ネットワークセキュリティ

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サイバー脅威情報を共有する共通言語:STIXとは

近年、悪意を持ったコンピュータ技術の利用は巧妙化し、その件数は増加し続けています。企業や団体が、自分たちの力で全ての危険性に関する情報を入手し、対応することは難しい状況になっています。このような状況下で重要となるのが、危険性に関する情報を複数の組織間で共有し、互いに助け合いながらコンピュータ技術を悪用した攻撃に対抗する体制、いわゆる脅威情報の有効活用です。 脅威情報の共有は、攻撃に使われる可能性のある弱点や、攻撃の兆候をいち早く察知することに役立ちます。攻撃者たちは常に新たな手口を開発しており、ある組織が被害を受けた攻撃の情報は、他の組織にとっても貴重な防御策となります。情報を共有することで、新たな攻撃手法への対策を迅速に講じ、被害の拡大を防ぐことができます。 脅威情報の共有を実現するためには、業界団体や政府機関などが提供する情報共有の枠組みを活用することが有効です。これらの枠組みを通じて、参加組織間で非公開の情報交換が可能となり、より詳細かつ最新の情報を入手することができます。また、情報共有システムの導入や、担当者間の定期的な情報交換会なども有効な手段となります。 脅威情報の有効活用は、今日のコンピュータ技術を悪用した攻撃から企業や組織を守る上で必要不可欠な要素となっています。積極的に情報共有に取り組み、安全な情報環境の実現を目指しましょう。
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コンテンツフィルタリング:安全なネット利用のために

- コンテンツフィルタリングとはインターネット上には、膨大な情報が溢れています。その中には、私たちの生活を豊かにする有益な情報がある一方で、誹謗中傷やわいせつ情報など、有害な情報も存在します。コンテンツフィルタリングとは、このようなインターネット上の情報の中から、アクセスを制限したい特定のウェブサイトやサービスを遮断する技術のことです。この技術は、主に有害な情報や不適切なコンテンツへのアクセスを防ぐ目的で利用されます。例えば、青少年が暴力的な表現を含むサイトやアダルトコンテンツにアクセスすることを防いだり、企業においては、従業員が業務に関係のないサイトを閲覧することを制限するために用いられます。コンテンツフィルタリングは、フィルタリングソフトやセキュリティ対策ソフトなどに搭載されている機能を利用する、またはプロキシサーバーなどで特定のサイトへのアクセスを遮断する方法など、様々な方法で実現されます。近年では、インターネット上の有害情報から子供を守るために、家庭や教育機関などにおいて、コンテンツフィルタリングの導入が進んでいます。また、企業においても、情報漏えいやセキュリティリスクを低減するために、コンテンツフィルタリングは重要な対策の一つとなっています。
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インカプスラ:包括的なウェブセキュリティ対策

- インカプスラとはインカプスラ(Incapsula)は、本来「インパーバ・インカプスラ(Imperva Incapsula)」という名称で知られており、インターネットを通じて提供されるサービス形態、いわゆるクラウドベースで動作するアプリケーション配信プラットフォームです。ウェブサイトやウェブアプリケーションを対象に、外部からの攻撃や不正アクセスといった様々な脅威から守るだけでなく、表示速度や安定性の向上など、パフォーマンス向上を実現するための多岐にわたるサービスを提供しています。具体的には、世界中に分散配置されたサーバーネットワークを活用し、ウェブサイトやウェブアプリケーションへのアクセスをこれらのサーバーを経由するようにすることで、セキュリティとパフォーマンスの両面を強化します。セキュリティ面では、悪意のあるアクセスを遮断するファイアウォール、ウェブサイト改ざんを防ぐセキュリティ対策、大量アクセスによるサーバーダウンを防ぐDDoS攻撃対策など、多層的な防御システムを備えています。パフォーマンス面では、データを圧縮して転送量を削減したり、アクセスが集中する時間帯でも安定した処理を可能にするキャッシュ機能などを提供し、ウェブサイトやウェブアプリケーションの表示速度向上や安定稼働を支援します。このように、インカプスラは、企業が安心してビジネスを展開していく上で欠かせないウェブサイトやウェブアプリケーションの安全と安定を、包括的に支えるサービスと言えるでしょう。
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マイクロセグメンテーション:強固なネットワークセキュリティの鍵

