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安心できるIoT社会の実現に向けて:IoTセキュリティガイドラインの概要

近年、身の回りの様々な「もの」がインターネットに接続される時代となっています。冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどの家電製品はもちろんのこと、自動車や工場の生産設備までがインターネットにつながることで、私たちの生活はより便利で豊かなものへと変化していく可能性を秘めています。 このような、あらゆる「もの」がインターネットに接続される仕組みは「モノのインターネット」と呼ばれ、近年急速に普及が進んでいます。これは、日本語では「物のインターネット」と表現され、一般的にはアルファベットの頭文字を取って「IoT」と略されることが多くあります。 IoTは、私たちの生活に様々な恩恵をもたらすことが期待されています。例えば、外出先からスマートフォンで自宅の家電製品を操作したり、センサーで収集したデータをもとに工場の生産性を向上させたりすることが可能となります。 しかし、その一方で、IoTの普及はセキュリティ上のリスクを高めるという側面も持ち合わせています。従来のインターネットに接続されたパソコンやスマートフォンと比較して、IoT機器はセキュリティ対策が十分でない場合が多く、サイバー攻撃の標的となる危険性が高まります。 そこで、IoT機器やシステムを安全に利用するためには、セキュリティに関する適切な対策を講じることが重要となります。そのため、今回は「IoTセキュリティガイドライン」と題して、IoT機器を安全に利用するための指針について詳しく解説していきます。
セキュリティ評価

Society5.0実現の鍵、IoT-SSFとは

近年、身の回りのあらゆる物がインターネットにつながる「モノのインターネット」の普及が目覚ましい勢いで進んでいます。 この技術革新は、私たちの生活をより便利で豊かなものへと変化させてきました。 例えば、家の中でも外出先でも家電製品を遠隔操作できるスマートホームや、健康状態を常に把握できるウェアラブルデバイスなどは、私たちの生活を大きく変えつつあります。 しかし、その一方で、利便性と引き換えに、新たなリスクも生まれていることを忘れてはなりません。 あらゆる物がインターネットに接続されるということは、それだけサイバー攻撃の対象が増えることを意味します。 もしも、あなたの家の冷蔵庫やエアコンがサイバー攻撃を受けてしまったら、プライバシーの侵害や金銭的な損失といった深刻な被害を受ける可能性も否定できません。 さらに、自動運転車のように、私たちの生命や身体に直接関わる製品も登場しており、万が一事故が発生した場合、その安全性をどのように確保するのかという課題も浮上しています。 私たちが、今後ますます進化していくであろう「モノのインターネット」や人工知能などの新たな技術と安全に共存していくためには、これらの課題に対する適切な対策を講じていくことが必要不可欠と言えるでしょう。
セキュリティ評価

セキュリティ対策の鍵は侵害指標:IoCとは

情報セキュリティの分野では、「侵害指標」という言葉をよく耳にするようになりました。これは、英語で「Indicator of Compromise」といい、略して「IoC」と呼ばれています。では、この「侵害指標」とは一体どのようなものを指すのでしょうか? 簡単に言うと、侵害指標とは、コンピューターやネットワークシステムが何者かの攻撃を受けたり、不正なアクセスを許してしまった際に、その事実を示す痕跡となるデータのことです。 例えば、普段はまず見かけることのないシステムの動作記録や、悪意のあるプログラムが残した痕跡、データの指紋のような役割を果たすハッシュ値、アクセス元のインターネット上の住所にあたるIPアドレスやウェブサイトのアドレスであるURL、インターネット上の住所を示すドメイン名などが、侵害指標の具体的な例として挙げられます。 これらの痕跡は、セキュリティ侵害が実際に発生したことをいち早く察知したり、その原因を突き止めたり、二度と同じような被害に遭わないようにするための対策を練る上で、非常に重要な情報源となります。まるで、事件現場に残された指紋や足跡のように、侵害指標はセキュリティ専門家が事件の真相を解明する手がかりとなるのです。
ネットワークセキュリティ

