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セキュリティ評価

STRIDEモデルで脅威分析!

- STRIDEモデルとはSTRIDEモデルは、開発するシステムやアプリケーションに潜むセキュリティ上の弱点、つまり脆弱性を洗い出すための手法です。脅威モデリングと呼ばれる分析手法の一つで、具体的には、起こりうる脅威を特定し、その影響度や発生確率を評価することで、システムの脆弱性を明らかにします。 このSTRIDEモデルは、世界的なIT企業であるMicrosoft社によって提唱され、現在でも多くの開発現場で活用されています。STRIDEという名前は、脅威を6つの種類に分類していることに由来しています。 -STRIDEが分類する6つの脅威- 1. -なりすまし(Spoofing)- 本来とは異なる人物やシステムになりすまして、不正にアクセスや操作を行う脅威です。 2. -改ざん(Tampering)- データやシステムの設定などを不正に書き換え、情報の正確性やシステムの信頼性を損なう脅威です。 3. -否認(Repudiation)- 自分が行った行為を後から否定し、責任逃れをする脅威です。 4. -情報漏洩(Information Disclosure)- 許可なく機密情報や個人情報にアクセスし、不正に取得したり公開したりする脅威です。 5. -サービス拒否(Denial of Service)- システムに過剰な負荷をかけることで、本来のサービスを妨害したり、利用不可能な状態に陥れる脅威です。 6. -特権昇格(Elevation of Privilege)- 本来は許可されていない権限を不正に取得し、システムやデータに対して、より広範囲な操作を可能にする脅威です。 STRIDEモデルでは、これらの脅威を考慮しながらシステムを分析することで、潜在的な脆弱性を特定し、適切な対策を講じることが可能となります。
ネットワークセキュリティ

サイバー脅威情報を共有する共通言語:STIXとは

近年、悪意を持ったコンピュータ技術の利用は巧妙化し、その件数は増加し続けています。企業や団体が、自分たちの力で全ての危険性に関する情報を入手し、対応することは難しい状況になっています。このような状況下で重要となるのが、危険性に関する情報を複数の組織間で共有し、互いに助け合いながらコンピュータ技術を悪用した攻撃に対抗する体制、いわゆる脅威情報の有効活用です。 脅威情報の共有は、攻撃に使われる可能性のある弱点や、攻撃の兆候をいち早く察知することに役立ちます。攻撃者たちは常に新たな手口を開発しており、ある組織が被害を受けた攻撃の情報は、他の組織にとっても貴重な防御策となります。情報を共有することで、新たな攻撃手法への対策を迅速に講じ、被害の拡大を防ぐことができます。 脅威情報の共有を実現するためには、業界団体や政府機関などが提供する情報共有の枠組みを活用することが有効です。これらの枠組みを通じて、参加組織間で非公開の情報交換が可能となり、より詳細かつ最新の情報を入手することができます。また、情報共有システムの導入や、担当者間の定期的な情報交換会なども有効な手段となります。 脅威情報の有効活用は、今日のコンピュータ技術を悪用した攻撃から企業や組織を守る上で必要不可欠な要素となっています。積極的に情報共有に取り組み、安全な情報環境の実現を目指しましょう。
マルウェア対策

二重恐喝ランサムウェア「STORMOUS」の脅威

- STORMOUSとはSTORMOUSは、二重の脅迫を用いるランサムウェアとして知られており、企業や組織にとって深刻な脅威となっています。攻撃の手口は巧妙で、まず、組織のネットワークに侵入し、機密性の高いファイルを探し出して暗号化します。これは、データを「人質」に取るようなもので、組織は業務に不可欠なデータにアクセスできなくなり、業務が麻痺状態に陥ってしまいます。STORMOUSの恐ろしい点は、暗号化する前にファイルのコピーを作成し、それを外部のサーバーに持ち出してしまうことです。そして、身代金を支払わなければ、盗んだデータをインターネット上で公開すると脅迫してきます。つまり、企業はデータへのアクセスを回復するためだけでなく、情報漏洩による経済的損失や評判の低下を防ぐためにも、身代金の支払いを迫られることになるのです。このような二重の脅迫は、企業にとって非常に大きなプレッシャーとなり、身代金の支払いに応じてしまうケースも少なくありません。しかし、身代金を支払ったとしても、データが本当に返ってくる保証はなく、再び攻撃を受ける可能性も否定できません。STORMOUSから身を守るためには、セキュリティ対策ソフトの導入や従業員へのセキュリティ意識の向上など、多層的な対策を講じることが重要です。
ネットワークセキュリティ

