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ソーシャルハッキング対策

情報漏えいの危険! トラッシングとは?

- トラッシングとはトラッシングとは、企業や個人から捨てられたゴミを漁ることで、機密情報を探し出す行為を指します。一見すると、ただの不要な紙くずや廃棄物にしか見えませんが、そこには思いもよらない情報が含まれている可能性があります。例えば、何気なく捨てられたメモ用紙に、住所や電話番号が走り書きされているかもしれません。また、シュレッダーにかけずに捨てられた書類には、氏名やクレジットカード番号の一部、取引先情報など、重要な情報が記載されている可能性があります。悪意のある人物は、このようにして入手した情報を悪用し、様々な犯罪行為を行います。例えば、入手した個人情報を使って、金融機関になりすまし、口座から預金を引き出すといった金銭的な被害を与えることがあります。また、企業から盗み出した顧客情報や機密情報を利用し、脅迫したり、競合他社に売却することで、企業活動に大きな損害を与えることもあります。トラッシングは、ソーシャルエンジニアリングという攻撃手法の一つとして知られています。ソーシャルエンジニアリングとは、人間の心理的な隙や行動の癖を利用して、情報を盗み出したり、不正な操作を行わせる攻撃手法です。トラッシングを行うことで、攻撃者は標的となる人物や組織に関する情報を効率的に収集し、より巧妙な攻撃を仕掛けることが可能となります。そのため、トラッシング対策として、個人情報や機密情報を含む書類は、シュレッダーで細かく裁断する、あるいは、燃えるゴミとして廃棄するなど、情報漏洩のリスクを最小限に抑えるように心がける必要があります。
ネットワークセキュリティ

ネットワークの要!トラフィックを理解する

インターネットやネットワークを利用する際、私たちは様々な情報をやり取りしています。この情報の流れを「通信量」と呼び、道路上の車の流れに例えることができます。道路を車が行き交うように、目には見えませんがネットワークという道の上でもデータが絶え間なく行き交っているのです。 私たちが普段何気なく行っているインターネット上の行動、例えばウェブサイトを閲覧したり、メールを送受信したり、動画を視聴したりする行為の一つ一つが、実はデータのやり取りを発生させています。これらのデータは通信量となって、ネットワークという広大な道路を流れ続けているのです。インターネットの利用者が増えれば増えるほど、通信量は増加し、ネットワーク上を流れるデータも大規模なものとなります。まるで交通量の多い道路のように、円滑な情報の流れを維持するためには、通信量を適切に管理することが重要となります。
データベースセキュリティ

Webシステムの要!トランザクションとは?

- トランザクションの定義コンピュータシステムにおいて、データを変更する操作をひとまとめにし、それらを不可分な一つの作業単位として扱う仕組みを「トランザクション」と呼びます。 特に、インターネット上で情報をやり取りするWebシステムにおいて、この概念は頻繁に利用されています。例えば、オンラインショッピングを例に考えてみましょう。商品を購入する際に、顧客はカートに入れた商品を注文し、支払い情報を入力します。そして、注文確定ボタンを押すと、在庫の確認、商品の確保、支払い処理、配送情報の登録など、様々な処理がシステムの裏側で行われます。これらの処理は、それぞれが独立した操作であり、仮に途中でエラーが発生した場合、データの不整合が生じる可能性があります。例えば、支払い処理が完了したにも関わらず、在庫の確保に失敗した場合、顧客は支払ったにも関わらず商品を受け取れないという事態が発生してしまうかもしれません。このような事態を防ぐために、トランザクションは「原子性」と呼ばれる重要な性質を持ちます。 原子性とは、複数の処理をまとめて一つの作業単位とし、全て成功するか、全て失敗するかのいずれかしか許容しないという性質です。つまり、トランザクションを利用することで、上記のようなオンラインショッピングの処理において、一部の処理が失敗した場合、全ての処理をなかったことにして元の状態に戻すことができます。これにより、データの整合性を保ち、システムの信頼性を向上させることができます。トランザクションは、Webシステム以外にも、銀行の預金管理システムなど、データの整合性が非常に重要なシステムにおいて広く利用されています。
ネットワークセキュリティ

