機密情報保護の要: ベル・ラパドゥラ・モデル
- 機密情報へのアクセスを制限
組織が保有する重要な情報へのアクセスは、厳格に管理される必要があります。これは、業務上、情報へのアクセスが必要な人と、アクセスする必要がない人を明確に区別することで実現できます。このような情報管理の考え方を「知る必要性」の原則と呼びます。ベル・ラパドゥラ・モデルは、この原則を適用して、機密情報へのアクセスを適切に管理するための枠組みを提供するセキュリティモデルです。
特に、政府機関や軍隊など、機密性の高い情報を扱う組織において、ベル・ラパドゥラ・モデルは重要な役割を果たします。このモデルでは、情報資産にセキュリティ分類を適用し、それに応じてアクセス権を設定します。セキュリティ分類は、情報の機密性に基づいて、「極秘」「秘」「公開」といったレベルに分けられます。
アクセス権は、それぞれのセキュリティ分類レベルに対して、誰が情報にアクセスできるかを明確に定義します。例えば、「極秘」レベルの情報にアクセスできるのは、セキュリティクリアランスを受けた特定の人員だけに限定されます。一方、「公開」レベルの情報は、組織内の誰でもアクセスできるかもしれません。
ベル・ラパドゥラ・モデルを採用することで、組織は情報の漏洩や不正アクセスといったセキュリティリスクを大幅に軽減できます。情報へのアクセスが制限されることで、たとえ一部の情報が漏洩したとしても、被害を最小限に抑えることができます。また、アクセス権が明確に定義されていることで、責任の所在が明確になり、セキュリティに関する監査も容易になります。