- マイクロセグメンテーションとは従来の社内ネットワークを守る仕組みは、建物の外周を守る頑丈な塀のようなものでした。これは外部からの侵入を防ぐには効果的でしたが、建物内部で何か問題が起きると、被害が建物全体に広がってしまうという弱点がありました。そこで登場したのが、マイクロセグメンテーションという考え方です。これは、建物の中に細かく仕切りを設け、それぞれの区画に適切なセキュリティ対策を施すことで、より強固な防御体制を築こうというものです。具体的には、会社のネットワークを部署や役割ごとに細かく分割し、それぞれの区画に合わせたセキュリティ設定を行います。例えば、重要な顧客情報を扱う部署には特に厳しいアクセス制限をかけたり、機密性の低い情報には比較的緩やかな制限をかけるといった具合です。このように、マイクロセグメンテーションを導入することで、万が一、ある区画が不正アクセスなどの被害に遭ったとしても、他の区画への影響を最小限に抑えることができます。これは、まるで建物内で火災が発生した場合、防火扉が延焼を防ぐのと同じ仕組みです。マイクロセグメンテーションは、複雑化する現代のネットワーク環境において、安全性を高め、企業を守るための重要な技術と言えるでしょう。
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インターネットの安全を守るSSL:基礎知識

インターネット上で情報を安全にやり取りするために、SSLという仕組みが使われています。これは、正式には「セキュア・ソケッツ・レイヤー」と呼ばれるもので、ウェブサイトと利用者の間でやり取りされるデータを暗号化することで、第三者による盗聴や改ざんを防ぎます。 普段何気なく利用しているウェブサイトでも、SSLが導入されているかどうかは簡単に確認することができます。ウェブサイトのアドレスが「https//」で始まっていたり、アドレスバーに鍵のマークが表示されていれば、それはSSLが使われているというサインです。インターネットショッピングやオンラインバンキングなど、個人情報やクレジットカード情報を取り扱うウェブサイトでは、特にSSLが重要になります。 SSLによって、ウェブサイトと利用者の間でやり取りされるデータは暗号化されるため、たとえ第三者に盗聴されたとしても、その内容は解読できません。また、データの改ざんを検知する機能も備わっているため、安心してウェブサイトを利用することができます。インターネットを利用する上で、SSLは今や無くてはならないセキュリティ対策技術と言えるでしょう。
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SSHで安全なリモートアクセスを実現

- SSHとはSSH(セキュアシェル)は、インターネットなどのネットワークを通じて、離れた場所にあるコンピュータに安全に接続し、操作するための技術です。まるで目の前のコンピュータを操作するような感覚で、遠く離れたコンピュータ上のファイルの編集やコマンドの実行など、様々な操作を行うことができます。SSHは、通信内容の暗号化によって安全性を確保しています。これにより、パスワードや送信されるデータが第三者に盗み見られるリスクを大幅に減らすことができます。そのため、機密性の高い情報を取り扱う際や、セキュリティの強化が求められる場面で広く利用されています。例えば、Webサイトの運営者は、SSHを使ってWebサーバーに安全に接続し、ファイルの更新やシステムの管理などを行うことができます。また、企業のネットワーク管理者は、SSHを用いて遠隔地のサーバーにアクセスし、システムの監視やトラブル対応などを行うことができます。このように、SSHは現代のネットワーク社会において欠かせない技術と言えるでしょう。
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セキュリティ対策の要!SSLインスペクションとは