ネットワークの要!トランスポート層を解説

- データの運び屋トランスポート層インターネットで情報をやり取りする際、データがどのようにして目的地まで届くのか、疑問に思ったことはありませんか? そんな疑問を解決するのが、ネットワークの縁の下の力持ち「トランスポート層」です。トランスポート層は、複数の階層構造を持つネットワークモデルにおいて、アプリケーション層とインターネット層の間に位置しています。例えるなら、宛先に荷物を届ける配送サービスのような役割を担っています。あなたがウェブサイトを閲覧する際、あなたが使っているブラウザなどのアプリケーションは、膨大な量のデータを要求します。この時、トランスポート層は、そのデータを小さなパケットと呼ばれる単位に分割し、宛先情報や順番などを付与します。丁度、荷物を配送しやすいように梱包し、送り状を貼り付けるようなものです。そして、インターネット層を経由して目的地に届いたパケットは、再びトランスポート層の働きによって元の順番に組み立てられ、アプリケーションに届けられます。このようにして、私たちはウェブサイトの情報をスムーズに閲覧できるのです。トランスポート層は、データの信頼性と効率性を確保するために、様々な機能を提供しています。データの誤りを検出して再送したり、通信の混雑状況に応じてデータの送信速度を調整したりすることで、私たちは安心してインターネットを利用することができるのです。
攻撃方法について知る

犯罪収益隠蔽に使われる「トルネードキャッシュ」とは

仮想通貨取引は、ブロックチェーンと呼ばれる技術を用いて記録されており、取引の透明性が高いという特徴があります。しかし、この透明性ゆえに、取引のプライバシーが課題となる場合があります。仮想通貨イーサリアムを用いた取引において、その記録を隠蔽し、匿名性を高める技術として「トルネードキャッシュ」が知られています。 トルネードキャッシュは、複数の取引を複雑に組み合わせることで、資金の出所と行き先を判別困難にする技術です。具体的には、利用者は、トルネードキャッシュに一定量のイーサリアムを送金します。この際、送金元と送金先のアドレスの関係は、トルネードキャッシュ内で複雑に交差され、追跡が困難になります。そして、利用者は、自分が指定した別のアドレスに、トルネードキャッシュからイーサリアムを受け取ることができます。この一連の過程を通じて、外部からは、どのイーサリアムが誰から誰に送金されたのか分からなくなります。 このように、トルネードキャッシュは、仮想通貨取引の匿名性を高め、プライバシー保護に貢献する技術として、注目を集めていました。しかし、その一方で、犯罪に悪用される可能性も懸念されています。例えば、犯罪によって得られた資金を洗浄する目的で、トルネードキャッシュが利用される可能性も考えられます。そのため、トルネードキャッシュの利用については、プライバシー保護と犯罪対策のバランスをどのように取るのかが、重要な課題となっています。
マルウェア対策

潜む脅威:トロイの木馬の危険性

インターネットが生活に欠かせないものとなった現代社会では、目に見えない脅威と隣り合わせの状況といえます。コンピュータウイルスや悪意のあるソフトウェアは、私たちの知らない間にパソコンやスマートフォンに侵入し、大切な情報を盗み出そうと企んでいます。中でも、「トロイの木馬」と呼ばれる攻撃手法は、その巧妙さから非常に危険視されています。 トロイの木馬は、ギリシャ神話に登場するトロイの木馬の逸話になぞらえて名付けられました。ギリシャ軍は、巨大な木馬をトロイへの贈り物と偽り、敵陣内に侵入することに成功しました。そして、夜陰に紛れて木馬から兵士たちが現れ、トロイを陥落させたのです。 同様に、コンピュータの世界におけるトロイの木馬も、一見すると便利なソフトウェアやゲーム、魅力的な画像や動画ファイルなど、無害なものに偽装して私たちを欺きます。そして、ダウンロードや実行をきっかけに、まるで密航者のようにコンピュータシステムの深部に侵入します。 一度侵入を許してしまうと、パソコンやスマートフォンの動作が不安定になったり、個人情報やパスワードが盗み取られたりする危険性があります。さらに、トロイの木馬は他のウイルスを呼び込んだり、感染したコンピュータを乗っ取って犯罪に利用したりと、その被害は計り知れません。
攻撃方法について知る

