「O」

脆弱性

要注意!OABの脆弱性と対策

- OABとは OABは「オフライン アドレス帳」の略称で、マイクロソフト社のメールサーバーソフトウェアであるExchangeサーバーが提供する機能の一つです。 この機能は、普段利用しているメールアドレスや所属組織の情報などをまとめたアドレス帳の写しを、個々のパソコンやスマートフォンなどの端末上に作成します。 この写しがあることで、インターネットに接続していない状態や、Exchangeサーバーにアクセスできない状況でも、保存済みのアドレス帳を参照することが可能になります。 例えば、移動中に電波の届かない場所にいる場合や、サーバーがメンテナンス中の場合でも、オフラインアドレス帳があれば、メールアドレスを検索したり、会議に招待する相手を選んだりすることができます。 OABは、Exchangeサーバーと定期的に同期される仕組みになっています。 そのため、サーバー側でアドレス帳に変更が加えられた場合でも、次回同期時に最新の情報が反映され、ユーザーは常に最新のアドレス帳を手元に置いておくことができます。 このように、OABは、ユーザーが場所や時間にとらわれずに業務を円滑に進めるために欠かせない機能と言えるでしょう。
セキュリティ評価

見えない脅威を暴くOASTセキュリティテスト

- OASTとはOAST(アウトオブバンド アプリケーション セキュリティ テスト)は、近年、注目を集めているウェブアプリケーションのセキュリティテスト手法の一つです。従来のセキュリティテストでは発見が困難であった、隠れた脆弱性を効率的に検出できる点が大きな特徴です。従来のセキュリティテストでは、疑わしい通信や動作をアプリケーション内部から検査していました。しかし、巧妙に隠蔽されたり、外部との通信を伴わない脆弱性を見つけることは困難でした。OASTは、ウェブアプリケーションの外部に専用のサーバーを設置し、アプリケーションと連携させることで、この問題を解決します。攻撃者が悪用する可能性のある通信経路を、外部から監視することで、従来の手法では見つけられなかった脆弱性を発見できるのです。具体的には、OASTはウェブアプリケーションに仕込んだ特別なコードを利用します。このコードは、外部のOASTサーバーと通信を試みることで、攻撃者が悪用可能な通信経路が存在するかどうかを明らかにします。また、アプリケーションから漏洩する可能性のあるデータも、OASTサーバーで捕捉・分析することで、情報漏洩のリスクを評価します。OASTは、近年増加傾向にある、より巧妙化するサイバー攻撃への対策として、有効なセキュリティテスト手法と言えるでしょう。
認証技術

OAuth:安全な連携を実現する技術

- OAuthとはOAuthは、異なるウェブサイトやアプリケーションの間で、安全に情報を共有するための技術です。従来の方法では、あるウェブサイトのサービスを利用するために、別のウェブサイトのIDやパスワードを入力する必要がありました。しかし、この方法には大きな問題がありました。もし、悪意のあるウェブサイトにIDやパスワードを入力してしまうと、あなたの大切な情報が盗まれてしまう可能性があったからです。OAuthは、この問題を解決するために生まれました。OAuthを使うと、IDやパスワードを直接やり取りする必要がなくなります。その代わりに、「許可証」のような役割を果たす特別なデータを使って、安全に情報共有を行います。例えば、あなたが写真共有サービスAを利用していて、新しくブログサービスBを始めたいとします。ブログサービスBでは、写真共有サービスAの写真を簡単に投稿できる機能があるとします。このとき、OAuthを使うと、ブログサービスBに写真共有サービスAのIDやパスワードを教えることなく、写真投稿の許可を与えることができます。具体的には、ブログサービスBは、写真共有サービスAに対して「写真投稿の許可をください」というリクエストを送ります。すると、写真共有サービスAは、あなたに「ブログサービスBに写真投稿の許可を与えますか?」と確認を求めます。あなたが許可すると、写真共有サービスAは、ブログサービスBに対して「許可証」を発行します。ブログサービスBは、この「許可証」を使って、あなたの代わりに写真共有サービスAにアクセスし、写真投稿を行うことができるようになります。このように、OAuthは、あなたの大切な情報を守りながら、異なるウェブサイトやアプリケーション間で安全に情報共有を実現する技術なのです。
攻撃方法について知る

