クラウド時代の政府調達: FedRAMPとは

クラウド時代の政府調達: FedRAMPとは

セキュリティを高めたい

「情報セキュリティに関連する用語『FedRAMP』って、何ですか?難しそうな言葉なので、簡単に説明してもらえると嬉しいです。」

情報セキュリティ専門家

「FedRAMP」は、アメリカ合衆国が作った、クラウドサービスのセキュリティに関するお墨付きのようなものだよ。簡単に言うと、FedRAMPの厳しい基準を満たした安全なクラウドサービスだけを、アメリカの政府機関は使うことができるんだ。」

セキュリティを高めたい

なるほど。つまり、FedRAMPの承認を得ているサービスは、セキュリティ面で信頼できるということですね?

情報セキュリティ専門家

その通り!だから、FedRAMPの承認は、クラウドサービスを提供する会社にとって、とても重要なものなんだよ。」

FedRAMPとは。

「FedRAMP」という言葉を説明します。これは「Federal Risk and Authorization Management Program」の略で、日本語では「連邦リスク承認管理プログラム」などと言います。これはアメリカ合衆国が運営しているプログラムで、安全性を評価し、承認を与え、クラウドサービスを継続的に監視するための共通のやり方を決めています。このプログラムの目的は、連邦政府機関が古いシステムから、安全なクラウド技術に移行できるようにすることです。運営は、国防総省、国土安全保障省、そして連邦調達庁のCIO(最高情報責任者)からなる委員会が行っています。そして、実際にクラウド事業者を審査して認定するのは連邦調達庁です。有名なクラウドサービスの中にも、AWS、Slack、Accenture、Adobe、Akamai、Zscaler、GCP、Microsoft Azure、Okta、Oracle、Proofpointなど、FedRAMPの承認を受けたものがたくさんあります。承認を受けたサービスの一覧は、アメリカ合衆国政府のFedRAMP公式サイトで見ることができます。

FedRAMPの概要

FedRAMPの概要

– FedRAMPの概要FedRAMPは、”Federal Risk and Authorization Management Program”の略称で、日本語では連邦リスク承認管理プログラムなどと訳されます。これはアメリカ合衆国政府が主導するプログラムであり、クラウドサービスのセキュリティ評価、承認、そして継続的な監視に関して標準化されたアプローチを提供しています。従来のシステムに比べて、クラウド技術は柔軟性と効率性に優れている点がメリットとして挙げられますが、その一方で、政府機関が安心してクラウドサービスを採用するためには、セキュリティの担保が不可欠です。FedRAMPは、政府機関が安心してクラウドサービスを採用できるよう、共通のセキュリティ基準と評価プロセスを確立することで、この課題解決を目指しています。具体的には、FedRAMPはクラウドサービスプロバイダーに対して、セキュリティ管理策の実装状況を評価するためのフレームワークを提供しています。このフレームワークは、NIST(国立標準技術研究所)のセキュリティ基準を基に作成されており、クラウドサービスの機密性、完全性、可用性を保護するための包括的な要件を定義しています。FedRAMPの認証を取得するためには、クラウドサービスプロバイダーは、第三者評価機関による厳格なセキュリティ評価を受ける必要があります。評価機関は、FedRAMPの要件に基づいて、クラウドサービスプロバイダーのセキュリティ管理策を評価し、問題があれば改善を促します。そして、評価に合格したクラウドサービスプロバイダーは、FedRAMPの認証を取得し、政府機関に対して安全なクラウドサービスを提供できるようになります。FedRAMPは、政府機関がクラウドサービスを安全に利用するための重要なプログラムです。このプログラムを通じて、政府機関はセキュリティリスクを低減し、クラウド技術のメリットを享受することができます。

項目 内容
名称 Federal Risk and Authorization Management Program (FedRAMP)
日本語: 連邦リスク承認管理プログラム
目的 クラウドサービスのセキュリティ評価、承認、継続的な監視の標準化
背景 クラウド技術の柔軟性と効率性を政府機関が安全に利用するために、セキュリティの担保が必要
主体 アメリカ合衆国政府
対象 クラウドサービスプロバイダー
評価基準 NIST(国立標準技術研究所)のセキュリティ基準に基づいたフレームワーク
(機密性、完全性、可用性を保護)
認証取得 第三者評価機関によるセキュリティ評価の合格が必要

