「パ」

マルウェア対策

潜む脅威:パッカー型マルウェアの手口

日頃から何気なく利用しているファイル圧縮ですが、この便利な技術が悪意のある者によって悪用されていることをご存知でしょうか。ファイル圧縮は、データを小さくまとめることで保存容量を節約したり、ファイルの送受信をスムーズにしたりするために広く利用されています。しかし、この特性を逆手に取り、悪意のあるプログラムを圧縮・暗号化することで、セキュリティ対策ソフトの監視の目をすり抜け、こっそりとコンピュータに侵入を試みるサイバー攻撃が増加しています。 セキュリティ対策ソフトは、一般的に、既知のウイルスや不正なプログラムの特徴と照らし合わせて、ファイルが悪意のあるものかどうかを判断します。しかし、ファイルが圧縮・暗号化されている場合、その中身を直接解析することができません。そのため、悪意のあるプログラムは、圧縮・暗号化というベールに包まれることで、セキュリティ対策ソフトの監視網をくぐり抜け、ユーザーのコンピュータへの侵入を容易にしているのです。 このように、ファイル圧縮は、利便性を提供する一方で、サイバー攻撃の手段としても悪用される可能性を秘めています。怪しいファイルは不用意に開かない、信頼できるセキュリティ対策ソフトを導入するなど、自己防衛の意識を高め、適切な対策を講じることが重要です。
セキュリティを高める

セキュリティ対策の基本! パッチとは?

プログラムの修正プログラムは、プログラムの一部を更新して、欠陥を直したり、機能を改良したりするためのデータです。プログラムは、まるで人の手で組み立てられた巨大な模型のようなもので、たくさんの部品が複雑に組み合わさってできています。模型に不具合が見つかった時、その部分を修正する部品を送るのが、プログラムにおける修正プログラムの役割と言えます。 例えば、ある会社の開発した会計ソフトに、計算結果が正しく表示されないという不具合が見つかったとします。このまま使い続けると、会社の経営に大きな影響を与えかねません。そこで、開発者はこの問題を修正したプログラムを、インターネットを通じて配布します。利用者は、この修正プログラムを自分のパソコンに適用することで、会計ソフトを正常な状態に戻すことができます。 このように、修正プログラムは、プログラムの不具合を解消し、安全性を保つために非常に重要な役割を果たしています。修正プログラムは、新しい機能を追加するために配布されることもあります。いずれの場合も、利用者は常に最新の情報を入手し、修正プログラムが配布された場合は速やかに適用することが大切です。
認証技術

パスワードはもう古い?これからの安全なログインとは

今日では、買い物や情報収集など、インターネットは私たちの生活に欠かせないものとなっています。多くのウェブサイトやサービスを利用する際に、パスワードを設定することはもはや常識となっています。しかし、パスワードは利便性の反面、セキュリティ上の弱点も抱えていることを忘れてはなりません。パスワードは、まるで家の鍵のように、私たちの大切な個人情報を守るための重要な役割を担っています。 しかし、その鍵を不正に複製しようとする者が後を絶ちません。悪意のある攻撃者は、あの手この手でパスワードを盗み出そうと企んでいます。例えば、考えられる限りのパスワードを片っ端から試す「総当たり攻撃」や、過去に漏洩したパスワードのリストを使ってログインを試みる「リスト型攻撃」など、その手法は実に巧妙です。近年では、企業や組織から大量の個人情報が流出する事件も相次いでおり、セキュリティ対策の強化は待ったなしの状況となっています。自分のパスワードが不正利用されてしまうと、オンラインショッピングでのなりすまし被害や、個人情報の拡散など、取り返しのつかない事態に発展する可能性もあります。 身近に潜む脅威から大切な情報資産を守るためには、パスワードの管理に対する意識を高め、適切な対策を講じることが重要です。
認証技術