インターネットは私たちの生活に欠かせないものとなり、様々な情報をやり取りする上で重要な役割を担っています。その中には、氏名や住所、クレジットカード情報といった個人情報や、企業の機密情報など、非常に重要なデータも含まれます。 このような重要なデータがインターネット上をやり取りされる際、第三者に盗み見られたり、改ざんされたりするリスクがあります。これを防ぐために、データは暗号化という技術で保護されます。暗号化とは、データを特殊な方法で変換することで、本来の内容が分からないようにする技術です。インターネット通信で広く使われている暗号化技術に、SSL/TLSというものがあります。 SSL/TLSを使うことで、ウェブサイトと利用者の間でやり取りされるデータは暗号化され、盗聴や改ざんから守られます。しかし近年、この暗号化技術を悪用したサイバー攻撃が増加しています。悪意のあるソフトウェアや攻撃者は、暗号化された通信の中に、ウイルスや不正なプログラムなどを隠します。暗号化されているため、セキュリティ対策ソフトもその危険性を検知することができず、結果として企業のシステムに侵入されてしまうことがあります。これは企業にとって大きな脅威であり、暗号化された通信だからといって安心せず、多層的なセキュリティ対策を講じることが重要です。
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国防の未来を支えるグレーネットワーク

今日の戦闘において、情報は武器と同じくらい重要です。最前線で戦う兵士たちは、刻々と変化する戦況に合わせて行動するために、リアルタイムの情報を必要としています。作戦の成功には、敵の位置、味方の配置、地形などの重要な機密情報に、必要な時にすぐにアクセスできる環境が欠かせません。しかし、このような重要な情報を扱うには、厳重なセキュリティ対策が必須です。機密情報の漏洩は、作戦の失敗だけでなく、国家の安全を脅かす事態になりかねません。そこで、最前線と機密情報の世界を安全につなぐための取り組みとして、アメリカ国防総省は「グレーネットワーク」という構想を進めています。グレーネットワークは、機密情報へのアクセスを制限付きで許可する仕組みで、機密レベルに応じて情報の閲覧や利用を細かく制御します。これにより、兵士たちは必要な情報を安全に入手できるようになり、作戦の効率と安全性が向上すると期待されています。
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ネットワークの要!ゲートウェイの役割と重要性

異なる種類のネットワークを接続するために欠かせない機械がゲートウェイです。ゲートウェイは、例えば、会社や家庭で使われる比較的小規模なネットワークと、世界中に広がるインターネットのような巨大なネットワークを繋ぐ役割を担います。 それぞれのネットワークは、独自の通信方法やデータの形式を採用しているため、直接やり取りを行うことはできません。このような異なるネットワーク間において、ゲートウェイは仲介役として機能します。具体的には、一方のネットワークから届いたデータを、もう一方のネットワークが理解できる形式に変換したり、転送したりすることで、異なるネットワーク間でもスムーズな通信を可能にしているのです。 例えば、私たちがインターネットを閲覧する際、パソコンやスマートフォンは家庭内のネットワークに接続されています。しかし、インターネット上のウェブサイトにアクセスするには、異なるネットワークであるインターネットと接続する必要があります。この時に活躍するのがゲートウェイです。ゲートウェイは、家庭内ネットワークからの要求をインターネットに送り、逆にインターネットからの情報を家庭内ネットワークに返すことで、私たちがウェブサイトを閲覧できるようにしているのです。
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セキュリティ対策の落とし穴?ポートノッキングの仕組みとリスク

- 隠された扉、ポートノッキングとは?インターネットの世界では、外部からの攻撃から守るため、家の扉のように「ファイアウォール」と呼ばれる防御壁が設置されています。しかし、いくら頑丈な扉でも、合言葉を知っている人だけが入れる「隠し扉」があったらどうでしょうか?ポートノッキングは、まさにこの「隠し扉」を作る技術です。通常、ファイアウォールは外部からのアクセスをブロックしていますが、特定のポート(インターネット上の玄関口)に、決められた順番でノックするようにアクセスすると、隠されていた扉が開き、特別なサービスにアクセスできるようになります。例えるなら、一見普通の壁に見える場所に、ある順番でノックすると隠し扉が現れる仕掛けのようなものです。このノックの順番を知っている人だけが扉を開けられるため、セキュリティ対策として有効と考えられています。しかし、この技術は万能ではありません。ノックの順番が漏れてしまったり、推測されてしまうと、悪意のある第三者に扉を開かれてしまう危険性もあります。そのため、ポートノッキングは、他のセキュリティ対策と組み合わせて使うことが重要です。
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グループポリシーとサイバー攻撃:脅威と対策

