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タイポスクワッティングの脅威

- タイポスクワッティングとはタイポスクワッティングは、インターネットユーザーが普段何気なく行っているウェブアクセスを悪用した、巧妙な攻撃手法です。この攻撃では、ユーザーがウェブサイトアドレスを入力する際に起こしがちなタイプミスや勘違いを逆手に取ります。具体的には、攻撃者は正規のウェブサイトアドレスと非常によく似たドメインを取得します。例えば、「example.com」という正規のアドレスに対して、「exanple.com」(「a」と「n」が入れ替わっている)や「example.co」といった、タイプミスや勘違いしやすいアドレスを登録します。そして、これらの偽ドメインを用いて、本物と見分けがつきにくい偽のウェブサイトを構築します。ユーザーがアドレス入力の際にうっかりミスをしてしまったり、表示されたリンクを注意深く確認せずにクリックしたりすると、この偽ウェブサイトに誘導されてしまいます。偽サイトは本物そっくりに作られていることが多いため、ユーザーは自分が偽サイトにアクセスしていることに気が付かないまま、重要な個人情報やクレジットカード情報を入力してしまう可能性があります。このように、タイポスクワッティングは、一見小さなミスが大きな被害に繋がる危険性を孕んでいるのです。
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悪用されるタスクスケジューラ:見えない脅威

私たちの生活に欠かせないものとなったパソコンには、日々の作業を効率化してくれる便利な機能が数多く搭載されています。その中でも、「タスクスケジューラ」は、まるで優秀な秘書のように、指定した日時に自動でプログラムを実行してくれるため、多くの利用者に重宝されています。 しかし、この便利な機能も、使い方を間違えると、私たちの大切な情報を危険にさらす可能性があります。 悪意のある第三者がこの「タスクスケジューラ」を悪用し、ウイルス感染や情報漏えいといった深刻な被害を引き起こす可能性があるのです。 例えば、知らない間に悪質なプログラムが「タスクスケジューラ」に登録され、パソコンの重要な情報を盗み出したり、他のコンピュータへ攻撃を仕掛けたりするかもしれません。また、一見無害に見えるファイルを開いた瞬間に、そのファイルに隠されていた悪質なプログラムが「タスクスケジューラ」に登録され、自動的に実行されてしまうこともあります。 このような事態を防ぐためには、「タスクスケジューラ」に登録されている内容を定期的に確認し、身に覚えのないタスクは削除することが大切です。また、信頼できるセキュリティソフトを導入し、パソコンを常に最新の状態に保つことも重要です。便利な機能を安全に使いこなすために、日頃からセキュリティ対策を心がけましょう。
組織・期間

サイバー戦争と国際法:タリン・マニュアルの役割

- タリン・マニュアルとはタリン・マニュアルは、「サイバー戦争に適用できる国際法についてのタリン・マニュアル」という正式名称を持っています。これは、北大西洋条約機構(NATO)のサイバー防衛協力センターが中心となって作り上げた、サイバー空間における武力紛争に国際法をどう適用するかについての専門家の意見を集めたものです。2013年に初めて作られ、2017年には更に内容を充実させたものが発表されました。このマニュアルは、国家がサイバー空間上で行う攻撃や防衛の行動に、国際法のどの条文が当てはまるのか、具体例を挙げて解説しています。例えば、ある国が別の国のインフラをサイバー攻撃した場合、それは武力攻撃とみなされるのか、それとも単なる妨害行為なのか、などが議論されています。また、サイバー攻撃を受けた国が自衛のためにどのような反撃をできるのかについても、国際法の観点から詳しく説明されています。ただし、このマニュアルはあくまで専門家の意見を集めたものであり、国際法としてすべての国を拘束するものではありません。しかし、サイバー空間における武力紛争に関する国際法の解釈について、現時点で最も包括的な資料として、世界中の国々や国際機関から注目されています。日本も、サイバーセキュリティ戦略においてタリン・マニュアルの内容を踏まえた政策を進めています。近年、国家間でのサイバー攻撃が頻繁になっていることを考えると、国際社会全体で、サイバー空間における武力紛争に関するルール作りを進めていくことが重要です。
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データの改ざんにご用心!タンパリングとは?