インカプスラ:包括的なウェブセキュリティ対策

- インカプスラとはインカプスラ(Incapsula)は、本来「インパーバ・インカプスラ(Imperva Incapsula)」という名称で知られており、インターネットを通じて提供されるサービス形態、いわゆるクラウドベースで動作するアプリケーション配信プラットフォームです。ウェブサイトやウェブアプリケーションを対象に、外部からの攻撃や不正アクセスといった様々な脅威から守るだけでなく、表示速度や安定性の向上など、パフォーマンス向上を実現するための多岐にわたるサービスを提供しています。具体的には、世界中に分散配置されたサーバーネットワークを活用し、ウェブサイトやウェブアプリケーションへのアクセスをこれらのサーバーを経由するようにすることで、セキュリティとパフォーマンスの両面を強化します。セキュリティ面では、悪意のあるアクセスを遮断するファイアウォール、ウェブサイト改ざんを防ぐセキュリティ対策、大量アクセスによるサーバーダウンを防ぐDDoS攻撃対策など、多層的な防御システムを備えています。パフォーマンス面では、データを圧縮して転送量を削減したり、アクセスが集中する時間帯でも安定した処理を可能にするキャッシュ機能などを提供し、ウェブサイトやウェブアプリケーションの表示速度向上や安定稼働を支援します。このように、インカプスラは、企業が安心してビジネスを展開していく上で欠かせないウェブサイトやウェブアプリケーションの安全と安定を、包括的に支えるサービスと言えるでしょう。
マルウェア対策

重要インフラを狙う脅威:Industroyerとは

- Industroyerの概要Industroyerは、電力網など、社会生活を支える重要なインフラである産業制御システム(ICS)を標的とした、極めて悪質なマルウェアです。一般的なマルウェアのように、情報を盗み出したり暗号化したりするのではなく、電力供給を制御するシステムに直接的に侵入し、攻撃対象の機器を物理的に破壊あるいは機能停止に追い込むことを目的としています。Industroyerの恐ろしさは、その名の由来にもなった「Crash Override(緊急停止ボタンを押し込む)」という別名に象徴されています。これは、電力網を意図的にダウンさせるという、社会全体に甚大な被害をもたらす可能性を示唆しています。Industroyerは、ICSの深い知識に基づいて設計されており、複数の通信プロトコルを悪用してシステムに侵入します。さらに、攻撃対象のシステムに合わせて動作をカスタマイズできる柔軟性も持ち合わせています。これは、特定の電力会社やインフラを狙って、より効率的かつ致命的な攻撃を仕掛けることができることを意味します。Industroyerの出現は、サイバー攻撃が、もはや仮想世界だけの問題ではなく、現実世界に直接的な被害をもたらす段階に突入したことを如実に示しています。社会生活に不可欠なインフラを守るためには、従来のセキュリティ対策に加えて、ICSに対する脅威への対策が急務となっています。
攻撃方法について知る

Impacket:攻撃のためのツールとその対策

- ImpacketとはImpacketは、セキュリティ企業であるSecureAuthによって開発された、ネットワークプロトコルを扱うためのオープンソースのプログラム集です。このプログラム集は、プログラミング言語Pythonで書かれており、誰でも自由に利用できます。Impacketは、Windows環境でよく使われているSMBやWMIといったプロトコルに対応しているため、コンピュータネットワークのセキュリティ診断や、擬似的に攻撃を行いセキュリティの強度を評価するペネトレーションテストの分野で広く活用されています。Impacketの最大の特徴は、ネットワーク上の通信内容を細かく分析し、任意のパケット(データの送受信単位)を自由に生成・送信できる点にあります。この機能により、攻撃者は本来必要な認証を回避したり、悪意のあるプログラムを送り込んで実行したりするなど、様々な攻撃を仕掛けることが可能になります。そのため、Impacketはセキュリティ専門家にとって、攻撃者の視点や手法を理解し、システムの脆弱性を特定するための強力なツールとして重宝されています。一方で、その強力さ故に悪用される可能性もあり、Impacketを用いた攻撃からシステムを守るためには、適切なセキュリティ対策を講じることが重要となります。
マルウェア対策