サイバー空間における攻防:OCOとは何か

現代の戦争は、陸・海・空という従来の戦場に加え、サイバー空間という新たな次元を獲得しました。かつてはSFの世界の話だったサイバー攻撃が、今や現実の脅威として、国家の安全保障を揺るがすまでになっています。 目に見えない敵と戦うサイバー空間での攻防は、従来の戦争とは異なる様相を呈しています。銃弾やミサイルの代わりに、コンピューターウイルスや不正アクセスといったデジタルな武器が用いられ、その被害は計り知れません。電力網や金融システム、政府機関など、社会の重要インフラが攻撃対象となり、国民生活に甚大な影響を及ぼす可能性も秘めているのです。 サイバー攻撃の脅威は、国家間の対立だけでなく、テロ組織や犯罪組織による攻撃、さらには国家が支援するハッカー集団による攻撃など、多岐に渡ります。その手法も日々高度化しており、国家レベルでの対策が急務となっています。 防衛のためには、強固なサイバーセキュリティ体制の構築、高度な専門知識を持つ人材の育成、国際的な連携強化など、多角的な取り組みが求められます。サイバー空間という新たな戦場において、国民の安全と平和を守るためには、끊임없는努力と進化が必要不可欠です。
セキュリティを高める

セキュリティデータ統合の未来:OCSFの概要

- セキュリティデータの課題現代のビジネス環境において、企業はサイバー攻撃の脅威に常にさらされています。こうした脅威から身を守るため、様々なセキュリティ対策製品やサービスが導入されています。セキュリティ対策ソフト、ファイアウォール、侵入検知システムなどは、企業のシステムを不正アクセスや攻撃から守るために欠かせないものとなっています。しかし、これらのセキュリティ製品やサービスは、それぞれが異なる形式でログやイベントデータを生成します。そのため、セキュリティ担当者は、複数のダッシュボードやインターフェースを手作業で確認し、バラバラに存在する情報を統合して分析する必要に迫られます。これは非常に時間と労力を要する作業であり、セキュリティ担当者の大きな負担となっています。膨大な量のセキュリティデータを効率的に処理できなければ、真の脅威を見落とす可能性があります。また、対応が遅れてしまい、被害が拡大するリスクも高まります。セキュリティ対策の全体的な効果を低下させないためには、セキュリティデータの課題を解決することが急務と言えるでしょう。
組織・期間

サイバーセキュリティと経済制裁:OFAC規制の影響

- OFAC規制とはアメリカ合衆国では、国際的な平和と安全を守るため、特定の国や団体、個人に対して経済制裁を行っています。この経済制裁に関わる規則を定めているのが、アメリカ合衆国財務省外国資産管理室、OFAC(Office of Foreign Assets Control)です。OFACは、テロ活動や麻薬取引、大量破壊兵器の拡散などに関与しているとされる対象に対し、アメリカ国内の個人や企業が関係を持つことを禁じています。具体的には、OFACは制裁対象のリストを公開しており、アメリカ国内の個人や企業は、このリストに掲載されている対象との取引や、資金の提供などが禁止されています。対象となるのは、国や地域だけでなく、個人や団体、船舶や航空機なども含まれます。OFAC規制は、アメリカ国内の企業だけでなく、海外企業であってもアメリカと取引がある場合や、アメリカドル建ての取引を行う場合は適用される可能性があります。そのため、国際的なビジネスを行う企業にとっては、OFAC規制の内容を理解し、違反しないよう適切な対策を講じることが非常に重要です。OFAC規制に違反した場合、巨額の罰金や刑事罰が科される可能性があります。企業は、顧客や取引先の確認、取引内容の審査などを徹底し、OFAC規制違反のリスクを最小限に抑える必要があります。
認証技術

セキュリティの盲点、OOBとは?