パスワードレス認証:未来のセキュリティ

- パスワードレス認証とは従来の本人確認といえば、パスワードの入力でした。しかし、このパスワードを使った認証方式には、重大な欠陥がありました。それは、パスワードの流出や不正に入手される危険性が常に付きまとうという点です。パスワードが漏れてしまえば、悪意のある第三者にアカウントを乗っ取られ、個人情報や重要なデータが盗まれてしまうかもしれません。そこで登場したのが、パスワードを使わずに本人確認を行う「パスワードレス認証」です。パスワードレス認証では、そもそもパスワードを使用しないため、パスワードの流出によるリスクを根本から絶つことができます。では、パスワードの代わりに何を使って本人確認を行うのでしょうか? 代表的な方法としては、二つあります。一つは、スマートフォンなどに登録されている指紋や顔などの生体情報を利用する方法です。もう一つは、毎回異なる使い捨てのパスワードを発行する「ワンタイムパスワード」を利用する方法です。パスワードレス認証は、従来のパスワード認証と比べて安全性が高く、利便性も高いことから、今後ますます普及していくと考えられます。
ネットワークセキュリティ

システムの安全性を左右する「パラメータ」とは?

- 設定を細かく調整!パラメータの役割 皆さんは、ソフトウェアやシステムの動き方を、自分の好みに合わせて変えたいと思ったことはありませんか? 例えば、インターネットで欲しい商品を探すとき、条件を細かく指定することで、より早く目的の商品にたどり着けますよね? このような、動作を調整するための外部からの入力値のことを「パラメータ」と呼びます。 ウェブサイトで商品を探す場合を例に考えてみましょう。商品名だけでなく、価格帯やメーカー、商品の色などを指定することで、希望に合う商品を絞り込むことができます。このときに入力した条件の一つ一つが、パラメータの役割を果たしているのです。 パラメータは、ウェブサイトやアプリケーションの機能を充実させ、私たちユーザーにとってより使いやすいものにするために欠かせないものです。 パラメータをうまく活用することで、より快適なデジタルライフを送ることができるでしょう。
セキュリティ評価

デジタルフォレンジックにおけるハイバネーションファイル

パソコンを長時間使わない時に、電力を節約するためにスリープや休止といった機能を使うことがあります。スリープは短時間の休憩に適していますが、休止はそれよりもさらに電力消費を抑えたい時に役立ちます。休止を使うと、作業中の情報は一旦ハードディスクに保存され、パソコンの電源は完全に切られた状態になります。この時、消費電力はほぼゼロに近くなります。 ハードディスクに保存される情報のことを「ハイバネーションファイル」と呼びます。このファイルには、休止直前まで開いていた文書やアプリケーションの状態などが記録されています。パソコンを再び起動すると、このファイルから情報が読み込まれ、休止前の状態にスムーズに戻ることができます。 つまり、ハイバネーションファイルは、パソコンの状態を一時的に保存しておくための重要な役割を果たしているのです。 休止を使うことで、作業を中断することなく、かつ無駄な電力消費を抑えることができます。長時間パソコンを使わない場合は、ぜひ休止機能を活用してみましょう。
その他

ハイブリッドワークで変わる働き方

- ハイブリッドワークとは従来のように毎日決まったオフィスに通勤する働き方ではなく、オフィス勤務とリモートワークを組み合わせた柔軟な働き方が「ハイブリッドワーク」です。 従業員は、それぞれの仕事やライフスタイルに合わせて働く場所を選ぶことができます。例えば、週の前半はオフィスでチームと集中的に会議や共同作業を行い、後半は自宅で集中して作業するといったスタイルや、プロジェクトの進捗状況に合わせてオフィスと自宅を使い分けるスタイルなど、企業や個人の事情に合わせて様々な働き方が可能です。 ハイブリッドワークは、働く時間や場所の自由度が高いため、従業員のワークライフバランスの向上や、通勤時間の削減によるストレス軽減、集中力や生産性の向上といったメリットが期待できます。また、企業側にとっても、オフィスコストの削減や優秀な人材の確保、従業員のエンゲージメントや帰属意識の向上といった効果が期待できます。 一方で、ハイブリッドワークを導入する際には、適切な労務管理やコミュニケーション不足、セキュリティ対策など、新たな課題も浮上します。そのため、制度設計や環境整備など、導入前に十分な準備と検討が必要です。
暗号技術