FedRAMPの目的

FedRAMPの目的

– FedRAMPの目的FedRAMPは、連邦リスク・承認管理プログラムの略称であり、アメリカ合衆国政府機関が安全なクラウドサービスを調達するためのプログラムです。従来、各政府機関はクラウドサービス導入の度に、個別にセキュリティ評価を実施していました。しかし、この方法では評価の重複による時間や費用の増大、評価基準のばらつきによるセキュリティレベルの不均一性といった問題がありました。FedRAMPは、これらの問題を解決するために作られました。FedRAMPは、クラウドサービスのセキュリティ評価基準を統一し、一度評価を通過したサービスは他の機関でも利用できるようにしました。これにより、各機関は重複した評価作業から解放され、時間とコストを大幅に削減できるようになりました。また、共通の評価基準を用いることで、政府全体で高いセキュリティレベルを維持することが可能となります。さらに、FedRAMPは政府機関とクラウドサービス事業者の双方にメリットをもたらします。政府機関にとっては、安全性が担保されたクラウドサービスを迅速に導入することで、国民へのサービス向上に注力できるようになります。一方、クラウドサービス事業者は、一度FedRAMP認証を取得すれば、多くの政府機関にサービスを提供できるため、新たなビジネスチャンスの拡大に繋がります。このように、FedRAMPは政府機関とクラウドサービス事業者の双方にとって有益なプログラムであり、安全で効率的なクラウドサービスの利用を促進する上で重要な役割を担っています。

項目 内容
FedRAMPの目的 アメリカ合衆国政府機関が安全なクラウドサービスを調達するためのプログラム
FedRAMP導入前の問題点 – 各政府機関が個別にセキュリティ評価を実施していたため、評価の重複による時間や費用の増大、評価基準のばらつきによるセキュリティレベルの不均一性といった問題があった。
FedRAMP導入によるメリット – クラウドサービスのセキュリティ評価基準を統一することで、政府全体で高いセキュリティレベルを維持
– 一度評価を通過したサービスは他の機関でも利用できるため、時間とコストを大幅に削減
– 政府機関は、安全性が担保されたクラウドサービスを迅速に導入することで、国民へのサービス向上に注力
– クラウドサービス事業者は、多くの政府機関にサービスを提供できるため、新たなビジネスチャンスの拡大

FedRAMPの運営体制

FedRAMPの運営体制

– FedRAMPの運営体制FedRAMP(連邦政府リスク・承認管理プログラム)は、アメリカ合衆国政府機関が安全なクラウドサービスを調達するためのプログラムです。このプログラムの運営は、複数の政府機関が連携して行っています。FedRAMPの最高意思決定機関は合同委員会です。この合同委員会は、国防総省(DoD)、国土安全保障省(DHS)、そして連邦調達庁(GSA)のCIO(最高情報責任者)の代表者で構成されています。合同委員会は、FedRAMPプログラム全体の戦略や方針、そしてプログラム改善を監督する重要な役割を担っています。クラウドサービスのセキュリティ評価や承認といった、実際の運用は連邦調達庁(GSA)が担当しています。連邦調達庁は、クラウドサービスを提供する事業者に対して、FedRAMPの要件を満たしているかどうかの厳格なセキュリティ評価を実施します。そして、その評価結果に基づいて、クラウドサービスの利用承認を行います。このように、FedRAMPの運営は、複数の政府機関がそれぞれの役割を分担し、連携することで成り立っています。これにより、政府機関は安全で信頼性の高いクラウドサービスを調達できるようになっています。

機関 役割
合同委員会
(DoD、DHS、GSAのCIOで構成)
・FedRAMPの戦略、方針、プログラム改善の監督
連邦調達庁(GSA) ・クラウドサービスのセキュリティ評価
・クラウドサービスの利用承認