- 帯域外(OOB)の概要帯域外(OOB)とは、本来のデータ通信経路である「帯域内」とは異なる経路で通信を行うことを指します。インターネットなどのネットワークにおいては、通常、定められた経路を通ってデータの送受信が行われます。これを「帯域内」と呼びます。一方、「帯域外」は、この通常の通信経路とは別の経路を利用します。OOBは、主にネットワークセキュリティの分野で使用される用語です。企業や組織は、外部からの不正アクセスからネットワークを守るため、ファイアウォールやセキュリティソフトなどの対策を講じています。これらのセキュリティ対策は、主に帯域内を通る通信を監視し、不正なアクセスを遮断します。しかし、OOBを利用することで、これらのセキュリティ対策をかいくぐって不正な通信を行ってしまう可能性があります。例えば、攻撃者はOOBを利用して、ファイアウォールの背後にいる標的のサーバーに不正な命令を送信する可能性があります。また、マルウェアに感染した端末が、外部の攻撃者のサーバーとOOBで通信し、機密情報を外部に送信してしまうケースも考えられます。このように、OOBはセキュリティ上のリスクとなる可能性があります。そのため、企業や組織は、OOBによる攻撃にも対策を講じる必要があります。具体的には、OOBを利用した通信を検知・遮断する仕組みを導入したり、従業員に対してOOBの危険性に関する教育を実施したりすることが重要です。
その他

意思決定の鍵! OODAループ入門

- OODAループとはOODAループは、「観測」「方向づけ」「決心」「行動」 という4つの段階を繰り返すことで、状況を素早く判断し、行動に移すための枠組みです。この名前は、それぞれの段階の英語表記の頭文字を取って名付けられました。OODAループは、元々は変化の激しい空中戦で勝利するために、アメリカ空軍で考案されました。戦闘機同士の空中戦では、一瞬の判断の遅れが命取りになります。そこで、敵よりも早く状況を把握し、行動に移すための方法として、このOODAループが生まれました。OODAループは、まず「観測」から始まります。これは、周囲の状況を様々な感覚を使って認識する段階です。次に、「方向づけ」の段階に進みます。ここでは、集めた情報を元に状況を分析し、自分にとっての意味を解釈します。そして、「決心」の段階では、分析結果に基づいてどのような行動をとるかを決定します。最後に、「行動」の段階で、実際に決定した行動を実行に移します。OODAループは、行動した結果、状況がどのように変化したかを、再び「観測」することで、次のループへと繋がっていきます。このように、状況の変化に合わせて、絶えずループを回し続けることで、常に最適な行動をとることが可能になります。現代では、OODAループは軍事分野だけでなく、ビジネスや情報セキュリティ対策など、様々な分野で応用されています。変化の激しい現代社会において、OODAループは、私たちが生き残るための有効な手段と言えるでしょう。
情報漏洩対策

OPSEC:作戦の秘匿性を高めるために

- 作戦保全(OPSEC)とは何か作戦保全(OPSEC)は、軍事作戦や機密性の高い活動において、敵対勢力に自らの計画や能力に関する情報を知られないようにするためのプロセスです。日本語では「作戦保全」と表現されます。OPSECは、敵対勢力が情報収集や分析を通じて、自らの作戦や活動に関する優位性を獲得することを防ぐことを目的としています。 具体的には、公開情報や日々の行動、通信内容など、一見無害に見える情報であっても、敵対勢力に利用される可能性があります。例えば、ソーシャルメディアへの投稿が、部隊の配置や移動、作戦の開始時期などの重要な情報を漏洩する可能性があります。OPSECは、軍事組織だけでなく、企業や組織、個人が機密情報や重要な情報を保護するためにも重要です。特に、サイバー攻撃の脅威が高まる現代において、OPSECの重要性はますます高まっています。OPSECの基本原則としては、以下の点が挙げられます。* 情報の価値を認識し、機密性の高い情報は適切に保護する。* 情報へのアクセスを制限し、必要最低限の人員のみがアクセスできるようにする。* 情報の漏洩経路を特定し、対策を講じる。* 定期的にOPSECの状況を評価し、必要に応じて対策を見直す。これらの原則を踏まえ、組織や個人が適切なOPSEC対策を実施することで、情報漏洩のリスクを低減し、安全を確保することができます。
攻撃方法について知る