ハイブリッド暗号:強固なセキュリティを実現する仕組み

- ハイブリッド暗号とはハイブリッド暗号は、二つの異なる暗号方式の長所を組み合わせることで、より強固なセキュリティを実現する暗号化方式です。具体的には、処理速度に優れる共通鍵暗号と、鍵の受け渡しを安全に行える公開鍵暗号の利点を組み合わせた方式を指します。共通鍵暗号は、暗号化と復号に同じ鍵を用いる方式です。この方式は処理速度が速いという利点がある一方、送信者と受信者が安全に鍵を共有することが課題となります。一方、公開鍵暗号は、暗号化と復号に異なる鍵のペアを用いる方式です。公開鍵は誰でも知ることができ、秘密鍵は受信者のみが保管します。この方式は鍵の共有が容易である一方、処理速度が遅いという課題があります。ハイブリッド暗号では、まず公開鍵暗号を用いて共通鍵を暗号化して相手に送信します。受信者は、自分だけが持っている秘密鍵を使って共通鍵を復号します。その後は、復号した共通鍵を用いて、暗号化されたデータをやり取りします。このように、ハイブリッド暗号は共通鍵暗号の処理速度の速さと、公開鍵暗号の鍵配送の安全性を兼ね備えているため、強固なセキュリティが必要とされる場面で広く利用されています。
クラウドサービス

ハウジングサービスとは?そのメリットとセキュリティ対策

- ハウジングサービスの概要ハウジングサービスとは、企業が情報システムを運用する上で欠かせないサーバーやネットワーク機器などを、専門の事業者が所有・管理する施設に設置するサービスです。自社でデータセンターを構築・運用する代わりに、必要な設備や資源を借り受けることができます。ハウジングサービスの最大の特徴は、高品質なインフラ環境を低コストで利用できる点です。堅牢な建物、安定した電力供給、高度なセキュリティ対策など、情報システムの安定稼働に欠かせない要素が揃っています。これらの設備を自前で用意しようとすると、莫大な費用と時間、専門知識が必要となりますが、ハウジングサービスを利用すれば、初期費用を抑えつつ、短期間で導入することができます。また、ハウジングサービスは、利用規模を柔軟に変更できる点も魅力です。事業の成長や変化に合わせて、必要なスペースや電力を増減することが可能です。さらに、専門業者による24時間365日の監視や保守サービスも提供されるため、安心してシステム運用を任せられます。ハウジングサービスは、自社でデータセンターを保有することが難しい中小企業や、災害対策や事業継続計画の一環として、重要なシステムを安全な場所に設置したい企業にとって、有効な選択肢と言えるでしょう。
攻撃方法について知る

ハクティビスト:活動と脅威

- ハクティビストとはハクティビストは、政治的な思想や社会的な目的を達成するために、高度なコンピューター技術を悪用する個人または集団のことです。彼らは、自分たちの主張を世間に広めたり、不当だと考える組織や政府の行動を妨害したりするために、不正な侵入や情報漏洩といった手段を用います。彼らの行動は、単なるいたずらや愉快犯的なものとは一線を画しています。ウェブサイトの改ざんやサービスの妨害といった攻撃は、一見、技術力を誇示するだけの行為に見えるかもしれません。しかし、その背後には、特定の政治思想や社会問題に対する強い不満や怒りが隠されていることがほとんどです。ハクティビストは、自分たちの行動を正当化するために、「表現の自由」や「社会正義の実現」といった言葉を用いることがあります。しかし、彼らの行動は、法律に違反し、企業活動に損害を与え、個人のプライバシーを侵害する可能性があることを忘れてはなりません。近年、ハクティビストによる攻撃は増加傾向にあり、その手口も巧妙化しています。彼らは、高度な技術と組織力を駆使して、標的とする組織のシステムに侵入し、機密情報を盗み出したり、ウェブサイトを改ざんしたりします。彼らの活動は、社会全体に大きな混乱と不安をもたらす可能性を秘めているため、その動向を注視していく必要があります。
その他

