サーベンス・オクスリー法:企業不正を防ぐための重要な法律
- サーベンス・オクスリー法とは2002年にアメリカで成立したサーベンス・オクスリー法(SOX法)は、企業の会計処理を厳格化し、投資家を守ることを目的とした法律です。この法律が制定された背景には、1990年代後半に起こったドットコム・バブルの崩壊と、それに伴う大企業の不正会計問題がありました。当時、エンロンやワールドコムといった誰もが知る巨大企業が、利益を水増しするなどの粉飾決算を行っていたことが発覚し、世界中に衝撃が走りました。 これらの不正会計は、株価の暴落を引き起こし、多くの投資家に莫大な損失を与えただけでなく、企業の信頼性を大きく損ないました。このような事態を二度と起こさないために、アメリカ政府は抜本的な対策に乗り出しました。それがサーベンス・オクスリー法の制定です。この法律では、企業の経営者に対して、財務報告の信頼性を保証することや、社内の内部統制システムを構築・維持することが義務付けられました。また、監査法人の監査体制の強化や、会計不正に対する罰則の強化なども盛り込まれました。 サーベンス・オクスリー法は、成立当初こそ、その厳格さから企業に大きな負担を強いると批判する声もありました。しかし、その後、企業会計の透明性が向上し、投資家の信頼回復に繋がったと評価されています。 現在では、アメリカのみならず、世界中の企業が、サーベンス・オクスリー法を参考に内部統制の強化に取り組んでいます。