ソフトウェアサプライチェーン攻撃の理解に役立つOSC&Rとは

昨今、ソフトウェア開発におけるサプライチェーンを標的にした攻撃が増加しています。これは、ソフトウェア開発が複雑化し、外部のライブラリやツールへの依存度が高まっていることが背景にあります。攻撃者は、この複雑な依存関係につけ込み、開発段階からソフトウェアに悪意のあるコードを埋め込んだり、潜んでいる脆弱性を悪用したりするようになりました。こうした攻撃は、発見が難しく、ひとたび被害が発生すると甚大な影響を及ぼす可能性があります。そこで、ソフトウェアサプライチェーン攻撃に対抗するため、新たな対策の枠組みとしてOSC&Rが登場しました。OSC&Rは、MITRE ATT&CKを参考に、攻撃者の戦術、技術、手順(TTP)を体系化したフレームワークです。 OSC&Rは、ソフトウェアサプライチェーン攻撃を深く理解し、効果的な対策を講じるために重要な役割を担います。具体的には、攻撃者がどのような方法でサプライチェーンに侵入し、悪意のあるコードを埋め込むのか、あるいは脆弱性を悪用するのかといった具体的な手順を体系的に示しています。このため、組織はOSC&Rを参照することで、自社のソフトウェア開発プロセスにおける弱点やリスクを把握し、適切なセキュリティ対策を講じることが可能になります。また、OSC&Rはセキュリティ人材の育成にも役立ちます。体系化された情報提供により、セキュリティ担当者はサプライチェーン攻撃に関する知識を深め、より効果的な防御体制を構築することができます。
認証技術

安全性を高めるワンタイムパスワード認証の基礎

- ワンタイムパスワードとはワンタイムパスワード(OTP)は、文字通り一度だけしか使用できないパスワードのことです。従来のパスワードは、長く複雑なものを作成しても、盗聴や不正アクセスによって盗まれてしまう危険性が常にありました。しかし、ワンタイムパスワードは一度使用すると無効になるため、たとえ盗聴されたとしても、悪用される心配がありません。 このため、オンラインバンキングやクラウドサービスなど、セキュリティが特に重要な場面において、従来の固定パスワードに代わる、より安全な認証方法として広く利用されています。ワンタイムパスワードには、大きく分けて二つの生成方式があります。一つは、ハードウェアトークンと呼ばれる専用の端末を用いてパスワードを生成する方法です。もう一つは、スマートフォンなどのアプリケーションを用いてパスワードを生成する方法です。いずれの方法も、一定時間ごとに新しいパスワードが自動生成されます。ワンタイムパスワードは、セキュリティレベルを大幅に向上させる有効な手段です。従来の固定パスワードと比べて、手間がかかるという側面はありますが、重要な情報を守るためには、積極的に導入を検討するべきと言えるでしょう。
ネットワークセキュリティ

OTセキュリティ:重要インフラを守るための基礎知識

- OTとはOT(運用技術)とは、発電所や工場、ビルといった実際の設備の稼働を管理するためのシステムや機械のことを指します。私たちの暮らしを支える電気やガス、水道、交通といった社会の基盤となる設備の多くは、このOTによって制御されています。OTは、私たちの生活に欠かせない様々なものを動かしています。例えば、工場の製造ラインを思い浮かべてみてください。製品を効率的に作るために、機械の動作や材料の搬送などを自動で制御するシステムが必要です。また、広範囲に電気を供給する電力網では、電圧や周波数を常に監視し、安定供給を維持する必要があります。さらに、ビルやオフィスでは、快適な室温を保つために空調システムが稼働しています。これらのシステムは、すべてOTによって制御されているのです。OTの特徴は、その動作の確実性と安定性に重きを置いている点にあります。例えば、工場の製造ラインでは、システムの誤動作は製品の品質低下や生産の遅延に繋がります。また、電力網のシステム障害は、広範囲にわたる停電を引き起こす可能性も孕んでいます。そのため、OTは高い信頼性が求められるシステムと言えるでしょう。
セキュリティ評価

Webセキュリティの基礎: OWASP Top 10とその重要性

インターネットは、今や私たちの生活にとって欠かせないものとなり、企業の情報発信やサービス提供においても、Webアプリケーションは中心的な役割を担っています。しかし、利便性が高まる一方で、Webアプリケーションを狙った悪意のある攻撃も増加しており、企業にとってセキュリティ対策は喫緊の課題となっています。顧客情報や機密情報などの重要なデータやシステムを攻撃から守るためには、潜在的な脅威を正しく理解し、適切な対策を講じることがこれまで以上に重要になっています。 このような状況下で、Webアプリケーションのセキュリティ向上に取り組む組織として、OWASP(オープン・ウェブ・アプリケーション・セキュリティ・プロジェクト)が注目されています。OWASPは、Webアプリケーションのセキュリティ確保を目的とした、世界中の開発者やセキュリティ専門家が集まる非営利のオープンコミュニティです。OWASPは営利目的ではなく、Webアプリケーションのセキュリティ向上という共通の目標を掲げて活動しています。 OWASPは、開発者やセキュリティ専門家に対して、Webアプリケーションの脆弱性に関する情報や、その対策となるベストプラクティスなどの資料を無償で提供しています。特に有名なのは、「OWASP Top 10」と呼ばれる、Webアプリケーションで頻繁に見つかる10個の脆弱性をまとめたレポートです。このレポートは、開発者やセキュリティ専門家が、重要な脆弱性を理解し、対策を講じるための指針として広く活用されています。OWASPの活動は、Webアプリケーションのセキュリティレベル向上に大きく貢献しており、安全なインターネット社会の実現に欠かせない存在となっています。
攻撃方法について知る