インターネットの安全を守るSSL:基礎知識

インターネット上で情報を安全にやり取りするために、SSLという仕組みが使われています。これは、正式には「セキュア・ソケッツ・レイヤー」と呼ばれるもので、ウェブサイトと利用者の間でやり取りされるデータを暗号化することで、第三者による盗聴や改ざんを防ぎます。 普段何気なく利用しているウェブサイトでも、SSLが導入されているかどうかは簡単に確認することができます。ウェブサイトのアドレスが「https//」で始まっていたり、アドレスバーに鍵のマークが表示されていれば、それはSSLが使われているというサインです。インターネットショッピングやオンラインバンキングなど、個人情報やクレジットカード情報を取り扱うウェブサイトでは、特にSSLが重要になります。 SSLによって、ウェブサイトと利用者の間でやり取りされるデータは暗号化されるため、たとえ第三者に盗聴されたとしても、その内容は解読できません。また、データの改ざんを検知する機能も備わっているため、安心してウェブサイトを利用することができます。インターネットを利用する上で、SSLは今や無くてはならないセキュリティ対策技術と言えるでしょう。
脆弱性

SSI: ウェブページを動的に生成する技術

- SSIとは SSIは、正式名称をサーバーサイドインクルード(Server Side Includes)と言い、ウェブサーバー側でウェブページの一部を動的に生成する技術のことです。 SSIを利用する場合、HTMLファイルの中に特定のコマンドを埋め込むという方法がとられます。このHTMLファイルにクライアントからアクセスがあると、ウェブサーバーは埋め込まれたコマンドを実行します。そして、その実行結果をHTMLに埋め込んでクライアントに返します。 このように、SSIではクライアントからのアクセスごとにウェブサーバー側で処理が行われ、その結果に応じて動的にウェブページの内容が変化します。そのため、アクセスする度に異なる情報を表示する、動的なウェブページを作成することが可能になります。 例えば、アクセスした日時を表示したり、ウェブサイトの最新情報を表示したりといったことが実現できます。
認証技術

SPNEGO NEGOEX: 認証をもっと柔軟に

今日のインターネット社会において、ネットワーク上の通信の安全性を確保することは必要不可欠です。しかし、安全性を担保するために様々な認証方法が存在するため、システムの管理者や開発者は頭を悩ませてきました。 SPNEGO(簡易かつ保護されたGSS-APIネゴシエーション機構)は、このような認証に関する複雑さを解消するために開発された手順です。この手順を用いることで、クライアントとサーバー間で、最適な認証方法を自動的に決定することができます。その結果、開発者の負担を減らし、より安全な通信を実現できるようになります。 たとえば、ユーザーが社内ネットワークにアクセスする場合、従来であれば、それぞれのサービスごとにユーザー名とパスワードを入力する必要がありました。しかしSPNEGOを利用すれば、一度の認証操作だけで、様々なサービスにアクセスすることが可能になります。これは、SPNEGOが、クライアントとサーバー間で、あらかじめ決められた手順に従って、最適な認証方法を自動的に選択するためです。 このように、SPNEGOは、認証の複雑さを解消することで、システム管理者や開発者の負担を軽減するだけでなく、ユーザーにとっても利便性の高い、安全なネットワーク環境を実現する上で、重要な役割を担っています。
セキュリティを高める

ソフトウェア開発のセキュリティ強化:SSDFのススメ

現代社会において、ソフトウェアは私たちの生活のあらゆる場面に浸透し、その重要性はますます高まっています。インターネットバンキング、オンラインショッピング、スマートフォンアプリなど、私たちは日々、無数のソフトウェアを利用しています。しかし、利便性の高いソフトウェアの裏側には、セキュリティ上のリスクが潜んでいることを忘れてはなりません。 もしも、私たちが毎日利用しているソフトウェアに脆弱性(ぜいじゃくせい)が存在した場合、悪意のある攻撃者に狙われてしまう可能性があります。攻撃者はソフトウェアの脆弱性を突いて、個人情報や企業秘密などの重要な情報を盗み出したり、システムを不正に操作したりするかもしれません。このようなサイバー攻撃による被害は、情報漏えいや金銭的な損失、サービスの停止など、個人や企業にとって深刻な影響を及ぼします。 このような事態を防ぐためには、ソフトウェア開発の初期段階からセキュリティを考慮することが非常に重要です。ソフトウェアの設計段階からセキュリティ対策を組み込むことで、脆弱性の発生を抑制し、サイバー攻撃のリスクを低減することができます。また、開発中も定期的にセキュリティテストを実施し、潜在的な脆弱性を早期に発見・修正することが重要です。ソフトウェア開発者は、セキュリティに対する意識を高め、安全なソフトウェアを提供する責任があると言えるでしょう。
ネットワークセキュリティ