猛威を振るうランサムウェアIceFireの脅威

- ランサムウェアIceFireとはランサムウェアIceFireは、2022年3月頃に初めて確認された、比較的新しい種類の脅威です。この悪意のあるソフトウェアは、主にWindowsを搭載したコンピュータを標的にしており、感染するとシステムに侵入し、写真や文書、データベースなど、重要なファイルを見つけ出して暗号化します。暗号化されると、ファイルは元のアプリケーションで開くことができなくなり、アクセスが不能になります。IceFireの特徴は、高度な暗号化アルゴリズムであるAESとRSAを組み合わせて使用している点です。AESとRSAはどちらも強力な暗号化方式として知られており、この組み合わせにより、IceFireは他のランサムウェアと比較して、より強力な暗号化を実現しています。そのため、セキュリティ専門家や専用の復号ツールを用いても、暗号化されたファイルの復号は非常に困難です。IceFireによる暗号化が完了すると、ファイルには「.iFire」という拡張子が付けられます。これは、IceFireに感染したことを示す目印となります。その後、攻撃者は被害者に対して、ファイルの復号化と引き換えに身代金を要求します。身代金の支払いは通常、ビットコインなどの追跡が困難な仮想通貨で行うよう指示されます。IceFireは比較的新しいランサムウェアであるため、現時点ではその感染経路や拡散方法に関する情報は限られています。しかし、他のランサムウェアと同様に、悪意のあるメールの添付ファイル、ソフトウェアの脆弱性、不正なウェブサイトへのアクセスなどを通じて拡散している可能性があります。
マルウェア対策

Emotetの再来?ランサムウェアにも繋がる脅威「IceID」

- IceIDとはIceIDは、別名BokBotとも呼ばれ、金銭を狙った悪質なソフトウェアです。このソフトウェアは、「バンキング型トロイの木馬」として分類され、主にインターネットバンキングや仮想通貨の取引サイトなどを利用する人々を標的にしています。IceIDは、その名の通り、感染したパソコンに「氷のように」静かに潜み、利用者が異変に気付かないうちに情報を盗み取ります。具体的には、利用者がインターネットバンキングにログインする際に、偽のログイン画面を表示して本物のサイトと誤認させ、入力されたIDやパスワードを盗み取ります。また、キーボード入力の記録や画面のスクリーンショットを取得する機能も備えており、クレジットカード情報や取引に必要な認証コードなども盗み取られる可能性があります。IceIDは、メールの添付ファイルや悪意のあるウェブサイトへのアクセスなどを介して拡散されます。そのため、不審なメールに添付されたファイルを開封したり、信頼できないウェブサイトにアクセスしたりしないことが重要です。また、セキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つことも有効な対策となります。IceIDは、個人だけでなく、企業にとっても大きな脅威となります。企業がIceIDに感染した場合、顧客情報や機密情報が盗み取られ、金銭的な損失だけでなく、企業の信用を失墜させる可能性もあります。そのため、企業は従業員へのセキュリティ教育を徹底するなど、IceIDへの感染対策を強化する必要があります。
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企業を守る!情報セキュリティの国際標準規格、ISO27001とは?

現代社会において、企業にとって情報はまさに生命線と言えるでしょう。顧客情報、技術資料、財務データなど、企業が保有する情報は多岐に渡り、その重要性は増すばかりです。これらの情報は、企業の競争優位性を築き、顧客との信頼関係を構築し、円滑な事業運営を行う上で欠かせないものです。 しかし、情報技術の発展と普及は、企業にとって大きな恩恵をもたらす一方で、新たな脅威も生み出しました。サイバー攻撃の手口は日々巧妙化しており、標的型攻撃やランサムウェアなど、企業活動に深刻な被害をもたらす事例が後を絶ちません。また、内部不正による情報漏えいのリスクも増加しており、企業はかつてないほど深刻な情報セキュリティの脅威に直面しています。 このような状況下、企業は自社の情報資産の重要性を再認識し、情報セキュリティ対策を経営の重要課題として位置付ける必要があります。具体的には、最新の脅威情報に基づいたセキュリティ対策の実施、従業員へのセキュリティ意識向上教育、セキュリティポリシーの策定と運用など、多岐にわたる取り組みが必要となります。 情報セキュリティへの投資は、単なるコストではなく、企業の持続的な成長と発展を支えるための重要な投資と言えるでしょう。
情報漏洩対策