OWAを狙う新たな脅威:OWASSRF攻撃とは

OWASSRF攻撃は、メールやスケジュール管理を行うソフトウェアであるMicrosoft Exchange Serverのウェブメール機能、Outlook Web Application(OWA)の弱点をついた攻撃手法です。 この攻撃は、サーバーに悪意のある指示を送り込ませることで、本来アクセスできないはずの情報に不正にアクセスしたり、システムを乗っ取ったりする、サーバーサイドリクエストフォージェリ(SSRF)攻撃の一種です。 OWASSRF攻撃が特に危険視されている点は、Microsoftが2022年11月に公開したセキュリティ対策をすり抜けてしまうことです。 2022年、Exchange Serverの脆弱性「ProxyNotShell」(CVE-2022-41040およびCVE-2022-41082)が発見され、悪用されるとシステムを完全に支配下に置かれてしまう危険性がありました。 Microsoftは修正プログラムを公開し、多くの利用者が対策を施しましたが、OWASSRF攻撃は、この修正プログラムを無効化し、ProxyNotShellと同様の危険をもたらす可能性があることが分かっています。 そのため、既にProxyNotShellへの対策済みであっても、OWASSRF攻撃への対策が必須となります。
攻撃方法について知る

OllyDbg:Windowsプログラムの深層解析ツール

- OllyDbgとはOllyDbgは、Windowsのアプリケーションを詳細に解析できる高機能なデバッガーです。その名の通り、Windows上で動くプログラムの中身を隅々まで分析することに長けています。一般的なデバッガーとは違い、プログラムの元となるソースコードではなく、コンピュータが直接解釈する機械語であるバイナリコードを解析できる点が特徴です。OllyDbgを使うことで、プログラムの動作を一行ずつ追いかけたり、任意の場所でプログラムを一時停止させて変数の値を確認したりできます。また、プログラムの動作を改変することも可能です。これらの機能により、プログラムの不具合の原因究明や、マルウェア解析などに役立ちます。OllyDbgは、その強力さゆえにセキュリティ研究者やハッカーの間で広く利用されています。彼らはこのツールを用いて、プログラムの脆弱性を発見したり、マルウェアの動作を解析したりしています。しかし、OllyDbgは使い方によってはシステムに損害を与える可能性もあるため、取り扱いには十分な注意が必要です。
ソーシャルハッキング対策

出会い系サイト「Omegle」の終焉

「オメグル」は、インターネットを通じて世界中の人と繋がることができるサービスです。年齢や性別、住んでいる国に関わらず、ランダムに選ばれた相手とビデオ通話やテキストチャットを楽しむことができます。見知らぬ誰かと繋がるという、まさに一期一会の出会いが体験できることから、世界中で、特に英語圏の若者の間で爆発的な人気を集めました。 このサービスの特徴は、「匿名性」にあります。利用者は自分の名前や住所などの個人情報を登録する必要がなく、匿名のまま利用することができます。このため、気軽に他人とコミュニケーションを取ることができる一方で、利用者のモラルや倫理観に委ねられる部分が多く、使い方によっては思わぬトラブルに巻き込まれる可能性も孕んでいます。例えば、見知らぬ相手から誹謗中傷を受けたり、個人情報を聞き出そうとされたりするケースも報告されています。 オメグルは、世界中の人と簡単に繋がることができる画期的なサービスである一方、使い方を誤ると危険な側面も持ち合わせています。利用する際は、相手が誰であるかを常に意識し、個人情報を安易に教えないなど、自衛策を講じることが重要です。
暗号技術