SSHで安全なリモートアクセスを実現

- SSHとはSSH(セキュアシェル)は、インターネットなどのネットワークを通じて、離れた場所にあるコンピュータに安全に接続し、操作するための技術です。まるで目の前のコンピュータを操作するような感覚で、遠く離れたコンピュータ上のファイルの編集やコマンドの実行など、様々な操作を行うことができます。SSHは、通信内容の暗号化によって安全性を確保しています。これにより、パスワードや送信されるデータが第三者に盗み見られるリスクを大幅に減らすことができます。そのため、機密性の高い情報を取り扱う際や、セキュリティの強化が求められる場面で広く利用されています。例えば、Webサイトの運営者は、SSHを使ってWebサーバーに安全に接続し、ファイルの更新やシステムの管理などを行うことができます。また、企業のネットワーク管理者は、SSHを用いて遠隔地のサーバーにアクセスし、システムの監視やトラブル対応などを行うことができます。このように、SSHは現代のネットワーク社会において欠かせない技術と言えるでしょう。
ネットワークセキュリティ

セキュリティ対策の要!SSLインスペクションとは

インターネットは私たちの生活に欠かせないものとなり、様々な情報をやり取りする上で重要な役割を担っています。その中には、氏名や住所、クレジットカード情報といった個人情報や、企業の機密情報など、非常に重要なデータも含まれます。 このような重要なデータがインターネット上をやり取りされる際、第三者に盗み見られたり、改ざんされたりするリスクがあります。これを防ぐために、データは暗号化という技術で保護されます。暗号化とは、データを特殊な方法で変換することで、本来の内容が分からないようにする技術です。インターネット通信で広く使われている暗号化技術に、SSL/TLSというものがあります。 SSL/TLSを使うことで、ウェブサイトと利用者の間でやり取りされるデータは暗号化され、盗聴や改ざんから守られます。しかし近年、この暗号化技術を悪用したサイバー攻撃が増加しています。悪意のあるソフトウェアや攻撃者は、暗号化された通信の中に、ウイルスや不正なプログラムなどを隠します。暗号化されているため、セキュリティ対策ソフトもその危険性を検知することができず、結果として企業のシステムに侵入されてしまうことがあります。これは企業にとって大きな脅威であり、暗号化された通信だからといって安心せず、多層的なセキュリティ対策を講じることが重要です。
脆弱性

脆弱性管理の最新手法:SSVCとは?

- SSVCとは SSVCは、「ステークホルダーに特化した脆弱性の分類」を意味する言葉で、組織にとって特に重要な脆弱性を見つけ出し、優先順位を付けて対応するための新しい考え方です。 従来の脆弱性管理では、CVSSスコアのような共通の指標を使って、その重大性を判断していました。しかし、すべての組織にとって同じように重要な脆弱性ばかりではありません。例えば、あるECサイトにとって、顧客の決済情報漏えいは、システム全体の停止よりも深刻な問題となるでしょう。 SSVCは、従来の共通指標に加えて、組織の事業内容、使用しているシステム、顧客への影響といった具体的な要素を考慮します。具体的には、顧客、従業員、経営者、取引先、規制当局といった様々な関係者をステークホルダーとして定義し、それぞれの立場から見て、どのような影響が最も深刻かを分析します。 このように、SSVCは、組織にとって本当に重要な脆弱性を明確化し、限られた資源を効果的に活用した対策を可能にします。結果として、組織全体のリスク管理レベルの向上に貢献することが期待できます。
クラウドサービス

SaaSセキュリティ対策の鍵、SSPMとは?