ハッカーってどんな人たち?その実態に迫る

「ハッカー」という言葉は、コンピュータや電子機器の世界に精通した、高い技術力を持つ人々を指す言葉として広く知られています。彼らは、まるで複雑なパズルを解き明かすように、システムの構造や仕組みを深く理解することに喜びをます。 ハッカーと呼ばれる人々は、単にプログラミング言語を使いこなすだけでなく、コンピュータを構成するハードウェアについても深い知識を持っています。回路の設計図を読み解き、電子部品の一つ一つがどのように連携して動作するのかを理解することに長けています。そして、持ち前の探求心と知識欲は尽きることなく、常に新しい技術や情報を探し求めています。 ハッカーは、その高い技術力を活かして、セキュリティ上の欠陥を見つけ出したり、システムの性能を向上させたりするなど、様々な場面で活躍しています。しかし、その一方で、不正アクセスや情報漏洩といった犯罪行為に手を染める者も存在します。そのため、「ハッカー」という言葉は、肯定的な意味合いと否定的な意味合いの両方を持ち合わせていることを理解しておく必要があります。
暗号技術

ハッシュ関数とその役割:データセキュリティの基礎

- ハッシュ値とは ハッシュ値とは、あるデータが入力されると、決まった手順で計算を行い、そのデータを表す短い文字列を生成する技術です。この技術は「ハッシュ関数」と呼ばれ、計算の結果得られる文字列が「ハッシュ値」です。 ハッシュ値は、元のデータが少しでも違えば全く異なる値になるという特徴があります。例えば、「こんにちは」という文章と「こんにちわ」という文章では、たった一文字違うだけで全く異なるハッシュ値が生成されます。 この特徴から、ハッシュ値はデジタルデータの「指紋」のようなものと考えることができます。指紋が一人一人異なるように、ハッシュ値もデータ一つ一つで異なるため、データの改ざん検知などに役立ちます。 例えば、パスワードを保存する際に、パスワードそのものを保存するのではなく、パスワードのハッシュ値を保存する方法があります。こうすることで、万が一データ漏洩が発生した場合でも、ハッシュ値から元のパスワードを推測することは非常に困難になります。 このように、ハッシュ値はセキュリティの分野で重要な役割を担っています。
暗号技術

ハッシュ関数: データの整合性を守る守護者

ハッシュ関数とは、入力されたデータを特定のアルゴリズムに基づいて変換し、決まった長さの文字列を生成する関数のことです。この生成された文字列は「ハッシュ値」と呼ばれ、入力データの指紋のような役割を果たします。 ハッシュ関数の大きな特徴は、同じデータを入力すれば必ず同じハッシュ値が得られるという点です。これは、ほんの少しの違いでも異なるハッシュ値が生成されることを意味し、この性質を利用してデータの改ざん検知に役立ちます。例えば、ファイルのダウンロード前後にハッシュ値を比較することで、ダウンロード中にデータが破損していないかを確認できます。 また、ハッシュ関数はセキュリティの分野でも重要な役割を担っています。パスワードをハッシュ化して保存する場合、元のパスワードではなくハッシュ値をデータベースに保存することで、万が一データベースが漏洩した場合でも、パスワードが悪用されるリスクを減らすことができます。 このように、ハッシュ関数はデータの整合性確認やセキュリティ確保など、様々な場面で活用されている重要な技術です。
セキュリティ評価

ハニーポット:巧妙な罠でサイバー攻撃を暴く

- ハニーポットとはハニーポットは、情報セキュリティの分野で用いられる、罠のようなシステムです。 あたかも重要なデータやシステムが置かれているように見せかけて、攻撃者を誘い込みます。甘い蜜でおびき寄せられるハチのように、攻撃者はその魅力に抗えず、ハニーポットに仕掛けられた罠にかかってしまうのです。ハニーポットは、本物のシステムに似せて作られますが、実際には重要なデータは何も入っていません。そのため、万が一攻撃者がハニーポットに侵入したとしても、実害はありません。 むしろ、攻撃者がハニーポットにどのような攻撃を仕掛けてきたのか、どのようにして侵入を試みたのかといった情報を得ることができます。こうした情報は、攻撃者の行動パターンや手口を分析するために活用されます。 将来的に、同様の攻撃から重要なシステムを守るための対策を立てることができるのです。ハニーポットは、設置や運用に専門的な知識が必要となりますが、高度化するサイバー攻撃からシステムを守るための有効な手段の一つと言えるでしょう。
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サイバー攻撃の最新トレンド:ハンズオン・キーボード攻撃とは