見えない脅威:ドッペルゲンガー・ドメインにご注意を

インターネットの世界では、たった一文字の違いが、全く別の場所に繋がる可能性があります。これは住所の番地を間違えるような単純なミスではなく、悪意を持った者が仕掛ける巧妙な罠である場合もあります。例えば、本物のサイトそっくりに作られた「ドッペルゲンガー・ドメイン」と呼ばれる偽サイトが存在します。これは、アドレスバーに入力する際に、アルファベットの一文字を別の文字に置き換えたり、追加したり、削除したりすることで、利用者を騙そうとします。 例えば、「example.com」という実在するサイトのアドレスを、「exarnple.com」のように「m」と「n」を入れ替えただけの偽サイトが存在する可能性があります。他にも、「example.com」を「exarnplee.com」のように「e」を一つ追加しただけの偽サイトも考えられます。このような、非常によく似たアドレスは、一見しただけでは判別が難しく、利用者は知らず知らずのうちに偽サイトにアクセスしてしまう可能性があります。 偽サイトにアクセスしてしまうと、IDやパスワード、クレジットカード情報などの重要な個人情報を盗み取られたり、ウイルスに感染させられたりする危険性があります。インターネットを利用する際は、アドレスバーに入力するアドレスに間違いがないか、今一度注意深く確認することが重要です。
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ドメイン乗っ取り攻撃からWebサイトを守る

- ドメイン乗っ取り攻撃とはドメイン乗っ取り攻撃とは、本来はドメインの管理権限を持たない攻撃者が、不正な手段を用いてその権限を奪い取ってしまうサイバー攻撃です。これは、例えば、インターネット上の住所にあたるDNS設定を改ざんしたり、使われなくなって久しいサブドメインを悪用したりするなど、様々な方法で行われます。もしも攻撃者がドメインの管理権限を奪ってしまうと、そのドメインに紐づけられたウェブサイトを自由に操作できるようになってしまいます。ウェブサイトにアクセスしてきた利用者を、見た目はそっくりに作られた偽のウェブサイトへ誘導し、パスワードやクレジットカード情報などの重要な個人情報を盗み取ったり、ウイルスを仕込んだファイルをダウンロードさせたりすることが可能になります。さらに、ドメイン乗っ取り攻撃によって、企業の信用を失墜させてしまう危険性も孕んでいます。偽のウェブサイトを通じて誤った情報が発信されたり、攻撃者に成りすまして取引先へ偽のメールが送信されたりすることで、企業は大きな損害を被る可能性があります。ドメイン乗っ取り攻撃から身を守るためには、複雑なパスワードを設定することや、二段階認証を導入するなど、ドメイン管理者アカウントのセキュリティ対策を強化することが重要です。また、ドメイン登録情報やDNS設定を定期的に確認し、不審な点がないかを確認することも有効な対策です。
ネットワークセキュリティ

組織の要!ドメインコントローラとそのセキュリティ対策

- ドメインコントローラとは ドメインコントローラは、Windows Server環境において、組織内のコンピュータやユーザーを一元管理するための重要なサーバーです。 例えるなら、企業という大きな建物を管理する「管理室」のような役割を果たします。 従業員が出入りする際に、IDカードを使って本人確認を行い、入室できる部屋を制限したり、利用できる機器を決めたりする、といったセキュリティ管理を想像してみてください。 ドメインコントローラは、まさにWindowsネットワーク上で、これと同様の役割を担っています。 具体的には、ユーザーがコンピュータにログインする際の認証や、ファイルやフォルダへのアクセス権の管理、組織全体のセキュリティポリシーの適用などを行います。 これらの情報は「Active Directory」と呼ばれるデータベースに格納され、ドメインコントローラによって管理されます。 ドメインコントローラは、組織内の情報セキュリティを守る上で、非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。
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見えない脅威:ドメインシャドーイングの危険性