近年、多くの企業で業務の効率化や費用の削減を目的として、情報システムを自社で構築・運用するのではなく、インターネット経由でサービスとして利用できるクラウドコンピューティングが普及しつつあります。特に、ソフトウェアをサービスとして利用するSaaSは、場所を選ばずに利用できるなどの利便性の高さから、急速に普及しています。 しかし、SaaSの利用拡大は、従来の社内システムとは異なる新たな危険性をもたらす可能性も孕んでいます。 特に、情報システム部門の管理を介さずに、各部署が独自にSaaSを導入する、いわゆる影の情報技術の増加は、セキュリティ管理をより複雑化させ、企業全体としての安全対策の弱点になりかねません。例えば、利用者のアクセス権限の設定ミスや、適切ではないデータの保管場所によって、重要な情報が漏えいする危険性があります。また、セキュリティ設定の不備が原因で、法令や業界基準への適合性を証明することが困難になる可能性も出てきます。 このようなSaaS特有のセキュリティリスクへの対策は、企業にとって喫緊の課題となっています。具体的には、SaaSの利用状況を全社的に把握し、適切なアクセス権限の設定やセキュリティ対策の実施状況を定期的に確認する必要があります。また、従業員に対しては、SaaS利用に関するセキュリティ意識向上のための教育を継続的に実施していくことが重要です。
認証技術

Windowsの認証を支えるSSPIとは

- SSPIとはSSPIは「Security Support Provider Interface」の頭文字をとったもので、Windowsのアプリケーションに対して、認証やセキュリティ機能を提供するための接続口の役割を担います。Windows環境において、アプリケーション同士が安全に情報をやり取りするには、強固なセキュリティ対策が欠かせません。SSPIは、アプリケーションがWindowsの持つ高度な認証機能を容易に利用できるようにすることで、安全なデータの送受信を実現する上で重要な役割を担っています。例えるならば、SSPIはアプリケーションとWindowsのセキュリティシステムをつなぐ「橋」のようなものです。アプリケーションはSSPIという橋を渡ることで、Windowsのセキュリティシステムが提供する様々な機能を利用することができます。これにより、アプリケーション自身で複雑なセキュリティ対策を実装する必要がなくなり、開発者はアプリケーション本来の機能開発に集中することができます。SSPIが提供するセキュリティ機能は多岐に渡り、代表的なものとしては、ユーザー認証、データの暗号化、データの整合性確認などが挙げられます。これらの機能は、機密性の高い情報や個人情報を取り扱うアプリケーションにおいて特に重要となります。SSPIは、Windows環境におけるセキュリティの根幹を支える重要な技術の一つと言えるでしょう。
セキュリティを高める

米国防総省のセキュリティ基準、STIGとは

- STIGの概要STIG(セキュリティ技術実装ガイド)は、アメリカ国防総省が策定した情報システムのセキュリティ強化のためのガイドラインです。このガイドラインは、国防総省内の情報システムだけでなく、その情報システムに関わる全ての組織や企業に対しても遵守が求められる重要な基準となっています。STIGの特徴は、その網羅性と具体性にあります。セキュリティ対策ソフトの設定内容といった技術的な側面だけでなく、システムの運用手順や物理的なセキュリティ対策といった、多岐にわたるセキュリティ対策について、非常に具体的な方法を提示している点が挙げられます。例えば、パスワードの複雑性に関する設定、ファイアウォールの設定、アクセス制御リストの設定など、システムの構築や運用における様々な場面において、具体的にどのような設定値を適用すべきかが細かく規定されています。このように、STIGは国防総省が長年の経験と最新の脅威情報を基に作成した、実践的なセキュリティ対策の集大成と言えるでしょう。STIGに準拠することで、組織や企業は自らの情報システムのセキュリティレベルを向上させ、サイバー攻撃から貴重な情報を守ることができます。
認証技術

