピュータに対して、自分がどんな種類のサーバーなのか、どのソフトウェアを使って動いているのかといった情報を自動的に送信します。これがウェブサイトにおけるバナー情報です。バナー情報には、ウェブサイトの運営に利用されているソフトウェアの種類やバージョン、設定に関する情報などが含まれている場合があり、攻撃者はこの情報を利用して、システムの脆弱性を突き、攻撃を仕掛けてくる可能性があります。そのため、セキュリティの観点からは、バナー情報を必要以上に公開しないようにすることが重要です。不要な情報の公開を制限することで、攻撃のリスクを減らすことができます。
項目 | 説明 |
---|---|
バナー情報とは | ネットワーク上の機器やサービスが、 자신에 관한 情報を相手に伝える自己紹介のような情報 |
例え | お店の看板(店名、営業時間、取り扱い商品などの基本情報) |
ウェブサイトにおけるバナー情報 | ウェブサーバーがクライアントに送信する、サーバーの種類、ソフトウェア、バージョンなどの情報 |
セキュリティリスク | 攻撃者がバナー情報からシステムの脆弱性を発見し、攻撃に悪用する可能性がある |
対策 | 必要以上のバナー情報を公開しないように制限する |
バナー情報の収集方法
ウェブサイトにアクセスした際に表示されるバナー広告には、ウェブサイトの運営情報や広告配信ネットワークの情報など、様々な情報が含まれています。これを悪用しようと、攻撃者はあの手この手でバナー情報を収集しようと企んでいます。大きく分けて、自ら積極的に情報を取得しようとする方法と、周りの様子を窺いながら情報を盗み取ろうとする方法の二つがあります。
前者は、攻撃者がターゲットとなるウェブサイトに対して、まるで普通の利用者を装って接続要求を送信します。そして、ウェブサイトから返ってくる応答情報の中から、バナー情報を抜き出すのです。この方法は、狙った情報に直接アクセスできるため、効率的にバナー情報を収集できます。しかし、その一方で、接続要求や情報のやり取りがウェブサイト側に記録されてしまうため、攻撃が露呈してしまうリスクも高くなります。
後者は、攻撃者がネットワーク上で傍聴を行うようなものです。ネットワーク上を流れる膨大な通信データの中から、バナー情報を含むデータを見つけ出して収集します。まるで人混みの中で、特定の人物の会話を盗み聞きするようなものです。この方法は、自分から行動を起こさないため、前者に比べて足がつきにくく、発覚のリスクを低く抑えられます。しかしながら、目的とするバナー情報を含むデータがネットワーク上を流れてくるかどうかは分からず、情報収集の確実性は低いと言えます。
方法 | 概要 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
積極的な情報取得 | 攻撃者が自らウェブサイトにアクセスし、バナー情報を取得する。 | 効率的に情報収集が可能。 | アクセスログが残るため、発覚のリスクが高い。 |
受動的な情報取得(傍聴) | ネットワーク上の通信データからバナー情報を盗み出す。 | 攻撃が露呈しにくい。 | 目的の情報が取得できるか不確実。 |
バナー情報がもたらす脅威
ウェブサイトにアクセスした際に表示されるバナー情報。一見何気ない情報に見えますが、実はセキュリティの観点から見ると、攻撃者にとって有益な情報源になり得ます。
バナー情報には、ウェブサイトで使用されているサービスの種類やバージョン、使用しているOSやアプリケーションの種類、バージョン情報などが含まれている場合があります。攻撃者は、これらの情報から、ウェブサイトのシステム環境を推測し、攻撃目標を定めるために利用します。
例えば、バナー情報からウェブサイトが古いバージョンのソフトウェアを使用していることが分かれば、攻撃者はそのソフトウェアの既知の脆弱性を突いた攻撃を仕掛ける可能性があります。既知の脆弱性とは、既に公表されているソフトウェアの欠陥のことであり、攻撃者はその情報を利用して、システムに不正に侵入したり、情報を盗み取ったりする可能性があります。
さらに、バナー情報から、ウェブサイトが使用しているOSやアプリケーションの種類が分かれば、攻撃者はそのシステムに合わせた攻撃ツールを選択し、攻撃の成功率を高めることが可能になります。
このように、バナー情報は攻撃者にとって、ウェブサイトへの攻撃を容易にするための貴重な情報源となり得るため、安易に公開することは避けるべきです。ウェブサイト管理者は、セキュリティ対策の一環として、バナー情報の表示を制限するなど、適切な対策を講じる必要があります。
項目 | 内容 | リスク |
---|---|---|
サービスの種類/バージョン | ウェブサイトで使用されているサービスの種類やバージョン情報 | 攻撃目標の特定、脆弱性攻撃 |
