サイバー犯罪プラットフォーム「16shop」の終焉
近年、インターネット上における詐欺行為が巧妙化しており、その手口もますます悪質なものとなっています。中でも、「フィッシング」と呼ばれる詐欺は、特に大きな被害をもたらしています。フィッシングとは、本物そっくりの偽のウェブサイトなどを巧妙に利用し、利用者を騙して個人情報やクレジットカード情報などを盗み取る行為です。
このフィッシングをさらに容易にするものとして、「フィッシング・アズ・ア・サービス(PhaaS)」と呼ばれるサービスが存在します。PhaaSは、フィッシング詐欺に必要なツールやサービスを、まるで商品のようにレンタルまたは販売する形態です。そして、「16shop」はこのPhaaSを象徴する存在として、闇の世界でその名を知られていました。
16shopは、インターネットの闇市場であるダークウェブ上で、フィッシングツールキットとして販売されていました。このキットには、偽のウェブサイトを構築するためのプログラムや、盗み取った情報を攻撃者に自動的に送信する機能などが含まれていました。16shopは、高度な技術を持たない犯罪者でも容易にフィッシング攻撃を実行できる手段を提供していたため、サイバー犯罪の温床となっていたと考えられています。