SPNEGO認証の仕組みと注意点:安全なシステム接続のために

- SPNEGO認証とはSPNEGO認証は、「Simple and Protected GSSAPI Negotiation Mechanism」の略称で、RFC2478という規格で定められた認証の仕組みです。これは、クライアントがサーバーに接続を試みる際に、クライアントとサーバーの双方にとって最適な認証方式を、互いにやり取りしながらスムーズに決定するためのものです。通常、クライアントは接続前にサーバーが対応する認証方式を把握している必要があります。しかし、様々なシステムが複雑に連携する現代のネットワーク環境では、事前に適切な認証方式を特定することが困難な場合があります。そこでSPNEGO認証が活躍します。SPNEGO認証では、クライアントとサーバーが互いに対応している認証方式のリストを交換します。そして、その中から共通して利用できる最適な認証方式を自動的に選択し、接続を確立します。これにより、クライアントは事前に接続先の認証方式を把握する必要がなくなり、円滑な接続が可能となります。例えば、社内システムへのアクセスにおいて、ユーザー名とパスワードによる認証、ICカード認証、生体認証など、様々な認証方式が考えられます。SPNEGO認証を用いることで、クライアントはどの認証方式が利用できるかを意識することなく、システムに安全にアクセスすることができます。
マルウェア対策

迷惑メッセージにご用心!:スパム行為「SPIM」とは?

皆さんは「SPIM」という言葉をご存知ですか?これは、「SPam over Instant Messaging」の略で、インスタントメッセージサービスを通じて送られてくる迷惑メッセージのことを指します。2000年代初頭から存在する言葉ですが、近年、LINEやFacebookメッセンジャーといったメッセージアプリが普及したことで、再び注目を集めています。 SPIMは、従来のメールスパムと同様に、広告や詐欺、マルウェアの拡散などを目的としています。メッセージアプリは、電話番号や友達リストと紐づいていることが多く、SPIMは、メールスパムよりも受信者を特定しやすく、直接的な攻撃に繋がりやすいという危険性があります。 具体的には、身に覚えのない広告メッセージや、友達から送られてきたように見える不審なリンク、個人情報を入力させるようなメッセージなどが挙げられます。これらのメッセージを開いたり、リンクをクリックしたりすると、意図せずマルウェアに感染したり、個人情報を盗まれたりする可能性があります。 メッセージアプリを利用する際は、不審なメッセージには安易に反応せず、送信元を確認する、リンクをクリックする前に内容をよく確認するなど、注意が必要です。また、セキュリティ対策ソフトを導入することも有効な対策となります。
攻撃方法について知る

SOAP配列:セキュリティの落とし穴

- SOAP配列とはSOAP配列は、異なるコンピュータシステム間で情報をやり取りする際に使われるSOAPメッセージの中で、複数のデータを順番に格納するために利用される仕組みです。SOAPは、シンプルオブジェクトアクセスプロトコルを略した言葉で、異なるシステム間で構造化された情報を交換するための一つの約束事のようなものです。このSOAPでは、情報をXMLという形式で記述してやり取りします。例えば、通販サイトで顧客情報や商品リストなどを送受信する場合を考えてみましょう。これらの情報は、名前や住所、商品名、価格など、複数のデータで構成されています。このような場合に、SOAP配列は役立ちます。SOAP配列を使うことで、これらの複数のデータを一つにまとめて、順番に並べて扱うことが可能になります。これは、箱の中に商品を順番に詰めていくイメージと似ています。それぞれの箱には、顧客情報や商品情報といったように、同じ種類のデータが格納されます。このように、SOAP配列は、SOAPメッセージにおいて複数のデータを効率的に扱うための重要な仕組みと言えるでしょう。
ネットワークセキュリティ

ネットワーク管理の要!SNMPとは?

- ネットワーク機器管理の標準規格 「簡易ネットワーク管理プロトコル」の頭文字をとったSNMPは、ネットワークに接続された機器を監視・管理するための標準規格です。 このプロトコルを使用すると、ネットワーク管理者は、ルーターやスイッチなど、さまざまな機器の状態を一元的に把握し、管理することができます。 例えば、機器の応答速度やトラフィック量、CPU使用率などの情報をSNMPで取得し、ネットワーク全体の稼働状況を監視できます。 また、SNMPを使って機器の設定変更や再起動などの操作を遠隔から行うことも可能です。 このようにSNMPは、ネットワーク管理の効率化や障害発生時の迅速な対応を実現する上で、欠かせないプロトコルとなっています。
攻撃方法について知る