- グループポリシーとは多くの企業で導入されているマイクロソフト社のウィンドウズという基本ソフトには、「グループポリシー」と呼ばれる便利な機能が備わっています。この機能は、組織内で使用されるたくさんのコンピューターや、それを使う人の設定を、一か所からまとめて管理できるようにするものです。システム管理の担当者は、このグループポリシーを使うことで、パスワードを複雑にするためのルールや、ソフトの導入方法、さらには画面の背景に設定する画像まで、実に様々な設定を、組織全体あるいは特定のグループに対して適用できます。例えば、パスワードについて考えてみましょう。グループポリシーを使用すれば、「パスワードは8文字以上で、数字と記号をそれぞれ1つ以上含める」といったルールを、組織内のすべてのコンピューターに対して一斉に適用することができます。このように、グループポリシーは、管理者が膨大な数の端末を効率的に管理し、セキュリティのレベルを統一することを可能にする強力なツールなのです。
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インターネットの骨格を支えるBGPルーティングとは

私たちが日々何気なく利用しているインターネットは、世界中に張り巡らされた無数のネットワークが複雑に接続し合って構築されています。この広大なネットワークにおいて、膨大な量の情報を適切な経路に沿って送り届ける役割を担うのが「ルーティング」という仕組みです。 インターネットにおけるルーティングは、宛先までの最適な経路を計算し、データを適切な方向へ転送することで、世界中のユーザーへ情報を届けます。このルーティングを支える重要な要素の一つが、「ルーティングプロトコル」と呼ばれる通信規約です。 数あるルーティングプロトコルの中でも、BGP(Border Gateway Protocol)は、インターネットの基幹を担う大規模なネットワーク同士が経路情報を交換するために利用される重要なプロトコルです。BGPは、いわばインターネットの道路地図を作成する役割を担っており、各ネットワークが他のネットワークへの最適な経路を把握することを可能にしています。 BGPの役割を一言で表すならば、「インターネット全体の接続性を維持すること」と言えるでしょう。BGPによって、世界中のネットワークが互いに接続され、私たちは国境を越えてシームレスに情報にアクセスすることが可能になっています。インターネットの驚異的な発展は、BGPのような技術の進化と発展に支えられていると言えるでしょう。
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ネットワーク管理の要!SNMPとは?

- ネットワーク機器管理の標準規格 「簡易ネットワーク管理プロトコル」の頭文字をとったSNMPは、ネットワークに接続された機器を監視・管理するための標準規格です。 このプロトコルを使用すると、ネットワーク管理者は、ルーターやスイッチなど、さまざまな機器の状態を一元的に把握し、管理することができます。 例えば、機器の応答速度やトラフィック量、CPU使用率などの情報をSNMPで取得し、ネットワーク全体の稼働状況を監視できます。 また、SNMPを使って機器の設定変更や再起動などの操作を遠隔から行うことも可能です。 このようにSNMPは、ネットワーク管理の効率化や障害発生時の迅速な対応を実現する上で、欠かせないプロトコルとなっています。
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BGPルートリーク:インターネットの安定性を揺るがす脅威

インターネットは、世界中に広がる無数のネットワークが複雑に結びついて成り立っています。情報をスムーズに送受信するために、まるで住所のように宛先を特定し、正確に送り届ける仕組みが必要になります。この膨大なネットワークの世界で、いわば道案内の役割を担っているのがBGP(Border Gateway Protocol)です。 BGPは、それぞれのネットワークが、他のネットワークへの経路情報を共有するためのプロトコルです。イメージとしては、インターネット上の各ネットワークが、巨大な地図帳を持っていると考えると分かりやすいでしょう。この地図帳には、他のネットワークへ辿り着くための経路が詳細に記されています。BGPは、この地図帳をネットワーク同士で交換し、常に最新の状態に保つ役割を担っています。 例えば、あなたが海外のウェブサイトを閲覧したいとします。この時、あなたの利用しているネットワークは、BGPを用いて、そのウェブサイトをホストするネットワークまでの最適な経路を見つけ出します。そして、まるで道案内のように、データのパケットはその経路に沿って、ウェブサイトのサーバーまで届けられるのです。このように、BGPは私たちが意識することなく、世界中の情報にアクセスすることを可能にする、インターネットの根幹を支える重要な技術と言えるでしょう。
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Webアプリケーションの要!Apache Tomcatとは?