- タンパリングとは タンパリングとは、簡単に言うと「不正な改ざん」のことです。私たちの身近にあるコンピューターシステムやソフトウェア、そして重要なデータなど、本来触れてはいけない情報を、許可なく不正に操作することを指します。 例えば、インターネット上の買い物サイトで表示されている商品の値段を、本来とは異なる安い値段に勝手に書き換えてしまう行為は、タンパリングの典型的な例です。また、他の人が使っているアカウントの情報をこっそりと盗み見て、あたかも本人になりすまして不正にログインする行為も、タンパリングに該当します。 タンパリングは、情報を盗み見たり、改ざんしたりすることで、個人や企業に大きな損害を与える犯罪行為です。 金銭的な被害はもちろんのこと、企業の重要な情報が漏洩することで、その企業の信頼を失墜させる可能性も孕んでいます。 セキュリティ対策として、パスワードの強化や、セキュリティソフトの導入など、様々な対策を講じる必要があります。日々進化するサイバー攻撃から身を守るためには、一人ひとりがセキュリティに関する意識を高め、適切な対策を講じることが重要です。
ネットワークセキュリティ

ダークネット:知られざるインターネット空間

「ダークネット」という言葉は、犯罪や違法行為を連想させる恐ろしい響きを持つかもしれません。確かに、違法な物品の売買やハッキングなど、犯罪の温床としてダークネットが使われることもあります。しかし、ダークネットの実態は、単なるインターネットの裏側と捉える方が適切です。インターネット全体を氷山に例えると、私たちが普段使うGoogleやYahoo!などの検索エンジンで見つけられる部分は、氷山の一角、水面から出ている部分に過ぎません。では、水面下に隠れている部分は何でしょうか?それがダークネットです。ダークネットは、アクセスに特別なソフトウェアや設定が必要で、一般的な検索エンジンでは見つけられません。そのため、匿名性が高く、プライバシー保護の観点から利用されることもあります。例えば、政治的な弾圧を受けている国の人々が、検閲を逃れて自由に意見を交換する場として利用されることがあります。また、企業が機密情報を保護するためにダークネットを利用することもあります。このように、ダークネットは、犯罪だけでなく、正当な目的で利用されることもあります。重要なのは、ダークネットという言葉の持つイメージに惑わされず、その実態を正しく理解することです。
詐欺対策

ユーザーを欺く「ダークパターン」にご用心

- 巧妙に仕組まれた罠 インターネットは、便利なサービスや魅力的な商品で溢れ返り、私たちの生活を豊かにしてくれます。しかし、その利便性の影に、知らず知らずのうちに悪意のある策略に嵌ってしまう危険性が潜んでいることを忘れてはなりません。 その代表的な例として、「ダークパターン」と呼ばれるものが挙げられます。これは、ウェブサイトやアプリのデザインを巧みに利用し、利用者を欺いたり、意図しない行動に誘導したりする手法のことです。 例えば、ネットショッピングで商品を購入する際、「今すぐ購入」ボタンは目立つように大きく表示されている一方で、「キャンセル」ボタンは小さく、見つけにくい場所に配置されていることがあります。また、無料体験に申し込んだつもりが、いつの間にか有料会員に移行していたというケースも後 を絶ちません。 一見すると、単なるデザイン上の工夫のようにも思えるこれらの仕掛けですが、実際には利用者の注意を意図的に操作し、誤った選択を誘発するという悪質な側面を持っています。 このような巧妙な罠に嵌らないためには、日頃から情報リテラシーを高め、ウェブサイトやアプリの利用規約をよく読み、ボタンをクリックする前に内容をよく確認するなど、慎重な行動を心掛けることが重要です。
ネットワークセキュリティ