- ドメインシャドーイングとはドメインシャドーイングは、インターネット上の住所ともいえるドメインを不正に利用した攻撃手法です。攻撃者は、正規のウェブサイトが持つドメインの一部を密かに借り受け、悪意のあるウェブサイトを構築します。例えるなら、正規のウェブサイトという大きな建物の影に、こっそりと小さな小屋を建てるようなものです。この小屋は、一見すると大きな建物の一部のように見えるため、非常に発見しにくく、利用者を騙すのに最適な場所となります。この小屋、つまり悪意のあるウェブサイトは、正規のウェブサイトと瓜二つに作られていることが多く、利用者は自分がだまされていることに全く気が付きません。そして、偽のログイン画面に誘導されてIDやパスワードを盗まれたり、ウイルスを仕込まれたソフトウェアをダウンロードさせられたりするのです。ドメインシャドーイングは、その隠密性の高さから、近年被害が急増しています。正規のウェブサイトと見分けがつかない場合も多いので、利用者はアクセスする際には、アドレスをよく確認するなど、十分な注意が必要です。
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見えない脅威:ドメインハイジャッキングとは

- ドメインハイジャッキングの概要インターネットの世界では、ウェブサイトにはそれぞれ住所のようなものがあり、これをドメインと呼びます。ドメインハイジャッキングとは、このドメインを、本来の持ち主が気づかないうちに不正に奪い取ってしまう悪質な行為です。ウェブサイトを閲覧する際に、アドレスバーにURLを入力しますよね?ドメインハイジャッキングの被害に遭うと、正しいURLを入力したつもりでも、いつの間にか偽物のウェブサイトへ誘導されてしまうことがあります。そして、偽サイトでログイン情報やクレジットカード番号、住所などの個人情報を入力してしまうと、攻撃者の手に渡り悪用されてしまう危険性があります。ドメインハイジャッキングは、主にドメインの管理を代行しているサービスへの不正アクセスや、管理者のメールアカウントが乗っ取られることで発生します。攻撃者は、ドメインの管理情報を書き換え、ウェブサイトの表示内容を変えたり、全く別のウェブサイトに転送したりします。自分のウェブサイトがドメインハイジャッキングの被害に遭わないためには、ドメイン管理サービスのアカウント情報を複雑なものにする、二段階認証を設定するなど、セキュリティ対策を強化することが重要です。また、身に覚えのないメールや請求書が届いた場合は、安易にリンクをクリックしたり、個人情報を入力したりせず、まずは公式サイトで情報を確認するようにしましょう。ドメインハイジャッキングは、企業だけでなく、個人にとっても大きな被害をもたらす可能性があります。インターネットを利用する際は、常にセキュリティ意識を持ち、安全にウェブサイトを閲覧することが大切です。
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ドメインパーキング:その仕組みと危険性

- ドメインパーキングとはウェブサイトの住所となるドメインは、取得してもすぐにウェブサイトを立ち上げるとは限りません。取得したものの、しばらくの間使用しないドメインを有効活用する方法の一つとして、「ドメインパーキング」というサービスがあります。ドメインパーキングとは、簡単に言うと、まだ本格的なウェブサイトを構築していないドメインを、一時的に「駐車場」に停めておくようなイメージのサービスです。この「駐車場」には、あらかじめ広告が設置されており、ドメインパーキングを利用することで、そのドメインにアクセスしてきたユーザーに広告が表示されるようになります。そして、広告が表示されたり、広告がクリックされたりすると、その収益の一部がドメインの保有者に還元されるという仕組みです。ドメインパーキングは、まだウェブサイトを公開する予定のないドメインを有効活用し、収益化できるという点で大きなメリットがあります。また、将来的にウェブサイトを開設するまでの間、ドメインを維持管理する役割も担っています。一方で、ドメインパーキングによって表示される広告が、必ずしもユーザーにとって有益な情報であるとは限りません。そのため、ユーザー体験の観点から見ると、マイナスになる可能性も考慮する必要があります。
マルウェア対策