私たちは日々、スマートフォンやパソコンを使って、ショッピングやニュース閲覧など様々な目的でウェブサイトを閲覧しています。何気なく見ているウェブサイトですが、その裏側では、私たちに情報やサービスを届けるために、実は様々なプログラムが休むことなく動き続けています。 ウェブサイトを表示させるためには、文章や画像データなどを組み合わせる必要がありますが、これらのプログラムは、ただ単にそれらを組み合わせるだけではありません。ユーザーである私たちの入力やデータに応じて、ウェブサイトの表示内容を動的に変化させているのです。例えば、ショッピングサイトで商品を検索した際に表示される検索結果や、ニュースサイトで自分の興味のある分野の記事が表示されるのも、こうしたプログラムの働きによるものです。 このように、ウェブサイトの裏側で活躍するプログラムは、静的な情報表示だけでなく、ユーザーとのインタラクションを実現することで、より便利で豊かなウェブサイト体験を私たちに提供してくれているのです。
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迷惑メール対策の切り札:SPFとは?

インターネット上で飛び交うメールの中には、一見すると本物そっくりで見破るのが難しい、悪意のあるメールが存在します。 これらのメールは、あたかも銀行やクレジットカード会社、またはよく利用するショッピングサイトなど、実在する組織から送信されたように見えるため、受信者を騙して個人情報やクレジットカード情報、パスワードなどを盗み取ろうとします。 このような巧妙な偽装メールは「迷惑メール」や「フィッシングメール」と呼ばれ、インターネット利用者にとって大きな脅威となっています。 これらの悪質なメールから身を守るための対策の一つとして、「SPF(Sender Policy Framework)」と呼ばれる技術が存在します。SPFは、メールの送信元が偽装されていないかを検証するための仕組みです。 具体的には、メールを送信するサーバーのIPアドレスと、そのドメインが公開しているSPFレコードと呼ばれる情報を見比べて、送信元が正当かどうかを判断します。 もし、あなたが普段利用しているサービスから送信されたように見えるメールを受け取った場合は、安易にリンクをクリックしたり、個人情報を入力したりする前に、送信元のメールアドレスをよく確認しましょう。 また、身に覚えのないメールは開かずに削除する、セキュリティソフトを導入して迷惑メール対策を行うなど、日頃から適切な対策を講じることが重要です。
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セキュリティ監視の要!SIEMとは?

- SIEMの概要SIEM(セキュリティ情報・イベント管理)は、企業の安全対策において中心的な役割を果たすシステムです。組織内の多岐にわたるシステムやネットワーク機器が生み出す膨大な量の記録データを一箇所に集め、分析することで、セキュリティ上の脅威の発見や事件発生時の対応を支援します。従来の安全対策では、それぞれのシステムが記録したデータを個別に確認する必要があり、効率的な監視や迅速な対応が難しいという課題がありました。例えば、あるシステムへの不正アクセスが疑われる場合、そのシステム単体の記録データを見るだけでは全体像が掴めず、対応が遅れてしまう可能性があります。SIEMはこれらの課題を解決するために、複数のシステムの記録データを一元的に管理し、関連する情報を結び付けて分析します。これにより、従来の方法では見落とされてしまうような巧妙な攻撃や、複数のシステムにまたがる大規模な攻撃も検知できるようになります。さらに、SIEMはリアルタイムで記録データを監視し、あらかじめ設定した条件に合致する異常が発生した場合には、管理者に即座に通知する機能も備えています。これにより、管理者は迅速に状況を把握し、適切な対応を講じることができます。このように、SIEMは企業の安全対策を強化するために不可欠なシステムと言えるでしょう。
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ファイル共有の落とし穴:SMBプロトコルの脆弱性