OS/アプリケーションの種類/バージョン | 使用しているOSやアプリケーションの種類、バージョン情報 | システム環境の推測、攻撃ツール選択、攻撃成功率向上 |
Shodan:インターネットの検索エンジン
– Shodanインターネットの検索エンジン
インターネットは、世界中の情報を瞬時に検索できる便利な反面、危険と隣り合わせの側面も持ち合わせています。膨大な情報の中には、意図せず公開されてしまっている情報も存在し、悪用されるリスクが潜んでいます。Shodanは、まさにそのようなインターネットの光と影を浮き彫りにするサービスと言えるでしょう。
Shodanは、世界中のコンピュータやサーバー、IoT機器など、インターネットに接続されたあらゆるデバイスを対象に、公開情報を収集し、検索できるようにしたサービスです。まるで、インターネットにつながるすべてのモノを覗き見ることができる「万能の鍵穴」のようです。
Shodanの特徴の一つに、「バナー情報」の収集があります。バナー情報とは、デバイスが外部との通信時に公開している、いわばデバイスの「名札」のようなものです。ここには、デバイスの種類やソフトウェアのバージョン情報などが含まれており、攻撃者にとって格好の標的となります。
攻撃者はShodanを利用することで、特定のバナー情報を公開しているデバイスを容易に発見することができ、攻撃対象を効率的に絞り込むことが可能になります。例えば、脆弱性が発見されている古いバージョンのソフトウェアを使用しているデバイスを世界中から探し出し、集中的に攻撃を仕掛けることが可能になります。これは、セキュリティ対策が不十分なデバイスが、世界中から容易に見つけられてしまうことを意味し、インターネットに接続されたあらゆるモノが、Shodanを通じて潜在的な脅威にさらされていると言えるでしょう。セキュリティ対策を怠ると、知らず知らずのうちに、世界中の攻撃者の標的になってしまう可能性があるのです。
項目 | 内容 |
---|---|
サービス名 | Shodan |
概要 | インターネットに接続されたデバイスの公開情報を収集・検索できるサービス |
収集情報 | バナー情報(デバイスの種類、ソフトウェアのバージョン情報など) |
Shodanのリスク | 攻撃者が、脆弱性を持つデバイスを容易に発見し、攻撃対象を絞り込むことが可能になる |
セキュリティ対策の重要性 | セキュリティ対策を怠ると、Shodanを通じて世界中の攻撃者の標的になる可能性がある |
バナー情報漏えいの対策
ウェブページに埋め込まれた小さな画像ファイルであるバナー画像は、アクセス解析や広告配信などに活用されていますが、一方で、閲覧者の情報が漏えいする危険性も孕んでいます。ここでは、バナー情報漏えいへの対策について詳しく解説します。
まず、バナー画像に含める情報を必要最低限にすることが重要です。閲覧者の識別番号やアクセス元のウェブサイトのURLなど、漏えいした場合のリスクが高い情報は、可能な限りバナー画像に含めないようにしましょう。
もし、ウェブサイトの運営上、どうしても重要な情報をバナー画像に含めなければならない場合は、情報を偽装するという方法もあります。例えば、実際のアクセス元とは異なるダミーのURLを設定することで、攻撃者に誤った情報を伝えることができます。
また、セキュリティ対策ソフトを活用することも有効です。ファイアウォールや侵入防止システム(IPS)などのセキュリティ機器を導入することで、外部からの不正アクセスや情報漏えいを防ぐことができます。これらのシステムは、バナー情報を含む通信を監視し、不正な通信を遮断することができます。
さらに、システムの脆弱性を解消しておくことも重要です。古いソフトウェアを使い続けたり、セキュリティ更新プログラムを適用しなかったりすると、システムに脆弱性が生まれてしまい、攻撃者に悪用される可能性があります。常に最新のセキュリティ対策を施すことで、情報漏えいのリスクを最小限に抑えられます。
対策 | 説明 |
---|---|
バナー画像に含める情報を必要最低限にする | 閲覧者の識別番号やアクセス元のウェブサイトのURLなど、漏えいした場合のリスクが高い情報は、可能な限りバナー画像に含めない。 |
情報を偽装する | 実際のアクセス元とは異なるダミーのURLを設定することで、攻撃者に誤った情報を伝える。 |
セキュリティ対策ソフトを活用する | ファイアウォールや侵入防止システム(IPS)などのセキュリティ機器を導入することで、外部からの不正アクセスや情報漏えいを防ぐ。 |
システムの脆弱性を解消しておく | 古いソフトウェアを使い続けたり、セキュリティ更新プログラムを適用しなかったりすると、システムに脆弱性が生まれてしまい、攻撃者に悪用される可能性があるため、常に最新のセキュリティ対策を施す。 |