ダイナミックDNS:利便性とセキュリティリスク

- ダイナミックDNSとはインターネットを利用する際、ウェブサイトや機器にはそれぞれ住所のような役割を果たす「IPアドレス」が割り当てられています。このIPアドレスには、常に変わらない「固定IPアドレス」と、接続するたびに変化する「動的IPアドレス」の2種類があります。家庭や小規模事業者向けのインターネット接続では、コストや管理の手軽さから、接続のたびにIPアドレスが変化する「動的IPアドレス」が一般的です。しかし、動的IPアドレスでは、ウェブサイトの運営や外部から自宅のパソコンへ接続する「リモートアクセス」など、常に同じアドレスで接続する必要があるサービスの利用が難しくなります。そこで活躍するのが「ダイナミックDNS(DDNS)」です。ダイナミックDNSは、変化する動的IPアドレスを、固定のドメイン名に常に紐づけてくれる仕組みです。 例えば、自宅のIPアドレスが変化しても、ダイナミックDNSを設定しておけば、「myhome.example.com」といった覚えやすいドメイン名で、自宅のサーバーやパソコンにアクセスできるようになります。このように、ダイナミックDNSは、動的IPアドレスを利用する環境でも、固定IPアドレスのようにウェブサイトやサービスを運用することを可能にする便利な技術と言えるでしょう。
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スマホアプリの危険なアップデートにご用心

私たちの身近にあるスマートフォンアプリは、常に最新の機能やセキュリティ対策が施されるよう、頻繁に更新されています。アプリを提供する側は、ユーザーに快適かつ安全にアプリを利用してもらうため、日々改善を続けています。しかし、この便利な更新機能を逆手に取った、悪意のある攻撃手法が存在します。それが「動的読み込み」と呼ばれるものです。 動的読み込みとは、アプリが本来持っていなかった機能を、アプリの更新時や実行時に外部からダウンロードし、あたかも最初から組み込まれていたかのように動作させる技術です。一見すると、アプリの機能を柔軟に追加できる便利な仕組みに思えます。しかし、この仕組みが悪意のある者によって悪用されると、深刻なセキュリティリスクにさらされる可能性があります。 例えば、正規のアプリに偽装した悪意のあるアプリが、動的読み込みを悪用して、ユーザーの許可なく個人情報を盗み出すプログラムを後から組み込むかもしれません。また、アプリの重要な機能を改ざんし、正常に動作しないように細工する可能性もあります。このような事態を防ぐために、アプリは信頼できる提供元からダウンロードするように心がけ、提供元が不明なアプリのインストールは避けましょう。また、OSやアプリは常に最新の状態に保ち、セキュリティ対策を最新の状態に保つことが重要です。
マルウェア対策

マルウェア「ダウンローダー」:その脅威を理解する

「ダウンローダー」とは、まるで宅配業者のように、インターネット上から他の有害なプログラムをあなたのコンピュータに運び込む役割を担う悪意のあるプログラムです。その名の通り、他のマルウェアをダウンロードしてくることが目的です。 ダウンローダー自身は、コンピュータに直接的な被害を与えることはほとんどありません。しかし、より危険なマルウェアをダウンロードするための入り口としての役割を果たすため、非常に危険な存在と言えます。 ダウンローダーがあなたのコンピュータに侵入すると、攻撃者が用意した、インターネット上の特定の場所、いわば「指令本部」と通信を行います。そして、その「指令本部」から、ウイルスやトロイの木馬などの危険なプログラムを受け取り、あなたのコンピュータにインストールします。この「指令本部」は「C2サーバー」とも呼ばれ、攻撃者はダウンローダーや他のマルウェアを遠隔操作するために利用します。 ダウンローダーは、一見無害なファイルやソフトウェアに隠れており、気付かないうちにダウンロードしてしまう可能性があります。そのため、信頼できる提供元からのみファイルやソフトウェアをダウンロードすること、また、セキュリティソフトを最新の状態に保ち、怪しいウェブサイトへのアクセスを避けるなど、日頃からセキュリティ対策を徹底することが重要です。
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ダンプ:セキュリティの観点からの重要性