OpenSSL:インターネットセキュリティの守護者

- オープンソースの暗号ライブラリ インターネット上で安全に情報をやり取りすることは、現代社会において必要不可欠となっています。その安全性を支える重要な要素の一つが、暗号技術です。情報を暗号化することで、第三者による盗聴や改ざんを防ぎ、機密性と完全性を保つことができます。 数ある暗号技術の中でも、「オープンソースの暗号ライブラリ」は、その透明性と信頼性の高さから広く利用されています。オープンソースとは、ソースコードが公開されており、誰でも自由に閲覧、改変、再配布できるソフトウェアのことです。 「OpenSSL」は、代表的なオープンソースの暗号ライブラリの一つです。OpenSSL財団によって開発・維持されており、無料で利用することができます。このライブラリは、様々な暗号化アルゴリズム、デジタル証明書、セキュリティプロトコルなどを提供し、インターネット上の安全な通信を支えています。 オープンソースの暗号ライブラリは、世界中の開発者によって常に監視され、改善されているため、セキュリティ上の問題が発見された場合でも迅速に対応することができます。そのため、高い信頼性を保ちながら、安全なデジタル社会の実現に貢献しています。
データベースセキュリティ

企業のデータベースを支えるOracleとは

「神託」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか? 石造りの神殿、その奥深くに鎮座する神像、そして神の声を伝える巫女の姿。それは、古代ギリシャの人々にとってごく身近なものだったのです。人々は人生の岐路に立つたびに神殿を訪れ、神託を求めました。国の行く末を決める重要な局面においても、神託は欠かせないものでした。 「オラクル」という言葉の起源は、まさにこの古代ギリシャにあります。神託や託宣、つまりは神の言葉を意味する言葉として、人々の生活に深く根付いていました。現代においても、未来を予言する存在や重要な情報を提供する者を指して「オラクル」と呼ぶことがあります。これは、古代の人々が神託に絶対的な信頼を置いていたように、私たちもまた、確かな情報や未来への指針を求めていることの表れなのかもしれません。まるで、神託のように重要な役割を担う存在。それが現代における「オラクル」という言葉に込められた意味なのです。
マルウェア対策

従業員監視ソフトの危険性

- OsMonitorとは OsMonitorは、中国の企業であるWangyaComputer社によって開発された、従業員の行動を監視するためのソフトウェアです。このソフトウェアは、企業が従業員の業務内容を詳細に把握するために利用されます。 企業は、従業員が使用するパソコンにOsMonitorをインストールすることで、様々な情報を収集することが可能となります。例えば、従業員がどのようなウェブサイトを閲覧したのか、電子メールで誰とどのような内容のやり取りをしたのか、どのようなアプリケーションをどれだけの時間使用したのかといった情報が記録されます。 一見すると、OsMonitorは企業が従業員の業務効率を高めたり、企業の機密情報が外部に漏洩することを防ぐといった正当な目的のために利用されるツールのように思えるかもしれません。しかし、従業員のプライバシーを過度に侵害する可能性も孕んでおり、その利用には慎重な判断が必要です。実際、OsMonitorは従業員の行動を監視するだけでなく、スクリーンショットを撮影したり、キー入力を記録したりすることもできるため、使い方によっては従業員のプライバシーを著しく侵害する可能性があります。
ネットワークセキュリティ

迷惑メール対策のOP25Bとは?

近年、インターネットの広がりに伴い、迷惑メール(スパムメール)の問題はますます深刻化しています。毎日大量に送られてくる迷惑メールは、受信者に不快感を与えるだけでなく、重要なメールを見逃してしまう原因にもなりかねません。 このような状況を改善するため、インターネットサービスプロバイダ(ISP)は、迷惑メールの送信を抑制するために様々な対策を講じています。 その中でも、近年特に注目されている対策の一つがOutbound Port25 Blocking(OP25B)です。これは、メール送信に使われる25番ポートを、プロバイダのネットワークから外部への通信において制限する技術です。 通常、個人がメールを送信する際には、プロバイダが提供するメールサーバを経由します。しかし、迷惑メール業者は、プロバイダのサーバではなく、独自に設置したサーバや不正に乗っ取った第三者のサーバを悪用してメールを送信することがあります。 OP25Bを導入することで、プロバイダの利用者が、意図せず不正なメールサーバを経由して迷惑メールを送信してしまうことを防ぐことができます。また、迷惑メール送信者が不正なメールサーバを利用することを困難にする効果も期待できます。
脆弱性