FedRAMPの承認を受けたサービス

FedRAMPの承認を受けたサービス

米国連邦政府機関が利用するクラウドサービスには、セキュリティ上のリスクを軽減するため、FedRAMP(連邦リスク・承認管理プログラム)という厳しいセキュリティ評価プログラムによる承認が必須とされています。

このFedRAMPの承認を取得したサービスは、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platformといった、世界的に有名なクラウドサービスプロバイダーが名を連ねています。これらの大手企業に加えて、Salesforce、ServiceNow、Adobeなど、様々な分野のクラウドサービスを提供する企業も、FedRAMPの承認を取得しています。

FedRAMPの承認を受けるためには、100項目を超えるセキュリティ管理策の実装と、第三者機関による厳格な評価を受ける必要があります。このプロセスを経ることで、クラウドサービスは、機密性の高い政府データを扱うための、高いレベルのセキュリティ要件を満たしていることを証明することができます。

米国政府機関は、FedRAMPの承認を受けたサービスを選択することで、セキュリティリスクを低減し、安心してクラウドサービスを利用することができます。FedRAMPの承認を受けたサービスの一覧は、米国政府のFedRAMP公式サイトで確認することができます。

項目 内容
プログラム名 FedRAMP(連邦リスク・承認管理プログラム)
目的 米国連邦政府機関が利用するクラウドサービスのセキュリティリスク軽減
対象 米国連邦政府機関が利用するクラウドサービス
承認要件 100項目を超えるセキュリティ管理策の実装と第三者機関による厳格な評価
承認済みサービス例 Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform、Salesforce、ServiceNow、Adobeなど
承認サービス一覧公開サイト 米国政府のFedRAMP公式サイト

FedRAMPの重要性

FedRAMPの重要性

現代社会は、あらゆる情報を電子化し、インターネットを通じて共有する動きが加速しています。行政機関においても例外ではなく、業務の効率化や国民へのサービス向上のため、従来のシステムからクラウドサービスへの移行が進んでいます。

しかし、クラウドサービスの利用には、情報漏洩や不正アクセスといったセキュリティリスクも伴います。膨大な機密情報や国民の個人情報を取り扱う行政機関にとって、セキュリティ対策は最も重要な課題の一つと言えるでしょう。

そこで重要となるのが、「FedRAMP(Federal Risk and Authorization Management Program)」です。FedRAMPは、アメリカ合衆国政府が定めた、クラウドサービスのセキュリティに関する基準です。この基準では、クラウドサービス事業者が満たすべきセキュリティ要件が詳細に規定されており、厳しい審査に合格したサービスのみが行政機関への提供を許可されます。

FedRAMPの導入により、行政機関は個別にセキュリティ審査を行う必要がなくなり、安全性が保証されたクラウドサービスを迅速に導入できるようになります。これは、行政機関の業務効率化やコスト削減に大きく貢献するだけでなく、国民へのより質の高いサービス提供にも繋がります。

このように、FedRAMPは、行政機関のデジタル化を安全に進める上で欠かせない制度として、ますますその重要性を増しています。

項目 内容
現代社会の潮流 あらゆる情報を電子化し、インターネットを通じて共有する動きが加速
行政機関における変化 業務効率化や国民へのサービス向上のため、クラウドサービスへの移行が進展
クラウドサービス利用のリスク 情報漏洩や不正アクセスといったセキュリティリスク
FedRAMPの定義 アメリカ合衆国政府が定めた、クラウドサービスのセキュリティに関する基準
FedRAMPの内容 クラウドサービス事業者が満たすべきセキュリティ要件を詳細に規定
厳しい審査に合格したサービスのみが行政機関への提供を許可
FedRAMP導入のメリット 行政機関は個別にセキュリティ審査を行う必要がなくなり、安全性が保証されたクラウドサービスを迅速に導入可能
業務効率化やコスト削減、国民へのより質の高いサービス提供
FedRAMPの重要性 行政機関のデジタル化を安全に進める上で欠かせない制度