ダンプとは ダンプとは、コンピュータの主要な記憶装置であるメモリや、情報を保管するディスクなどに記録されている情報を、そっくりそのまま別の場所へ複製することです。この作業は、様々な場面で役立ちます。例えば、コンピュータに不具合が生じた際の状況分析や、失われたデータの復旧、セキュリティ上の問題を調査する際などです。 ダンプを行うことで、コンピュータ内部で何が起きていたのか、具体的に把握することができます。これは、まるで飛行機に搭載されたフライトレコーダーのように、トラブル発生時の状況を詳細に記録し、後から原因を究明する際に役立ちます。 ダンプには、対象となる情報の種類や範囲によって、メモリダンプ、ディスクダンプなど、いくつかの種類があります。それぞれ、取得できる情報や用途が異なります。
セキュリティを高める

多層防御で鉄壁のセキュリティ体制を!

現代社会において、企業や組織にとって情報は、まさに企業活動を支える血液とも言える重要な資産です。しかし、誰もがインターネットに接続できる便利な時代が到来する一方で、悪意を持った攻撃者によるサイバー攻撃の件数は増加の一途を辿っています。 攻撃の手口は日々巧妙化・複雑化しており、従来型のセキュリティ対策だけでは、もはや鉄壁の防御を確立することは不可能になりつつあります。かつては、外部からの侵入を防ぐファイアウォールのような、城壁を築くような防御策が主流でしたが、現代のサイバー攻撃は、まるで忍者のように、些細な隙を見つけて侵入してくるため、より多角的な防御策が求められています。 こうした状況下で、重要性を増しているのが「多層防御」という考え方です。これは、複数のセキュリティ対策を重ね合わせることで、たとえ一層が突破されても、次の層で攻撃を防ぐという考え方です。 例えば、入口対策としてファイアウォールを設置し、不正侵入を検知するシステムを導入し、さらに、従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高めるための教育を徹底するといった具合です。多層防御は、まさに敵の侵入経路を複雑化させ、攻撃を遅延させることで、被害を最小限に抑えることを目的としています。
認証技術

多要素認証でセキュリティ強化

私たちは、インターネットサービスを利用する際に、IDとパスワードによる認証が当たり前となっています。しかし、この認証方式だけでは、パスワードが盗まれたり、推測されたりすることで、不正アクセスを許してしまう可能性があります。 そこで、より強固なセキュリティ対策として注目されているのが「多要素認証」です。 多要素認証とは、「知っているもの」「持っているもの」「本人であることを証明するもの」といった異なる種類の要素を組み合わせて認証を行うことで、不正アクセスのリスクを大幅に低減する仕組みです。 具体的には、従来のIDとパスワードに加えて、スマートフォンに送信されるワンタイムパスワードや、指紋認証、顔認証などを組み合わせることで、なりすましを非常に困難にします。 例えば、仮にパスワードが漏洩してしまったとしても、スマートフォンという「持っているもの」による追加認証が求められるため、不正アクセスを防ぐことができます。 このように、多要素認証は、セキュリティレベルを格段に向上させる有効な手段として、多くの企業やサービスで導入が進んでいます。
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多要素認証を突破!?消耗攻撃の脅威

近年、パスワードだけでは安全性を十分に確保することが難しくなってきており、スマートフォンへの通知承認などを組み合わせた多要素認証が、セキュリティ対策の強化策として広く普及しています。 多要素認証は、「知識情報」「所持情報」「生体情報」といった異なる種類の要素を組み合わせることで、なりすましによる不正アクセスを防止する有効な手段です。 例えば、パスワードを入力した後にスマートフォンに送信される認証コードを入力することで、パスワードが盗まれてしまった場合でも、アカウントへの不正アクセスを防ぐことができます。 しかし、この多要素認証にも、人間の心理的な隙を突いた攻撃手法が存在します。それが、「多要素認証消耗攻撃」です。 これは、攻撃者が標的に対して、認証要求を何度も繰り返し送りつけることで、標的の疲弊を狙う攻撃です。 何度も認証を求められることで、標的は「システムの誤作動だろう」と考えたり、「早くこの作業を終らせたい」という心理状態に陥りやすくなります。 そして、攻撃者はその心理状態に乗じて、偽の認証画面に誘導し、認証情報を入力させて盗み取ろうとします。 多要素認証はセキュリティ対策として有効な手段ですが、過信は禁物です。 「多要素認証消耗攻撃」のような、人間の心理的な隙を突いた攻撃手法も存在することを認識し、セキュリティ意識を高めていく必要があります。
認証技術