誰でも使えるソフトウェアOSSとその課題

- OSSとは OSSは「オープンソースソフトウェア」の略で、従来の proprietary なソフトウェアとは大きく異なる特徴を持っています。 誰でも自由に使用、複製、変更、配布できるソフトウェアである点が最大の特徴です。 従来のソフトウェアは、開発者がソースコードを非公開にすることで、その仕組みや技術を保護していました。しかし、OSSはソースコードが公開されているため、誰でもそのソフトウェアの仕組みを理解することができます。 さらに、必要に応じて誰でも自由に改変を加えることができる点も、OSSの大きな魅力です。 例えば、ソフトウェアにバグが見つかった場合、ユーザーは開発者に修正を依頼するだけでなく、自らソースコードを修正し、問題を解決することができます。 また、OSSは、世界中の開発者によって開発が進められているため、高機能かつ安全性の高いソフトウェアが多い点もメリットとして挙げられます。
その他

OS の基礎知識

- OSとは OSは「オペレーティングシステム(Operating System)」の省略形で、コンピュータを動作させるための基礎となるソフトウェアです。私たちが普段何気なく行っているコンピュータでの作業、例えばファイルの整理やインターネットの利用、文章作成やゲームなど、これらの動作を陰ながら支え、コンピュータ全体を管理しているのがOSです。 例えるなら、OSは家屋の基礎部分のようなものです。しっかりとした基礎の上に、様々な用途に合わせた部屋(アプリケーション)が作られ、快適な生活を送ることができます。同じように、OSという土台があって初めて、コンピュータは様々な機能を提供し、私たちはその恩恵を受けることができるのです。もしOSが無ければ、コンピュータはただの電子部品の集合体でしかなく、普段私たちが行っているような操作は一切できません。 OSは、コンピュータの資源であるCPU(演算装置)、メモリ、ハードディスクなどを効率的に管理し、アプリケーションが動作するための環境を提供しています。また、キーボードやマウス、プリンターなどの周辺機器とコンピュータ本体との連携もOSが担っています。このように、OSは私たちがコンピュータを意識することなく快適に利用できるよう、様々な役割を担っているのです。
組織・期間

企業におけるオープンソース活用を推進するOSPOとは

昨今、様々なソフトウェア開発の現場において、オープンソースソフトウェア(OSS)は欠かすことのできないものとなっています。 業務アプリケーションの開発から、システム基盤となるインフラストラクチャの構築まで、あらゆる場面でOSSが広く活用されているのです。 OSSの広がりは、開発期間の短縮や開発費用の抑制、そして技術革新を促進するなど、多くの利点をもたらしました。 OSSは、ソースコードが公開されているため、誰でも自由に閲覧、改変、再配布することができます。 そのため、開発者は、既存のOSSを土台として開発を進めることができ、開発期間の短縮や開発費用の抑制につながります。 また、世界中の開発者から寄せられる、バグ報告や機能改善の提案は、OSSの品質向上に大きく貢献しています。 さらに、OSSは、特定の企業に依存することなく、自由に利用できるため、技術革新を促進する力も持っています。 このように、OSSは現代のソフトウェア開発に欠かせないものとなり、企業が競争力を維持し、進化し続けるためには、OSSの活用が不可欠となっています。
セキュリティ評価

OSS-Fuzz:オープンソースを守る自動バグ発見ツール

現代のソフトウェア開発において、誰でも自由に使用、修正、再配布できるオープンソースソフトウェアは欠かせないものとなっています。多くの人が利用するからこそ、その安全性は極めて重要です。しかし、開発者不足やリソースの制約などから、脆弱性を抱えたまま公開されてしまうケースも少なくありません。 このような状況を改善するために、グーグルが2016年から運営しているのが「OSS-Fuzz」です。これは、オープンソースソフトウェアの安全性を高めるためのツールで、誰でも無料で利用できます。 OSS-Fuzzは、「ファジング」と呼ばれる技術を用いて、ソフトウェアに自動的に大量のデータを入力し、その挙動を監視します。これにより、開発者が気づいていないバグや脆弱性を発見することができます。 OSS-Fuzzの導入により、実際に多くのオープンソースプロジェクトで脆弱性の発見と修正が進みました。これは、オープンソースソフトウェアの安全性向上に大きく貢献しており、私たちが安心して利用できる環境を支えています。