- SMBとはSMBは、「サーバーメッセージブロック」の略称で、Windowsパソコンにおけるファイル共有を支える重要な技術です。この技術のおかげで、私たちはネットワークを通じて他のWindowsパソコンに接続し、まるで自分のパソコンの一部のようにファイルやプリンターを共有することができます。 例えば、会社のネットワーク内にある共有フォルダにアクセスして資料を共有したり、自宅のプリンターを家族みんなが使えるようにしたりすることが可能です。 さらに、シリアルポートなどのハードウェアリソースも共有できるため、非常に便利です。しかし、便利な反面、SMBにはセキュリティ上の弱点も存在します。 悪意のある攻撃者は、SMBの脆弱性を突いて、パソコンに不正にアクセスしたり、重要な情報を盗み出したりする可能性があります。 そのため、SMBを利用する際は、常にセキュリティ対策を意識することが重要です。ファイアウォールでSMB通信を制限したり、OSやソフトウェアを最新の状態に保つなど、適切な対策を講じるようにしましょう。
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Azure WAF: ウェブアプリを守る堅牢な盾

インターネットは、今や企業が情報を発信し、顧客と繋がり、ビジネスを成長させるための重要な場となっています。しかし、それと同時に、悪意を持った攻撃者にとっても活動の場となっており、企業は常にセキュリティ上の脅威にさらされています。 ウェブサイトやウェブサービスを運営する企業にとって、顧客の個人情報や企業の機密情報などを守ることは非常に重要です。もし、これらの情報が漏洩してしまうと、企業は顧客からの信頼を失い、事業継続が困難になる可能性すらあります。 このような脅威から貴重な情報資産を守るために、企業は多層的なセキュリティ対策を講じる必要があります。その中でも、ウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)は、ウェブアプリケーションに対する攻撃を防御する上で重要な役割を担います。 マイクロソフト社が提供するAzure WAFは、クラウド上で提供されるWAFサービスです。従来のオンプレミス型のWAFと比較して、導入が容易である、運用管理の手間が軽減される、費用対効果に優れているなどのメリットがあります。 今回は、Azure WAFの特徴や機能、導入のメリットなどについて詳しく解説していきます。
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機密情報保護の要: ベル・ラパドゥラ・モデル

- 機密情報へのアクセスを制限 組織が保有する重要な情報へのアクセスは、厳格に管理される必要があります。これは、業務上、情報へのアクセスが必要な人と、アクセスする必要がない人を明確に区別することで実現できます。このような情報管理の考え方を「知る必要性」の原則と呼びます。ベル・ラパドゥラ・モデルは、この原則を適用して、機密情報へのアクセスを適切に管理するための枠組みを提供するセキュリティモデルです。 特に、政府機関や軍隊など、機密性の高い情報を扱う組織において、ベル・ラパドゥラ・モデルは重要な役割を果たします。このモデルでは、情報資産にセキュリティ分類を適用し、それに応じてアクセス権を設定します。セキュリティ分類は、情報の機密性に基づいて、「極秘」「秘」「公開」といったレベルに分けられます。 アクセス権は、それぞれのセキュリティ分類レベルに対して、誰が情報にアクセスできるかを明確に定義します。例えば、「極秘」レベルの情報にアクセスできるのは、セキュリティクリアランスを受けた特定の人員だけに限定されます。一方、「公開」レベルの情報は、組織内の誰でもアクセスできるかもしれません。 ベル・ラパドゥラ・モデルを採用することで、組織は情報の漏洩や不正アクセスといったセキュリティリスクを大幅に軽減できます。情報へのアクセスが制限されることで、たとえ一部の情報が漏洩したとしても、被害を最小限に抑えることができます。また、アクセス権が明確に定義されていることで、責任の所在が明確になり、セキュリティに関する監査も容易になります。
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SDP:進化するネットワークセキュリティの姿