近年、悪意を持った攻撃のやり方はますます巧妙化しており、企業や組織は常に最新の脅威に気を配っていなければなりません。数ある攻撃の中でも、特に近年警戒が強まっているのが「ハンズオン・キーボード攻撃」という手法です。 従来の攻撃では、攻撃者は自動化されたプログラムを用いて、人の手を介さずに攻撃を行うことが一般的でした。しかし、「ハンズオン・キーボード攻撃」では、攻撃者はまずターゲットのシステムに侵入します。そして、侵入した後は、自動化されたプログラムに頼らず、攻撃者自身の操作によってシステムを直接いじっていきます。 攻撃者は、システムに侵入後、機密情報を探し出して盗み出したり、システムにダメージを与えて正常に動かなくしたりします。こうした攻撃は、人の手によって行われるため、状況に合わせて臨機応変に対応できるという特徴があります。そのため、従来の自動化された攻撃と比べて、検知や防御がより困難になるケースが多い点が問題視されています。
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誕生日が招くセキュリティリスク:バースデー攻撃とは?

- バースデー攻撃とは バースデー攻撃は、暗号技術で使われるハッシュ関数の性質を突いた攻撃手法です。ハッシュ関数とは、どんなデータを入力しても、決まった長さの文字列に変換する機能のことです。この変換後の文字列をハッシュ値と呼びます。 バースデー攻撃の目的は、異なるデータから、全く同じハッシュ値を生成することです。一見すると難しそうに思えますが、実はある確率論に基づいて、現実的な時間で実行できる可能性があります。 この確率論は、「誕生日のパラドックス」と呼ばれています。23人という比較的少ない人数でも、同じ誕生日の人がいる確率は50%を超えるという、直感とは異なる結果を示すものです。 バースデー攻撃では、この誕生日のパラドックスと同様に、膨大な数のデータの中から、同一のハッシュ値を持つデータを見つけ出すことを狙います。そして、もし攻撃者が同一のハッシュ値を持つ、異なるデータを見つけることに成功すると、なりすましやデータの改ざんといったセキュリティ上の問題を引き起こす可能性があります。 例えば、デジタル署名において、悪意のある第三者がバースデー攻撃を使って、正規のデータと同じハッシュ値を持つ偽のデータを作成するかもしれません。そうなると、偽のデータであっても、正規のデータと同様に有効なものとみなされてしまう可能性があり、大変危険です。
認証技術

これからのセキュリティの鍵、生体認証

- 生体認証とは生体認証とは、私たち人間一人ひとりが持つ、身体的な特徴や行動の特徴を利用して、本人かどうかを確認する技術のことです。例えば、指紋や顔、声、虹彩などが、その人のみが持つ特徴として利用されます。従来、本人確認には、パスワードの入力やIDカードの提示といった方法が一般的でした。しかし、パスワードは忘れてしまったり、他人に知られてしまうリスクがあり、IDカードは紛失や盗難の可能性があります。生体認証は、身体の一部や行動そのものを利用するため、これらのリスクを大きく減らすことができます。パスワードのように忘れてしまう心配もなく、IDカードのように持ち歩く必要もありません。このため、セキュリティの強化と利便性の向上を同時に実現できる技術として注目されています。近年、スマートフォンが広く普及し、インターネットを通じて様々なサービスを利用することが当たり前になってきました。それに伴い、生体認証は、オンラインサービスへのログインや、スマートフォン決済など、私たちの身近な場面で活用される機会が増えています。今後、技術の進歩とともに、さらに安全で便利な認証方法として、生体認証の普及が進んでいくと予想されます。
マルウェア対策

コンピュータの言葉、バイナリを解読する

私たちが毎日使うコンピュータ。画面には文字や画像が色鮮やかに映し出され、複雑な計算も瞬く間にこなしてしまう、まるで魔法の箱のようです。しかし、その裏側では驚くほど単純な仕組みが働いています。コンピュータが理解できる言葉は、実は「0」と「1」の二つだけなのです。 この「0」と「1」の組み合わせはバイナリと呼ばれ、電気が流れるか流れないかを表しています。コンピュータ内部では、あらゆる情報がこのバイナリに変換されて処理されます。例えば、私たちがキーボードで「A」という文字を入力すると、コンピュータ内部では「01000001」というバイナリに変換されます。このように、文字だけでなく、画像や音声、動画など、あらゆる情報が「0」と「1」の羅列で表現されているのです。 コンピュータは、この単純な「0」と「1」の組み合わせを、驚くべき速さで処理することで、複雑な作業を可能にしています。文書作成、インターネット接続、ゲーム、音楽鑑賞など、私たちが普段何気なく行っているコンピュータ操作は、すべてこのバイナリによる処理の上に成り立っているのです。
情報漏洩対策