IRM:機密情報を守るための技術

- 情報資産の保護壁となるIRMとはIRMとは、"Information Rights Management"の略称で、日本語では"情報権限管理"と訳されます。企業にとって、顧客情報や財務情報、技術情報といった機密情報は、まさに生命線とも言える重要な資産です。もしもこれらの情報が外部に漏洩してしまうと、企業は信用を失墜し、多大な損害を被ることになりかねません。IRMは、このような事態を防ぐために、情報資産に対するアクセス権限を厳密に管理する技術です。 従来の情報セキュリティ対策では、ファイアウォールやウイルス対策ソフトなどを用いて、外部からの不正アクセスを遮断することに重点が置かれていました。しかし、近年では、従業員による情報漏洩や、悪意を持った内部者による情報持ち出しといった、内部からの脅威が増加しています。IRMは、こうした内部からの脅威にも対応できる点が大きな特徴です。 具体的には、IRMを導入することにより、文書やファイルなどの電子データに対して、閲覧、編集、印刷、複製といった操作を制限することができます。例えば、特定の部署の担当者にのみ閲覧を許可したり、編集はできないが閲覧は可能な状態に設定したりすることが可能です。また、アクセスログを記録することで、誰がいつどの情報にアクセスしたのかを把握することもできます。このように、IRMは、情報へのアクセスを制限し、追跡可能にすることで、情報漏洩のリスクを大幅に低減します。
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IPスプーフィング:なりすましの危険性

私たちが日々利用しているインターネット。画面の向こう側の世界と繋がることができるその仕組みは、実は身近な手紙のやり取りに似ています。 インターネット上で情報を送受信する際、まずデータは「パケット」と呼ばれる小さな単位に分割されます。これは、大きな荷物を一度に送るのではなく、小さな荷物に分けて送るようなイメージです。 各パケットには、送り主と受け手の情報である「IPアドレス」が付与されます。このIPアドレスは、手紙でいうところの住所と郵便番号のようなもので、パケットは宛先のIPアドレスを頼りに、様々な経路を通って相手に届けられます。 このように、インターネット通信は、データのパケット化とIPアドレスによる宛先指定によって成り立っています。無数のデータが世界中を飛び交い、私たちが求める情報が瞬時に画面に表示される背景には、このような巧妙な仕組みが隠されているのです。
組織・期間

業界連携でセキュリティ強化:ISACとは

- ISACの概要ISACとは、情報共有分析センター(Information Sharing and Analysis Center)の略称です。これは、アメリカ大統領令に基づいて設立された営利を目的としない団体です。ISACは、政府機関と民間企業が協力して、サイバーセキュリティ上の脅威に対抗するために重要な役割を担っています。ISACは、特定の業界ごとに組織されています。例えば、金融業界やエネルギー業界といった具合です。これは、各業界が直面する特有の脅威情報や対策を、より効率的に共有・分析するためです。ISACの主な活動としては、以下の3つが挙げられます。1. -脅威情報の収集と共有- 各業界や政府機関からサイバー攻撃に関する情報を集め、分析した上で、会員組織に共有します。2. -セキュリティ対策の支援- サイバー攻撃から組織を守るための対策や技術に関する情報を提供し、会員組織のセキュリティ強化を支援します。3. -インシデント対応の連携- サイバー攻撃が発生した場合、迅速な情報共有や対応策の検討を行い、被害の拡大を防ぐための連携体制を構築します。ISACは、サイバーセキュリティ対策において重要な役割を担う組織です。近年、サイバー攻撃は増加の一途をたどっており、その手口も巧妙化しています。ISACは、最新の脅威情報や対策を共有することで、会員組織のセキュリティレベル向上に貢献しています。
セキュリティ評価

政府機関のクラウド調達におけるセキュリティ担保:ISMAPとは

近年、多くの企業や組織で、業務の効率化や経費削減を目的として、情報をインターネット上のサービスを通じて管理・運用するクラウドサービスの導入が進んでいます。この流れは、行政機関においても例外ではありません。行政機関でも、クラウドサービスの活用によって、国民へのサービス向上や事務処理の簡素化などが期待されています。 しかし、クラウドサービスの利用には、重要な情報が外部のサーバーに保管されるという性質上、セキュリティの確保が極めて重要な課題となります。特に、国民の個人情報や国家機密など、特に重要な情報を扱う行政機関にとっては、セキュリティ対策は最優先事項と言えます。 そこで、行政機関が安心してクラウドサービスを利用できる環境を整備するために、セキュリティの評価・登録制度である「ISMAP(Information-technology Security Management and Assessment Program政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)」が導入されました。ISMAPは、クラウドサービスを提供する事業者に対して、セキュリティに関する一定の基準を設け、その基準を満たしていることを評価・登録する制度です。 この制度によって、行政機関は、ISMAPに登録されたクラウドサービスを安心して利用できるようになり、国民にとっても、行政機関が取り扱う情報の安全性がより一層確保されることが期待されます。
情報漏洩対策

情報セキュリティの守護神:ISMSとは?