従来のネットワークセキュリティ対策は、城と堀で街を守るような、境界線をしっかり守ることに重点を置いていました。しかし、近年普及しているクラウドサービスやモバイルワークの普及により、このやり方は限界を迎えています。社内ネットワークと外部ネットワークの境界線が曖昧になり、従来の方法では、内部からの攻撃や、複雑化したネットワークへのアクセス制御が難しくなっているためです。 そこで登場したのが、SDP(Software Defined Perimeter)という新しい概念です。SDPは、従来の境界防御のようにネットワークの境界線を防御するのではなく、アクセスする必要のあるユーザー、デバイス、アプリケーションだけに限定して接続を許可するセキュリティモデルです。 従来の境界セキュリティでは、一度ネットワーク内に入られてしまうと、内部のあらゆるリソースにアクセスできてしまう可能性がありました。しかしSDPでは、ユーザーやデバイスを常に認証・認可し、許可されたアプリケーションやリソースにのみアクセスを制限します。このため、たとえ攻撃者がネットワークに侵入できたとしても、被害を最小限に抑えることが可能となります。
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インターネットの代理人、プロキシの役割とは?

インターネットの世界では、情報を安全かつ効率的にやり取りするために、様々な仕組みが用いられています。その中でも、「代理」という意味を持つプロキシサーバーは、企業や組織のネットワークにおいて重要な役割を担っています。 プロキシサーバーは、社内ネットワークとインターネットの間に設置され、両者の橋渡し役を果たします。たとえば、社員がインターネット上のウェブサイトを閲覧したい場合、直接ウェブサイトに接続するのではなく、一度プロキシサーバーに接続します。すると、プロキシサーバーが代わりにウェブサイトにアクセスし、その情報を取得し、社員のパソコンに届けます。 このように、プロキシサーバーを介することで、社内ネットワークと外部ネットワークの間に壁を作ることができます。この壁があることで、外部から社内ネットワークへの不正アクセスを防いだり、社員による不適切なウェブサイトへのアクセスを制限したりすることができ、セキュリティの向上に繋がります。また、プロキシサーバーは、一度アクセスしたウェブサイトの情報を一時的に保存しておく機能も持っています。そのため、同じウェブサイトに再びアクセスする場合には、保存した情報を利用することで、表示速度を向上させることができます。
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インターネットセキュリティの守護者:IPSec

- インターネット上の情報のやり取りを守る技術インターネットは、情報を小さなパケットと呼ばれる単位に分割して送受信しています。このパケットは、宛先まで様々な経路を通って届きますが、その途中で悪意のある第三者に盗み見られる可能性も否定できません。インターネットで安全に情報をやり取りするために、重要な役割を担うのがIPsecという技術です。IPsecは、インターネット上でやり取りされるパケット一つ一つを暗号化することで、情報漏えいを防ぎます。暗号化とは、内容を第三者にはわからないような複雑な形に変換することです。たとえパケットが盗み見られても、暗号化されていれば、内容を解読することは非常に困難になります。例えば、オンラインショッピングでクレジットカード情報を入力する場面を考えてみましょう。この時、IPsecが導入されていれば、入力したクレジットカード情報は暗号化されて送信されます。万が一、悪意のある第三者に通信を傍受されたとしても、情報は暗号化されているため、解読される心配はありません。このように、IPsecはインターネット上での安全な情報交換を実現するための重要な技術と言えるでしょう。
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重要インフラを支えるSCADA:その役割とセキュリティの重要性

- SCADAとは何かSCADAは「Supervisory Control and Data Acquisition」の略で、日本語では「監視制御とデータ収集」という意味です。 工場の生産ラインや電力網、パイプラインなど、広範囲にわたる機器やシステムを遠隔から監視・制御するためのシステムを指します。SCADAは、様々な場所に設置されたセンサーを通じて、機器やシステムの状態に関するデータ(温度、圧力、流量など)をリアルタイムで収集します。集められたデータは、ネットワークを介して中央制御室に送信され、一箇所に集約されます。中央制御室では、オペレーターが監視画面を通じて、システム全体の稼働状況をリアルタイムで把握することができます。SCADAの大きな特徴は、遠隔から機器の操作や制御指令を送信できる点です。例えば、工場の生産ラインであれば、中央制御室から各工程の稼働状況を監視し、必要に応じてライン速度の調整や機器の起動・停止などの指示を出すことができます。このように、SCADAは広範囲に分散された機器やシステムを一元的に監視・制御することで、システム全体の効率的な運用、異常発生時の迅速な対応、人材不足の解消などに貢献しています。