ドメイン生成アルゴリズム:マルウェアの巧妙な隠蔽術

コンピュータウイルスなどの悪意のあるプログラムは、単独で動くことは少なく、外部のサーバーと連携して、より巧妙な攻撃や情報搾取を行います。この外部サーバーは、まるで司令塔のように、ウイルスに指示を出したり、盗み出した情報を集めたりします。この司令塔の役割を果たすサーバーを「C2サーバー」と呼びます。 ウイルスは、C2サーバーと情報をやり取りすることで、常に最新の攻撃方法を手に入れたり、盗んだ情報を送り届けたりすることができます。例えるなら、ウイルスは偵察部隊、C2サーバーは司令部のような関係です。偵察部隊は、司令部からの指示を受けて行動し、得た情報を司令部に報告します。 ウイルスは、C2サーバーとの通信を隠すために、様々な工夫を凝らしています。例えば、一見すると普通のウェブサイトへのアクセスに見せかけたり、暗号化された通信を使ったりします。そのため、ウイルス感染を検知したり、C2サーバーを発見したりすることは非常に困難です。 ウイルス感染を防ぐためには、セキュリティソフトを最新の状態に保つ、不審なメールやウェブサイトを開かないなど、基本的な対策を徹底することが重要です。
攻撃方法について知る

知らずに感染?ドライブバイダウンロードの脅威

- ドライブバイダウンロードとはインターネットを閲覧中に、まるで通りすがりに犯罪に巻き込まれるかのように、知らない間に危険なプログラムを仕込まれてしまう攻撃があります。これが「ドライブバイダウンロード」です。ウェブサイトに潜む罠ドライブバイダウンロードでは、攻撃者は罠をしかけたウェブサイトを用意します。このサイトには、一見すると普通のページに見せかけた悪意のあるプログラムが隠されています。ユーザーがうっかりそのページにアクセスしてしまうと、プログラムが自動的に作動し、端末に侵入を試みます。気づかぬうちに感染この攻撃の恐ろしい点は、ユーザーが何も操作しなくても、ただウェブサイトを閲覧しただけで感染してしまう可能性があることです。そのため、自分が攻撃を受けていることに気づかないまま、パソコンやスマートフォンなどの端末がウイルスに感染してしまいます。危険から身を守るにはこのような危険から身を守るためには、セキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つことが重要です。また、怪しいウェブサイトにはアクセスしない、不審なファイルはダウンロードしないなど、日頃から注意を払うことが大切です。
組織・期間

サイバー防衛の最前線:ドリームポートとは

- ドリームポートの概要ドリームポートは、アメリカ合衆国メリーランド州コロンビアに設立された、最先端の技術を駆使したサイバーセキュリティの研究開発拠点です。この施設は、民間非営利団体MISIによって運営されており、アメリカ合衆国のサイバー防衛を担うサイバー軍との緊密な協力体制のもと、官民一体となってサイバーセキュリティ対策の強化に取り組むことを目的としています。ドリームポートには、政府機関、民間企業、学術機関といった様々な組織から専門家が集結し、日々変化するサイバー脅威に対抗するための研究開発や人材育成、情報共有などが活的に行われています。最新の技術や知識を結集することで、実践的な解決策を生み出し、国内外のサイバー空間の安全確保に貢献することが期待されています。ドリームポートは、単なる研究施設ではなく、産官学が連携してサイバーセキュリティの課題に取り組むためのハブとしての役割も担っています。様々な立場の人々が集まり、互いの知識や経験を共有することで、より効果的な対策を生み出すとともに、次世代のサイバーセキュリティ専門家の育成にも力を入れています。
マルウェア対策

暗号資産窃盗の罠!ドレイナーにご用心

近年、投資先として注目を集める暗号資産ですが、その人気を裏付けるように、窃盗の手口も巧妙化しています。中でも、"ドレイナー"と呼ばれる悪質なプログラムを用いた犯罪が急増しており、大きな問題となっています。 ドレイナーは、利用者を欺いて暗号資産を盗み出すための、言わば罠のようなものです。具体的には、正規の取引サイトやアプリになりすました偽のウェブサイトやアプリを介して、利用者のコンピュータやスマートフォンに侵入します。そして、利用者が偽サイトで暗号資産の送金を行うと、その瞬間にドレイナーが送金先を書き換え、盗み出すのです。 このドレイナーの特徴は、その巧妙さにあります。一見しただけでは正規のサイトやアプリと見分けがつかず、セキュリティ対策ソフトでも検知が難しい場合があるため、高度な注意が必要です。暗号資産取引を行う際は、必ず公式のウェブサイトやアプリを利用すること、また、不審なリンクをクリックしたり、身に覚えのないアプリをダウンロードしたりしないように心がけましょう。
マルウェア対策