対話型ログオンのセキュリティリスク

対話型ログオンとは、利用者が自ら端末を操作してログインする方法を指します。 具体的には、利用者が端末に直接入力した利用者名とパスワードを用いて、システムが認証を行います。これは、私たちが普段パソコンやスマートフォンを利用する際に、最もよく目にするログイン方法と言えるでしょう。 例えば、朝起きてパソコンの電源を入れると、画面にパスワードを入力する欄が表示されます。そこで、キーボードを使って自分のパスワードを入力し、エンターキーを押してログインします。このように、利用者自身が直接操作してログインするのが対話型ログオンです。 Windowsの出来事記録では、この対話型ログオンは「ログオンの種類2」と記録されます。これは、利用者が直接端末を操作してログインしたことを示すものであり、システムによる自動的なログオンなどと区別するために用いられます。
セキュリティを高める

セキュリティの基礎:耐タンパ性とは

- 耐タンパ性とは何か? 耐タンパ性とは、不正な改ざんから情報やシステムを守るための仕組みです。具体的には、ハードウェアやソフトウェアを対象とし、データの盗難、改ざん、不正な複製などを防ぐことを目指します。 わかりやすく言うと、悪意のある第三者による「イタズラ」を阻止する技術やプロセスと言えるでしょう。例えば、銀行のATMに細工を施して預金情報を盗み出そうとしたり、ゲーム機のプログラムを書き換えて不正な利益を得ようとしたりする行為を防ぐためのものです。 耐タンパ性を高めることで、情報の機密性、完全性、可用性を維持することができます。 例えば、ゲーム機であれば、改造によって不正なプログラムが実行されることを防ぎ、正規のゲームソフトのみが動作するように設計されています。また、金融機関のシステムであれば、重要な顧客情報や取引データが盗み見られたり、改ざんされたりするのを防ぐために、強固なセキュリティ対策が施されています。 このように、耐タンパ性は、個人情報や企業秘密、社会インフラなど、様々なものを守るために欠かせない要素となっています。
認証技術

フィッシング耐性を持つ多要素認証とは

昨今、私達は様々な場面でインターネット上のサービスを利用しています。買い物をしたり、銀行口座にアクセスしたり、友人と交流したりと、生活に欠かせないものとなっています。しかし、利便性の高いインターネットサービスには、常にセキュリティ上のリスクがつきまといます。 インターネットサービスを利用する際に、ユーザー名とパスワードの入力だけを求められることが多いでしょう。これは、鍵穴が一つしかない家に住むようなもので、セキュリティの観点からは非常に脆弱と言えます。もしも誰かがパスワードを盗み見てしまったら、あなたのアカウントは簡単に乗っ取られてしまう可能性があるのです。 そこで重要となるのが「多要素認証」です。多要素認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンへのプッシュ通知や、指紋認証、顔認証、専用のアプリで生成される認証コードなど、異なる方法で本人確認を行う仕組みです。 複数の要素で認証を行うことで、たとえパスワードが漏洩してしまった場合でも、不正アクセスを阻止できる可能性が高まります。例えば、仮に誰かがあなたのパスワードを盗み見ることができたとしても、スマートフォンに届くプッシュ通知を承認しなければ、アカウントにログインできないように設定できます。 多要素認証は、アカウントの不正アクセスを防ぐための基本的な対策として、多くのサービスで導入が進んでいます。設定は複雑な場合もありますが、セキュリティを高めるために、積極的に活用していくようにしましょう。
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ファイルに潜む影: 代替データストリームの脅威