データ消去の最終手段:破壊

- 破壊とは破壊とは、デジタルデータが記録された機器を物理的に壊して、情報を二度と復元できない状態にすることです。企業活動の中で不要になったパソコンや記憶装置などを廃棄する場合に、顧客情報などの重要なデータが残っていると、情報漏えいのリスクがつきまといます。このような危険性を防ぐために、データを記録する機器自体を物理的に破壊し、復元を不可能にするのが破壊という方法です。破壊の対象となるのは、パソコンやサーバーで使われていたハードディスクドライブだけでなく、CD-ROMやUSBメモリなどの記憶媒体も含まれます。これらの機器には、一見すると消去したと思えるデータも、特殊な方法を使えば復元できてしまうことがあります。そのため、データの完全な消去を保証するためには、物理的な破壊が最も確実な方法と言えるでしょう。破壊には、専用の機械を使って機器を粉々に砕いたり、強い磁力をかけてデータを消去したりする方法など、様々な方法があります。それぞれの方法によって、かかる費用やセキュリティレベルは異なります。重要なデータを扱っていた機器を廃棄する際には、専門の業者に依頼して適切な方法で破壊してもらうことが大切です。
マルウェア対策

巧妙化するマルウェア!バイナリ・パディングとは?

- ファイルサイズを水増しするバイナリ・パディング バイナリ・パディングとは、コンピュータウイルスやマルウェアなどの悪意のあるプログラムを隠すために使われる技術の一つです。 悪意のあるプログラムは、そのままではセキュリティソフトに検知されてしまう可能性があります。そこで、プログラムのサイズや構造を偽装することで、セキュリティソフトの監視をかいくぐろうとします。この偽装方法の一つが、バイナリ・パディングです。 バイナリ・パディングでは、悪意のあるプログラムの末尾に意味のないデータ(多くの場合、0 で構成される)を追加して、ファイルサイズを大きくします。これは、軽い荷物に新聞紙を詰め込んで大きく見せるようなもので、セキュリティソフトを欺く効果があります。 セキュリティソフトの中には、ファイルサイズや構造を基に怪しいファイルを判別するものがあります。しかし、バイナリ・パディングによってファイルサイズが変更されてしまうと、セキュリティソフトは悪意のあるプログラムを見逃してしまう可能性があります。 バイナリ・パディング自体は、必ずしも悪意のある行為ではありません。しかし、サイバー攻撃者が悪用するケースが増えているため、注意が必要です。
セキュリティ評価

バグバウンティ:セキュリティ対策の新しい形

- 欠陥を見つけてもらうために 近年、企業が提供するサービスやシステムにおいて、セキュリティの重要性がますます高まっています。しかし、開発者自身だけでは、あらゆるセキュリティ上の欠陥を見つけることは困難です。そこで、近年注目を集めているのが「バグバウンティ」という制度です。バグバウンティとは、企業が、外部のセキュリティ専門家に対して、自社のシステムやソフトウェアの欠陥を発見した場合に報奨金を支払うというものです。企業は、専門家の持つ幅広い知識や技術を活用することで、自社だけでは見つけることが難しい潜在的な脆弱性を発見し、修正することができます。一方、セキュリティ専門家にとっては、自身の技術を試す機会であると同時に、社会全体に貢献しながら金銭的な報酬を得られるというメリットがあります。また、企業にとっては、セキュリティ専門家との協力関係を築くことで、より安全なシステム開発につなげられるという利点もあります。バグバウンティは、企業とセキュリティ専門家の双方にとってメリットのある制度であり、セキュリティ対策の重要な一環として、今後ますます普及していくと考えられます。
情報漏洩対策