- ISMSの概要ISMSとは、情報セキュリティマネジメントシステムの略称であり、企業や組織にとって欠かせない情報資産を様々な脅威から保護するための仕組みです。ISMSは、単にセキュリティ対策を導入するだけではなく、組織全体として情報セキュリティに取り組むためのマネジメントシステムを構築することが重要となります。ISMSを構築するにあたっては、まず、組織が保有する重要な情報資産を特定し、それらに対するリスク分析を行います。リスク分析では、情報漏えいや不正アクセスなど、考えられる脅威を洗い出し、それぞれの脅威がもたらす影響度と発生確率を評価します。この評価結果に基づいて、組織にとって重要な情報資産を守るために、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。ISMSでは、「計画(Plan)」「実施(Do)」「評価(Check)」「改善(Act)」というPDCAサイクルを継続的に回すプロセスが組み込まれています。計画段階では、リスク分析の結果に基づいて、セキュリティ対策の実施計画を策定します。実施段階では、計画に従ってセキュリティ対策を実施します。評価段階では、実施したセキュリティ対策が有効に機能しているかを定期的に評価します。そして、改善段階では、評価結果に基づいて、セキュリティ対策の改善策を検討し、必要に応じて計画を見直します。ISMSは、組織全体で情報セキュリティに取り組むための枠組みを提供するものであり、組織の規模や業種に関わらず、あらゆる組織にとって有用なものです。ISMSを適切に運用することで、組織は情報セキュリティリスクを低減し、重要な情報資産を守ることができます。
ネットワークセキュリティ

インターネットセキュリティの守護者:IPSec

- インターネット上の情報のやり取りを守る技術インターネットは、情報を小さなパケットと呼ばれる単位に分割して送受信しています。このパケットは、宛先まで様々な経路を通って届きますが、その途中で悪意のある第三者に盗み見られる可能性も否定できません。インターネットで安全に情報をやり取りするために、重要な役割を担うのがIPsecという技術です。IPsecは、インターネット上でやり取りされるパケット一つ一つを暗号化することで、情報漏えいを防ぎます。暗号化とは、内容を第三者にはわからないような複雑な形に変換することです。たとえパケットが盗み見られても、暗号化されていれば、内容を解読することは非常に困難になります。例えば、オンラインショッピングでクレジットカード情報を入力する場面を考えてみましょう。この時、IPsecが導入されていれば、入力したクレジットカード情報は暗号化されて送信されます。万が一、悪意のある第三者に通信を傍受されたとしても、情報は暗号化されているため、解読される心配はありません。このように、IPsecはインターネット上での安全な情報交換を実現するための重要な技術と言えるでしょう。
ネットワークセキュリティ

ネットワークを守る!IPSとは?

- 侵入防止システム、IPSとは組織のネットワークやシステムを不正アクセスやサイバー攻撃から守るためには、様々なセキュリティ対策を講じる必要があります。その中でも、侵入防止システム(IPS Intrusion Prevention System)は重要な役割を担います。IPSは、ネットワーク上を流れるデータの小さな塊である「パケット」を常に監視し、不正なアクセスを疑わせる特徴的なパターンを検知します。このパターンは、例えば、過去に発生したサイバー攻撃で使用された通信データと照合することで判別されます。もし、IPSが怪しい通信を発見した場合、ただちにその通信を遮断し、攻撃がネットワーク内部に侵入することを未然に防ぎます。このように、IPSは Firewall のようにネットワークの出入り口を監視するだけでなく、ネットワーク内部の通信も監視することで、より強固なセキュリティ対策を実現します。近年、サイバー攻撃はますます巧妙化しており、企業や組織は常に最新のセキュリティ対策を講じる必要があります。IPSは、企業の重要な情報資産をサイバー攻撃の脅威から守るための、有効な手段の一つと言えるでしょう。
ネットワークセキュリティ