潜む脅威:ドロッパー型マルウェアの危険性

- ドロッパーとは一見、害のない普通のプログラムのように見せかけて、その実態は、悪意のあるプログラムを巧妙に隠し持つものが「ドロッパー」です。まるで、密輸者が違法な品物を隠すように、悪意のあるプログラムをシステム深くに送り込むことから、その名が付けられました。ドロッパー自身は、直接的に悪事を働くわけではありません。そのため、セキュリティソフトのチェックをかいくぐり、システムに侵入してしまうことが少なくありません。そして、侵入に成功すると、その腹の中に潜ませていた悪意のあるプログラムをひっそりとシステム内に解き放ちます。これが「投下」と呼ばれるゆえんです。セキュリティソフトの目を欺き、ユーザーに気づかれることなく、こっそりと悪意のあるプログラムを送り込むドロッパーは、まさにサイバー攻撃の尖兵と言えるでしょう。一見無害に見せかけるその手口は、非常に巧妙であり、システムに侵入されてしまうと、情報漏洩やシステムの破壊など、深刻な被害に繋がる可能性があります。ドロッパーの脅威から身を守るためには、セキュリティソフトを最新の状態に保つことはもちろんのこと、怪しいプログラムはむやみに実行しない、信頼できる提供元以外のソフトウェアはインストールしないなど、日頃からのセキュリティ意識を高めることが重要です。
セキュリティ評価

Webサイトの安全を守る!動的診断のススメ

インターネット上で私たちが目にするウェブページには、大きく分けて二つの種類が存在します。一つは、いつ見ても表示内容が変わらないページです。例えば、企業のホームページで、会社概要や事業内容などが掲載されているページを思い浮かべてみてください。これらの情報は基本的に変更されることがないため、何度訪れても全く同じ内容が表示されます。このような、常に固定された情報を表示するページのことを「静的ページ」と呼びます。 一方、アクセスする度に表示内容が変化するページもあります。身近な例としては、ニュースサイトのトップページが挙げられます。トップページには常に最新のニュースが掲載されるため、先ほど見た時と比べて記事のが変わっている、という経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。このように、閲覧する状況や時間帯によって表示内容が変わるページのことを「動的ページ」と呼びます。動的ページでは、ブログの記事一覧や、通販サイトの商品検索結果、SNSのタイムラインなど、閲覧者の行動や状況に合わせて変化する最新の情報が表示されます。
攻撃方法について知る

システム権限を乗っ取る!? 特権昇格攻撃の脅威

- 特権昇格とはコンピュータシステムは、利用者の権限に応じて、アクセスできる情報や実行できる操作を制限しています。これは、重要なデータや機能を不正アクセスから守るための基本的な仕組みです。しかし、攻撃者はこの仕組みの隙を突いて、本来持つべきではない高い権限を不正に取得しようとします。これを -特権昇格攻撃- と呼びます。特権昇格攻撃が成功すると、攻撃者はシステム管理者(管理者)と同等の権限を手にし、システムを完全に支配下に置くことが可能になります。これは、機密情報の窃取、データの改ざん、システムの破壊など、様々な脅威に繋がるため、非常に危険です。例えば、あるシステムに侵入した攻撃者が、一般ユーザーの権限しか持っていなかったとします。この状態では、閲覧できる情報や実行できる操作は限られています。しかし、システムの脆弱性を突くなどして特権昇格に成功すると、管理者だけがアクセスできる機密情報を見たり、システム設定を変更したりすることが可能になります。特権昇格攻撃を防ぐためには、システムの脆弱性を解消するためのソフトウェアの更新や、適切なアクセス権の設定など、多層的なセキュリティ対策が必要です。また、利用者は不審なメールやウェブサイトにアクセスしない、怪しいソフトウェアをインストールしないなど、基本的なセキュリティ対策を徹底することが重要です。
ネットワークセキュリティ

セキュリティ対策の効率化を実現するUTMとは?