データ廃棄の落とし穴:残存データのリスク

- データ廃棄とは不要になったデジタルデータを記録した記憶媒体を処分することを「データ廃棄」と呼びます。一見、単純な作業のように思えますが、情報セキュリティの観点からは、適切な処理を行わなければなりません。不適切な廃棄は、情報漏えいに繋がりかねない重大なセキュリティリスクを抱えているからです。データ廃棄が必要となる場面は、例えば、パソコンやサーバーの入れ替え、記憶媒体の故障、あるいは単にデータの保管期限が過ぎた時などが挙げられます。このような時、単にゴミ箱に捨てるだけでは、情報漏えいのリスクがあります。データ廃棄には、大きく分けて「物理的な方法」と「論理的な方法」の二つがあります。物理的な方法とは、記憶媒体そのものを破壊することです。例えば、ハードディスクを物理的に破壊したり、強力な磁気をかけたりすることで、データの復元を不可能にする方法があります。一方、論理的な方法では、記憶媒体はそのままに、データのみを消去します。例えば、データの上書きや暗号化によって、元のデータを復元できないようにします。どの方法が適切かは、データの機密性や、廃棄後の記憶媒体をどのように取り扱うかによって異なります。例えば、機密性の高い情報を含む場合は、物理的な破壊の方がより安全です。また、記憶媒体を再利用する場合は、論理的な方法を選択することになります。重要なのは、データ廃棄を「情報セキュリティ対策の一環」として捉え、適切な方法を選択することです。専門業者に依頼するなど、安全性を重視した対策を行いましょう。
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パスワードリスト攻撃とは?その仕組みと対策を解説

- パスワードリスト攻撃の概要パスワードリスト攻撃とは、第三者が不正に入手した大量のIDとパスワードの組み合わせリストを用いて、様々なウェブサイトやアプリケーションへの不正アクセスを試みる攻撃手法です。攻撃者は、まるで正規の利用者になりすますかのように、リストに記載されたIDとパスワードを次々と入力し、ログインを試みます。もし、利用者が設定しているパスワードとリストに記載されたパスワードが一致した場合、攻撃者は見事アカウントにログインし、情報を盗み見たり、悪用したりすることが可能になります。この攻撃の恐ろしさは、その簡便さと、そして効果の高さにあります。攻撃者は、高度な技術や知識を必要とせず、比較的簡単に実行できます。そして、利用者が推測されやすいパスワードを設定している場合、高い確率で攻撃が成功してしまう可能性があります。パスワードリスト攻撃から身を守るためには、複雑で推測されにくいパスワードを設定することが何よりも重要です。また、複数のウェブサイトで同じパスワードを使い回すことは避け、ウェブサイトごとに異なるパスワードを設定することが推奨されます。さらに、二段階認証などのセキュリティ対策を導入することで、より強固な防御体制を築くことが可能です。
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巧妙化する不正アクセス:パスワードスプレー攻撃とは

皆さんがインターネット上で安全に過ごせるよう、今回は「パスワードスプレー攻撃」という巧妙な攻撃の仕組みについて詳しく説明します。 パスワードスプレー攻撃は、従来の攻撃のように、ひとつのアカウントに対して何度もパスワードを試し続けるのではなく、多数のアカウントをターゲットにする点が特徴です。 攻撃の手口としては、まず、攻撃者は標的となる組織の従業員などのアカウント情報を複数入手しようとします。そして、「123456」や「password」といった、多くの人が使いそうな、推測しやすい簡単なパスワードをリストアップしておき、入手したアカウント情報に、次々とこれらのパスワードを試していきます。 もし、ひとつのアカウントに何度もパスワードを入力しようとすると、セキュリティ対策としてアカウントが一時的にロックされてしまうことがあります。しかし、パスワードスプレー攻撃の場合、ひとつのアカウントに試みる回数は少なく、さらに複数のアカウントに分散して攻撃を行うため、アカウントロックといった防御策をすり抜けてしまう可能性が高くなるのです。 この攻撃から身を守るためには、推測されやすい単純なパスワードの使用を避け、複雑なパスワードを設定することが重要です。また、パスワードを使い回さず、異なるサービスやサイトごとに異なるパスワードを設定することも効果的です。