インターネットの守護者 IPsec

- IPsecとはインターネットは、現代社会において欠かせない情報伝達の手段となっています。日々膨大な量のデータがやり取りされていますが、その中には、個人情報や企業秘密、金融取引情報など、外部に漏洩すると深刻な被害をもたらす重要な情報も含まれています。このような重要な情報を守るための仕組みの一つとして、IPsecと呼ばれるプロトコルが存在します。IPsecは、インターネット上でやり取りされるデータを暗号化することで、第三者による盗聴や改ざんを防ぎ、安全な通信を実現します。例えるならば、IPsecは、広大な海を航行する船を守る護衛艦のような存在です。重要な荷物を運ぶ船に、悪意のある海賊が近づいてきたとしても、護衛艦が周囲を警戒し、あらゆる攻撃から守ります。IPsecも同様に、インターネットという情報の大海原を航行するデータを守るために、常に目を光らせ、安全な通信を保証してくれるのです。IPsecは、データの暗号化だけでなく、データの送信元や受信先を認証する機能も備えています。これにより、発信元や受信先を偽装した攻撃を防ぎ、正当な相手とのみ安全に通信を行うことが可能となります。このように、IPsecは、インターネット上で重要な情報をやり取りする上で必要不可欠なセキュリティ対策となっています。
ネットワークセキュリティ

インターネットの住所、IPアドレスとは?

インターネットは、世界中に張り巡らされた情報網であり、膨大な数のコンピュータが相互に接続されています。この広大なネットワーク上で、私たちが日々ウェブサイトを閲覧したり、メールを送受信したりできるのは、それぞれのコンピュータが特定の「住所」を持っているからです。インターネットにおけるこの「住所」の役割を担うのがIPアドレスです。 例えば、手紙を送る際に、宛先の郵便番号や番地が必要なように、インターネット上で情報をやり取りする際にも、相手のコンピュータを特定するための情報が必要です。IPアドレスは、数字の羅列で表され、これによって世界中のあらゆるコンピュータは一意に識別されます。 インターネットを利用する私たち人間にとって、数字の羅列であるIPアドレスを扱うのは容易ではありません。そこで、普段私たちが目にしているウェブサイトの名前、例えば「example.com」といった文字列を、対応するIPアドレスに変換する仕組みが存在します。これはちょうど、電話帳で相手の名前から電話番号を調べるのと似ています。 このように、IPアドレスはインターネットの根底を支える重要な要素であり、世界中のコンピュータが情報を正確にやり取りすることを可能にしています。
組織・期間

インターネットの標準化団体:IETF

インターネットは、世界中に張り巡らされたネットワークが複雑に接続されて成り立っています。異なる企業が開発した機器やソフトウェアが問題なく連携し、情報をスムーズに交換するためには、通信手順やデータの形式などを統一することが不可欠です。インターネット技術の標準化団体は、まさにこの重要な役割を担っています。 インターネット技術の標準化団体は、異なるメーカーの機器やソフトウェアが相互に接続し、情報を共有するための共通のルールを策定しています。これらのルールは、仕様書として公開され、誰でも自由に利用することができます。このおかげで、世界中の企業が同じルールに基づいて製品開発を行うことが可能となり、インターネットの互換性が保たれています。 IETF (Internet Engineering Task Force) は、インターネット技術の標準化団体の中でも最も重要な団体の一つです。IETFは、インターネットのプロトコルや技術の標準化を専門に行う国際的な組織であり、誰でも参加することができます。IETFは、公開された議論と合意形成のプロセスを通じて標準仕様を策定しており、これにより、特定の企業に偏らない、公平で開かれたインターネット技術の進化を支えています。
ネットワークセキュリティ

Webサーバ構築の要、IISとは

- IISの概要 インターネットインフォメーションサービス(IIS)は、マイクロソフトが開発したウェブサーバソフトウェアです。Windows Serverというサーバ用の基本ソフトに標準で搭載されており、ウェブサイトやウェブアプリケーションをインターネット上に公開するための土台として機能します。 IISは、HTTPやHTTPSといった通信規約を用いて、利用者のコンピュータからの要求に応答します。具体的には、ウェブサイトを構成するウェブページや画像などのファイルを、要求元に配信する役割を担います。 IISは、拡張性や柔軟性にも優れており、様々な機能を追加することが可能です。例えば、ウェブサイトへのアクセスを特定の利用者に限定したり、アクセス状況を記録・分析したりするための機能を追加できます。 このように、IISはウェブサイトの公開に必要な機能を豊富に備えており、Windows Server環境でウェブサイトを運用する上で欠かせないソフトウェアとなっています。
ネットワークセキュリティ