- 統合脅威管理とは 企業の情報システムを取り巻く脅威は、日々巧妙化しており、従来型のセキュリティ対策だけでは、全ての脅威に対処することが困難になりつつあります。このような背景から、複数のセキュリティ機能を統合し、包括的な防御体制を構築する「統合脅威管理(UTMUnified Threat Management)」が注目されています。 従来、企業では、不正アクセスを防ぐファイアウォール、コンピュータウイルスを検知・駆除するアンチウイルスソフト、ネットワーク上の怪しい動きを検知する侵入検知システムなど、それぞれの脅威に対応するセキュリティ対策を個別に導入していました。しかし、この方法では、システムが複雑化し、管理コストや運用負荷が増大するという課題がありました。 UTMは、これらのセキュリティ機能を一つの装置に集約することで、システムの簡素化、管理コストの削減、運用負荷の軽減を実現します。UTMは、企業ネットワークの入り口に設置され、外部からの脅威を阻止する役割を担います。具体的には、ファイアウォールによる不正アクセス遮断、アンチウイルスによるウイルス検知・駆除、侵入検知システムによる不審な通信の検知、Webフィルタリングによる有害サイトへのアクセス制限、VPNによる安全な通信環境の構築など、多層的な防御によって、企業の重要な情報資産を外部からの脅威から守ります。
セキュリティ評価

アプリケーションのセキュリティ対策:DASTとは?

- はじめに昨今、インターネットの普及に伴い、Webアプリケーションやモバイルアプリケーションなど、ソフトウェアは私たちの生活に欠かせないものとなっています。このような状況下、ソフトウェアの開発現場では、利便性や機能性だけでなく、悪意のある攻撃者からシステムや利用者の情報資産を守るためのセキュリティ対策がますます重要になっています。セキュリティ対策には、システム開発後に行うものもありますが、開発段階から脆弱性を作り込まない対策も重要です。開発段階におけるセキュリティ対策の一つに、「動的アプリケーションセキュリティテスト(DAST)」があります。DASTは、完成に近い状態のアプリケーションに対して疑似的な攻撃を実施し、脆弱性の有無を検査する手法です。従来のセキュリティ対策では、開発の終盤やリリース後にセキュリティ専門家による検査が行われることが多かったのですが、開発段階でDASTを実施することで、早期に脆弱性を発見し、修正することが可能となります。これにより、開発コストの削減や、より安全なソフトウェアの提供に繋がります。今回は、DASTの概要や実施するメリット、具体的な手法などについて詳しく解説していきます。
マルウェア対策

動き出す脅威: 動的解析でマルウェアを解剖する

- 動的解析とは動的解析は、実際にプログラムを動かしてその動作を観察し、仕組みや安全性を分析する方法です。これは、設計図を読むようにプログラムのコードを直接解析する静的解析とは異なり、プログラムを実際に動作させることで得られる情報をもとに解析を行います。例えば、セキュリティの分野では、悪意のあるプログラムであるマルウェアの解析によく利用されます。マルウェアを隔離された環境で実際に動作させることで、どのような情報を盗み取ろうとするのか、他のプログラムにどのような影響を与えるのかといった具体的な振る舞いを把握することができます。動的解析の利点は、実際にプログラムが動作する様子を観察できるため、静的解析では発見できない問題点や脆弱性を発見できる可能性がある点です。また、プログラムのコードを変更することなく解析できるため、解析対象のプログラムに影響を与えないというメリットもあります。一方、動的解析は、プログラムのすべての動作を観察できるわけではないという制限があります。プログラムの動作環境や入力値によって振る舞いが変わる場合があり、すべてのパターンを網羅的に確認することは困難です。このように、動的解析と静的解析はそれぞれに利点と欠点があります。そのため、両者を組み合わせることで、より効果的にプログラムを分析することができます。