SMTPスマグリング:巧妙化するメール詐称の脅威

近年、悪意のある者が人を騙すために、電子メールを悪用する事例が増加しています。巧妙な手口が次々と編み出される中で、特に「SMTPスマグリング」と呼ばれる新しい攻撃手法が大きな問題となっています。 SMTPスマグリングは、電子メールの送信に使われる仕組みであるSMTPプロトコルが持つ、ある種の脆さを突いた高度ななりすまし技術です。 通常、電子メールは送信者の情報が正確に相手に伝わる仕組みになっていますが、この攻撃手法を使うと、あたかも信頼できる相手から送信されたように見せかけることができてしまいます。そのため、受信者は本物と偽物の区別が難しく、知らず知らずのうちに罠にかかってしまう危険性があります。 従来のセキュリティ対策では、このような巧妙ななりすましを見抜くことは困難な場合が多く、多くの企業や組織がその脅威にさらされています。実際、SMTPスマグリングを悪用した攻撃は日々増加しており、その手口も巧妙化の一途をたどっています。 そのため、企業や組織は、この新たな脅威から身を守るために、より高度な対策を早急に講じる必要があります。
組織・期間

セキュリティの最前線!SMOチームの役割とは?

セキュリティ対策の司令塔として、企業の安全を守る重要な役割を担うSMO。これは、Security Management Officeの略称です。セキュリティ対策というと、どうしても技術的な側面ばかりが注目されがちですが、SMOは顧客とのコミュニケーションを重視している点が大きな特徴です。顧客が本当に必要としている対策は何か、どのような課題を抱えているのかをしっかりと理解した上で、最適なセキュリティ対策を提案・実行していきます。 顧客の課題は多岐に渡るため、SMOには多様な専門家が在籍しています。セキュリティ対策のプロフェッショナルであるセキュリティコンサルタントをはじめ、システムの構築・運用に精通したシステムエンジニア、脅威の分析や対策に特化したセキュリティアナリストなど、各分野の専門家がそれぞれの知識や経験を活かしながら顧客をサポートします。 SMOは、顧客と二人三脚でセキュリティ対策を進めることで、顧客の事業の安定稼働、そして企業価値の向上に貢献していきます。
ネットワークセキュリティ

迷惑メール対策の切り札:SPFとは?

インターネット上で飛び交うメールの中には、一見すると本物そっくりで見破るのが難しい、悪意のあるメールが存在します。 これらのメールは、あたかも銀行やクレジットカード会社、またはよく利用するショッピングサイトなど、実在する組織から送信されたように見えるため、受信者を騙して個人情報やクレジットカード情報、パスワードなどを盗み取ろうとします。 このような巧妙な偽装メールは「迷惑メール」や「フィッシングメール」と呼ばれ、インターネット利用者にとって大きな脅威となっています。 これらの悪質なメールから身を守るための対策の一つとして、「SPF(Sender Policy Framework)」と呼ばれる技術が存在します。SPFは、メールの送信元が偽装されていないかを検証するための仕組みです。 具体的には、メールを送信するサーバーのIPアドレスと、そのドメインが公開しているSPFレコードと呼ばれる情報を見比べて、送信元が正当かどうかを判断します。 もし、あなたが普段利用しているサービスから送信されたように見えるメールを受け取った場合は、安易にリンクをクリックしたり、個人情報を入力したりする前に、送信元のメールアドレスをよく確認しましょう。 また、身に覚えのないメールは開かずに削除する、セキュリティソフトを導入して迷惑メール対策を行うなど、日頃から適切な対策を講じることが重要です。
マルウェア対策

スマホを狙う新たな脅威:SOVAとは

- SOVAの概要SOVAは、Android搭載のスマートフォンやタブレットを狙った不正なプログラムで、銀行などを装って利用者を騙し、金銭を盗み取ろうとする「バンキング型トロイの木馬」として分類されます。2021年に初めて発見されて以来、その巧妙な仕組みと絶えず進化を続ける機能により、世界中のセキュリティ専門家の間で大きな脅威として認識されています。SOVAは、利用者が気付かないうちにAndroid端末に侵入し、銀行口座の情報やクレジットカード番号、パスワードなどの重要な個人情報を盗み出すことを目的としています。巧妙なことに、SOVAは正規のアプリになりすまして端末にインストールされるため、利用者は自分が危険にさらされていることに気付きません。SOVAの危険性は、その進化の速度にもあります。発見当初は、比較的単純な機能しか備えていませんでしたが、現在では、画面を録画する機能や、利用者の入力操作を記録するキーロガー機能、さらには2段階認証を突破する機能など、高度な機能を備えるまでに進化しています。これらの機能により、SOVAは利用者の銀行口座に不正にアクセスし、金銭を盗み取ったり、個人情報を利用して他の犯罪に悪用したりする可能性があります。セキュリティ対策ソフトの導入や、アプリのインストール時に開発元を確認するなど、SOVAから身を守るためには、利用者自身のセキュリティ意識を高めることが重要です。
組織・期間