Imperva:包括的なセキュリティ対策で企業を守る

- ImpervaとはImpervaは、企業が保有する重要なデータやアプリケーションソフトウェアを、サイバー攻撃の危険から守ることを得意とする会社です。サイバーセキュリティの分野においては、世界中の企業から頼りにされる存在です。本社はアメリカのカリフォルニア州レッドウッドショアーズにあり、世界中に顧客を持つグローバル企業です。Impervaは、ウェブサイトやアプリケーション、データベースといった重要な情報を狙った様々なサイバー攻撃から顧客を守るため、多岐にわたるセキュリティ対策のサービスを提供しています。具体的には、外部からの不正アクセスを遮断するファイアウォール、ウェブサイトへの攻撃を防御するWAF(ウェブアプリケーションファイアウォール)、そして機密情報の漏えいを防ぐデータベースセキュリティなどがあります。これらのサービスは、最新の技術と高い専門知識に基づいて設計されており、日々巧妙化するサイバー攻撃から顧客の大切な情報を守るための強固な盾となっています。世界中の多くの企業が、Impervaのセキュリティ対策によって安心してビジネスを展開できる環境を手に入れています。
マルウェア対策

新たに確認された脅威、INCランサムウェアにご用心

- INCランサムウェアとはINCランサムウェアは、2023年7月頃から活動が確認された、比較的新しいランサムウェアです。企業や組織を標的にしており、感染すると、重要なファイルやデータを暗号化し、アクセスできない状態にしてしまいます。その後、攻撃者は暗号化の解除と引き換えに身代金を要求してきます。INCランサムウェアは、他の多くのランサムウェアと同様に、二重の脅迫を用いることが特徴です。まず、標的のシステムに侵入すると、機密性の高い情報を探し出して窃取します。そして、窃取した情報を元に、被害組織に身代金の支払いを迫るのです。具体的には、攻撃者は「身代金を支払わなければ、盗んだ情報を公開する」と脅迫します。情報を公開された場合、企業は経済的な損失だけでなく、社会的信用を失墜させる可能性もあるため、攻撃者の要求に従わざるを得ない状況に追い込まれてしまうのです。INCランサムウェアは、まだ新しいタイプのランサムウェアであるため、その全体像は解明されていません。しかし、その脅威は深刻であり、企業はセキュリティ対策を強化し、ランサムウェアへの感染を防ぐことが重要です。
マルウェア対策

「IObit Unlocker」:利便性とリスクの狭間

日々のパソコン作業の中で、「このファイルは使用中です」という警告表示に遭遇し、目的のファイルを削除できない、という経験をした方は少なくないでしょう。これは、パソコンのオペレーティングシステムであるWindowsが、現在使用中のファイルや動作中のプログラムを保護するために備えている機能によるものです。 こうした状況で役立つのが、「IObit Unlocker」のようなファイルロック解除ツールです。このツールは、通常の状態では削除できない実行中のファイルやプログラムであっても、システムレベルでのロックを解除することで、使用者が自由に削除や変更を行えるように設計されています。一見すると、ファイル操作に関する煩わしさを解消してくれる魔法のようなツールに思えるかもしれません。 しかし、このようなツールの利用には注意が必要です。システムレベルでの強制的な操作となるため、使い方を誤ると、パソコンの動作が不安定になったり、最悪の場合、重要なデータが失われたりする可能性も否定できません。利用する場合は、事前に十分な知識を身につけ、慎重に操作を行う必要があります。
組織・期間

IPAってどんな機関?情報セキュリティの頼れる味方!

IPAは「独立行政法人情報処理推進機構」の略称で、英語ではInformation-technology Promotion Agencyと表記します。情報処理技術の向上と普及を使命とする組織であり、国民生活や経済活動のあらゆる面で情報化が進む現代社会において、重要な役割を担っています。 IPAは、情報処理技術者試験の実施機関として広く知られています。情報処理技術者試験は、情報処理技術者のスキルを客観的に評価し、その能力を証明するための国家試験です。情報処理に関する知識や技術の向上を図るための指標として、多くの企業や団体で活用されています。 また、IPAは情報セキュリティに関する調査研究や啓発活動にも力を入れています。企業や組織、そして個人が安心して情報技術を活用できるよう、情報セキュリティに関する最新の情報を提供したり、サイバー攻撃の脅威から身を守るための対策を呼びかけたりしています。 さらに、IPAは情報技術に関する国際的な連携や協力にも積極的に取り組んでいます。海外の関連機関と連携し、情報技術の標準化や人材育成など、グローバルな視点で情報化社会の発展に貢献しています。