IoTセキュリティ

攻撃方法について知る

米国を狙う影:国家支援型KV-botnetの脅威

近年、世界中で企業や組織を狙ったサイバー攻撃が後を絶ちません。攻撃の手口は巧妙化し、その件数は増加の一途を辿っています。中でも、国家が背後に存在するとされる高度なサイバー攻撃は、その規模や技術力の高さから、国際社会にとって大きな脅威となっています。 今回ご紹介する「KV-botnet」も、国家の支援を受けたサイバー攻撃の一例として、セキュリティ専門家の間で大きな注目を集めています。これは、多数のコンピュータを不正に感染させ、遠隔操作を可能にすることで、大規模な攻撃を仕掛けることを目的としたものです。感染したコンピュータは、まるで操り人形のように攻撃者の命令に従い、知らず知らずのうちにサイバー攻撃に加担させられてしまいます。 KV-botnetの特徴は、その隠蔽性の高さにあります。巧妙な技術を用いることで、セキュリティソフトによる検知を回避し、長期にわたって潜伏し続けることが可能です。そして、攻撃者がその気になれば、標的とした組織のシステムに破壊工作を仕掛けるだけでなく、機密情報の窃取や、他の攻撃の踏み台として悪用することもできます。 このような国家支援型のサイバー攻撃から身を守るためには、従来のセキュリティ対策だけでは不十分です。最新の脅威情報や攻撃手法を常に把握し、自社のシステムに潜む脆弱性を解消していくことが重要です。
ネットワークセキュリティ

ビルオートメーションシステムのセキュリティ

- ビルオートメーションシステムとはビルオートメーションシステム(BAS)は、オフィスビルや商業施設など、多くの人が利用する大規模な建物の設備を一括して管理するシステムです。 建物内の様々な設備システム、例えば空調設備や照明設備、電力供給設備、給排水設備、防災設備、セキュリティシステムなどを相互に連携させることで、建物全体の効率的な運用を実現します。 具体的には、BASを導入することで、室内の温度や湿度、照度などをセンサーで自動的に計測し、空調や照明を最適な状態に制御することが可能となります。 これにより、従来の人手による管理と比較して、エネルギー消費量の大幅な削減や、快適な室内環境の維持、設備の長寿命化などが期待できます。近年では、IoT(モノのインターネット)技術の進歩により、BASはさらに進化を遂げています。 センサーやカメラなどの多様な機器から収集した膨大なデータをリアルタイムで分析することで、よりきめ細やかな設備制御や、故障予知、セキュリティレベルの向上などが可能となっています。 また、スマートフォンやタブレット端末から設備の監視や操作ができるようになるなど、利便性も向上しています。このように、BASは建物の省エネルギー化、快適性の向上、セキュリティ強化などに大きく貢献するシステムとして、今後もますます普及していくと考えられています。
マルウェア対策

家庭内IoT機器を狙う脅威:Miraiとは

- Miraiの概要Miraiは、Linuxという基本ソフトを搭載したコンピュータを、離れた場所から自由に操作できる状態に変えてしまう悪意のあるプログラムです。特に、インターネットに接続された家庭内の機器(IoT機器)を狙うのが特徴です。IoT機器とは、例えば、ネットワークカメラや家庭用ルーターなどが挙げられます。Miraiに感染すると、攻撃者の命令に従って、大量のデータを特定のサーバーに送りつける攻撃などに悪用されてしまいます。この攻撃は、大量のアクセスによってサーバーをダウンさせ、サービスを停止に追い込むことを目的としており、DDoS攻撃と呼ばれています。Miraiは、IoT機器の多くに共通する、初期設定で使用されているパスワードの変更を怠るといったセキュリティの甘さを突いて感染を広げていきます。そのため、Miraiから機器を守るためには、パスワードを複雑なものに変更したり、メーカーから提供される最新版のソフトに更新したりするなど、基本的なセキュリティ対策を徹底することが重要です。
マルウェア対策

広がる脅威:IoTボットネット「Zerobot」の危険性

- ZerobotとはZerobotは、インターネットに接続された機器、特にセキュリティ対策が行き届いていないIoT機器を狙うボットネットです。ボットネットとは、不正なプログラムに感染した多数の機器を、遠く離れた場所から操って不正な活動を行うネットワークのことです。Zerobotもまた、感染を拡大しながら大規模なサイバー攻撃を実行するために悪用されています。Zerobotは、脆弱性を持つ機器を見つけると、その機器に不正なプログラムを送り込み、感染を広げていきます。感染した機器は、攻撃者の指示に従って、特定のウェブサイトに大量のアクセスを送りつけたり、他の機器への攻撃に加担させられたりします。このような攻撃は、ウェブサイトの運営を妨害したり、ネットワーク全体に負荷をかけて利用者を困らせたりする目的で行われます。Zerobotの脅威は、その感染力の強さだけではありません。Zerobotは、攻撃対象や攻撃方法を柔軟に変えることができるため、セキュリティ対策ソフトによる検知や防御が難しいという特徴も持っています。さらに、Zerobotを操る攻撃者は、常に新たな機能を追加したり、攻撃手法を進化させたりしており、セキュリティ対策の専門家を悩ませています。Zerobotのようなボットネットの脅威から身を守るためには、IoT機器のセキュリティ対策を強化することが重要です。機器のファームウェアを最新の状態に保つ、初期設定で使用されているパスワードを変更する、セキュリティソフトを導入するなどの対策を徹底することで、感染のリスクを減らすことができます。