SOCとは?セキュリティ対策の要となる組織の役割と進化

- SOCの概要SOC(セキュリティオペレーションセンター)とは、企業や組織の情報セキュリティを24時間365日体制で監視・運用する専門部署のことです。組織を守る砦として、サイバー攻撃から重要な情報資産を守っています。SOCは、情報セキュリティ機器やサーバー、ネットワーク機器から集められた膨大な量のログデータを、リアルタイムで分析します。これは、まるで洪水のように押し寄せるデータの中から、危険な兆候をいち早く見つけるようなものです。近年、企業を狙ったサイバー攻撃は増加の一途を辿っており、その手口は巧妙化しています。従来型のセキュリティ対策では、もはや太刀打ちできないケースも少なくありません。こうした中、SOCは企業のセキュリティ対策の要として、非常に重要な役割を担っています。SOCが担当する業務は多岐に渡ります。主な業務としては、セキュリティ機器やシステムの監視、脆弱性診断、インシデント対応、セキュリティに関する教育や訓練などが挙げられます。SOCは、これらの業務を効率的に遂行するために、高度なセキュリティ技術とノウハウを持った専門家によって構成されています。SOCの導入は、企業にとって大きな投資となりますが、適切に運用することで、セキュリティリスクを大幅に低減し、企業の信頼とブランドイメージを保護することに繋がります。
セキュリティを高める

セキュリティ対策の自動化 ~SOARのススメ~

昨今、企業を標的としたインターネット上の攻撃が増加しており、その手口は巧妙さを増すばかりです。こうした状況の中、企業はセキュリティ対策ソフトを導入したり、社内の情報管理に関するルールを定めたりと、様々な対策を強化しています。しかし、セキュリティ担当者の負担は軽減されるどころか、むしろ増加傾向にあります。日々大量に発生する、システム上の怪しい動きを示す警告に対応するだけで手一杯になり、本来集中すべき重要な業務に時間を割くことができないというケースも少なくありません。 具体的には、新しい攻撃手法の情報収集や、それに対応するためのシステムの導入、従業員へのセキュリティ教育など、本来セキュリティ担当者が行うべき重要な業務に支障が出ています。これらの業務は、企業の安全を守る上で欠かせないものです。しかし、現状では、目先のセキュリティアラート対応に追われ、後回しにせざるを得ない状況も少なくありません。 セキュリティ担当者の負担を軽減し、より重要な業務に集中できるようにするためには、企業全体でセキュリティ対策に取り組む体制作りが重要です。例えば、人工知能を搭載した最新のセキュリティシステムを導入することで、自動的に攻撃を検知・対処し、担当者の負担を軽減することができます。また、従業員一人ひとりがセキュリティの重要性を認識し、基本的なルールを守ることで、セキュリティインシデントの発生自体を抑えることができます。
組織・期間

システムインテグレーター:進化するITの立役者

- システムインテグレーターとは 企業が事業を円滑に進めるには、様々な業務システムが欠かせません。顧客管理、販売管理、在庫管理など、それぞれの業務に特化したシステムは数多く存在しますが、これらのシステムを個別に導入しただけでは、真の効率化は実現できません。なぜなら、システムごとにデータが分断され、入力作業や情報共有の手間が増えてしまうからです。 そこで登場するのが「システムインテグレーター」、略して「SIer」です。SIerは、お客様である企業のニーズを丁寧にヒアリングし、最適なシステム構成を提案するコンサルタントのような役割を担います。そして、複数のシステムを連携させ、まるで一つのシステムのように統合する、いわば「システム構築の指揮者」といえます。 例えば、お客様の企業が抱える課題を解決するために、複数の企業が開発したソフトウェアやハードウェアを組み合わせ、さらに企業独自の業務プロセスに合わせたカスタマイズを行います。 SIerの仕事は、システムの設計・開発から、導入後の運用・保守まで多岐に渡ります。お客様の事業を深く理解し、最適なシステムを構築することで、業務効率化やコスト削減、競争力強化に貢献します。