皆さんのパソコンの中にあるファイルは、名前や内容といった情報を持っています。Windowsパソコンをお使いの場合、ファイルシステムとしては「NTFS」が使われていることが多いでしょう。このNTFSには、「代替データストリーム(ADS)」と呼ばれる機能が備わっています。 ADSとは、ファイルに本来のデータとは別に、追加のデータを隠せる機能です。例えるなら、普段私たちが目にするファイルの姿とは別に、秘密のポケットが隠されているようなものです。このポケットには、ファイルの所有者や作成日時といった情報が保存されていることもありますが、実は、悪意のある第三者がこのADSを悪用し、こっそりとデータを隠す場合があります。 近年、このADSを悪用したサイバー攻撃が増加しています。攻撃者は、一見無害に見えるファイルに、ADSを使って悪意のあるプログラムを埋め込むのです。そして、そのファイルを開いた途端、パソコンがウイルスに感染してしまったり、重要な情報が盗み出されてしまう危険があります。 ADS自体は、Windowsの便利な機能の一つですが、このように悪用される可能性も秘めていることを知っておく必要があります。
詐欺対策

短縮URLの注意点:手軽さの裏に潜む危険性

- 短縮されたインターネット上の住所 インターネット上の住所を示すURLは、ウェブサイトの場所を示すために欠かせないものです。しかし、その住所は時に非常に長く、複雑になってしまうことがあります。長いURLは、見た目が悪いだけでなく、メールやチャットで共有する際に扱いにくいという問題も抱えています。 そこで登場したのが、「短縮URL」です。短縮URLは、その名の通り、長いURLを短い文字列に変換したものです。これにより、見た目がすっきりするだけでなく、共有する際にも便利になります。 例えば、ソーシャルメディアに投稿する際に、長いURLをそのまま載せてしまうと、タイムライン上で他の投稿の邪魔になったり、見た目が悪くなったりすることがあります。しかし、短縮URLを使えば、短く分かりやすい形でURLを共有することができます。 短縮URLは、専用のサービスを利用することで簡単に作成することができます。これらのサービスは、元の長いURLを入力すると、自動的に短いURLを生成してくれます。また、URLをクリックすると、元の長いURLに自動的に転送されるため、利用者は意識することなく元のウェブサイトにアクセスすることができます。 短縮URLは、インターネット上で情報を共有する際に便利な反面、悪用される可能性もあることに注意が必要です。短縮URLをクリックする前に、それが信頼できるサービスのものであるか、怪しいものではないかを確認することが大切です。
マルウェア対策

ランサムウェアの脅威:断続的暗号化とは

近年、企業や組織にとって、機密情報や重要データを狙ったサイバー攻撃は、看過できない深刻な脅威となっています。なかでも、身代金要求型ウイルス、いわゆるランサムウェアによる攻撃は、その巧妙化が進んでおり、警戒が必要です。従来型のランサムウェアは、感染したコンピュータ内のファイルを丸ごと暗号化してしまうというものでした。しかし、最近では攻撃の手口がさらに進化しており、「断続的暗号化」と呼ばれる新たな手法が登場しています。 従来型の暗号化とは異なり、断続的暗号化は、ファイル全体ではなく、ファイルの一部分のみを暗号化するという特徴があります。一見すると奇妙な手法に思えるかもしれません。しかし、攻撃者にとっては、この手法には大きなメリットがあるのです。 断続的暗号化は、従来型の暗号化に比べて、暗号化にかかる時間や処理負荷を大幅に減らすことができます。これは、攻撃者にとって、より多くのファイルを、より短時間で暗号化できることを意味します。また、ファイルの一部のみが暗号化されるため、被害者はファイルが破損していることに気づきにくく、攻撃の発覚を遅らせることが可能になります。さらに、復号化の難易度を上げることで、身代金の支払いを迫ることもできます。 このように、断続的暗号化は、攻撃者にとって非常に有効な手段であるため、今後、この手法を用いたランサムウェアによる攻撃が増加することが予想されます。